二次創作小説(新・総合)
- Re: ベリー創作物「裏の陰謀」「最期の足掻き」「神学」スピンオフ ( No.42 )
- 日時: 2022/05/25 17:49
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: h4V7lSlN)
三日目。さて、ゲームを始めようか。
周りの景色が一瞬にして変わっていく。いつもの違う綺麗な切り風を感じながらレイは歩を大きく進めていた。まず、階段の手すりを掴んで2回ジャンプで上へ登っていく。最上階。そこに図書室がある。リーダー、校長先生は校長室より、図書室によく入り浸ってるだろうとレイは踏んだのだ。
『バンッ』
「おい!校長!」
勢いよく図書室の扉を開けてレイは叫んだ。レイの思惑通り校長は椅子に座って誰かの日記を見ていた。校長先生はレイが来るのを分かっていたかのように涼しい目でレイを見つめる。
「なんだ。」
校長先生はそう一言呟くようにレイに言った。
「……何か、嫌な予感がする。」
「気のせいじゃないのか。」
レイの…いや、施設組の勘が外れる事など無い。特に施設No.2のレイである。外れるわけが無いのだ。それをレイ自身も自覚していた。そして、校長先生もそれをよく知っていることも知っていた。
「……校長。何か知ってるんじゃ無いのかい?」
「先生をつけろ先生を。」
校長先生はレイの核心をつくことを聞いても、のらりくらりとかわしていく。校長先生とレイは小さい頃からの仲である。お互い何をしたいか等手に取るように分かっていた。
レイは校長先生に近づき、汗を1粒落としながら校長先生を見つめていた。校長先生は何も言わずに手帳を見つめる。何分…何十分続いただろう。唐突だった。
『ドォォン!』
外でそう聞こえた。レイの『嫌な予感』が当たったのだ。レイはシュウの元へ行こうとするも、何かを知っている校長先生から何かを聞き出した方がいいかも知れない。そうレイは自分の中で葛藤していると、ふと校長先生がと1つしかない図書室の入口に立った。
図書室は窓1つも無く、蛍光灯がピカピカと光り薄暗い。
そしてレイは察した。これは自分を皆の元へ向かわせないための罠だと言うことを。校長先生も今回の『嫌な予感』を起こした側なのかと。
レイは手のひらの指をバキバキと鳴らして構える。
「こーちょーせんせぇー!
どけ。 」
そう言って前へ踏み込んだ。すると嘘のように早いスピードで校長先生の間合いに入り込む。しかし、校長先生はその拳を掴み投げ技で出口から遠ざける。
「すまないな。俺もどく訳にはいかない。」
校長先生は手をパンパンと叩くとレイを見つめる。レイも戦闘のスイッチが入り、目を見開く。
校長先生もそれを察して本気で構えた。
「死んでもここから出ていってやる。」
「俺に勝ったことがないくせにな。」
レイと校長先生はお互い牽制し合いながら、静かな図書室でぶつかりあったのだ。
ーーーーーーーーーーー
「そろそろ料理も減ってきたね。」
時リンがシュウに言う。周りも料理が少なくなってきたため、お開きモードになっていた。
「そうだね。そろそろ片付けようかな。」
シュウが自分の皿を近くの机に置くと、シュウは背中を舌で舐められた感覚を覚えた。殺気でもなく気配でもなく、パーティ中に感じたあの嫌な予感であった。
「皆っ!伏せて!」
シュウが鋭く叫ぶ。何事かと皆はシュウに注目するがシュウの唯ならぬ雰囲気でシュウの言葉に従い、皆は地面に伏せた。すると、地面が『ゴゴゴゴ』と揺れ始めた。地震か?地鳴りか?皆は各々疑問を抱きながらもその揺れが収まるまで待っていた。ただの揺れだが、何かが近づいてくる感覚が皆を襲う。シュウは頑張って周囲の探知をする。揺れなんて気にせずに目をつぶり暗闇の中、皆の息、心音、風の音などを聞き探りながら揺れの原因を探る。すると、何かの違和感を感じる。いつもなら感じない、自分たちより下の何かに。
ー地面の下だ!ー
「ゼルダ!レオナ先生っ!危ない!」
