二次創作小説(新・総合)
- 優彼と悪魔執事 ( No.72 )
- 日時: 2024/08/31 21:27
- 名前: 大瑠璃音葉 (ID: OP8rm8tJ)
御伽学園で文芸部と掛け持ちして所属しているTRPG同好会の活動を終えた優彼。
クラスメイトで同好会のメンバーである双葉の落とし物を届けに行くと・・・!?
優彼「・・・」
双葉「・・・」
黒と白の燕尾服の男性「お帰りなさいませ主さ、ま・・・?」
黒猫「あれ?主様、この人は誰ですか〜?」
優彼は現在、謎の建物の中にいた。
今4人(3人と1匹)がいる部屋は豪奢で、審神者兼特務司書兼ナイトレイブンカレッジ監督生と、かなり前途多難な生活の送っているものの、普通の高校生である優彼には縁遠い場所だ。
この部屋にいるのは、優彼とベレー帽を被り胸までの長さの白髪を2つ結びにして、右目が青で左目が紫のオッドアイの少女・・・もとい、優彼の友人でありクラスメイトであり同じTRPG同好会のメンバーである猫屋敷双葉と、白をベースに黒やピンクのメッシュが入った特徴的な髪色に、右が黒で左が白といった特徴的なデザインの燕尾服を着た男性、そして燕尾服のようなベストを着た黒猫の4人(3人と1匹)である。
優彼「いや何でこうなったんですか!?」
時は数分前に遡る・・・
優彼「今日も楽しかったですね」
双葉「うん!ハッピーエンドに出来てよかった!」
TRPGを楽しみ、御伽学園公式サイトにセッション動画を投稿する活動をする同好会、TRPG同好会。
今日やったセッションの振り返りをしながら、2人は帰る準備をする。
双葉は3年前に御伽学園に転校してきた生徒だ。
お互い猫が好きでバーチャル・シンガーが好きという共通点があり、すぐに意気投合。
仲の良い友人となった。
双葉「じゃあ、私はそろそろ行くね」
優彼「分かりました。じゃあ、また明日」
ばいばーいと手を振って帰路につく双葉。
優彼もそろそろ本丸に戻ろうと考えるがふと、地面に目が向く。
落ちていたのは星や三日月、黒猫の象られたデザインの可愛らしいパスケースで、中にはOTOCA(現実でいうICOCAに該当するICカード)の定期券が入っている。
それは双葉がいつも使っているパスケースだ。
双葉が住んでいるのは優彼が猫おばあちゃんと呼んで慕っている花菜のマンション。
両親がなくなってから花菜に引き取られたと話していた事を、優彼は覚えている。
花菜の住んでいるマンションは御伽学園から少し距離があり、双葉はいつも路面電車通学している。
優彼「ちょ、これまずいですって!双葉が困ってしまいます!」
急いで優彼は双葉の向かった方向へ走る。
スマホを取り出して時間を確認する。
路面電車が来るまでの時間はまだあるが、優彼の足はかなり遅い為全速力だ。
路面電車の駅までもうすぐといった所の公園で双葉の姿を見つける。
休憩しているのか、ベンチに座ってのんびりしている。
優彼「双葉、落とし物ですよ!」
双葉「え?」
優彼が双葉に声をかけ肩に手を置いた瞬間に、双葉は振り返る。
彼女の右手には金色の指輪がはめられていた。
そういえば転校してからしばらく経った時から、いつもペンダントにつけて首からかけてたなその指輪、と優彼が思う間もなく、2人の体はぐらりと傾き意識を失った
感想まだです
- 優彼と悪魔執事 ( No.73 )
- 日時: 2024/08/31 21:52
- 名前: 大瑠璃音葉 (ID: OP8rm8tJ)
そして今に至る
双葉「優彼君、落ち着いた・・・?」
優彼「何とか・・・」
優彼はすぐに冷静さを取り戻した。
幽霊など人ならざる存在が視える上に、審神者に特務司書にナイトレイブンカレッジの監督生と様々な不思議な事に触れてきている経験が功をなした。
黒猫→ムー「優彼さんって言うんですか?僕、ムーって言います!」
優彼「ムー君ですね。改めまして、双葉ちゃんのクラスメイトで友人の時継優彼です」
双葉「優彼君、喋る猫にびっくりしないんだね・・・」
優彼「まあね。色々あったけど」
当時を思い出したのか、優彼の目はどこか疲れ切った様子を見せた。
双葉(一体どんな経験したんだろう・・・)
