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【Ａの邂逅／偶然は必然】





月詠「マジであったよ、クリーンメモリ…」

永久（なんとなく思い出して探したら、マジであるとはな…）

月詠（あの時は適当に嘘ついてましたからね…）

永久（けどドーパントメモリか…）

月詠（壊しますかぁ、何のメモリ使おうかな）


見つけたドーパントメモリ……クリーンメモリをビニール袋に入れ、口の部分を結ぶ月詠。
壊した時に飛び散らないようにだろうが、破片などで袋が破ける気がする。


月詠（メタルにでもしますかぁ、握り壊せなくても踏み壊せばよくなるし）

『メタル！』

『メタル、マキシマムドライブ！』




ぐちゃっ



　

月詠「ただいまー」

亜希子「おかえりなさーい、ちょうどいいタイミングだね」

月詠「ん？」

永久（ちょうどいい？）

翔太郎「あ、月詠帰ってきたのか」

「……なるほど、彼女が…」

翔太郎「照井、彼女が助手の月詠だ。で、月詠、こいつが…」

月詠「照井竜さんですね、亜希子の旦那さん」

月詠「んで、仮面ライダーアクセル」

照井「そこまで知っているのか」

月詠「別世界のあなたにはお世話になってますからね。改めて時空の旅人として異世界から来て、この世界を拠点にしつつ活動してるマガイモノの月詠です」

照井「…………は？」

永久（まぁ、この反応にもなるわな）

亜希子「まぁ、そうなるよねぇ」

フィリップ「説明したらどうだい？」

月詠「そうですよねぇ…めんどくさいけど」

永久（本音出てるぞ）


月詠は説明する。
世界と時空がいくつかあり異世界から来たこと、マガイモノであること、ガイアメモリで体の一部などを変えられることなど…。
メイドウィンや永久のことは一言も出さずに。


月詠「あ、そうだ。翔太郎達に言い忘れてたというか、思い出したことなんですけど、目的は自分の強化のために時空の旅人やってるんですよ」

フィリップ「そうなのかい？」

月詠「かなりぼんやりとしたものですがね」

照井「…何故ガイアメモリを持っている。それに…」

月詠「時空のインフラ化が進んだ時に作るように言われ、危険物取扱者資格を持ってるんですよ。これがそれです」

照井「ちょっと待て、体から出なかったか今？」

翔太郎「照井、慣れろ」

亜希子「私達、何回か似た光景見ちゃってるからなぁ…」

永久（遠い目をしている…）

月詠「マガイモノってぶっちゃけると、インクみたいな真っ黒な液体が生き物の姿した種族ですからねぇ」

月詠「私は成るタイプのマガイモノで、詳しくは言えないけどマガイモノ成分をぶち込まれ、なろうとすることで適合してたことで今の状態になりました」

月詠「だからこうやって体内にガイアメモリ入れて持ち歩いてるんですよね、資格のやつも一緒に」

フィリップ「前からの疑問だけど、何で体内に？」

月詠「持ち運びと取り出しが楽なんで…」

翔太郎「……今思い出したんだが、ここに連れてきた時にお前、ガイアメモリ使って見せたことあったろ」

月詠「ありましたね」

翔太郎「その時に使っていたバードメモリは、形状から考えるとＴ２ガイアメモリだった。どこで手に入れた？」

月詠「あー………」

永久（逆に今まで忘れてたのか…）

月詠「マガイモノになる前の話なんですが、『私』って元々は風を操る力を持っていたんですよ」

亜希子「えっ!?」

フィリップ「それは初耳だけど」

月詠「初めて言いましたからね。んで、ある人にマガイモノにされたんですけど、その時に風を操る力が失われまして。生体コネクタが左手の甲に刻まれたのをきっかけに、風の記憶を持つサイクロンメモリを入れて擬似的に力を取り戻してるんです」

月詠「ちなみにＴ２なのは、単純に私の実家とも言える世界にいる奴で仮面ライダーのアイテムを完全に複製出来るのがいて、よく考えたらＴ２ガイアメモリ二つずつあっても困るからってくれました。作ったのもサイクロンメモリだけとか言ってました」

