二次創作小説(新・総合)
- Re: 最期の陰謀が導く学園生活【只今、戦士たちの愉快な日々コラボ】 ( No.53 )
- 日時: 2022/06/11 07:24
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: vzo8adFf)
最終日。姫を助けるナイト達。
「ピーチ姫を助ける…と言ってもどうしたら良いのだ。」
ポップ先生の『散開』という合図で戦闘のマリオ達はクッパロボと戦い初め、ベル探しのシュウ達はクッパロボの表面を登ったり探したりし始め、レイと校長先生を呼ぶチームは校舎へ走ってしまった。
『ピーチを助け出す』チームはクッパロボの額からみえる額のピーチを助け出さなければならない。しかし、具体的にどうすればいいかは思いつかなかった。
するとミソウがそこら辺の石を持った。
「まさか…それでピーチ姫がいる所の窓を割るつもりじゃないだろうね?」
時リンが顔を青くしてミソウに言った。ミソウは元々時リンにもピーチにも興味なんて無いため無視して石を選び始めた。
「ガハハ! こんな小さい体であの高い位置にいるピーチ姫に届くはずがないだろう! 届いたとしても割れないであろうな! 」
「けどなクロコダイン……ミソウ達の世界の人達の人外っぷりは見ただろう……」
「う、うーむ……」
時リンとクロコダインが、そんな話をしていた間にミソウは丁度いい石を見つけ、全力で投げてしまった。
「ちょっ!ピーチ姫に当たったらどうす……」
時リンが青超えてもう顔が真っ白になり、クロコダインも冷や汗をかきはじめた。ミソウの石は放物線のような綺麗な弧とは正反対の綺麗な一直線を目に負えぬスピードでピーチの顔面に直撃する……ように見えた。ピーチの顔に当たる前に、何か透明の壁がその石を守ったのだ。
「っ?! どういうことだ! 」
今まで静観していた、タツナが声を上げて驚く。ミソウも同じ気持ちであった。双子は普段守ったことなど微塵もない。救うこともあるわけがない。そのため通常攻撃が防がれると別の方法を考えるのだが今回は『救う』である。双子は何をしていいか分からなく、思考が停止していた。
「あれ、もしかしてポケモンの『守る』じゃないか? 」
「『守る』って技のことか?! 」
時リンは思考を巡らせており、ポケモンの技という思考に辿り着いたようだ。クロコダインは驚いた。タツナとミソウも食い入るように時リンを見ている。
「ロボが何故ポケモンの技を使えるかは分からないけど……ほら、マリオ達を見てみて。」
時リンが指を指した方向には炎に包まれながらもロボクッパを攻撃している。しかし、小さな『守る』を連発発動をしながら攻撃を防いでいる。炎が包まれる中、物理攻撃のリゼが危ないと時リンとクロコダインは思ったが案外そうでもなく、リゼは華麗に炎を掻い潜りながら微かな守るの隙間を狙い攻撃をしている。
「守る何回も連発できるのか……」
クロコダインは苦笑いしながらその様子を見た。守るは通常、何回も発動すると発動できる確率が下がるもので、一回目は100%、2回目は20%と下がる仕組みになっている。そのはずなのにあのロボは守るを連発しているのだ。
「どうするんだ。」
タツナが状況をようやく把握出来たようで深刻な顔で時リンとクロコダインを見つめる。
「どうするって、うーん……」
「八方塞がりだな……」
クロコダインと時リンが悩む。その間も刻一刻と時は迫っている。その焦りもあり中々名案が浮かばない。
「中から入れれば良いんだが……」
クロコダインがボソッと呟いた。その言葉にタツナがピクッと反応をした。
「『守る』は使えば使う程使える確率が下がるんだよな。さっきから守るが連発出来るのは別の場所で発動してるからじゃないか? 『一回目の発動率は100%』だろ? 」
そのタツナ言葉に頭が更に回った時リンが反応した。その小さな気づきでも何かに利用出来るかもしれない。そんなことを思う前に思いついた。
