二次創作小説(新・総合)

Re: ベリー創作物「裏の陰謀」「最期の足掻き」「神学」スピンオフ ( No.22 )
日時: 2022/05/14 15:15
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: 7dCZkirZ)

2日目。ちなみに明日はバレンタインだ。

『キーンコーンカーンコーン』

どこからともなく学校のベルの音が聞こえる。教壇にはポップ先生が立っており、一同は机に座っている。

「さて、今日も元気に授業を初めて行くぞ!」

「早くしろ!」

「早く早く」

双子はワクワクしながらポップ先生に熱い眼差しを向ける。2人は勉強は全く出来ないが意識は誰よりも強いようだ。

「まあ、急かさないでくれ。まずは朝の会だ。今日は転校生を紹介する!」

ポップ先生が言うと一同はザワザワとする。

シュウ「転校生って...急だね」
クロコダイン「というか、転校生ってどこから来るんだ?」
マリオ「まさか...」
レイ「4人。」
タツナ「かなりの手練。」
ミソウ「殺せるかな?」
レイ「いや...1人は...」
ポップ「こら!そこ!物騒なこと言わない!」

ポップ先生はいつものお騒がせ3人を指さして言った。いつもなら反抗する所だが、昨日痛い目に会ってるため、3人は何も言わない。

「じゃあ、入ってきてくれ!」

ポップのその言葉を初めに、レイ達の言う通り、4人が教室に入ってきた。
そこには金髪にピンクをベースとしたセーラー服の女性。これまた同じく金髪で緑の三角帽子を被っている男性。茶髪にボサボサの髪に碧眼の、明らかに成人の男性。黒髪に濁ったアイズブルーの少女。
皆はその人物に見覚えがあった。

「じゃあ自己紹介を頼むよ。」

ポップがそう言うと、最初に金髪の女性が前に出た。

「キノコ王国にある城の城主。ピーチです。どうぞよろしく。」

そう言うとピーチはセーラー服の裾をちょいっと上げて恭しく礼をした。

「僕はピーチのボディガードをしてる。時オカリンクだよ。よろしくね。」

時オカはそう言うとニコッと笑った。

「俺はバッツ・クラウザー。まあ、よろしくな!」

バッツはニカッと輝かしい笑顔を浮かべた。

「私はユウ。よろしくね~」

ユウは舌をべーっと出したながらニヤリと笑った。

ゼルダ「ピーチ!貴方もここに来たのね!」
ピーチ「ええ!事情は知ってるわ!事故とはいえ楽しそうね!」

ゼルダとピーチはとても仲が良いらしく満面の笑みでお互い両手を繋ぐ。

「...俺らの女性陣もこうであったら...な...」

タツナがその様子を見ながらリゼとミソウのことを見る。リゼとミソウはそんな視線に気づかないはずがなかった。

リゼ・ミソウ「何」

タツナ「んにゃ。なんにもない...」

タツナは呆れながら諦めた。もしも、タツナとミソウが、シュウ達と同じ歳であったら。もっと鮮やかなメンバーだったかもしれない。

「ピーチに時リンにバッツ!3人も来てたのか!」

マリオが両手を広げて言った。ピーチは少し困った顔をし、時オカはそのピーチに見とれ、バッツはえへへと鼻をかいた。

「レオナも来てるぜ!でも...」

「レオナは保健室の先生になってもらってる。」

バッツが得意げに言うと、いい所をポップ先生に取られる。マリオ一同はレオナの回復術の強さを知ってか、『あぁ~』と納得している。

「...なんでお前がいる。」

「え~私が居ると何か不都合でもあるのかい?フジ君っ」

「その名前で呼ぶな。リウ。」

「その名前で呼ばないでくれる?弱虫フジくぅ~ん。」

レイとユウは昔からの知り合いであるため、お互い知りたくないことも知っている。それが負をそうしてお互いの煽り合いになっているのだ。

「ユウさんも来てたんですね...」

リゼは手を口に当てて驚く。

「3柱が2人になった。」

「頼れる頼れる。」

タツナとミソウがユウに言う。ユウは「やだなぁ~」という顔をしながらも満更ではないようだ。

「ユウ...さん?も...巻き揉まれたの?」

シュウが恐る恐る聞く。ユウは別に癪に触ってないといった態度をとる。

「あー、あのダミのせいでね。あいつは...死んでも人に迷惑かけるんだから...」

ユウはケラケラと笑いながら言った。この次元を作ったダミという人物はユウにとっては故人のようだ。

「...あいつ。やっぱり死んでたよな。あの、すかぽんたん...」

レイは前半部分はいつもの棘がある冷静な声だったが、後半の「すかぽんたん」はゆったりとした。幼児のような声であった。その今日日聞かない1部を見たユウ以外の人物は...もちろん驚いたが

「...ぷっ」

リゼが吹いてしまった。それに続いてタツナ、ミソウが馬鹿にし始め、ユウもケタケタと笑い始めた。レイはいつものように微かに微笑むと...