照井「逆に何で既に一つあって、Ｔ２サイクロンメモリをもう一つ作ったんだ…」

月詠「私の世界、色々あって死者だったけど生き返った人とかいまして……その中に大道克己率いるNEVERもいますね。ちなみに言いますけどうちの世界の大道克己、諸事情で胃痛持ち苦労人なんで許して」

翔太郎「何があった」

照井「どうしてそうなった」

フィリップ「色々気になるんだけど」

月詠「マジで諸事情なんでやめてください。Ｔ２ガイアメモリが既に一つある理由が、さっきの大道克己なんですよ」

亜希子「あの、そもそも何でサイクロンメモリもう一つ作ったの、その人は？」

月詠「分からない……作った日、徹夜で五徹いってたって聞いてるから、それが理由だと思うんだけど…」

亜希子「絶対それが理由だよね？」

永久（正直、俺も五徹したのが理由だと確信してる）

月詠「で、内緒にはしてたんですが私って他の世界で何回か逃走中や戦闘中に参加してたんです、基本的に知り合いがいる逃走中ばかりですが」

翔太郎「え、そんなの見たことないが」

月詠「だってこの世界、時空に進出というか情報入るようになったのも、お金もジーカへの切り替えも最近だからそんなこと知らないでしょうよ」

月詠「時間の流れというか速度も時空の中でも遅い方だし」

月詠「話が逸れてる自覚はあるけど必要だから言うんですんが、まぁその逃走中や戦闘中って襲撃されたり戦うことになったりがあるんですよ。参加した逃走中の一つに、とあるアイドルが狙われたこと（※）があって戦う時に知り合いの一人が私に渡してくれたんですよ、他のメモリを」
※メタルメイドウィン様著「MM逃走中 これがワタシのやりたいこと」の話

月詠「まぁ、Ｔ２ガイアメモリは力が強いし、毒素や精神汚染が完全にないとは言い切れないし、諸々で意識とかが乗っ取られないとは限りませんが……それでも危険物取扱者資格を持っている以上、自分以外にこのガイアメモリを渡さないですし使わせませんよ」

永久（もし、使わせることがあったとしたら、それはこの世界の住人であり仮面ライダーのこいつらにしか渡せないし使わせられない。俺達はこの世界では部外者だから）

永久（それに渡すとしたら、あの時、変身までしていた左にだけだと考えているからな。適合していると分かっているし…）

月詠（あの時、翔太郎のロストドライバー破壊したりＴ２ジョーカーメモリ奪いましたよね？）

永久（それは言うな）

翔太郎「そこまで考えてるならまぁ、いいのか…？」

月詠「私がガイアメモリ使っても精神汚染されてないんで、それも理由にありますがね」

照井「さっき異世界から来たと言っていたが、他にはどんな世界があるんだ？」

フィリップ「僕も亜希ちゃんも同じことを聞いたことあるけど、結構驚くよ」

亜希子「世界って広いんだって思ったくらいね…」

月詠「こっちで言うゲームやアニメ、ドラマ、漫画、小説とかの世界が普通にありますよ。なんなら、私の世界じゃこの世界は「仮面ライダーＷ」ってタイトルでテレビになってましたし」

照井「は？」

翔太郎「マジだぞ」

フィリップ「マジだったよ」

亜希子「マジよね」

月詠「さすがに番組のやつは見せれないですが、逃走中で参加した時の写真ならあるんでそれ見せますわ」

永久（あの誰が撮ったか分からないやつか）

照井「……ルイージがいる…が、何でボールを持ってるんだ？」

月詠「ごめん間違えたそれ戦闘中での写真」

翔太郎「間違えんなよ」

月詠「仕方ないじゃないですか、結構参加してるからごっちゃになるんですよ」

亜希子「けど私達に見せた写真って違う写真だったよね？」

月詠「あの時のはフィリップがその場で地球の本棚で検索してましたからね、適当に選んだんです。その点ルイージはほら、マリオが映画化したからＣＭで見かけるからわかりやすい」

フィリップ「確かによく見るようになったね」

月詠「とにかく、これからよろしくお願いします、照井さん」

照井「ああ」






照井「そういえば、左達のことは呼び捨てなんだな」

月詠「呼び捨てでいいって言われたんで…」


end