二次創作小説(新・総合)
- Re: とある旅の記録 【メイドウィン小説外伝】 ( No.4 )
- 日時: 2024/02/23 22:57
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
【Mの降臨/風の吹く街】
至るところに様々な形状の風車が回る街。
そこに女───月詠が降り立つ。
月詠「ここは…」
永久【風都だな。時間軸は分からないが…………あとここからは脳内会話にするぞ】
月詠【了解。あ、ホントだ。風都タワーある】
降り立った場所である路地裏から出て、黒いキャップ帽と上着についたフードを被りながら大きな風車のタワーを見上げる。
永久【風都タワーは真ん中だから……】
月詠【いや、見え方までは知りたくないから………とりあえずご飯でも食べに行きましょう。風麺食べたい、風麺】
永久【いいな、食いに行くか。お前が食えば俺もそれを感じられるし】
月詠【記憶や五感を共有してますからねぇ。遮断しようと思えば出来ますが、お互いにめんどくさくて着替えと風呂以外ではやってませんが】
永久【ついでに情報収集するぞ、時間軸を知りたい】
脳内で会話を続けながら彼女は歩き続ける。
たまに通行人に話しかけ、風麺の場所やとある存在などについて尋ねる。
得た情報をまとめていくと。
月詠【風都タワーは一度壊れたことがあったがそれから一年経った今は再建が終わっていて、ミュージアムは無くなっている……ということは、ここは「仮面ライダーW」の世界ですね。それも原作の世界で最終回後】
永久【そうなるな。もしかしたら「風都探偵」の世界線の可能性もあるが】
月詠【そうなると困りますね、私はあの物語は詳しくないんですよねぇ。本がなかなか買えなくて…】
永久【せめて雑誌の方を立ち読みしようにも滅多に見つからないという…。そういえば生体コネクタはどうした?わりと目立つところにあるだろ】
月詠【ああ、それなら】
月詠が左手の甲を自分に向けて爪を弄りながら見るような形になる。
そこにあの奇妙な入れ墨のようなもの、生体コネクタは無い。
月詠【私の中にあるあれで覆って隠しました。これなら分かりにくいでしょう?】
永久【一気に解決したか】
月詠【もし翔太郎達に会って見られたら面倒ですからね】
永久【確かに。ドーパントに出会さないように気をつけろよ】
月詠【さすがにそれは大丈夫だと思いますよ?】
永久【この街だから言ってるんだが】
- Re: とある旅の記録 【メイドウィン小説外伝】 ( No.5 )
- 日時: 2022/04/18 16:35
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
月詠【大丈夫だと思ったのにどうして】
永久【フラグ回収が早かった】
死んだ目をする月詠。
彼女の前には怪人がいる。
焦っているような怪人が月詠へと攻撃を繰り出すが、風を纏ってスピードを上げている彼女に避けられている。
永久【バイオレンスドーパントか……パワータイプだからなぁ、こいつ】
月詠【たしかこいつ石礫みたいなの放てましたよね?放たれないということは本編の変身者ほどの適合率ではないかもですね】
永久【おそらくは。さて、どうするか…】
バイオレンスドーパント「くそっ、避けんなぁ!」
月詠「痛いの嫌だから嫌です!」
月詠【変身した方がいいです?】
永久【『俺』のこともあって難しいからそれは最終手段】
月詠【りょうか】
月詠「い゙っ!」
永久【月詠!!】
人格間でどうするか話をしていた途中、バイオレンスドーパントから繰り出された左腕の鉄球が腹部へと当たってしまう。
その衝撃で吹っ飛ばされてしまい、建物へと背中からぶつかる。
腹部と背中の衝撃からか、咄嗟に口元を片手で覆うとビシャッという音がくぐもって聞こえてきた。
バイオレンスドーパント「やっと当たったか!」
永久【月詠、今、口から】
月詠【……痛いけど大丈夫です、完全に手から溢れてません。しかし、あの馬鹿力は厄介すぎますね】
永久【それには同意する】
月詠【生身のままは嫌ですが、使った方がいいかもですね……人は逃げたから周りに誰もいませんし】
ずるり、と。
左手の甲から何かが剥がれ落ちる。
そこには、あの奇妙な入れ墨がある。
月詠【私も使って、その後にこいつからその記憶を消せばいい。そうすれば不都合なんて生じませんからね】
永久【……そうだな。それが一番早いか】
月詠「さて…」
