二次創作小説(新・総合)

Re: ベリー創作物「裏の陰謀」「最期の足掻き」「神学」スピンオフ ( No.3 )
日時: 2022/05/07 18:37
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: ET0e/DSO)

【女剣士さんとのコラボ企画】
「戦士達の愉快な日々2」×「最期の足掻き」
『バレンタインに異性など関係ない』
一日目。奇跡の出会い。

ーーーーーーーーーー

「やあやあ諸君。お集まり頂き光栄だよ。」

とある広場。そこは昭和のようなこじんまりとした小さな広場で、灰色のドカン三本が積み重なった以外に何も無い所だった。そんな中、どす黒く低く、それでも辺りに強く響く声が響いた。白髪に赤黒いターバンをつけている男性。
その横にスケさんカクさんかのように控えている双子。その3人が土管の上に堂々とすわっている。
そして、その3人を前に正座で鎮座している1人と2匹。

「なんで、俺ら正座させられてんの?」

思い沈黙を破ったのはどこまでも澄んだ青髪に、長いターバンを巻いている男性。蒼炎アイクだった。

「わっ、分からぬ……」

朱色の硬い肌と鎧に身を包まれた、一見ワニがそのまま立ったような姿の明らかに人外の男声が呟くように、声を絞り出した。彼の名はクロコダイン。
一言一言発言していると、白髪と双子の圧が重くなってきて、中々に長文を話せないでいた。

「ぼっ、僕もう帰りたいんだけど……」

女剣士さんから来た3人だが、その中で1番怯えているのはピカチュウであった。彼は大の怖いもの嫌いで、目の前にいる3人への恐怖とはまた、ベクトルが違うが、それでも1番恐れていた。

「えーっと、右からアイク、クロコダイン、と…ピカチュウ…?だね。急に呼び出してすまないね。俺の名前はレイ。よろしく。」

「俺はタツナだ。覚えろ愚物共。」

「私はミソウだ。覚えろゴミカス共。」

するとアイク、クロコダイン、ピカチュウに圧を与えに与えまくっていた謎の3人が口を開き始めた。
白髪に赤のターバンを巻いている男性はレイ。
双子の片割れ、桃色髪のサイドテールにした幼子はタツナ。
もう片割れの青髪サイドテールの幼子はミソウというらしい。
アイクとクロコダインは歴戦を生き抜いてきた猛者である。そのため、この3人が只者ではないと勘が囁いていた。そして、レイ、タツナ、ミソウ3人の圧に耐えられなかった。
しかし、ピカチュウはそれが格別であった。基本的には温厚で人懐っこい性格のピカチュウだが、この3人は危ない。命の危機が迫っていると本能がアラームを鳴らしていた。そのためすぐにでも皆に知らせて助けてもらいたかった。
しかし、それは出来ない。なぜなら……

「で、君達を集めた理由だけど、この世界についてだ。」

この世界。一見現代の街並みに見える住宅街だが、アイク達以外に人っ子1人いないのである。まるで自分達だけが隔離された不思議な空間……

「あ、あぁ。俺達は唐突にこの世界に飛ばされたんだ。」

クロコダインは勇敢だ。圧をかけられながらも自分の意見を言った。レイはふむと言いながら顎に手を当てた。この不思議な世界について考えているようである。

「ここ…現代…だよな?俺たちの服装も制服だ。」

アイクもクロコダインに続きそう言った。そう。ここの6人全員学ランを来ていたのだ。ミソウは女なのかミソウだけセーラー服だった。

「ゲンダイ…?セイフク?なんだそれ。」

タツナは黒い学ランのボタンを開けてワイシャツの首元のボタンを開けて来ていた。パッと見ガラ悪い不良である。

「げっ、げげげっ……」

ミニサイズの学ランを来ているピカチュウも続こうと発言をするが、恐怖が勝ってしまい、何を言いたいか分からなくなってしまった。

「げ、現代は、この街並みのことを言い、制服は学生が着る服だ。」

クロコダインは今にも弾けだしそうな学ランを着ている。一同はそれを見てこう思っていた。

一同『前のボタン開けないのか?』

しかし、それでレイ側の圧が変わることがなかったため、シリアスな雰囲気は続いてった。

ミソウ「ゲッ、ゲンダイ?ってことはここは、表世界?」
レイ「表世界ではあるようだけど、俺達の世界とは少し違うようだね。」
タツナ「えっ、じゃあここ何処なんだよ。」

レイ側がグダリ始めた。すると自然と圧も小さくなりクロコダインとアイクは少し肩の荷を下ろしていた。しかし、ピカチュウはまだ固まったままであった。

ーーーーーーーーーー

「「ほんっっとうに申し訳ございませんでした!」」

一方、アイク達と同じ街で謝っている黒髪の中性的な人と紫髪に琥珀の瞳の女性がいた。相手は…

「とりあえず落ち着いて!ゆっくり自分のペースで話してくれたら良いから!」

「そうですわ。慌てないでください。」

相手は日本人なら誰でも知っている赤い帽子に雲のような黒ひげを生やしている小さなおじさん。マリオ。何故か学ランを来ている。そしてもう一人、金髪にロングヘアーで、美しい顔立ちの女性。ゼルダがセーラー服を着ていた。

「えっと、まず自己紹介。僕は捧擲ホウチャク 寿シュウ あっ、シュウでいいよ。そしてこちらが…」

「リゼです。よろしくお願いします。」

最期の足掻き側の2人の自己紹介が終わる。マリオとゼルダは礼儀正しく振舞った。

「僕の名前はマリオ。しがない配管工員さ。」

マリオは帽子を取り、うやうやしくお辞儀をする。

わたくしはゼルダ。とある国の女王をやっています。よろしくお願いします。」

ゼルダはセーラー服のスカートの両端を上げ、こちらもうやうやしくお辞儀をする。
それを見たシュウとリゼはあまりにも礼儀正しい2人だったためアタフタしてしまう。最期の足掻きでは比較的常識人な2人だが、戦闘狂に囲まれた環境に居すぎてしまったため、こういう時どうすればいいか分からなくなってしまっていた。

