二次創作小説(新・総合)
- Re: とある旅の記録 【メイドウィン小説外伝】 ( No.23 )
- 日時: 2024/02/14 19:29
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
【番外編・バレンタインデー】
月詠「こんにちはー、出勤遅れてすみません」
フィリップ「あぁ、こんにちは」
亜希子「お昼過ぎるって連絡あったから大丈夫よー」
月詠「それなら良かったですが……あれはどうしたんです?」
うわぁ…と言いたげな表情で月詠が指差した先。
そこにはなにやら地味に落ち込んでいる翔太郎がいた。
亜希子「あー……今日ってバレンタインでしょ?いつもなら風都イレギュラーズのクイーンとエリザベスから、義理チョコとはいえ確定でもらえてたけど…」
フィリップ「今日はどちらも忙しいらしくてね。今年の分渡せそうにないかもって連絡が来たんだよ」
月詠「なるほどね…」
月詠「まぁ、ちょうどいいや。義理チョコでも女子力高そうなの渡されてたら困るし……皆さんに配りますね」
亜希子「え、あ、プチタルト!?」
翔太郎「………これ手作りか…?」
月詠「うん。カスタードクリームと生チョコの二層構造にして、上にナッツ乗せました」
フィリップ「へぇ…透明なラッピングだからか中身が見やすいね。でも、何で亜希ちゃんは二袋なんだい?」
月詠「 「奥さんにいつもお世話になってます」という気持ちで…旦那さんに渡しといてください」
亜希子「分かった!ねね、月詠さんって本命チョコ渡す相手とかいるの?私は今夜、竜くんに渡すんだー」
月詠「本命…って言われると違いますが、私も今夜に渡す相手はいますね」
- Re: とある旅の記録 【メイドウィン小説外伝】 ( No.24 )
- 日時: 2024/02/14 19:38
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
───夜。
翔太郎から借り、今は拠点かつ住居となっている部屋で先程、体の主導権を渡されたばかりの永久は苦笑する。
手紙とと共にテーブルの上に置かれ、皿に乗せられているのはサイズが4号のチョコカスタードタルトだ。
永久「毎年、忙しかったり眠りに就いてなかったら必ず渡すとか律儀だな…」
皿の下敷きになるように置かれた手紙を手にし、内容を読む。
いつもならば、「今年もお世話になります」という言葉のみが書かれているのだが。
永久「「今年は市販品の組み合わせだけど手作りに挑戦しました」、か……だから今年は共有しない時間が長かったのか」
納得しながら月詠の記憶を探る。
諦めているのか、それとも開き直ったのか。
自分の前にあるタルトを作る記憶がすぐに見つかった。
翔太郎達に渡したプチタルトも、この4号のタルトも最初は同じものを作る計画だったらしい。
下の方が普通のカスタードクリーム、上がチョコカスタードクリームにしかったようだ。
途中まで順調だったのか、全部のタルトに下層部分のカスタードクリームを入れることが出来た。
しかし永久へのタルトを作ったところで、溶かしたチョコを混ぜたカスタードクリームが無くなってしまったらしい。
上層部分を慌ててチョコを牛乳と混ぜて溶かしたものに変更し、急いで買ってきたナッツを砕いてトッピングして誤魔化したのだった。
永久「左達に渡したのも美味そうなんだけどな…あ、わりと美味い」
記憶を覗きながら持ってきた包丁で切り分け。
タルトを食べつつ永久は呟いた。
end