歩み寄ってくるバイオレンスドーパントを見ながら、月詠は右手に意識を集中させ…────
「見つけたぞ、ドーパント」
地面に何かが擦り付けられた音と、男の声が聞こえた。
同時に右手に集中させた意識を散らし、左手の甲は一瞬で黒い何かに覆われてすぐに同化して入れ墨が消える。
月詠【危なかった…!】
永久【この声は……!】
内心で焦る月詠を無視しつつ、永久は声に反応する。
バイオレンスドーパントが声の方へと振り向く。
つられるように彼女もその方向へと視線を向ける。
- Re: とある旅の記録 【メイドウィン小説外伝】 ( No.6 )
- 日時: 2022/04/18 16:42
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
そこに立っていたのは一人の男。
帽子を被っており、前部が黒で後部が緑の特徴的なバイクがそのそばにある。
腰には赤いスロットが二つ、バックルの部分についた機械的なベルト───ダブルドライバーが巻かれていた。
バイオレンスドーパント「お前は、この間の探偵!」
「いくぞ、フィリップ」
『ジョーカー!』
男がUSBメモリのようなもの───ガイアメモリを取り出し、起動させるためのスイッチを押すとガイアウィスパーが発せられる。
すると右のスロットに緑のガイアメモリ、サイクロンメモリが転送されてくる。
それを押し込み、左のスロットに黒のガイアメモリ、ジョーカーメモリを装填してからバックルを外側に開いた。
『サイクロン!』
『ジョーカー!』
「変身!」
『サイクロン!ジョーカー!』
風が吹き、彼の体に粒子のようなものを纏わせていく。
やがて全身が包まれるとそこに、緑と黒の半身を持ち、赤い複眼の戦士が立っていた。
「『さぁ、お前の罪を数えろ!』」
永久「仮面ライダー、W…」
いつの間にか体の主導権を譲られた永久が、小さく呟く。
自分達がいた世界もとい次元の存在でも、とある時空での存在でもない。
「自分」が知り、戦い、そして…… 二度目の死を与えた者達。
何も混ざっていない、そのものの。
月詠(私より表に出ようとしない永久の方がちゃんと会えてないからな、あの時空でも。会話とかも基本的に私がしてたし、主人格とか関係なく動き回ってたのも自分だし)
そんな永久を内側から見ながら、月詠は考える。
月詠(………もしいつかあれの参加者に彼がいたら、永久を参加者枠に応募するか)
バイオレンスドーパント「仮面ライダーだったのか!」
W「おい、あんた!早く逃げろ!」
永久「ああ…」
月詠【逃げるんです?】
永久【さすがに今回はな。面倒なことになりかねない】
月詠【それもそうですね】
バイオレンスドーパント「逃がすか!」
逃げようとする永久にバイオレンスドーパントが再び左腕の鉄球で殴ろうとする。
Wがそれを防ごうと動くも、距離は永久とバイオレンスドーパントのが近く………
- Re: とある旅の記録 【メイドウィン小説外伝】 ( No.7 )
- 日時: 2022/04/18 17:47
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
『メタル!』
永久「こいつに触るな」
バイオレンスドーパント「がっ!?」
反転するように振り返り、後ろ回し蹴りでバイオレンスドーパントの胸の真ん中を蹴り飛ばした。
本来ならば蹴り飛ばせないが、体から飛び出した銀色のガイアメモリ、メタルメモリを右手で起動させながら左手の甲に挿した直後だからだろう。
足首から先は銀に輝く金属となっており、その重さと遠心力も加わったことで可能になったのだ。
W「は?」『ガイアメモリ?何でドーパントにならずに…』
月詠【おい待て、お前が面倒ごと増やしてどうする】
永久「やべっ」
月詠【私がやりますね……もしかしてテンパってます?】
永久【多分…】
月詠(ここまで困ったような感じの永久見るの初めてだわー)
『バード!』
体の主導権を返してもらった月詠は、左腕から生えてきた暗い赤のガイアメモリ、バードメモリを右手で掴んで引っこ抜く。
起動させるとそれを左手の甲に挿すと、足は元に戻るが背中から黒い液体が流れ出して鳥のような翼に変化した。
月詠「さよなら」
W「は?……は?」『メタルメモリを抜かずにバードメモリを?いや、その前にガイアメモリが生えてきたり飛び出したりした?』
バイオレンスドーパント「なんなんだあいつ!?」
W「『あ、忘れてた』」
バイオレンスドーパント「ちょっと!?」
end