二次創作小説(新・総合)

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.72 )
日時: 2022/03/30 06:45
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

【依頼6】
『デッド・パペット・マリオネット』

魔トリョーシカ
「うーん………」

七夜
「どうしたんだ?所長」

魔トリョーシカ
「ちょっと前にギルドの偵察してたんだけどねぇ……なんかこう、ペットとか置いときたいなって」

七夜
「ペットぉ〜?そりゃ俺は構わねぇけど何買うんだ?」

魔トリョーシカ
「いや既に買ってはいるんだよ、餌とかどうすればいいんだろうって」

七夜
「そういうのは全員で相談すりゃいいだろ?」


七夜
「………で、何買ったの?」


魔トリョーシカ
「これ」

魔トリョーシカは大きなサメの入った水槽を見せる

魔トリョーシカ
暴鮫アバレサメ魔獣ガブリエル」

七夜
「オイオイオイオイオイオイ」

七夜
「星のカービィのすっげーマイナーなボスゥー!!」

魔トリョーシカ
「やっぱり正義の悪役っていう反骨精神らしさを出すならサメぐらい泳がせておかないとって思って」

七夜
「だからって魔獣出します!?そいつたまにジャンプして陸地とか出るぞ!?」

魔トリョーシカ
「餌どうしよっか 」

七夜
「俺は餌にならないからな!?」

「すいませんそろそろいいですか?」


魔トリョーシカ
「あっゴメン」


………

今回の依頼人…それは、一同から見れば逃走中等でよく知り合う【月詠】であった。

月詠
「まさか人知れずこんなことをしていたなんて」

月詠
「それにしても………たくっちスノーは居ないんですか?」

魔トリョーシカ
「リアルワールドのメイドウィンにマガイモノ王国の王にクロノス社」

魔トリョーシカ
「やれるなら行きたいとは言ってたけどこれ以上は時間の方が足りなくなるそうでね」

ネズミの神さま
「本音は?」

魔トリョーシカ
「たくっちスノーが出てきちゃボクが主人公になれないじゃないか」


月詠
「…………それで、依頼なんですけど、実は………」


月詠
「ある、心霊スポットに行ってもらいたくて」

ユージン
「また心霊スポットか……つってもあの村ももう何週間も前か」

魔トリョーシカ
「歳を取らないと時間感覚が変になっちゃって参るね」

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.73 )
日時: 2022/03/30 06:49
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