シュウがゼルダとレオナがいる場所に向かって叫ぶ。すると、ゼルダとレオナがお互い体を合わせながら、目の前に大きな鉄の手が地面から出てくる。ゼルダは剣を抜いて大きな手に向かって構えているが、足は震えている。
シュウはレイに近い探査能力があるも、生憎戦闘は出来ない。
ーどうする?ー
シュウの頭の中がグルグルと回っている。しかし、何も行動に移せない。
「はぁぁぁっ!」
ゼルダは鉄の手に切りかかるが、『キンッ』と金属音と共にゼルダは弾かれてしまう。その手はゼルダとレオナへ手のひらを落としてくその手はどんどんレオナとゼルダへ近づいてゆき…
クロコダイン「ゼルダっ!レオナッ!」
ピカチュウ「危ないっ!」
タツナ「行くか?!」
ミソウ「無理。間に合わないから見殺しにしよう。」
ミソウの無慈悲な言葉にその場にいた皆は絶望した。施設組にとって大切な人や仲間、赤の他人でもすぐ殺されてしまう。そのためこんなことには慣れっこであった。
しかし、戦士たちの愉快な日々メンバーは違う。レオナとゼルダは大切な仲間である。見殺しにするなんてできるわけが無い。
そんな事を考えていた時、ついにゼルダとレオナは鉄の手に押しつぶされてしまった。
ピカチュウ「ゼッゼルダァァァ!レオナァァァ!」
時リン「嘘…だよね?」
戦士たちの愉快な日々メンバーはその様子に絶望し、嘆いた。けれど、歴戦を戦い抜いた人々は違った。その様子を涼しい目で見ていた。
バッツ「なに落ち着いてるんだよ!シュウ!リゼ…双子!マリオも!」
マリオ「いや、バッツよく見て!」
リゼ「血の匂いはしませんね。」
ミソウ「つまんない。つまんない。」
鉄の手が地面を叩いた瞬間、砂埃が舞いゼルダとレオナが居た所が見えなくなっていた。しかし、よく見ると2人の人影が…
ポップ「落ち着け!皆大丈夫だ…!」
アイク「ゼルダとレオナは無事だ。」
いや、4人であった。ポップとアイクはそれぞれ、ゼルダとピーチをお姫様だっこして助けていたのだ。戦士たちの愉快な日々メンバーはほっとすると同時に、怪しい鉄の手を警戒した。ゼルダとレオナも頬を染めるが惚気けている場合では無いことも十の承知だったため、その鉄の手を見た。
鉄の手は野太く、手首に針が着いた腕輪が着いており、筋肉質。あまりにもよく見た事ある腕であった。そこから校庭の半分が盛り上がり、頭、胴体、足、体全てが出てきた。
その鉄はいや、ロボは家から炎を空に吐きながら両足をダンダンと踏み始める。それはまるで…いや、まんまアレだった。
戦士たちの愉快な日々メンバー
『クッパ?!』
そうだ。巨大なクッパの鉄ロボであった。そしてクッパの額はガラス張りになっておりその中でピーチが狼狽えていた。
時リン「ピーチ姫…?!」
リゼ「どういうことですか…?!」
ポップ「待って、皆!まず落ち着こう!」
皆が狼狽えている中、空飛ぶモニターが皆の前に出てきた。そこには序盤に出てきた白髪に紫の髪先。それを赤いタオルでポニーテールにした紫根の瞳の人物が写っていた。
皆『ダミ…?!』
ダミ、またの名をプラタナス・ナーヴァ。今回の奇跡を招いた元凶である。巨大クッパロボが出てきた瞬間にモニターが出てきたということはダミが原因である。そんなことは皆容易に考えられた。
「ダミ…君が元凶かい?」
『That's Right!』
マリオが聞くとダミは楽しそうに親指を立てた。そんな楽しそうにしている場合じゃないのである。アイク、ポップは想い人が殺されかけた上に、時リンに関してはピーチが閉じ込められていることに怒りを覚えていた。
「どういうことだ白髪!」
『ちょっとアイク君怖い怖いw』
アイクは怒りのあまりモニターを掴んでブンブン振るう。ポップも時リンもそれ以上の事…モニターを破壊してやりたかったが何とか理性を保っている。バッツは黙ってアイクの両手を塞いで皆にモニターが見えるようにする。
『ふぅ。バッツ君ありがとう。助かったよ』
ダミは悪びれもなくケラケラと笑っている。バッツとて許したわけじゃない。ただ、ダミの話を聞かなければ進まないためモニターを睨みつける。ダミは『こほん』と1つ咳払いをすると。
『さて、ゲームをしようか。』
そう、ダミは心底楽しそうに言った。