二次創作小説(新・総合)

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.310 )
日時: 2022/07/19 08:20
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

【『』・『』・『』・『』】
「魔トリョーシカとダリアの日記」

〇月
私はドーラ君を見て論文を書いた。
変異型マガイモノは再生能力を繰り返すと、自身の設定を失いやがて自分自身すら消えてしまう可能性がある………と

元々設定をグチャグチャにするマガイモノ成分が体に適応する条件は分かっていないし、彼らもかなりアンバランスな構成となっている。

現状、ドーラ君以外に似た症状が起こった人物は居ないので思い過ごしかもしれないのだが………


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〇月
今日の依頼はお宝の防衛
すっかり忘れていたが、キスキルとリィラは元々怪盗なので先に盗ませてマッチポンプで元に戻しておいた。

その道中何回もリィラが危険な目にあった、怪盗ボディは滅多に使わないから作らなくていいとダリアは言うが、あるに越したことはない。

………最近嘔吐が多い、黒い液体と共に石ころが吹き出すようになった。

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△月

遂にアーツが使えなくなってきた、もはやドーラ君は武器の力を引き出すことは出来ないだろう、魔法も時期に使えなくなる。

………もう、見ているだけで私は嫌になる。

あれから設定消失のピークは強く、早まるばかりだ。

彼女が解決した依頼、合計4490個のうち『カーレッジ・フレイン』に携わっていたものはたった一つ、あの時だけ。

もし、たくっちスノー君達が当事者なら無意味ではない事だったかもしれなくても、彼女は違う、『カーレッジ』に辿り着けなければ意味が無い。


………まさか、まさか本当に、彼女は、このまま

やめよう、こんな事考えるのは、私らしくない。


…………私はただ居場所が欲しかっただけだ。

それは帽子世界だったり、時空企業だったり、人形しかない変なギルドだっただけだ。

それがなんで、数少ない………これ以上描いてるとドーラ君に怒られる、やめておこう

△月

今日はある設備の解体をしていたら、あやうく閉じ込められかけた。

ボクは不死だから問題ないが、ダリアはそうもいかないので身代わりになった。

殻で巨大化して脱出したけど、殻のボクがなんか気に入らない顔つきだったので二度とやらないことにした。

…………どうしてダリアは、あんなに悲しそうな顔をしていたんだろう。


×月

気分転換に散歩に行ったら、久しぶりにたくっちスノー君とヨウコ君に会った。

そういえば私も暫く、依頼人以外と人と話していなかった。

………思えば、あの頃から『始まっていた』のだろう。
流石に親子関係とは言わずとも、製造した存在に愛着を持っていたのは向こうのドーラ君を見て明らかだ。

たくっちスノー君はあの時強く言ったことを少し後悔していた……彼も本質は幼児なんだ、無理もない。


それでも私は彼らに今のドーラ君の状況を伝えられなかった。

もし伝えたら、彼女は引っ張りだされて目的を果たせなくなるから?

………いや、単なる私のエゴだ、もし、設定から記憶も無くなって、彼らまで忘れてしまったら………




私は最低だ、散々言われてきた言葉なのに、自分で自分を責めるのがこんなに酷だと思わなかった。

今度はラヴィ君に会いに行ってメンタルケアをしてもらおう。


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×月

なんだか体が軋むようにだるい、悔しいことにボク自身は簡単な雑用しか出来なくなってしまった。

そういえばメンバーって何人いたっけ、ボク、七夜、雉野…sonic.…あと、あと……


まあいい、足りないなら増やせばいいのだから。

メンバーで思い出したが、いつの間にかドドーとナラオイアが、消えていた、いつの間にか鎖を破ってどこかへ逃げていた……

最近、カップ麺をこっそり食べてるせいか脂肪がついてきた、ダリアには言えないな。


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…………

【中身は、白紙となっている。】


……

今日はダリアは気分が悪くて日記を書きたくないと言っていた、まぁボクもココ最近はうっかり日記を描き忘れていたのだが。

最近夜寝ると事故に遭う夢ばかり見る、危険な依頼ばかり受けてきたせいで影響してきたのだろうか?

