二次創作小説(新・総合)

月夜の魔法使いと賢者 前半 ( No.11 )
日時: 2022/08/09 19:49
名前: 大瑠璃音葉(元:桜木霊歌) (ID: /BuoBgkT)

柊さん
こちらの小説にようこそ!
まんばと信濃は優彼との初エンカウントがあれだったので、完全に咳がトラウマになりました。
清光と安定は優彼の様子を見て、沖田の姿と重ねてしまったようです。
夢楽「・・・柊さん?あんた何でそんな目で見るんだ!?」
次回も楽しみに待っていてください!


満月の夜。
面影とグリムとこんのすけと共に書類仕事に追われている時、夜戦部隊に連れられてきた優彼の実兄である優治の姿があった。

『風が強くて、猫が騒ぐ少しだけいつもと違う、明るい満月の夜には何か不思議なことが起こる。』
優彼は祖母からそんなことを聞いたような気がする。
この日はちょうど祖母が言っていたように、風が強くて本丸にいる猫たちも騒いでいて、月もとても明るい気がする。
だが、今の優彼には『そう言えばお祖母ちゃん、そんなこと言ってたなぁ』なんて考える余裕は微塵もなかった。
何故なら優彼の目の前にあるものは、自分が風邪でダウンしていた間に、溜まりに溜まった期日の近い重要書類の山・・・
優彼本人とグリムとこんのすけ、そして優彼の近侍兼優彼看病係に任命されていた面影は凄まじいスピードで重要書類の山と格闘していた。
優彼は書類の記載やサインを終わらせ、グリムとこんのすけに回す。
優彼から書類を回されたグリムとこんのすけは、書類に判子を押して面影に回す。
グリムとこんのすけから印の押された書類を回された面影は、書類をまとめて政府に送る。
普段ならなんてことないようなことなのだが、いかんせん優彼が風邪を拗らせて長引かせていたこともあり、重要書類の数がかなり多くなっていた。
ようやく終わらせた時には、刀剣男士である面影はもちろん、優彼とグリムとこんのすけにも赤疲労マークが見えてるような気がする・・・
それほどまでに4人(1人と2匹と一振)は疲れ果てていた。
多分、このまま全員寝落ちるんじゃないかと考えるほどには。
襖がノックされ、やっとの努力で『どうぞ・・・』と答えることのできたのは頑張ったほうだと優彼自身はこのことを褒める。
そこには、裾がフリルになった白いシャツと黒いベストと赤いケープを羽織り、黒いスラックスを履いた十字架の飾りのついた黒いカンカン帽を被り、長い黒髪を赤いリボンで1つに纏めた、三木とは印象こそ違うものの聖職者を連想させる男性がいた。
優彼の曽祖父であり、『文学の守護者』の異名を持つ文豪である時継彼花ときつぐひばなだ。
優彼「彼花ひばなお祖父ちゃん・・・どうしたの?」
彼花「燭台切さんがホットチョコレートを作ってくれたんですよ。皆お疲れでしょう?飲んでくださいね」
グリム「ホットチョコレートなんだゾ〜〜〜〜!!!」
こんのすけ「ありがたくいただきます!」
面影「いただこう・・・本当に疲れた・・・」
優彼「ありがとう、彼花お祖父ちゃん・・・」
疲れ切っていた4人は彼花が持ってきた燭台切作のホットチョコレートを飲む。
疲れ切った体に程よい甘さと暖かさだ。
はっきり言ってこのまま寝落ちてしまいたい。
だが、雑魚寝をしてしまえばまた風邪を引いてベッドに逆戻りだ。
それだけは全力で避けたい。
寝るならばこの間加州が買ってきたこんのすけ着ぐるみパジャマ(ふかふかで温かい。そして可愛い)を着て、暖かくふかふかな布団に包まってからだ。
彼花「あはは・・・コップはそのまま机に置いていてください。食堂に持っていって洗いますから。」
優彼「今日は流石にお願い・・・これ持ってく余裕もなさそうだし・・・」
面影「私も・・・頼む・・・」
グリムとこんのすけはホットチョコレートを飲み終わるなりすぐに寝落ち、テーブルの上で口を汚したまま寝息を立てている。
優彼が2匹の口を拭ってベッドの枕元に寝かせた後、優彼は普段よりゆっくりとした動作でこんのすけ着ぐるみパジャマに着替える。
面影の方も近侍部屋から持ってきていた寝間着に着替えている。
あとは普段と同じようにベッドに入りふかふかの布団に包まって、いつもより少し深い眠りにつく。
そうなるはずだった。
堀川「主さん、お疲れなのは承知で少しお時間よろしいですか?」
優彼「堀川くん・・・どうぞ・・・」
執務室兼司書室兼図書館本丸の自室に入ってきたのは、図書館本丸の初脇差であり、夜戦部隊の部隊長である堀川だ。
優彼「堀川くん、どうしたの・・・?」
堀川「会えば分かりますよ」
優彼「・・・会えば・・・?」
どういうことだろうと聞く前に、堀川が『こちらですよー』と言って手招きをしている。
瞳の色は優彼と同じく赤色で、髪の色も優彼と同じく黒髪で顔立ちにはどこか優彼の面影がある。
だが、身長は優彼と対象的にかなり高く、優彼の知り合いで例えるとすれば、フロイドとジェイド並みに高身長だ。
優彼「優治ゆうじにぃ・・・どうしてここにいるの・・・?」
優治「優彼!お前と堀川たちがいるってことは、ここ本丸なのか!?」
優彼「そうだよ。それより、優治にぃが何でここにいるのか聞きたいよ・・・眠い・・・」
優治「話すと長くなるんだけど、お前眠そうだな。できるだけ簡潔に言うよ」
優治の説明によると、彼はツイステッドワンダーランドとは異なる人間と魔法使いの共存する異世界に迷い込んだらしい。
・・・いや、迷い込んだというのは言い間違いだ。
ある事情により、優治はその異世界に召喚された。
その事情とは、選ばれていた21人の魔法使い達と共に襲来してくる月から世界を守るということだ。そのために、自分たちの住む世界から賢者と呼ばれる者たちを召喚するそうだ。
そして、今回の賢者に優治が選ばれた。
とのことらしい。
最初は南の国を除き、(南の国は人と魔法使いが助け合って生きることが当たり前なので、魔法使いへの差別や偏見が無い)魔法使いへの差別や偏見が強かったらしいが、少しずつ人間と魔法使いの溝も埋まってきている。
・・・これは、優治の性格も影響しているのだろうと、優彼には容易く予想できる。
優治の性格はかなりお節介で世話焼きだ。
そして、これらは優治には無自覚だが、優彼にとって優治には文豪で例えるなら武者小路のように人の手を引き、彼にならついていっても大丈夫だと思えるような人徳を持っている。
恐らくだが、人間と魔法使いの橋渡しも彼自身が積極的に行っていたのだろう。
じゃなきゃそこまでにはならない。
優治本人も『いつの間にか人と魔法使いを繋ぐ親善大使みたいになってるな』と言ってるが、これだけでも自慢の兄の人徳がどれほどのものなのかが分かる。