月詠
「実は、これは元々私が頼まれていた事なんですが……私の知り合いのプーペという方に人形屋敷の捜索を……」

月詠
「その屋敷というのが行方不明者が多くて………プーペの妹もそうなんだとかわ」

月詠
「でもほら、私ってホラー系無理なんですよ」

Sonic.exe
「でもお前、凶悪な俺の顔みても平気じゃないか」

月詠
「貴方はなんというか、慣れました。」

レオン
「らしいぞMX」

MX
「ヤッフウウウウウウ!!!」

月詠
「うおっ」

Sonic.exe
「依頼人ビビらせてどうする!!!」バコーン

レオン
「なんか俺最近吹っ飛ばされてばかりじゃね!?」

カーム
「自業自得だろ」


MX
「……………」

月詠
「あっびっくりした………なんですかその図体のデカいマリオ」

Sonic.exe
「最近知り合った」

サビィ
「で、そのプーペってやつはどうした?」

月詠
「手がかりがあるから連絡無くなったら捜索してくれと一方的に言われてそれっきりです」

魔トリョーシカ
「それが無理だからボクらにも手伝って欲しいとね。」

月詠
「なんかこう最初は行く気は無かったんですよ、さっきも言ったけど怖いの無理だしやる気なかったし警察とかに任せようかと思ったんですけど気が変わったんです」

月詠
「それがこの………プーペの残した手がかりなんですよ」

月詠は紙を2枚見せる………人形や、メモのようなものが見える

月詠
「私に送られてきた写メをプリントしたものなんですけど」

犬塚
「ハッ、どうやらその人形屋敷とやらの1部らしいな」

カーム
「名前通り本当に人形が多いな……」

ヒルデ
「これがどうかしました?」

月詠
「この人形達のうちの、ドレス着ている物があるじゃないですか」

月詠
「これ、私の世界で突然失踪したアイドルによく似ているんですよ」

魔トリョーシカ
「………え?キミの世界で?」

月詠
「逃げたとかじゃなくて、本当にスっと」

七夜
「……時空犯罪者の可能性があるって訳か」

チドリ
「その方、もしかしなければ〇〇という方ではありませんか」

月詠
「え?どうしてそれを?」

チドリ
「何を隠そう、私とMr.ショータイム様もその件は深く関わっています」



チドリ
「Mr.ショータイム様がそのアイドルライブの最前席に立ち、まさに舐めまわすように絶対領域を眺めておりましたので」

七夜
「パンツ覗こうとしてんじゃねーよエロジジイ!!」バコーン

Mr.ショータイム
「SIT……」ガシッ

七夜
「受け止めやがった………俺のハンドレットインパクト………」

マルス
「待ちたまえ!なんかそれは個人的に簡単に止めてはいけない気がするのだが!?」

チドリ
「突然姿を無くしたというのは間違った表現ではありません、実際に私が確認しました」

月詠
「……で、そういうこともあり、副人格からココに頼ってみればと言われてここに」

レオン
「そういやお前副人格とか居たな」

月詠
「一応ピンチになると出てくるんですけど、貴方達とそばに居るとそんな状況滅多にありませんので」

サビィ
「メイドウィンでマガイモノのピンチの時点で中々ハードル高いっすからね………」

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.74 )
日時: 2022/03/30 06:51
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

ネズミの神さま
「そういえばもう一個の手がかりって何?」

月詠
「このメモなんですけど」

レオン
「何語だこれ………」

魔トリョーシカ
「Dieser Ort ist verrückt, jemand muss mir helfen, schnell bitte。」

魔トリョーシカ
「ドイツ語だね、意訳するとココは恐ろしいところだから一刻も早く助けてくれって事だよ」

レザード
「要するにホラーゲームやってると必ず1枚は置いてあるアレか、じゃあそんな気にしなくてもいいな」

月詠
「ちょっと」

…………

そして、人形屋敷のすぐ近くまで降り立った

七夜
「もしかしたら他の人形も誰かに似てるってことがあるかもしれねぇ、行方不明者も出ている以上念入りに調べるぞ」

魔トリョーシカ
「ショータイムさんはスケッチをお願いね」

チドリ
「その程度の事は私が……」

Mrショータイム
「……………」

チドリ
「…………要らぬ気遣いでしたか、申し訳ございません」


月詠
「その……捜索の手伝いですけど、行方不明者の発見とかは無理にやらなくても結構ですよ、もしかしたらぐらいの心構えで」

レザード
「いつもそれくらいの心構えなら楽だったんだがなー」

魔トリョーシカ
「こらこら、さて………人形の体のボクが人形屋敷とはね、楽しみだ」

………


魔トリョーシカ
「中は思ったより綺麗だな」

サビィ
「お、おいもう帰ろうぜ………」

レオン
「そのセリフはもっと後だ」

サビィ
「あれそうだったっけ?」

月詠
「変なこと言ってないで先進んでください」


………

レザード
「しかし人形屋敷と言うだけあって人形ばかりだな」

Mrショータイム
「………」シュバババババババ

Sonic.exe
「凄い勢いでスケッチされていくが………どうだ?他に知ってそうなやつは居るか?」

月詠
「まだ何とも………」

Mr.ショータイム
「………」シュバババババババ

Mr.ショータイム
「…………」チラッ

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.75 )
日時: 2022/03/30 06:55
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

サビィ
「しかし、こんなにも沢山の人形………主はどんな奴なんすかね?」

魔トリョーシカ
「案外、ボクみたいな奴だったりしてね」

Sonic.exe
「………?」

ネズミの神さま
「どうしたのexe」

Sonic.exe
「一瞬だが小さな物陰が見えたような気がしてな」

ネズミの神さま
「へぇ……」

ユージン
「そういやヒルデ……なんで人形持ってきてんだよ」

ヒルデ
「綺麗だし持って帰ったら高く売れ………もしかしたら行方不明者の手がかりになるかもしれないじゃないですか!」

レオン
「ほんとブレねーなお前」

と、人形屋敷中を動き回っていると、先行して行動していたチドリとMrショータイムが戻ってくる

魔トリョーシカ
「どうだった?」

チドリ
「キスキル・リィラにスケッチを全て見せデータを取った所、全ての人形がこの屋敷の失踪者と98.9%の確率で類似している事が分かりました」

七夜
「それって例のアイドル以外にもか………人形の数は?」

チドリ
「およそ59体。」

月詠
「その中に………あのメモにあったアイドルっぽいのはあります?」

チドリ
「はい、こちらに」

…………
メモにあった人形のある場所に向かうと………

Mrショータイム
「………」

Mrショータイムがそこかしこを確n


七夜
「いい加減にしろよジジイ!!!!」バコーン

Mrショータイム
「………」ガシッ

Mrショータイム
「………」ボソボソ

チドリ
「『君は女性フィギュアを買ったら下を覗いたりしないのか、健全な着せ替えゲームでも1度全て脱がしたりしないのか、これは男性なら当たり前の反応である』と………」