優彼「あっそういえば、あなたとはまだ自己紹介できてませんでしたね」
黒と白の燕尾服の男性→ベリアン「ふふ、そうでしたね。主様に仕えている悪魔執事のベリアン・クライアンと申します」
お辞儀をするベリアンに、日本人あるあるの反射的な行動で優彼もつられて頭を下げる。
ベリアン「ところで、優彼様は何故ここに?」
優彼「優彼様!?えっと、双葉の肩に手を置いただけ・・・あ」(主や主君は慣れてるけど・・・様付けは慣れないな)
優彼はここでパスケースを思い出し、双葉に差し出す。
優彼「双葉、パスケース落としてたから届けに来ましたよ」
双葉「え!?」
双葉は通学鞄を確認する。
そしてパスケースが鞄に入っていない事を理解すると、優彼からパスケースを受け取る。
双葉「これ届けに来てくれたの?」
優彼「うん。双葉は路面電車通学だからOTOCA無いと困ると思いまして・・・」
2人はデビルズパレスに来たときのことを思い出す。
あの時双葉はそろそろパレスに行こうと考え、公園のベンチに座って指輪をはめた。
そのタイミングでパスケースを届けに来た優彼の声が響き、双葉が指輪をはめたと同時に肩に手を置いた。
その事を考えると・・・
双葉「もしかして、おばあちゃんをこっちにつれてきた時みたいに、私が指輪をはめたタイミングで優彼君が私に触れてたから・・・?いつもスマホとかこっちの世界の物持っていけてるし」
優彼「それですよ絶対それですよ・・・!どうやったら僕帰れるのかな・・・っていうか猫おばあちゃんこっちに来た事あるんですか!?」
双葉「すごく大事なことだから、一回おばあちゃんに相談して挨拶に連れてきたことがあるの。3年前におばあちゃんを連れてきた時も、今の優彼君の時も、来た時に私に触れてたから・・・おばあちゃんを連れて帰る時も同じ様に私に触れて帰ることが出来たから・・・多分大丈夫だよ!」
3年前は、双葉が転校してきた時期だ。
まだ慣れない土地&見知らぬ世界に飛ばされたりと、双葉も慣れることに苦労しただろう。
変える方法が分かった優彼は安心だ。
取り敢えず、冷静になった2人は互いの事を話していた。
双葉「審神者や特務司書として歴史や文学守ったり、魔法の世界で監督生?優彼君忙しいんじゃない?」
優彼「すごく忙しいです。でも、刀剣男士の皆も文豪の先生方も、魔法の学校の友達も皆優しいし、忙しさ以上に楽しいって気持ちが強いです。それを言うなら、双葉の方こそ悪魔執事の皆さんと一緒に天使と戦うの、大変そうですね。」
双葉「大変なの!知能天使とかいう厄介な天使も出てきたし・・・だからこそかな。私は悪魔執事の拠り所になりたいの」
ベリアン「そう言ってくださるなんて、私達は幸せ物ですね」
双葉「当たり前だよベリアン!いつも天使狩りの時には守られてばかりで、交渉もルカスやナックにサポートしてもらってばかりだし・・・そのくらいしかできないけど、私は皆の力になりたいの」
その様子を見て、優彼は思わず優しい笑みを浮かべる。
転校してきたばかりの彼女は控えめであがり症だったが、少しずつ明るくなっていった。
優彼(双葉が悪魔執事の皆さんに慕われている理由が分かるな・・・僕も皆に会いたくなってきちゃった)「じゃあ、そろそろ行きましょうか」
双葉「そうだね。優彼君を元の世界に返さなきゃ!ベリアン、ムーちゃん、また後で来るね!」
ムー「分かりました!」
優彼「短い時間ですけどお世話になりました」
優彼は双葉の肩に手を置く。
双葉が指輪を外すと、デビルズパレス来た時と同じ様に2人の体はぐらりと傾き意識を失った。
2人が再び目を覚ますと、そこはデビルズパレスに来る前にいた公園だった。
優彼「無事帰れたみたいですね」
双葉「おばあちゃんって前例があったから心配してなかったけど優彼君を返すことができてよかったよ」
優彼「そういえば、僕達共通点が2つ増えましたね」
双葉「共通点?」
優彼「主仲間と異世界体験仲間、です」
双葉「確かに!」
その言葉を聞いて、2人は一頻り笑った後で互いに手を振って家路につく。
優彼は会いたくなった刀剣男士や文豪に会うために、双葉はデビルズパレスに戻る為に、一度家に戻るのであった。
感想OKです!