「1箇所に連続攻撃をしたら中に入れるんじゃないか? 」
「「「それだ! 」」」
時リンがハッとして言うとタツナとミソウが顔を上げて言った。クロコダインはパチンと指を鳴らし、時リンの肩に腕を組んでいる。
時リン「となると、戦闘チームと協力する必要があるね。」
ミソウ「シュウ達にも伝えないと」
クロコダイン「善は急げだ! 」
そうして4人は戦闘チームとベル探しチームに話し始めた。
ーーーーーーーーーーー
戦闘チームとベル探しチームに時リン達の考えを説明すると、戦闘チームは時リン達が1箇所に攻撃しやすいように動いてくれるようになった。ベル探しチームはクッパロボ内にベルがあるかもしれないと思い、時リン達と同行することになった。
『1箇所に攻撃する』それは一見簡単そうで難しかった。
しかし、戦闘チームが優秀で、リゼが前線で動き回りクッパロボの動きを止める。中衛のマリオが攻撃をしながらリゼをサポートする。ゼルダが後衛で2人をサポートするという形でクッパロボの動きを止められていた。しかし、クッパロボも馬鹿でなく、少しづつ動くようになってきたためクッパロボを止められる時間は多くないだろう。ベル探しチームも時リン達もそれを理解していた。
そのため、攻撃する場所はクッパロボの足の踵になった。踵だとジャンプして攻撃することで生まれる無駄な時間が無い。
ベル探しチームとピーチ救出チームはクッパロボの左足踵に集まっていた。
「よし、行くぞ!」
タツナが合図した。クッパロボ内に入る際に問題となること。『誰が攻撃をするか』である。攻撃をする箇所を数ミリでも外れれば守るが確実に発動されてしまう。そして、攻撃の時間が空きすぎてもいけない。直ぐに守るが展開されてしまうからである。
では誰が攻撃するのか? 皆で順番に攻撃しては時間が空きすぎて守るが展開されてしまう。そこで双子の、タツナとミソウであった。2人は生まれた時からタッグで施設に居続けていたため息は誰よりもピッタリであった。
そういうことになり、タツナとミソウが交互に素早く、1箇所に蹴りをクッパロボに喰らわしていく。
一回目のミソウの攻撃は守るで防がれてしまうが、2回目のタツナの攻撃は見事鋼のボディに足型をつけられた。そしてクッパロボに休む隙を与えずすぐさま3回目ミソウが蹴りを入れる。ここで攻撃箇所が1ミリでもズレていれば守るを展開されてしまう。しかし、そこは流石双子。タツナが付けた足型にピッタリの形で蹴りを入れた。そこで20cm程の穴が空く。そこ目掛けてスタンバイしていたタツナが勢いよく膝蹴りを食らわした。すると人2人が通れる程の穴が空いたのだ。
「おっしゃ! やったぜ! 」
「私達だから。当たり前。」
タツナとミソウは汗はかかなかったが、『失敗しては行けない』という緊張感の中でやったため、そこで糸が切れたように脱力し、お互い拳をぶつけた。
「やったな! タツナ! ミソウ! よし、入るぞ! 」
ポップが双子の頭をガシガシっと掻きむしると先頭になってクッパロボの中に入っていった。
穴は少しづつだが小さくなっている。それに気づいた一同は急いでクッパロボの中に入ったのだが……
「何やってるんだいシュウ! 早く入って! 」
時リンが外に居るシュウに手を伸ばす。シュウは戸惑いながらクッパロボ内にいる一同の事を見ている。入ろうとするが、躊躇う。
そんな時も刻一刻と穴は小さくなってきている。
「シュウ……!早く入らないと穴がっ! 」
「分かってる……分かってるんだけど! クッパロボ内に……何も感じない。この中に入ったら……いけない気がするんだ……っ! 」
ピカチュウが焦りながらシュウに呼びかけるもシュウが両手で顔を覆いながらそう言った。
クッパロボ内に何かあるのは確実と、一同は思っていた。クッパロボの額にはピーチが居るのは見えるし、クッパロボのどこかにあるベルは外から見てもなかったらため、中しかない。