「 殺 す よ ? 」

殺気前回で皆に威圧を仕掛けた。間近に居たシュウ達は園殺気に犯され何も言えなくなってしまった。3柱のユウもである。
遠くで盛り上がっていたマリオ達でさえ、黙ってしまった。

「さて、落ち着いた所で朝の会、再開するぞー」

ポップ先生が生徒表を肩に担ぎそう言った。レイ以外はそれがいいと思いすぐさま席に着いた。
そうして、授業が開始されたー

ーーーーーーーーーーーーー
~休み時間~

タツナ「そういえば、あの数字なんだ?」
ミソウ「なんだなんだ」
シュウ「あぁ、あれは日付って言ってね。今日は2月13日みたいだね。ん?2月13日...?」

シュウが何か引っかかったようでうーんと唸る。すると、向こうで集まっていた戦士達の愉快な日々メンバーの中から一人、ゼルダが出てきた。

「ん?どうしたの?ゼルダ。」

シュウがまるで普通の学生のようにゼルダに聞く。そうだ。ここでは皆は普通の『学生』なのだ。

「ちょっと、ミソウ、リゼに話があって...あ、そこにいるユウも!」

「ん?私もかい?」

ゼルダは遠くで1人で小さなメモ帳を見ていたユウにも声をかける。ゼルダはうんうんと頷いて3人を廊下に出るように促す。

「おい。クソ。ミソウに何か手を出すつもりじゃねぇだろうな?」

タツナがどす黒い声を聞かせながらゼルダにメンチを切る。しかし、ゼルダは何もたじろかない。
暫しお互いの睨み合いが続く。

「タツナ大丈夫だよ。この人たちは悪い人じゃないし、3柱のユウもいるしね。」

そう言ってしシュウはタツナを抱えて椅子に座らせる。タツナは不服そうだが昨日のことがあってか頬を膨らませながら不貞腐れている。

「でも...まあ、もしミソウに何かあったら...」

シュウへいつものように人懐っこい笑顔を浮かばせる。ゼルダは何か頼み事を言われるのだろうかと思い、無防備で笑顔で向かえるが、レイとユウは嫌な予感がしていた。
シュウではない、かつて昔行動を共にしていたシュウの双子。「チャーフル・ジーニア」通称2代目レイと似たような行動、雰囲気、笑顔であった。

「シュウ、やめっ...」

ユウがそう言った。けれど、シュウはまるで世間話をするかのようにただ、自然に口を開いた。

「 た だ で は 済 ま な い よ ね ?」

それはレイをも、校長先生をも仰ぐような、鋭い殺気を放った。これはいくら器が大きいゼルダでも殺気に晒されてしまい、足をガタつかせそのまま気絶してしまった。
シュウは弱い。確かに施設で生き残れるほどの力はあり、確実に人離れしてはいるが、このメンツの中では霞んでしまう。がしかし、シュウはかつて世界の裏を牛耳っていたチャーフル・ジーニアの片割れである。その潜在能力は、世界一と言っても過言ではなかった。
それを読んでいたレイはすぐさま行動に移し、ゼルダが倒れる前に支える。まるでそれは淑女をエスコートする紳士のようであった。

「なっ、何があったんだ!ゼルダ?!お前ら...また何かしたなっ?!」

そして、いつものようにアイクが血相変えてやってきた。しかし、今回タツナとミソウは事実無根である。逆にシュウの殺気にやられてしまい、気を失いそうな狭間であった。
アイクも鈍感ではない。タツナとミソウが原因でないことは分かった。ならばリゼか?リゼは机に突っ伏している。でなければ、新しく入ってきた怪しいユウか?ユウはさっきから殺気を放っているも、それはどちらかと言うと恐怖に近いものであった。それをアイクが感じ取る。ならばシュウとレイかのどちらかだ。この2択は明らかにレイである。