七夜
「最低なこと通訳通して話してんじゃねぇ!いいんだよチドリ嫌なら言わなくても!!」

チドリ
「心配は無用です、嫌ではないので」


レオン
「…………」

ユージン
「…………」

サビィ
「…………」

七夜
「何お前らもちょっとアイツの言うこと同意してるみたいな面してんの?心当たりでもあんの?」

魔トリョーシカ
「へー、キミは違うんだ」

七夜
「俺は男も女も普通に接するからな」

月詠
(それって異性的な事に何の関心も無いってこと……?)

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.76 )
日時: 2022/03/30 06:59
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

………

魔トリョーシカ
「それで、これが例のアイドル人形?」

月詠
「はい、これで間違いないかと」

カーム
「…………ただ、アイドルに似ているだけで関連性は分からないからな」

魔トリョーシカ
「まぁ怪しい訳ではある、持ち帰って確認はしてみようか」

Sonic.exe
「マガイモノ王国やハグレ王国にはオカルトに詳しい奴も結構いる、そういう奴に見せれば何か分かるかもしれないな。」

魔トリョーシカ
「とりあえず最初の目的は達成、次は………プーペの妹探しだね」

魔トリョーシカ
「というよりは、ボクからしたらこっちの方が大事まである」


魔トリョーシカ
「妹までそっくりな人形とかあったら洒落にならないからね?分かってるよねん?」

七夜
(相変わらずのシスコンっぷりだな……)

ネズミの神さま
「その妹ってどんな人なの?」

月詠
「さぁ……私もその時初めて知ったのでなんとも」

月詠
「プーペは確か20代近くと言ってたから、結構若いとは思うけど……」

レオン
「20なんて騙る奴の常用句だろ、50代近くでもハタチを自称するダサい仮面の男とか知ってるぞ」

月詠
「それは騙り過ぎ………プーペの場合は本当に20代近くで間違いないと思うから」

ユージン
「チドリ、それっぽい人形はあったか?」

チドリ
「…………」

スターアベネス
「そもそも人形で年代を判別しろってのも無茶な話だけどな」

七夜
「………何お前ら、何想像してんの?」

サビィ
「いやー、ホラー的なメタ思考なんだけど」

サビィ
「魔法使い的な何かによって人々を人形に変えて云々って事かと思いまして」

サビィ
「てか、俺だったらそうしてるっす」

サビィ
「だって皆行方不明者に似てるんでしょ?」

レオン
「あのな、人形はキルマークの証明かもしれないだろ?」

レオン
「殺した証としてそれを模した人形を作るサイコ殺人鬼の線も有り得るぞ」

Sonic.exe
「………仮にどちらの線も有り得たとしてそれを警戒心ナシでウロウロしてきたのか俺達は」

Sonic.exe
「………だが俺たち以外に何か居ない訳でもない、人陰らしきものはあった」

Sonic.exe
「というか………今もあるな」

「「「!!?」」」

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.77 )
日時: 2022/03/30 07:02
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

レオン
「なんでそういうのは先に言わねーんだよ!!」

Sonic.exe
「すまん……あまりにも小さいのでネズミかと思ってな」

月詠
「………これ、もし何かあったらどうするんですか?」

魔トリョーシカ
「最悪屋敷を焼き払うことも考えてある………けど」

ドスン!ドスン!ドスン!

魔トリョーシカ
「どう?マルスさん」

マルス
【やはりダメだ!キミの想定通り扉が壊れなくなった!念の為壁も殴ってみるとしよう!】

月詠
「やはりって……?」

魔トリョーシカ
「螢火村の前例があるからね、やっぱり閉じ込められると思った」

魔トリョーシカ
「幸いなことに今回は室内だから、本当にやばかったら焼き払ってしまえる」

レザード
「待てや!!そりゃお前らはマガイモノとメイドウィンだから死なねーが、1部メンバーはどうするんだ!?」

魔トリョーシカ
「大丈夫大丈夫、それもしっかり考えてあるから。」


………

ヒルデ
「よいしょよいしょ………」

ユージン
「いい加減人形集めるのやめろよ………ほら、こぼれてるぞ」

ヒルデ
「え?零れないようにしていたのですが」


ヒルデ
「……………」チラッ


ヒルデの袋から人形が飛び出して、逃げていく

ヒルデ
「動いた!!?」

ユージン
「人形が勝手に逃げたぞ!!」


スターアベネス
「人形が勝手に逃げた!?」

猿渡
「人影ってのはアレのことか!」

魔トリョーシカ
「っ!!」

魔トリョーシカが手を伸ばすと指からピアノ線が伸びて、人形に巻き付ける!