シュウもそれをよく理解していた。しかし、勘が『ここじゃない』と囁くのだ。自分の意思と勘が正反対な事を言っているためシュウ自身も混乱していた。
そんな中、穴はもうほとんど空いてなかった。
「……分かった! シュウ、お前の意志を尊重しよう! 可能性は出来る限り潰したいからな!! 」
「でもっ、クロコダイン……! 」
「別に問題は無いだろう? 」
こういう時思い切った判断ができるのがクロコダインのいい所である。ポップは焦りながらクロコダインの事を見たが、クロコダインは『ガハハ』と笑いながら意志を曲げない。
そして穴はもう人は通れない大きさになってしまった。
「……シュウ! くれぐれも気をつけるんだよ! 」
もうシュウが入ることは無理だと思った時リンがシュウに向かってそう叫んだ。
タツナ「……死ぬなよ!」
ミソウ「危ない時は叫んで。桃女なんて放ってスグ行く。」
ポップ「無理はするなよ! 」
ピカチュウ「本当に……気をつけてね! 」
クロコダイン「自分自身を信じろ! 」
それに続いて皆もシュウに声をかけた。シュウは自分に囁かれる勘に恐怖を感じていたが、皆の言葉で吹っ切れたのか、顔を前に向けて『うん!』と言い、走り去ってしまった。
そして、穴は完全に閉じてしまった。一同はすぐさま切り替えてピーチが居る額部分へと目指す。ご丁寧にクッパの足部分には110°という登りやすい角度の縄ばしごがかけてあった。
「……俺達がここから入るのもあのダミってやつの計算だったりね。」
ポップが呟く。クッパロボに入った瞬間ご丁寧に上へ上がるための縄ばしごがかけられている。それはもう故意としか考えられなかった。ポップ以外のメンバーも同じことを思っていたが、もう引き返すことは出来ないため縄ばしごを登り始めた。
縄ばしごが終わると今度は巨大な螺旋階段が皆を出迎えた。螺旋階段の中央には様々な歯車や電力が回っており、このカラクリでクッパロボが動いているようだった。
「おいおい……この歯車の中にベルが隠されてるつったら洒落にならないぜ……」
ポップは螺旋階段を登り、中央のカラクリを見ながら冷や汗をかいた。外から見る分には良いが、ほんの小さな隙間もあるためそこを通ろうとすると難しい。そして、通る前に歯車にペシャンコにされたらおしまいである。足場が無いも同然である複雑なカラクリを目の前に全ての箇所にベルが無いか探す術は無かった。
タツナ「この鉄の塊全部ぶっ壊したら良いんじゃねぇか?」
クロコダイン「それで壊れてピーチ姫が救えなくなったらダメだろう」
タツナ「ちっ。頭の硬ぇヒューマンアリゲーターだな。」
そんな会話をしながら皆はゆっくり着実に螺旋階段を登っていく。その間ベル探しチームのポップとピカチュウはベルがどこかにないかキョロキョロしている。時リンは今の状況をよく考えていた。
クッパロボの足から縄ばしごがかけられた上今いるであろうクッパロボの腹部にある螺旋階段。まるで自分たちが足から侵入するのを予測しているようであった。もしかしたら罠かもしれない。そんな不安を時リンは拭えずにいた。
そんな中螺旋階段も終わりが見えてきた。そしてそこには大きな扉があり、クッパの額部分であった。
「随分すんなりと着いたね。」
ピカチュウが怪しいと感じながら扉を見つめる。
「ベルも見た限り見つからなかったな……」
ポップがうーんと唸りながら言う。しかし、この先にピーチが居ると皆は確信していた。何故ならクッパロボの額にはいつものピンクのドレスを着ていたピーチが居たのだから。
「ん?」
ポップは少し引っかかった。ピーチについて、"何かが"引っかかったのだ。
「早く開けようよ。」
皆警戒して扉を睨みつけていたが特に何も思ってなかったミソウがトビラを開けた。『ギギギッ』と金属音がなるとゆっくりと扉が空いた。ミソウが扉を開けたことにより皆も入ることにした。
