二次創作小説(新・総合)

Re: 戦士たちの愉快な日々2 ( No.262 )
日時: 2022/07/03 05:45
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第142話「逃げ出したピカチュウ 前編」

【パラディアの世界 アルドール 王の間】

???「…………」

いったい、僕とルッカのいる世界で何があったのかな。
今の所ヘス王・ラスウェルの話に依ると、復活した道化師ケフカはある勇敢な女武闘家の大活躍によって倒されたみたいだけど。
それでも彼女は新たな力を伝授したのに、その力自体をコントロール出来なかったみたい。
だからと言って、今は安心しては駄目な気がするよ。

しゅうぅぅぅん……

???「クロノよ。お前に話したい事がある」
クロノ「ミストバーン……」
???「……。我々が得て来たであろう''その話''とは良い方の話ではない、悪い話の方なのだ!」
クロノ「…。ひとまず会議室に行こう、話はそれからだよ」
バーン「うむっ!!」
ミストバーン「はっ!!」

そうだ、かつての頃は大魔王バーンやミストバーンたちも僕たちにとっては倒さなければいけない敵その物だった。
そんな彼らを倒した人たちこそ、勇者ダイ一行である。
それでも僕にはそんな恐ろしい事は聞けず、今は別の事で頭を抱えているんだ。
一緒にいる筈のキルバーンとアラウミは今、ルッカの所でゆっくりしているからね。

【会議室】

???「クロノ殿下。君なら必ず来てくれるのを僕たちはずっと待っていたんだよ。」
クロノ「シュウ……、それにレイ!!」
レイ「ミストバーン。まさかとは思うけど。まだ話していないの? あの例の出来事を彼に」
ミストバーン「話せる訳がなかろう。クロノもクロノでやるべき事が山程あるんだ!」
シュウ「そうだよね。それに僕たちが見た限りだと。此処にいるクロノはすっかり、このアルドールの王様になっているからね」
ミストバーン「貴様。それ以上この国の殿下であるクロノを馬鹿にすると、私は容赦しないぞ!!」
シュウ「別に。僕はそこまで否定してるつもりはないのに、どうしてそんな酷い言い方をするの? ミストバーン」
ミストバーン「ぐっ……。きっ………、貴様ーーーー!!」
レイ「うるさいな。そろそろ静かにしてくれないかい。今クロノ殿下は俺たちに何かを伝えようとしているからね。」
ミストバーン「……………」
シュウ「うん。それもそうだね。」
クロノ「…………」

確かにミストバーンの言う通り、僕には僕にしか出来ない事があってそれ所じゃなかった。
以前と少し前まで此処の玉座にいた前殿下・レインには、どうしても果たさなきゃ行けない約束があったんだ。
それは……、グランシェルトにいた頃から兄弟のように過ごして来た現在のヘス王・ラスウェルや最初に出会った仲間・フィーナと3人で旅をする事だった。
戦いを無事に終えたら、彼ら3人はいつものように宛のない旅を続ける事が1番大切な約束に繋がっているんだよね。

バァァン………

???「たっ………! 大変です、クロノ殿下」
クロノ「ツェザール。一体何があったって言うの?」
ツェザール「はっ。ラピスの地方にて……各自の場所にカオス軍が現れたとの報告が入りました!!」
ミストバーン「何っ!!」
バーン「それでツェザールよ。何とか防いでいる街や村はいくつかあるのかな?」
ツェザール「はい。現にオルデリオン出身の最高軍師・ニコルを始め、幾多のレジスタンスの活躍により……一部の村や街は何とか死守しましたが……グランシェルトのみ敗れてしまったそうです……」

ばんっ

ミストバーン「クロノよ、一度落ち着くのだ!」
クロノ「大丈夫。だから何も心配はしないで、ミストバーン」
ミストバーン「………。クロノ………」
クロノ「それでツェザール。君から聞いた報告を僕なりに分かりやすく纏めると、今そのグランシェルトにはレインとフィーナがいる筈なんだよね?」
ツェザール「はいっ……。幸い王妃様であるフィーナ様はご無事らしいですが、現グランシェルトの王であるレイン殿下がかなりのダメージを受けてしまったそうです……」
シュウ「ちょっと待って。じゃあ、その王国その物を襲撃した黒幕がもしかすると?!」
ツェザール「…。報告に依ると、そのグランシェルト王国を襲撃した真の黒幕こそが……暗黒魔道士・エクスデスとの事だそうだ……」
クロノ「…………」
シュウ「クロノ……?」
クロノ「……。レイン……、どうして君はいつもいつもそんな無茶な事ばかりするの……」
ミストバーン「…………」
シュウ「かなり動揺しているね。このままだと報告会は継続出来そうにないよ」
レイ「そうだな。悪いけどシュウ、この場は任せてくれるかい?」
シュウ「別にいいけど。レイは一体何をするつもりなの?」
レイ「俺1人でクロノ殿下を休ませて来る。知っては行けない情報が一気に増えたお陰で。パニックになっている可能性がかなり高いからね。」
シュウ「待ってよレイ、それなら僕も一緒に行くよ」
レイ「駄目だ。それにシュウ、お前なら分かるだろ?」
シュウ「なっ、何が?」
レイ「俺たちはどんな時でも。この''戦士たちの愉快な日々2''の世界で出会った沢山の奴らをこれ以上危険な目に遭わせない為に、俺たち''最期の足掻き''メンバーがこうして一緒にいるんだ」
シュウ「確かにそれはそうかも知れないけど。だからって僕も見逃せないよ、レイ」
レイ「頼むよシュウ。今は出来るだけの範囲で構わないから。俺1人にコイツの事を任せて欲しい。」
シュウ「………。レイ………」

本当は僕だって、今のレイ程じゃないけど助けたい人たちがいるのはよく分かるよ。
でも僕は……、此処にいるレイみたいに強くはないのは間違ってはいないけど。
もしも……、もしもクロノを介抱している間にレイの身に何かあったら……僕は一体どうしたらいいのかな。
あの時ピカチュウが落とし穴に落ちてしまった時だって、結局僕は助けに戻らず……他の仲間に託すしか出来なかった。
僕を守り通す為に1人で抱え込むレイの姿を、僕はこれ以上見たくないんだよ!!

143話に続きます。

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