感想まだです

月夜の魔法使いと賢者 前半 ( No.12 )
日時: 2022/08/07 17:12
名前: 大瑠璃音葉(元:桜木霊歌) (ID: /BuoBgkT)

優彼「それは分かったけど、それが何でここに優治にぃがいることに繋がるの?」
優治「鏡の泉っていう場所の調査にそれぞれの国の魔法使い二人ずつ連れて俺含めて11人でいったんだよ。そしたら泉が光って気づいたらお前の本丸の近くにいて、堀川につられてきたってわけ」
『あの泉異世界に繋がるって噂あったけど、マジだったんだなー』という他人事みたいに言う優治に呆れたかのように優彼は溜息をつく。
まずやらないといけないことは、その魔法使いたちに挨拶したあとに図書館本丸ここがどんな場所なのかの説明だ。
だが、優彼は眠い。
マジで眠いガチで眠いホントに眠い。マジでガチでホントに眠い。
だからこそ、だ。
優彼「ごめん、僕眠いからさ・・・このままいったら多分説明中に寝落ちると思う・・・だから説明は優治にぃと彼花お祖父ちゃんと堀川くんに任せるよ・・・挨拶は明日やるから・・・」( ˘ω˘)スヤァ
そこまで言うと、優彼は( ˘ω˘)スヤァと寝落ちた。
結局ベッドに行く前に寝落ちてしまった。
優治「おいおいおいおい・・・寝るならベッドに行って布団にくるまってからな〜」
そう言って優治は優彼をベッドに乗せて布団を被せる。
久々に見る可愛い可愛い弟の寝顔は、彼自身が極度のブラコンということを差し引いても天使のような愛らしい寝顔だ。
着ているこんのすけ着ぐるみパジャマも相まって本当に可愛らしい。
ふと優治は『優彼のやつこんなパジャマ持ってたっけ?』と考えたが、はっきり言って些末なこと。
外に彼花と賢者の魔法使いの皆を待たせてしまっている。
優治「彼花じいちゃん、お待たせ」
彼花「気にしてないですよ。優治くん、兄弟水入らずで話せましたか?」
優治「うん。疲れてたみたいで寝落ちたから、俺と彼花じいちゃんと堀川、説明役任されてたよ。」
彼花「潜書が無かったら私も書類仕事手伝えたんですけれどね・・・コウと第四次新思潮の浄化を終わらせたところです。」
自分の中にある記憶よりもかなり若い姿で転生した曽祖父と談笑しながら、皆の待っている広間へ向かう。

感想OKです!