二次創作小説(新・総合)
- Re: とある旅の記録 【メイドウィン小説外伝】 ( No.8 )
- 日時: 2022/05/04 16:10
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
【Mの捕獲/不老不死なモノ】
月詠「ここまで逃げれば大丈夫かなぁ」
永久【すまん、月詠…】
月詠【気にしないでください】
『ジョーカー!』
適当な建物の屋根に降り立つと、翼は液体に戻って体へと吸収される。
胸から生えてきたジョーカーメモリを引き抜いて起動、左手の甲に挿してから屋根から飛び降りる。
地面に受け身を取り、立ち上がると服の汚れを払った。
月詠【どうしましょうかねぇ、これから】
永久【ガイアメモリを使うところを見せてしまったから、追ってはきそうだな……はぁ、失敗した、本当にすまん…】
月詠【気にしてませんって。あれを見られてないだけいいんで】
永久【それはそうなんだが】
月詠【とりあえず風麺行きます?なんか食べる気無くなってきましたが】
永久【さすがに風麺にいるとは思わないんじゃないか?追われると思ってるだろう相手が呑気に飯食うとか想像しないだろ】
月詠【あーーー、確かに、思えませんね】
永久【だから逆に安全な気がする】
月詠【あなたがテンパってポンコツってないなら、いつもは安心して賛成するんですがね】
永久【……………】
月詠【…ドーパントに出会したのは私がフラグ建てたからですし、今日くらいはそういうことで終わらせません?普段は助けてもらってる身が言えたことじゃないですが……】
永久【……そうするか…】
月詠【風麺行ってラーメン食べる時は永久が体を使っていいから】
永久【なら遠慮なく使わせてもらう。ついでに適当な服屋で服も買うぞ】
月詠【それはやだ】
永久【黒以外の色も買わないとな…別世界行く時用になるべく無難なので………】
月詠【聞いてる?ねぇ、永久、私はやだって言ったの聞いてる?】
どうやら服について考えてるらしき永久に、月詠は歩きながらも声をかけるが届いていないようだ。
これは確実に服屋に行かされるなと思いながら、風麺へと向かう。
永久【ちなみに服はいくつかはウインドスケールで買おうと考えてるがどうだ?】
月詠【きっちりしたのは着たくないんですが。ラフなのを着せてくれ】
永久【けど何かあったり企業とかのお偉いさんに会う時用とかには買うからな】
月詠【買うのは確定なのか…!】
永久【確定以外に何がある?】
- Re: とある旅の記録 【メイドウィン小説外伝】 ( No.9 )
- 日時: 2022/05/04 16:13
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
ところどころ通行人に場所を聞きながら歩き、遠回りしながら風麺に着き。
体の主導権を譲られた永久がラーメンを食べ終わり。
「見つけたぞ、さっきの!」
永久「嘘だろ」
月詠【見つからないように遠回りしたのがダメだったか?】
屋台から出た途端、バイクに乗ったあの男がいた。
永久【どうする?】
月詠【ガイアメモリ使ってもドーパント化しないことも、あれも見られてる……彼の言うことに従うしかないです】
永久【分かった、体返すぞ】
月詠【了解】
短く会話を交わし、体の主導権が月詠に戻る間にバイクから降りた男が近寄ってくる。
それを見ながら両手を挙げた。
月詠「もう逃げれないので逃げません。ドーパント化してないのも見られてますからね」
「……やけにあっさりしてんな」
月詠「悪いことしてないのに捕まりたくはないんで………それなら無抵抗ですよーってこと示して、安全に連行されるなりした方がいいんで」
「そうか。悪いが、一緒に来てもらうぞ」
月詠「了解です。私は月詠と申します」
永久【いいのか、そっち名乗って】
月詠【別に自分の世界じゃないんで】
「それ本名か?」
月詠「本名に近いものです。それであなたは?」
挙げてた両手を下ろし、彼を見上げる。
名は知っている。