犬塚
「お前そんなことも出来るのか………」

魔トリョーシカ
「これでも元は『玩具の世界の管理人』だったからね。」

魔トリョーシカ
「この動く人形に全てを聞いてみよう」

七夜
「人形に聞けるのか?」

魔トリョーシカ
「既にこの子はボクのあやつり人形だ、人形自身に意思があろうと、魂が拒否してもボクに逆らうことは出来ない」


魔トリョーシカ
「さぁ、全てを話してもらおうか」


月詠
「……………!!」



この時、月詠は気付いてしまった


だが、今気づいた事がバレたらやばい気がするので必死に忘れた。



………

そこからはもう早かった。

人形を通して逆腹話術のように魔トリョーシカから語られていたのは

この人形達は全て元々人間であったこと。

プーペに妹なんていないこと。

自分は若さを求めて自ら人形になったこと


そして………それは悪魔の仕業であったこと。


まるでゲームのスキップ機能のようにスラスラと明らかになって言った


魔トリョーシカ
「ボク人形が大好きなんだよねー、こうやって自由にコントロール出来るから」

月詠
「………なんだろう、情報量が津波レベルなんですけど」

魔トリョーシカ
「まぁまぁいいじゃないか、それでその悪魔っていうのは?」


人形
「………ァ、ァ、ァ。」


人形
「プーペ………」

月詠
「プーペ………ああ、プーペかぁ」

魔トリョーシカ
「驚かないの?」

月詠
「メイドウィンって異種族を沢山見ることになるので、人目見るだけで『あっコイツ人間じゃないわ』ってなるんですよ」

月詠
「人間じゃない程度しか分かってませんでしたが、悪魔とはね………」

Sonic.exe
「………いや、それはまずくないか?」

Sonic.exe
「これまでの事を見るに、この屋敷はどう見てもプーペの罠じゃないか」

ネズミの神さま
「そうね………多分プーペもどこかにいるだろうし、妹も嘘っぽいし」

魔トリョーシカ
「妹が居ないと分かった以上ここに長居する理由もないね」

魔トリョーシカ
「よし、やっぱり燃やすか!」

レザード
「いや、だから」

魔トリョーシカ
「いいからいいから、ちゃんと助かるから」


…………
一方外では、待機していたMXが命令を待っていた


魔トリョーシカ
【………おまたせ、MX】

MX
「!」

魔トリョーシカ
【命令だ、全て燃やせ】


MX
「ヤッフウウウウウウ!!!」



MXは、マリオを騙る為に作られた存在だ。

マリオが出来ることをMXは出来る


そう。



ファイアボールさえも。

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.78 )
日時: 2022/03/30 16:23
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

MXの巨大な腕から放たれるファイアボールは、瞬く間に人形屋敷を火だるまに変えて行った。

マルス
「うーーん、すごい燃えているが……彼女達は大丈夫だろうか?」


と、その時だった。

バキッ!バキバキッ!