「取り敢えず落ち着いて。この世界について詳しいことを知ってそうですし、詳しくお聞きしてもよろしい?」

ゼルダは背が高い。そのため胸に手を当てしゃがみ、シュウの顔を覗いた。シュウは罰が悪そうに事の経緯を話し始めた。

ーーーーーーーーーー
《シュウ》

僕達、リゼ、ダミ、僕は脱走のため、ダミの秘密の部屋で会議を行っていた。

「ふむ…やはり脱走するためには3柱かリーダー、どちらかの強い権力を持つ人物の助けが必要か…」

すると僕達は黙りこくってしまった。この施設の権力者の力を借りるだなんて、宝くじを当てるぐらい難しいことである。その事について僕達は頭を捻っていた。

「あっ、そうだ。僕こんなものが出来たんだよね。」

するとベルが目の前に出された。ベル。あのひょうたんのような金属の中に小さな玉があり、それを叩くことにより綺麗な音色を奏でる。あのベルであった。

「え、ベル…何?」

勿論リゼは困惑した。僕もだ。急にただのベルを出されてはこちらも困る…し、何故今ベルを出したのか分からなかった。

「これは時空転送…ベル!一定時間ここではない別の所へ行くことができるんだ!」

……僕とリゼは顔を合わせた。ダミは天才だ。紛れもない。研究熱心でたまに変な機会や薬品を作ったりしている。その、1つであろう。
変な機会や薬を作ってることは知っていたが、実際に出されることはなかったため、戸惑ってしまった。

「時空転送…ってどういうこと?」

僕はダミに聞く。

「良くぞ聞いてくれました!この時空転送ベル!1度チリンと鳴らすとここでは無い別の場所に行くことが出来るんだ!一時的にだけだけどね。でも、一瞬でも表世界に居れれば貴重な情報が手に入るかもしれないだろう?」

…もうそんなの作れるならば表世界にワープ出来る機械でも作れば万事解決じゃないか?

「そんなもの作れるなら表世界にワープとか出来ないんですか。」

リゼも僕と同じことを思ってたらしくダミに問いかけた。

「やだなーこれはあくまで副産物。脱走のため二開発してたら偶然作れちゃった代物なんだよ。偶然の物だから仕組みとか全く理解してない。」

ダミはニッコニコしながらそう言った。え。仕組みとか全く理解してない…?え、どういうこと?

「それ…安全なの?」

僕が問いかけた。ダミは顔が曇るどころか余計ニコニコし始めて不気味に感じ始めた。

「しーらない!僕興味無いことには本当に無頓着だから!……オリジナルなら出来てたかもね((ボソッ」

そんな無責任な…どうしたものか。それより、僕は聞き逃さなかった。ダミの呟きを。「オリジナルなら出来てた」…ていうのはどういうことだ?

「…シュウ。これ、鳴らす?鳴らさない?」

リゼがベルを指さしながら嫌そうに言った。安否確認が出来てない代物を使うなんてやりたくないけれど…脱走自体大きなリスクが伴ってるんだ。今更安否確認が出来てない機会がなんだ!

「鳴らそう!それで脱走出来るなら!」

僕がいうとリゼは首を縦に振り肯定の意を示す。

「サーナイト。ムーンフォース!」

シュウ、ダミ「「ちょ、待って待って待って!」」

ベル鳴らすだけだろ?!何故わざわざポケモンの技を繰り出す必要がある?!それに、そんな技をぶつけたらベルが壊れちゃうよ!

「ちょ、これあまりにも大きい衝撃を与えると思わぬ場所に飛んでしま……」

『ゴーンゴーン』

ダミの嫌な予感がする発言を最後に、僕らはその鐘の音を聞いた。すると足元がおぼ着いてしまい、何か暗闇に飲まれて…

気づいたらマリオとゼルダを目の前にして棒立ちにしていた。その時僕とリゼは察してしまった。『これやっちゃったな』と。

ーーーーーーーーーー

「なるほど、そっちの世界のマッドサイエンティストの機械でこの空間が生まれたと…」

マリオはうーんと苦笑いしながら唸り始めた。シュウとリゼは罪悪感に押しつぶされそうになった。しかし、ゼルダは以外にも冷静であった。

「一定時間の時空転送…ベル?なら、一定時間過ぎれば元の場所に戻れるのでしょう?なら大丈夫じゃないかしら?」

ゼルダはふふふと笑いながら言った。あぁ、確かに、一定時間ってことは時間経過で元に戻れるんだ。帰路に付けないという不安は杞憂に終わったのだった。

「なら、僕らなりにこの世界を楽しもうじゃないか!」

マリオはポジティブで僕らをネガティブな思考から引っ張ってくれる。僕達はそれに頷いてつかの間の奇跡とも言えるような時間を楽しむことにした。

「というか、一定時間ってどれぐらいのことなのでしょうね?」

「あ、確かに」

ゼルダの疑問に僕は同調した。数時間ならいいけど、数日等の長時間なら仕事に空きができてリーダーに怪しまれるかもしれない。

「…ベルの側面に。3日って書いてあった。」

「「「?!」」」

リゼの思わぬ言葉に僕らは驚きを隠せざるおえなかった。

一同『なっが……』

こんな状況で3日間も過ごすだなんて…先行き不安だ。