けれど、初対面で言い当てるのは怪しいと自覚している。
「俺か?俺は左翔太郎、この街の探偵さ」
男───左翔太郎は、そう名乗った。
- Re: とある旅の記録 【メイドウィン小説外伝】 ( No.10 )
- 日時: 2022/05/04 16:19
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
月詠「バイクに乗ったのも二人乗りも初めての体験でした、バイクの免許取ろうかな」
永久【自動車の免許はあるのにな】
翔太郎「取りたいなら取ってもいいと思うが……ここがうちの事務所だ。中に入るぞ」
月詠「はーい」
移動してきた二人は、鳴海探偵事務所に入る。
「あ、翔太郎くんおかえりーって、その人お客さま!?」
翔太郎「いや、違う。こいつは…」
月詠「ドライバー無しでガイアメモリ使ってもドーパント化しないので、連れてこられたモノです」
「えっ」
「あぁ、帰ってきたんだね。君はさっきの…」
中にいた女性と話していると、帽子が掛けられた壁に見える扉が開かれてそこから青年が現れる。
月詠「どうも」
永久【地球の本棚に俺らのこと載ってないといいが】
月詠【マジでそれな】
「…君は何者だい?地球の本棚に特徴すら載っていない」
月詠「あ、載ってないんだ。とりあえず、私は月詠と申します。よろしく………鳴海亜樹子さん、フィリップさん」
翔太郎・フィリップ「!?」
亜樹子「ちょっ、私名乗って…!?」
すぐに翔太郎と青年───フィリップが警戒し、困惑する亜樹子を庇うように立ち位置を変える。
三人からの視線を受けつつ月詠は永久と会話する。
永久【名乗られてないのに名前呼ぶのか】
月詠【ちょっとめんどくさくなったので。説明するならある程度明かそうかなって】
永久【ならいいか】
月詠「今から説明しますね。まず、私はこの世界ではない世界から来ました」
フィリップ「この世界ではない世界…?」
月詠「はい。異世界であなた達の情報を知りまして、だから名乗られてないですが名前も言えました」
翔太郎「……嘘は言ってなさそうだな」
月詠「言ってないですからね。地球の本棚に特徴すら載ってないのが証拠になるかと」
そう言いながら月詠は首から生えてきたバードメモリを掴み、起動させる。
『バード!』
再び左手の甲に挿した。
- Re: とある旅の記録 【メイドウィン小説外伝】 ( No.11 )
- 日時: 2022/05/04 16:22
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
ずるりっ、と黒い液体が背中から流れ出して鳥の翼になる。
月詠「諸事情で人間を辞めさせられまして、つい最近になってガイアメモリを使っても体の一部だけ変化がしたり操ったりと出来るようになりました。バードメモリだとこうですね」
フィリップ「人間を辞めさせられた?それにその黒い液体は…」
月詠「私に人間を辞めさせた奴とは喧嘩しましたが和解はしてますよ。この液体は、まぁ、今の私の種族の特徴ですね」
亜樹子「特徴?」
月詠「はい。傷ついたりして出てきたのが血ではなく、この液体なら同族になります」
フィリップ「ちょっと調べさせてもらっても」
月詠「嫌です」
永久【即答だな】
翔太郎「……その種族ってのは?」
月詠「…マガイモノと言います。どんなに傷ついてもすぐに治りますし、人間とかだと即死になるようなことでも普通に生きてますね、歳もとりませんし。痛覚とかもあります」
亜樹子「えっと…痛みはある、不老不死ってこと?」
月詠「そうなりますねぇ」
永久【マガイモノに成る前から不老不死だろ、お前】
月詠【それは役職上のものだから】
月詠「あ、そうだ。私、今日この世界に来たばかりだから目的とか聞かれても答えられないんで。それで風麺行こうとしたらドーパントに遭遇してあれです」
翔太郎「タイミング悪かったのか」
月詠「悪かったですね。まぁ、とりあえず……しばらくはこの世界かつ、風都にいるのでよろしくお願いします」
翔太郎「えっ?」
end