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いつも通りの日常を過ごしていた優彼と賢者の魔法使い達。
だが、ムルの持ってきたお菓子が原因で優彼とアーサーが入れ替わってしまう・・・

小鳥のさえずりが響く晴天の日。
中央の魔法使いであるアーサーは小鳥のさえずりの聞きながら自室で目を覚ます・・・はずであった
アーサー「ん・・・」
喉から出たのは、ミチルとよく似た声色の声。
時たまミチルと優彼と南吉と小夜が、ルチルの目を手で隠して「誰でしょうか？」と言って楽しんでいる事があるから聞き覚えがある。
出会った日から何度も間違いなく聞き慣れている声色・・・聞き間違える訳もない優彼の声色だ。
起き上がって周りを見る。ベッドにはサクリフィキウムことサクちゃんが眠っている。
そこは見慣れた自室ではない。
よく見ると、この部屋にはベッドも机も今自分が使っているものを含めて2つずつある。
よくよく見るともう1つのベッドには今日の助手であろう南吉とごんがすやすやと眠っている（様に見える）。
図書館本丸の南吉が連れているごんは、カジュアルアニマル衣装並みに大きく、霊力が強く澄んでいる優彼の影響か自律移動する事ができる（ちなみに心平のぎゃわずはサイズはそのままだが自律移動可能）
スノウとホワイト以外でこういった特徴の部屋が一つだけある。
優彼と近侍に選ばれた刀剣男士や助手に選ばれた文豪の部屋だ。
よくよく見るともう1つのベッドには南吉が眠っている。
そして何より、今自分が身に纏っているのは自分の白い寝間着ではなく、白と赤を基調にした優彼の寝間着である。
アーサーは嫌な予感を感じた。
ベッドを降りると、普段より視界が低く感じる。
部屋にある鏡を見る。そこに映るのは銀髪碧眼の自分アーサーの姿ではない。
黒髪赤目の優彼の姿だ。
優彼（アーサー）「こ、これは一体・・・！？」
南吉「ん〜、優彼君おはよう〜」
ごん*´･ωヾ)
サクちゃん「ﾆ,ﾆ…」
優彼（アーサー）「南吉、実は・・・」

ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ…

部屋の外から走る足音が響く。
何だろうと3人が考える間もなく扉が開かれる。
そこにいたのは寝間着を着たアーサーの姿の優彼だ
アーサー（優彼）「アーサーいますか！？わあああああああああ僕だあああああああああああああ！！！！！」
南吉「わぁ、どうしたのアーサーさん！？ってアーサーいますかって言った・・・？そういえば優彼君もさっき僕の事呼び捨てにしてたし、もしかして優彼君にいるのがアーサーで、アーサーさんにいるのが優彼君？」
アーサー（優彼）「そうです、朝起きたらアーサーの体になってて・・・！」
状況を理解した5人(正確には3人と1匹と1体)だが、あることをお忘れではないだろうか？
今の優彼はアーサーの体だ。そして優彼は先程大きな声で叫んでいた。つまりは・・・
カイン「アーサー、何があった！？」
オズ「アーサー・・・！」
ヒース「アーサー様、何があったんですか！？」
シノ「何があった！？」
アーサーの姿の優彼の声に2階の魔法使いや、アーサーを大切にしているオズが一瞬にして優彼の部屋の前に集まる。
そして、カインの焦る様子に興味を持ったオーエンが、ヒースクリフとシノの声に驚いたファウストとネロも優彼の部屋の前に集まる。
そして、騒ぎを聞きつけた魔法使い全員が芋づる式に優彼の部屋の前に集まった。

感想まだです

何とか全員を落ち着かせ、魔法舎の談話室へ集まる。
その時ムルはふとこう言った
ムル「へー、あのお菓子、賢者様とアーサーが食べたんだねー」
アーサー(優彼)「あのお菓子・・・？ムル、何か知ってるんですか！？」
ムル「うん、西の国のジョークグッズだよ！2枚セットになってて、食べた2人を入れ替えちゃう〜」
その話を聞いた時、2人は思い出した。
昨日、南の国の任務が終わった時、ちょうど公務が終わったアーサーと談話室に来た時に机に置いてあったクッキーを2人で食べた事を・・・
優彼アーサー「アレか・・・てっきりネロが作った物だと思っていたが・・・」
アーサー(優彼)「ムル、元に戻してください！」
ムル「戻し方？忘れちゃった♪」
アーサー(優彼)「ムルー！？」
シャイロック「まあ、西の国のジョークグッズなので、長らく入れ替わったままということはないでしょう。少なくとも1日、長くて1週間で戻るでしょう」
アーサー(優彼)「そんなぁ・・・」
アーサーの体の優彼は泣きかけだ。
審神者や特務司書としての仕事に御伽学園での授業と、やらないといけないことがたくさんある。
いっそアーサーに代わりにやってもらおうと考えたが、ボロが出たらまずい。
南吉「でも戻れるんでしょ？だったら腹を括ろう！」
ごん(๑•̀ㅂ•́)و✧ｸﾞｯ!
サクちゃん「ﾆ!」
優彼アーサー「賢者様、悲観していても仕方ありません。元に戻るなら心配ありませんよ」
全員の優しさに、優彼は思わず涙が流れそうになる。
スノウ「ねえねえ賢者ちゃん」
ホワイト「試しに我らの事、スノウ様とホワイト様って呼んでみない？」
フィガロ「あ、じゃあ俺もフィガロ様って呼んでほしいな〜」
オズ・ファウスト「賢者に妙な事を刷り込むな」
スノウ・ホワイト・フィガロ「え〜・・・」
そのやり取りを聞きながら、ブラッドリーはある事を思いつく。
ブラッドリー「おい賢者。今中央の王子さんの体って事は、魔法使えるんじゃねぇのか？」
アーサー(優彼)「え？魔法・・・？」
優彼はブラッドリーの言葉をすぐには理解できず、ポカンとした表情をした。
そして、その言葉を理解すると優彼はぱあぁっと花が咲いたような眩しい笑顔を見せる。
オズ（幼い頃のアーサーみたいだな）
何を隠そう、優彼は魔法や魔法使いに強く憧れており、幼い頃はよく魔法使いが出てくる絵本を沢山読んでいた。
そんな彼にとって魔法を使えるかもしれないというのは、嬉しい以外の何物でもない。
早速やってみようという事で、優彼と中央の魔法使い達は中庭へ向かう事にした。