しかし、中は真っ黒で周りは何も見えなかった。そして扉もひとりでに閉まってしまったのだ。
「ちょっと待て!閉じ込められてしまったじゃねえか!」
クロコダインが焦りが混じった叫びを放つ。その言葉に他の皆の焦りと不安も煽られる。
しかし、周りが焦っていたため一周まわって冷静になっていたポップは頭を働かせていた。さっきの"違和感"について。
『クッパロボの額に居たピーチはいつものピンクのドレスを着ていた』
"いつものピンクのドレスを着ていた"
この次元に迷い込んできた者たちは皆学ラン、セーラー服を着ていたのだ。教師であっても、普段着とは違うものを着させられていた。
ということは、クッパロボのピーチは偽物だったということだ。
「皆ッ! これは罠だっ! 」
その考えに至ったポップは叫んだ。その瞬間周りが白く光った。
皆は暗闇に目が慣れてしまっていたため、急なフラッシュに怯んでしまった。
「なっ、何だ!」
「気配は…何も感じない。」
タツナが慌てるが、冷静なミソウは目を閉じながら周りの事に神経を集中させていた。その結果、皆の周りに生物は居ないと判断した。
何気に3日間一緒にいてミソウを信頼していたポップ、ピカチュウ、クロコダインは警戒を緩める。そして薄らと目を開けると……入ってきた鉄の扉が無くなり、辺りがモニターだらけになっていた。そこに映っていたのはダミであった。
「ダッダミ?! これは……どういうこと! 」
『まあまあ、落ち着いて』
ピカチュウがいうとダミは笑いながら皆を沈めるように促した。しかし半ば笑っているため皆の警戒を強める結果になってしまった。
「ピーチ姫はどこだ。」
本気で怒った時リンがどす黒い声で睨みつけてダミに言う。ダミは『おー怖い怖い』なんて余裕がある笑い方をしており、それが余計時リンの癪に触った。
「ピーチ姫はどこいったんだ!! 」
ついに時リンが叫んだ。その威圧にその場に居た誰もが押し黙ってしまった。しかし、それを興味深そうに見るマッドサイエンティストが1名。
『へぇ、君そんな風に怒れるんだ。参考にしておくよ。』
ダミは心底楽しそうに時リンに言う。その言葉でまた余計時リンの怒りを煽ってしまう。その負の連鎖が続いてしまいそうと思ったポップは前に出た。
「クッパロボの額に居たピーチ姫は偽物だね。」
『ピンポーン! 大正解! あのピーチ姫は僕の最新型モニターで再現した"映像"だよ』
「なんだってて……?! 」
その言葉を聞いたクロコダインは思わず声を漏らした。ということは、ここに来たのは無駄足だと言うことだ。
「じゃあ、なんでクッパロボの額にピーチ姫の映像を映したの……! 」
ピカチュウが警戒し、辺りに電流を走らせながらダミに聞いた。
『まあ、足止めって所かな。』
するとダミがパチンと指をならすと、上から数十体もの白色の人形が出てきた。人型をしているが表面に凹凸が無く、まるでマネキン人形のようであった。
「これは……なんだよっ……!」
タツナが叫ぶとダミがフフフと不敵な笑みを浮かべる。
『"ある者"を再現した戦闘用ロボさ。さあ、日没まで後少しだよ。君達はこのロボ達をくぐり抜けて見事姫を救い、ベルを探すことは出来るかな?』
そう言うとダミの映像は消えてしまい、戦闘用ロボだけが残ってしまった。
「なるほど、俺達はまんまと罠にかかったわけだ。」
ポップが真剣な顔で剣を抜く。それを合図としたようにクロコダインは斧を構え、ピカチュウはビリビリと電流をはしらせ、双子はお互い構えをとり、時リンも剣を抜いた。
タツナ「思い存分暴れてやろうじゃねぇか! 」
クロコダイン「ガハハ!面白くなりそうだな! 」
ピカチュウ「時間はかけられない! スグ退いてもらうよ! 」
ミソウ「少しは楽しませてくれるんだろうな 」
時リン「あまり時間はかけられないよ!」
ポップ「さぁ!みんな行くぞ!」
『うん!
おう!』
そうして姫を助けるナイト達の戦いが始まった。