二次創作小説(新・総合)
- 優彼と壊れかけの世界 北の国編 ( No.56 )
- 日時: 2024/05/24 19:28
- 名前: 大瑠璃音葉 (ID: GX8mvGbi)
前回南の国を見て楽しんで魔法舎に戻ってきた優彼達。
任務に行っていた優治達を迎えに行くが、優彼はブラッドリーの厄災の奇妙な傷で彼と共に北の国へ飛ばされてしまう
ミチル「優彼、そろそろ賢者様達が戻ってくる頃だと思いますし、お迎えに行きませんか?」
優彼「良いですね!えっと、僕達が南の国に行った時に乗ったエレベーターの所に行けばいいんですよね?」
後家は魔法舎に来たばかりの時(>>52-55)の優彼の不機嫌さを思い出すと、この楽しそうな顔は本当に安心できる。
時折刀剣男士達への心配で陰る時はあるが、この調子なら問題ないだろう。
3人(正確には2人と一振)がタワーに向かうと、丁度任務が終わったようでエレベーターから優治と中央の魔法使いと北の魔法使いがエレベーターから降りてきた。
優彼「優治にぃお帰り!」
ミチル「皆さんおかえりなさい!」
優治「優彼、良かった機嫌直ったみたいだな」
ブラッドリー「くっそ、鼻がむずむずしてきた・・・は、は・・・」
優彼が優治に駆け寄ろうとすると、彼の体力の低さが祟ったのか、足を縺れさせて転びかける。
ブラッドリー「はっくしょん!」
この瞬間、優彼がたまたま近くにいたブラッドリーのコートを掴んだのと、ブラッドリーがくしゃみをしたのは全く同じタイミングだった。
まほやくを知らない人の為に説明すると、登場する21人の魔法使いのうち、11人は優治が賢者に選ばれる前の〈大いなる厄災〉との戦いで月に近づきすぎた影響で、厄災の奇妙な傷というものを抱えている
今回この場にいる面々で言えば、オズとカイン、スノウとホワイト、ミスラとオーエンとブラッドリーだ。
そして、厄災の奇妙な傷にも様々なものがある。
オズの場合なら夜に魔法を使うと眠ってしまう、カインの場合なら触れるまで相手の姿を認識できない(オーエンは例外)、スノウとホワイトの場合なら夜になると絵に閉じ込められる(出られなくはないが、移動できる範囲は影が絵に届く範囲のみ)、ミスラの場合なら眠れない、オーエンの場合なら不意に優しい人格に変わるといった感じだ。
そして、今くしゃみをしたブラッドリーの厄災の奇妙な傷はくしゃみをすると遠方に瞬間移動するというものである。
さらに、この傷はブラッドリーのみではなく、『その時ブラッドリーが持っていた物や、ブラッドリーに触れていた相手も一緒に』瞬間移動させてしまう。
つまりは・・・優彼はブラッドリーと一緒に瞬間移動してしまったのである\(^o^)/オワタ
優彼とブラッドリーの消えたタワーはなんとも言えない沈黙に包まれた。
優治・後家・ミチル「・・・」
中央の魔法使い「・・・」
スノウ・ホワイト「・・・」
ミスラ「賢者様の弟がブラッドリーと一緒に瞬間移動しましたね」
オーエン「ふふふ、今度はどこに飛ばされたんだろうね」
後家「言ってる場合じゃないよね!?主が消えたーーーーーーーーーー!!!!?」
優治「こんな事ある!?」
感想まだです
- 優彼と壊れかけの世界 北の国編 ( No.57 )
- 日時: 2024/05/24 19:30
- 名前: 大瑠璃音葉 (ID: GX8mvGbi)
北の国
川端の雪国は、『トンネルを抜けると、そこは雪国だった』という言葉から始まる。
もしも優彼が雪国風に説明してくれと聞かれれば、『くしゃみが聞こえると、そこは雪国の洞窟の中だった』としか言えないだろう。
ブラッドリーとしても、任務が終わった後に蜻蛉返りするとは思わなかっただろう。
優彼は以前(>>35-37)ブラッドリーの厄災の奇妙な傷を目撃したが、こんな感じだったんだなと心の中で独りごちる。
そうやって現実逃避しなければやっていられない状態だった。
なんたって、今優彼とブラッドリーの目の前にいるのは無数のワイバーン。
優彼とブラッドリーはワイバーンの巣に飛ばされてしまったのだ!
