二次創作小説(新・総合)

Re: 戦士たちの愉快な日々2 ( No.225 )
日時: 2022/06/27 06:11
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第128話「2人の決意 後編」

【戦艦ハルバード 心臓部】

ピカーン………

???「…駄目だよ、2人共………」
???「………。うっ………」

この暖かい光、ケアルガだわ。
でも、こんな優しい光を放つ人なんて他にはいない筈。
それでも私は自分の目を疑いながらも、ゆっくり……ゆっくりと目を開ける。
触手に絡まれてる私たちを助けたのは、水色のワンピースを着ている黒髪ロングの女性だった。
夢でも見てるのかな、それとも本物かしら。

???「ティナちゃん……そしてボルトくん。その先は言わないで置こうと思ったんだけど、やっぱり今の内に言って置くね!」
ティナ「……。あなたは、もしかしてリノアちゃん?」
リノア「うん。久し振りだね、ティナちゃん!」
うずまきボルト「……。何だろう……、ヒナタおばさんと同じ力を感じるこの気配は……」
リノア「君たちが危ないって事はず〜っと前から聞いていたんだ。でも……、もう大丈夫だよ!」
ティナ「………。駄目、もっと……もっとリノアちゃんとお話したかった!!」
リノア「ううん、もう良いんだ……」
ティナ「えっ……?!」
リノア「今まで隠しててごめんね…。君たち2人を助けるにはもう……、この方法しかなかったんだ! 大丈夫…。彼やわたしがいなくなっても、ティナちゃんたちや他の皆の事はちゃんと……。ちゃんと遠い場所からしっかりと見てるからね!!」
2人共『………ッ!!!』

すると、さっきまで私たちを捕らえていた触手は彼女の放ったメルトンに依り……全ての体力を0にされた。
そのかたわらにいるモフモフとした黒い番犬・アンジェロは私たちの頬を優しく舐めているにも関わらず、リノアちゃんはこの場で魔女の力を覚醒し始めてしまったの。
それを初めから分かっていたように、少し遅れて来たガンブレードの使い手を……私は知っていた。
きっと彼も最期の力を振り絞って、この一撃に掛けるつもりなんだね!

ひょいっ

???「こうなったらもう間に合わない。ボルトにティナ、今すぐ此処を離れるぞ!」
うずまきボルト「……ッ!! ちょっ……、おい……ッ! イカダ……?!」
ティナ「どうして……?! 駄目よ、2人を助けに戻らなきゃ!」
???「いいえ。これは彼らが私たちの為に決めた事なの、悔しいけどもう……誰にも止められないのよ!!」
ティナ「そんな……。嫌……、嫌だよ……。スコール……、リノアちゃん………!!!」
スコール「………。ティナ………」
ティナ「………ッ!!!」
スコール「……。最期にアンタとこうして会えて良かった、だから……此処は俺たちを信じて。あんたたちには俺たちの分まで……前に進んで欲しい…」
ティナ「………。スコール………」
スコール「……。今の内だイカダにマァム! 俺とリノアに構わず、ティナたちを連れてハルバードから脱出してくれ!!」
船戸イカダ「ああっ!!」
マァム「分かったわ。さあティナ、今すぐこの戦艦から離れるわよ!!」

………それでも納得出来ずに暴れ続ける私を、アンジェロは落ち着かせるように吠え続けた。
これは自分のご主人様たちなりの気遣いだから、分かって上げてと言ってるように……吠え続けたの。
私たちは結局マァムちゃんたちに背負われながら、遅れて到着したユライシャ号の中に乗って……かなりの猛スピードでその場から離れて行ったの。
もう……あの戦艦内には2人しかいなくて、それを全て分かっていたかのように…….…メタナイトは私たちより先に動いていたんだわ。

【ユライシャ号 甲板】

ピュンピュンピュンピュンピュン………

ティナ「…………」
マァム「…………。ティナ………」
ティナ「…………。嘘だよね……、こんなの……こんなのって絶対に嘘だよね……?!」
マァム「……………」
ティナ「……? どうしたの、マァムちゃん……」
マァム「…。ねぇ、ティナ……」
ティナ「……。何……?」

BGM設定:クロノ・トリガーより夜の底にて

マァム「…。残念だけど……、これ自体は嘘偽うそいつわりその物でもないんだわ……」
ティナ「………。スコール……、リノアちゃん………」
マァム「………ッ!!!」
???「さあティナ様。此処にいては風邪を引いてしまいます、暖かいお部屋に行きましょう……」
ティナ「……。分かったわ……、行きましょう? ゴカイ……」
マァム「………」
ゴカイ「……。さあ……、マァム様も我々と一緒に行きましょう……」
マァム「…。先に戻ってて、今はこんな顔だから離れる事は出来ないの……」
ゴカイ「しかし……、マァム様……」
マァム「お願い……。暫くは……、そっとしといて欲しいの……」
???「……………。マァム………」
ゴカイ「……。分かりました……、後はお任せ願えますか? 勇者ダイ様……」
ダイ「ああ……。俺とマァムも気が済むまで此処にいたいからさ、2人はこの先にある部屋で先に休んでいてくれないかな……?」
ゴカイ「……。分かりました、そうさせて頂きます!!」
ダイ「…………」

どうして……、どうしてもっと早くに打ち明けてくれなかったの。
ヒュンケルもクロコダインも……、スコールたちがこうなる事を最初から知っていたんだったら……先に言ってくれても良かったじゃないか。
畜生……、畜生……ッ!!!
こんな最期ってアリなの……、今までこんなやり方ってなかった筈だよね……。
ゴカイの前では気が済むまで此処にいるって言っちゃったけど、やっぱり肌寒はだざむいなぁ〜……。
少しずつプルプルと震えていると分かった途端、気が付いたら俺は優しく抱き締められていた事に感知したんだ。
何だろう……、このやり方ってかなり前にレオナと似たような感覚がよみがえって来るんだけど。
それでも……、この感覚の持ち主は俺を抱き締めたまま静かに泣いていたんだ。
もう良いんだよマァム……、今は俺が君の側にずっといるからさ……2人で一緒に気が済むまで泣き続けようか!!

129話に続きます。

はい、今回はあの2人の決意を3回に分けて描かせて頂きました。
えっと……、描写の方なんですけど。
分かりづらいとは思いますが、前半はティナ……後半からはマァム&ダイ描写になっていますのでご了承下さい。
前編では、こうなる事は既に……別サイドの誰かが悟っている回がメインになりましたけど。
その後の中編では、ヒュンケル&クロコダインの2人が明かしてくれましたよね。
そして今回描いたこの後編では、当の本人たちに行動して頂きました。

このような鬱展開は、過去の作品に描いたエアリスの過去の倍以上に辛いエピソードになっていると作者的には考えています。
前回描いた中編ではヒュンダイがメイン回でしたけど、最新話である後編ではダイマがメインになりました。
中編と同じように、読者の皆様には沢山泣いて頂けると作者としては少しだけホッとします。

これでは立ち直る所か、かなり体力を消耗してしまい……作者のお気に入りキャラのCP(カップル)でもあるダイ&マァムの両名が立ち上がらなくなりそうなオチになってしまうかも知れませんね。
その時点は大丈夫です、次の回ではお互いの親友・相棒組が大活躍する回にしようと考えていますので……もう暫くお待ち下さい。

それでは、次の更新まで気長に待っていて下さい。
今作に関する感想・アドバイスなど、いつでもOKですよ♪