二次創作小説(新・総合)
- 優彼と不思議な猫 ( No.89 )
- 日時: 2025/02/22 16:16
- 名前: 大瑠璃音葉 (ID: kx1LgPV4)
久しぶりの投稿です!
今日は猫の日だから、優彼と猫に纏わるお話です。
審神者と特務司書の仕事が珍しく休みの優彼は、公園で不思議な猫と出会う。
優彼「可愛い・・・!こっちおいで〜」
猫「ミィ~!」
今日は2月22日。世間では猫の日と呼ばれる日である。
いつも本丸や猫おばあちゃんの家で猫に触れ合っている優彼にはいつも通りのライフワークだが、今日はいつも立ち寄らない公園にいる野良猫と触れ合おうと思い立ったのだ。
優彼(こういう時は審神者の仕事と特務司書の仕事が休みだった事が嬉しいな)
こういう時はいつも刀剣男士や文豪たちが仕事を頑張ってくれているからだということを1番に理解している。
帰りに皆と食べるお菓子を買って帰ろうと考える。
審神者は場合によっては命に関わるということもあり、特務司書は公務員という事もあってかお給与が他の仕事より高い。
最も急に休日出勤になることもある為、そのお給与が労働に見合っているかどうかは本人の考え方次第になる。
ちなみにバイトをしておらず、担当の役人などに恵まれた優彼はお給与が見合っていると考える審神者の一人である。
学生鞄から○ゅーるを取り出し、野良猫にあげる。
どうやらどうやらお気に召したようで、もっともっとと言うかのように優彼の膝に前足を置く。
優彼「どうしたの?もっと○ゅーる欲しいの?しょうがないなぁ」
そう言って優彼は2本目の○ゅーるを野良猫にあげた。
野良猫はご満悦といった様子を醸し出している。
優彼「美味しかった?じゃあ今度は遊ぼ!」
今度は蝶の飾りのついた青い猫じゃらしを取り出す。
優彼が猫じゃらしをひらひらと振るたびに野良猫はミィミィ鳴きながら猫じゃらしと飾りの蝶々を追いかける。
猫じゃらしを掴むと、野良猫は「獲ったどー!」と言わんばかりにミィー!と大きな鳴き声を上げた。
優彼「ふふっ、やっぱり猫可愛いなぁ・・・」
幼い頃は喘息が酷くなるからと、猫にあまり触れなかった。
動物園に行事で行った時にも触れ合いコーナーで動物を触れ合う同級生を見て、羨ましさを覚えたくらいだ。
今は昔よりは体力もつき、発作もまだ出るものの回数はかなり減った為猫に触れ合うことが多くなった。
優彼(猫と触れ合うの、やっぱり楽しい!)
黒猫「ミャー」
優彼の後ろにいつの間にか別の猫が来ていた。
毛の色は黒だが、前足と後ろ足の先の色が違う所謂靴下猫という奴だ。
だが、霊感の強い優彼には分かってしまった。
優彼(この黒猫、幽霊だ・・・)
お人好しで、困ってる人や幽霊を放っておけないののが、優彼の最大の長所であり短所な所だとよく言われる。
優彼『猫さん、どうしたの?』
黒猫『僕の言葉、分かるの?』
優彼『うん。君幽霊だよね?どうして成仏できないの?』
黒猫『実はね・・・』
黒猫の話によると、自分は飼い猫で昨日外を散歩している時に車にはねられてしまったそうだ。
その時飼い主の少女がつけてくれた首輪が外れてしまったそうで、首輪を無くしたことが未練で成仏できないそうだ。
優彼『そっか。どこで車にはねられたの?』
黒猫『あそこ』
そう言って黒猫は公園の外を見る。
優彼も黒猫の視線を追うと、今いる公園の近くにある交差点だ。
はねられたのが昨日で首輪がまだ見つかってないならまだ近くにあるだろう。
優彼は人や物の記憶を視る事が得意だ。
こうは言っても、ムルのように視える訳ではなく、白い影のようなモノが記憶をなぞる様に動くだけだ。
それでも失せ物探しにはうってつけだ。
優彼「さてと、黒猫さんの首輪の気配を辿ってみますか」
深呼吸して白い影の動きを視る。
横断歩道を動く小さな影がはね飛ぶ。
その拍子で小さな影から何かが外れて、それが茂みの中に落ちたのが視えた。
優彼「あそこだね」
茂みを掻き分ける。そこには鈴のついた千切れた赤い首輪があった。
ネームプレートの所には『フユ』と書かれている。
優彼『これが君の首輪?』
黒猫『!うん!ありがとう!』
そう言って黒猫・・・フユの姿は徐々に光の粒子となって姿を消していった。
優彼(成仏できて、良かった・・・)
優彼は首輪をフユのはねられた交差点の隅に供え、可愛らしい野良猫のと戯れとフユの未練解消の手伝いをできて良かったと思いながら、本丸で待つ刀剣男士と文豪たちにお土産のお菓子を買いに行こうと、公園から離れたのであった