ブラッドリーは魔道具の長銃を構える。
ブラッドリー「《アドノポテンスム》!」
魔法はワイバーンの内1体に命中し、マナ石へと変わる。
だが、ワイバーンの巣という事もあり、数が恐ろしいほど多い。
ブラッドリー「くっそ数が多いな・・・賢者の弟、一旦逃げるぞ!」
優彼「は、はい!」
ブラッドリーは優彼を俵の様に担ぎ、銃をもう一度ワイバーンに放つ。
ワイバーンが怯んだ隙に2人は巣から脱出した。
洞窟の外は吹雪であり、下手に動けば遭難するだろうし、箒に乗って空を飛ぶのは天候が酷いため危険だ。
飛んで帰るのであれば、ある程度天候が回復するまで待たなければならない。
優彼「ぶぶぶブラッドリーさん・・・」
ブラッドリー「賢者の弟、どうした?」
優彼「さ、寒いです・・・」
この時優彼が着ていたのは、普段の審神者装束である狩衣風の服でも私服である書生スタイルでもない。
政府の定期報告会に行く時に着る余所行きの服だ。
白いシャツに黒いジャケット、同色のショートパンツに黒タイツとローファーであり、ジャケットとショートパンツには白のラインが入っており、赤いネクタイをリドルやリリア、エペルのようにリボンのように括っている。
ブラッドリーはおろか、誰がどう見ても寒い場所には向かない服装だ。
そもそもこんな形で北の国に行くことは誰も想定しないだろう。
想定できる人物がいるなら是非ともお会いしたいものだ。
魔法使いはある程度寒さには強いが、人間・・・それも寒がりな優彼にはこの寒さはきつすぎる。
ブラッドリーは優彼の肩に触れると、呪文を唱える。
ブラッドリー「《アドノポテンスム》」
彼が呪文を唱えると、優彼はいつの間にかブラッドリーが羽織っているコート同じ物を羽織り、先程から感じる寒さが控えめになっている事に気がついた。。
恐らく魔法で魔法舎に置いてる予備のコートを着せてくれた&防寒魔法をかけてくれたのだろう。。
優彼とブラッドリーは身長差が凄まじいから裾や袖が余っているが・・・
感想まだです
- 優彼と壊れかけの世界 北の国編 ( No.58 )
- 日時: 2024/05/24 19:33
- 名前: 大瑠璃音葉 (ID: GX8mvGbi)
ブラッドリー「とりあえず、風邪引かれたら困るからな。まずは吹雪を凌がねえとな。歩きでタワー目指すも箒で飛ぶにしても吹雪が落ち着いてからじゃねえと」
優彼「そうですね・・・」
ブラッドリー「とりあえずついてこい。逸れんなよ」
優彼「はい」
時の洞窟
優彼がブラッドリーの案内でやってきたのは、時の洞窟と呼ばれる場所だ。
洞窟ということもあり、足音や僅かな息遣いも反響して聴こえる。
ブラッドリー「《アドノポテンスム》」
ブラッドリーが呪文を唱えると、焚き火が現れる。
優彼はブラッドリーが着せてくれたコートに火が燃え移らないように気をつけながら、ちょこんと焚き火の前に座る。
優彼「あったかい・・・」
温かさに頬を緩めながら、両手を焚き火にかざして温める。
ふと優彼が上を見ると、コウモリのような生き物が緑の双眸で2人を見下ろしている。
じっとコウモリのような生き物を見つめていると、その生き物が優彼の元にやってきた。
優彼「わぁー!?」
ブラッドリー「はっはっは!お前、イェストゥルムにすげぇ懐かれてるな!」
優彼「待ってくすぐったい!えっと、このコウモリさん達、イェストゥルムって言うんですか?」
??『ブラッドリーはイェストゥルムの生態に何で詳しいんだ?』
優彼「・・・え?」
優彼は聞こえてきた声の方向をおもわず見る。
それもそのはず。今は移動さえしていなければ魔法舎にいるはずの優治の声が、このコウモリのような生き物・・・イェストゥルムから聞こえたのだ。
思わずブラッドリーの方を見ると、彼は笑ってこういった。
ブラッドリー「驚くだろうな。イェストゥルムは聞いたことを記憶して、群れの交信に使うんだ。そうして音だけが次の世代へ引き継がれて、こいつらの生態を知らなきゃ、この時の洞窟が過去の次元に繋がってるって勘違いする奴も多い訳だ。」
優彼「じゃあ、今聞こえた優治にぃの声は・・・」
ブラッドリー「ここに任務できた時にこいつらについて聞かれたからな。そん時の会話だろ」
そんな会話をしながらブラッドリーが時の洞窟の外を確認すると、吹雪が落ち着いている。
戻るなら今だろう。
魔法で焚き火を消して箒を出す。
ブラッドリー「じゃあ、魔法舎に戻るぞ。掴まれ」
優彼「はい」
優彼はしっかりとブラッドリーの体に掴まる。
ふわりとした感覚と、少しの肌寒さを感じながら北の国の空を飛ぶ。
先程までは吹雪でよく分からなかったが、晴れた今では北の国ならではの美しさが分かる。
積もった雪に太陽の光が反射してとても美しい。
できればもっと北の国を見たいと思ったが、現在進行形で後家や優治が心配しているだろうと確信している優彼は、ブラッドリーの箒に乗せられて魔法舎へと戻る。
しばらく箒に揺られていると、魔法舎が見えてきた。
ブラッドリー「やっと帰ってこれたぜ・・・」
優彼「お待たせしました〜。あ、ブラッドリーさんコートありがとうございます。」
リケ「わぁ、無事で良かった・・・!賢者様、優彼とブラッドリーが戻ってきましたよ」
後家「主大丈夫!?怪我してない!?」
優彼「ブラッドリーも優彼も大丈夫かー!?」
騒がしさに安心感を覚える優彼であった
感想OKです!