感想まだです

中庭についた優彼はアーサーの魔導具である魔導書を携え、ふんすふんすとやる気満々だ。
リケ「賢者様、すごく生き生きしています」
南吉「優彼君、魔法や魔法使いに憧れてるからね」
ごん"(o´･ω･)´-ω-)ｳﾝ
優彼（アーサー）「では、賢者様。早速魔法について教えますね」
アーサー（優彼）「はい！」
優彼（アーサー）「ではまず、箒を出してみましょう。賢者様、箒を出す様子をイメージしながら私の呪文を唱えてください」
アーサー（優彼）「イメージ、イメージ・・・《パルノクタン・ニクスジオ》！」
優彼が呪文を唱えると、アーサーの魔法陣から彼がいつも乗っている箒が現れる。
初めて使った魔法が成功した事で、優彼は上機嫌だ。
アーサー（優彼）「やった！皆見ましたか！？箒出せちゃいましたよ！」
カイン「見たぜ！じゃあ、今度は飛んでみるか？」
アーサー（優彼）「飛ぶ・・・箒に乗って・・・！」
優彼は俄然やる気になり箒に跨る。
・・・が、箒どころか魔法初心者の優彼には空を飛ぶのは難易度が高かったようだ。
飛べないことはないが、精々50cmを数秒浮く事が限界だった。
もしも優治がこの様子を見ていたら、「オクタヴィネルの3人かイデア先輩か・・・？」と言ってしまうだろう。
アーサー（優彼）「うぅ・・・お空・・・皆みたいにお空飛びたかったのに・・・」
リケ「最初は向き不向きがありますし、仕方ありませんよ」
リケにそう慰められるも、魔法使い達みたいに空を飛びたいという願望が強かったのだろう。
先ほどからずっと「お空、お空・・・うぅ・・・飛びたいよぉ・・・」とうわ言のように呟いている。
その様子の優彼を見ながら、オズは魔法で街を作っている。
そして、優彼に話しかけた。
オズ「賢者」
アーサー（優彼）「あ、はい！」
オズ「私の魔法を真似してみろ。・・・《ヴォクスノク》」
オズが呪文を唱えると同時に杖から雷が放たれ、的を木っ端微塵に破壊する。
その様子に「カッコいい・・・！」「すごい・・・！」「流石ですオズ様！」といった声が聞こえる。
魔法で的を直したオズは優彼の方を向き、やってみろと言うように微笑んだ。
優彼は魔導書を構えて呪文を唱える
アーサー（優彼）「《パルノクタン・ニクスジオ》！」
その呪文と共に、凄まじい風の刃が放たれ、的を真っ二つにする。
やったーと喜び、舞い上がってる優彼は心の底から楽しんでいるように見えた。
翌日、クッキーの効果が切れた為2人は元に戻ることができた。
しかし、優彼にはもう少し魔法を使いたかったなという思いが少し燻っていたそうな

・おまけ　もしも別の魔法使いと入れ替わっていたら
北の国　入れ替わった相手：オーエン
オーエン（優彼）「わぁ〜！ケルベロスモフモフです〜！」
ケルベロス「バウッ♪」
優彼（オーエン）「賢者様、いつの間にそいつを餌付けしたの？すっごい懐いてるんだけど？」

東の国　入れ替わった相手：ファウスト
ファウスト（優彼）「これが身長の高い人の見る景色・・・！」
優彼（ファウスト）「僕の身長は高い方じゃないよ。むしろ平均的な方だ」
ごん（￣ b￣) ｼｰｰｯ!!
南吉「優彼君にとっては男性の平均身長でも高身長だからね〜」

西の国　入れ替わった相手：クロエ
優彼（クロエ）「うーん、これも似合いそうだな〜！」
クロエ（優彼）「あの、クロエ？僕はいつまでこうしてれば良いんですか？」
優彼（クロエ）「もうちょっとだけそのまま！自分で自分に服を着せるなんてなかなかないよ〜！」
クロエ（優彼）（僕、完全に着せ替え人形にされてる・・・こういうとこ見ると、クロエも西なんだな・・・）

南の国　入れ替わった相手：ルチル
ルチル（優彼）「わああああああああああ〜！！！？ルチルの箒早すぎですううううううううううううううううううううう！！！！！」
優彼（ルチル）「賢者様、大丈夫ですか？」
ルチル（優彼）「な、何とか・・・！・・・あ」（←箒から手を離してしまった）
優彼（ルチル）・南吉「あ」
ルチル（優彼）「お、落ちちゃいますうううううううううう！！！？」
ごんｽﾞｻｰc⌒っﾟДﾟ)っ
ミスラ「《アルシム》」
ルチル（優彼）「助かりましたミスラ・・・ありがとうございます・・・」

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