「レイ...テメェ...このっ!」

アイクは剣を抜いてレイに切りかかる。レイは思わぬ冤罪を受けるが、ゼルダを支えながら片手の二本指で件を止める。

「残念だけど、今回は俺じゃ無いんだよね。」

レイはこの状況でもヘラヘラしながら言った。アイクは驚いた顔をしながら剣をしまう。ならば選択肢は残り一つしかない。

「シュウ...?お前が?」

「え?!僕?!何もしてない...筈だけど...」

シュウは先程鋭い殺気を放っていたとは思えない表情を浮かべていた。本人は無自覚のようであった。

「「うん。確実にシュウだね。」」

するとユウとレイの声がハモる。お互いニコニコと笑いながらも邪険にしているように見えた。

「え、えっと、ごっ、ごめんなさい!」

シュウは思ってもないことを言われたため、素直に謝る。アイクは態度の悪いレイ、タツナ、ミソウのようではなく、誠心誠意謝られたため少し慌ててしまった。

「あ、あぁ。わざとじゃないなら仕方ないな。けど、次はないと思え。」

「はい...本当にすみません...」

シュウが涙を流しながら土下座をしていた。本来ならばシュウにこんなことをさせるなんてレイ、タツナ、ミソウが許さないが、今回はシュウが原因のため何も言わなかった。

「ゼルダー!誘えたー?って?!ゼルダ?!大丈夫?!取り敢えず保健室へ!」

ピーチが廊下から顔をチョロっと出すと大惨事に気づいたようで、廊下から女子陣営がゾロゾロとやってきた。シュウはとてもいたたまれない気持ちになった。

そうして、ゼルダは保健室へ運ばれ、授業が始められた。

ーーーーーーーーーーーーー
〜次の休み時間〜

「レイの殺し方は気に入らねぇんだよ。ほら、もっと痛ぶって殺したいじゃねぇか?」

タツナは拳をふるって、さも世間話のように言う、ミソウもうんうんと頷く。

「ポケモンのあの断末魔。あれがないとやってけない。」

ミソウはまるでアル中のように言った。それにリゼとレイ、ユウは「あー分かるー」と微妙な顔をした。

「でもな…俺はやっぱり苦しませずに殺したいんだよ。」

「ほぅ、それは2代目の美学かな?」

レイが苦笑いをすると、そこをユウが突いた。レイは頭に怒りの文字が浮かんでいるが、抑えた。

「それもあるが…」

レイはシュウの事をチラッチラと見ている。シュウは視線に気づきながらもキョトンとしている。まず表育ちのシュウは話にすら追いつけないのだ。

「へぇ、シュウ君に嫌われないよう必死っと…」

ユウは笑いながら手帳に書き記していく。レイは微笑みを深くするとユウに拳を突き出した。が、やはり3柱、ユウはかわす。

「おっとっとぉ。暴力反対ー!www」

ユウは心の底からケラケラと笑いながらもレイは爽やかな笑みを絶やさずにパンチを辞めない。

「お楽しみ中悪いけれど、少し良いかしら?」

その空気を破ったのはピーチだった。ピーチは両手を重ねながら礼儀正しくそう言った。その言葉にレイとユウはピタッと止まる。

「あぁ。リゼとミソウとユウに用事があったんだっけ 」

シュウが思い出したように言う。

「そうそう!3人とも来て頂戴!」

ゼルダは頬をぷくーっと膨らませながらそういう。3人は「?」と思ったが、取り敢えずついて行った。

「あ、あとシュウちゃんも!」

「え?え?!ちょっとま…!」

するとシュウは半強制的に廊下に連れ出され、女子陣営が話し始めた。

『僕は男だ!』

そんな声が微かに聞こえた気がするが、皆は見て見ぬふりをした。

「何だよ。俺らは仲間はずれかよ。」

タツナは自分の片割れを取られたことに不満を全面に出す。レイはからかってくるユウがいなくなり、せいせいしたように感じたが、シュウを取られて複雑な心境であった。

「察し悪ぃなぁ!」

すると絡んできたのはクロコダインであった。2人はお気に入りを取られたこともあり、少し機嫌が悪かった。

「何。」

タツナは不満そうにそう言った。クロコダインは「こりゃだめだ」と汗をかきながら頭をかいた。そこにアイク、マリオ、ピカチュウ、時オカ、バッツがやってくる。

バッツ「これはバレンタインデーだな。」
時オカ「間違いなくそうだね。」

レイ・タツナ「ばれんたいんでー?」

施設育ちの2人はもちろんそのような行事は知らない。それを察したのか、5人はバレンタインデーについて話し始めた。女性が好意をもつ男性にチョコを渡す日であること。男子にとって、チョコの数はステータスであること。
まず2人はチョコというものすら知らなかったため、5人は説明をしなければならない羽目になった。

レイ「へぇ…好意の人からチョコを貰える…か。」
タツナ「表らしい甘ったらしい行事だな。」
バッツ「なにおう!これでもれっきとした行事なんだぞ!」
クロコダイン「バッツはいいよな。貰える相手が居て。」
バッツ「ま、まあ、そりゃ元の世界に戻ったら…多分。貰える…かも…」
時オカ「僕もピーチ姫からチョコ貰いたいなぁ」
アイク「俺もゼルダからチョコを貰いたい…」
クロコダイン「まあ、俺達には関係のない話だがな!ガハハ!」
ピカチュウ「ちょっとクロコダイン?!なんで僕のことを見るの!僕だって…貰える…といいな……」

各々が照れながら自分の心境を語っていく。タツナは理解出来ないと言ったように呆れた。しかし、レイはなにか関心を覚えたのか、真剣に聞いている。

「じゃあさ…」

レイが低く、澄んだ声でそう言った。それは、余りにも美しく、異様で思わず注目せざるおえなかった。

「俺達もチョコ作ったらいいじゃん」

一同『はぁ?』