魔トリョーシカ
「んっ…………」


人形屋敷の屋根を突き破って、超巨大な魔トリョーシカが姿を現した


………

魔トリョーシカ
「ボクの全身は絶望をエネルギーに構築される『殻』をマトリョーシカのように何重に重ねている」

魔トリョーシカ
「上から更に重ねていって巨大化すれば、中に入ってる殻との隙間に人だって入れられる」

魔トリョーシカ
「皆は無事だよ、ボクの殻の中だ」

マルス
「おお!………それでどうだった?」

魔トリョーシカ
「それが………」


…………

マルス
「フム……それでは行方不明者は……」

魔トリョーシカ
「残念だけどこのメンバーじゃどうしようもならないね、プーペの奴殺した上で人形に移植していたみたいなんだ」

魔トリョーシカ
「いくらボクでも死人を治すすべはない」

魔トリョーシカ
「だからせめて、この炎と共に供養してやるしかない………」

MX
「…………」


マルス
「………ところで、そのプーペとやらは?」

魔トリョーシカ
「さっきから闇の反応は追ってるけど徐々に小さくなってる、衰弱しているかもしれないからほっといていいよ」


魔トリョーシカ
「さて、そろそろ殻を解こう」


…………
魔トリョーシカ
「うーーーーん、やっぱり全員で活動すると凄い疲れるなぁ」

Sonic.exe
「お前は何もしてないだろ」

魔トリョーシカ
「それもそうだけどさ」

ネズミの神さま
「あちっ!あっつ………なんで私が潜らないといけないの………」

Sonic.exe
「どうだった?」

ネズミの神さま
「焼け跡は【一つだけ】ね、もしかしたらプーペのものかもしれないけど………」

月詠
「………こんな結果になりましたが、依頼は依頼なので」

と、その時




永久
【待った、月詠】

永久
【まだ気になることがある、報酬を渡すのはその後にしろ】

月詠
(え?分かった)

月詠
「すみません、報酬はもう少し後でいいですか?」

魔トリョーシカ
「いいよ、準備が出来たら連絡を入れて」


………
こうして依頼は終わったが、永久にはまだ引っかかるものがあった。

先程までの月詠が見た違和感………そして………


月詠の副人格である永久は月詠の体を借りてたくっちスノーの世界に降り立っていた

永久
「………お、ここが立崎家とやらだな」

月詠
(永久どうしたんですか、気になることって )

永久
「今にわかる」

ピンポーン

七夜
「はい………て、アンタがこの世界に居るなんて珍しいな」

永久
「と言っても『月詠』じゃないけどな、ちょっとお前に聞きたいことがある」


永久
「【正義の悪役】についてだが」


七夜
「…………は?正義の悪役?」


七夜
「それってたくっちスノーが名乗ってるやつか?」

月詠
(え?)

永久
「じゃあ質問を変える、お前バイトとかしてるか?」

七夜
「いやしてねぇな、資格勉強ばっかりしてるからな」

…………




月詠
【永久、これはどういう事!?だってさっき】

永久
【………冷静に考えてみろ月詠、正義の悪役のメンバーを】

月詠
【正義の悪役のメンバー…… >>1が何か?】


永久
【正義の悪役は毎日毎日雑用の依頼に追われてるような所だ】

月詠
【だからたくっちスノーさんもやるには時間が足りないからって所属していない】

永久
【他のメンバーだってそうだろ?】

月詠
【あ!!】

冷静に考えるとそうだ、ユージンとヒルデは少年サンダーの漫画家、カメレオントリオ……特にレオンは裏の情報屋かつ別の企業の社員、猿渡は大地主。

ミスターショータイムとチドリは………よく分からないが、とても【普通の人間】ではない。

レザードと犬塚は指名手配中の時空犯罪者(犬塚は冤罪)で、マルスはスーパーヒーロー。

スターアベネスは基本ジルトー博士のラボから出てこないし、Sonic.exeに至ってはマガイモノ屋という全く別のギルドに所属している。


永久
【雑用みたいな事は毎日毎日受けてられないほど忙しい連中がアソコにはゴロゴロいる、『正義の悪役』の立崎七夜とあの立崎七夜は全くの別だ。】

月詠
【でも、どうしてそんな事が急に分かって……】

永久
【お前だって気付いたが本能で瞬時に忘れただろ、俺はしっかり覚えていたが】


永久
【魔トリョーシカが人形を操るために指から伸ばしたピアノ線………】

【あれは『1本』じゃなかったろ?】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

正義の悪役は、まだ昼間だと言うのに休業中の看板を出していた。


魔トリョーシカ
「うーんしんどいしんどい………咄嗟だったとはいえやり過ぎたな……」

魔トリョーシカ
「マガイモノでも疲れるんだねー……たくっちスノーと雪が異常なのかな」

魔トリョーシカ
「皆もゆっくり休みなよ……じゃ、おやすみ」

魔トリョーシカはソファで仮眠を取り、指にかかっていたピアノ線を『全て』切断する。




正義の悪役、元ヴィラン、経歴に問題があるヒーロー、ダークヒーロー達が集まるアウトローなギルド


……というのは、全くの嘘。


元々人造人間を作ることを目指していた彼女が特定の人物そっくりの人形を作ることなど動作もないし

玩具の管理人の力でそれらを数人まとめて意思があるようにコントロールすることも可能であった。


………実際は魔トリョーシカ1人によるワンマン経営であることはあまり知られていない。

こうして仕事中は常に賑やかだった正義の悪役事務所は瞬く間に静かになり。

水槽のガブリエルのみが何事もなくばしゃばしゃと泳いでいたのであった。


【依頼その6】
【complete】