………『カーペンターズ』から電話があった。
杜王町とやらに里帰りしたら色々あったらしく、暫くスポンサーとして手助けできないと言っていた。

資金繰りに困った………とりあえず、部屋に売れそうな物が大量に残っていたので暫くはそれを換金して生活することになりそうだ。

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〇月

どうも妙な感覚に襲われる

交換したはずのペットボトルはもう空になってるし、見覚えのない人形が転がっている

ダリアが慌てて色々話していたが、さっぱり言ってることがよく分からなかった。

そんなことよりもボクは依頼を果たさなくてはならない、カーレッジ・フレインに会うため

カーレッジ・フレインを倒すため………倒す、何としても。

それがボクの使命だから。

………何の為?一瞬そう考えたが、気にしないことにした。

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〇月

最近はどうも神経質になり、些細な変化でも気にするようになって行った。

ちょっと彼女が話しているだけで、一人称が『オレ』になったような気がして………


彼女は気付いていない、いや……忘れているのだが、もう管理人としての力は殆どない。

そして相変わらず誰かの役には立っているが、カーレッジへの手がかりはない。

…………そして、遂に私の中で予期していた最悪の事態が訪れた。


ドーラ君はこれで喜怒哀楽を失い、能力を失い、肉体まで安定しなくなり……

………設定消失が、記憶にまで、及び始めた。






馬鹿、馬鹿か、君は


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『』月


魔トリョーシカ
「ダリア」

ダリア
「………なんだい?」

魔トリョーシカ
「大丈夫かい?」

ダリア
「キミよりは………ちゃんとしているさ」

魔トリョーシカ
「頼むよほんと、バディがそんな調子じゃ所長として不安になるんだけど」

ダリア
「はっ、バディかい……私も大それた存在になったものだ、他の皆はどうした?」

魔トリョーシカ
「他の皆?何言ってるんだい」




魔トリョーシカ
【ボク達はもう長い事、2人で活動していたじゃないか】

………


ダリア
「……………おかしいだろ?」

魔トリョーシカ
「え?」

ダリア
「なんで、なんでまだ私のことを覚えているんだ、ここじゃ、会うのが遅かったのに。」


【その時が来たら、ボク、君に看取られたいって思っちゃったな】

ダリア
「まさか、本当に………」

魔トリョーシカ
「…………ダリア、ボクは今どんな状況だ?カーレッジには近づいてきた?」


ダリア
「…………ショコラ。」


魔トリョーシカ
「え?」


ダリア
「ショコラだよ、分かるか?」

ダリア
「…………君の大事なもの」



魔トリョーシカ
「んー………なにそれ、変なの」



ダリア
「………」


……………

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馬鹿、馬鹿、ドーラくんのバカ

どうして君は諦めてくれなかったんだ。

感情も、能力も、顔も体つきも無くなって

自分が『』であった事も忘れて

…………自分の行動原理だった、最愛の妹の存在まで忘れた癖に。



何、目の前の最低な私の事はしっかり覚えてるんだよ、キミは。

………




【あと1回】


恐らくあと1回、少しでも成分を摘出すれば完全にドーラくんの設定はなくなり………ドーラ君という存在は死ぬ。




我々はどこで間違えた?どこかでパラレルワールドでも踏んでしまったのか?


何故、私は優れた技術を持つ科学者なのに止められなかったんだ?



………


6000個目の依頼が、来た。


本来なら、断るべきなんだろう………でも、私は出た


ダリア
「………要件は?」


【ここでする事なんて、依頼しか無いだろう】

ダリア
「依頼?今我々は出来ることも少ないんだ、他所でやってくれ」


【大したことじゃない、ちょっとそちらに出向くだけでいい】

ダリア
「ここに来るだけ……?なるべくこういうのは裂けたいんだが………」




ダリア
「……………お前は誰だ?」



【お前が求めているものだよ、もう充分だと思ってね】


ダリア
「…………お前は!!」




【我が名は】


【カーレッジ・フレイン。】



特別編 おしまい。