二次創作小説(新・総合)

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.6 )
日時: 2017/04/02 22:46
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)



フェイズ1・幻想大侵攻



4・紅と銀



レミリア「フランがいない?」
パチュリー「そうなの……どこを探してもいないのよ。内側からは開けられないように厳重に封印を施していたのだけどそれを解いた形跡もないし……」

紅魔館ではレミリアが妹の消息が途絶えたことを心配していた。妹は少し気が触れており外に出すと大惨事になりかねないので封印していたのだ、しかしそれが行方不明になってしまった。しかも封印を解かずして。他に壊された形跡はなく完全なる密室なのに消息が絶たれ、レミリアは驚いていた。あのスキマ妖怪にでもさらわれたのか、それとも別の何かが………何もしなければとても可愛い唯一の妹が突如消え去り、姉の心配はどんどん膨らんでいった。

レミリア「いつもならなんてことないのに……封印が解かれていないだけでどうしてこう心配するのかしら………」
パチュリー「落ち着きなさいレミィ、あとで咲夜や美鈴にも聞いてみましょう……あら?」

これからのことについて話していると突如地鳴りが起こった。意図的に大地が削られて起きるような酷く乱雑な地鳴りが辺りを包み込む。地鳴りが鳴って数分後、ドタドタと走る音が聞こえた。パチュリーが小悪魔が倒れた本の並べ直しを手伝ってくれと頼みにきたのだろうと言っていたが、ドアを開けたのはいつもなら外で見張りをしている門番の紅美鈴だった。

美鈴「た、大変ですお嬢様!機械で兵隊が丸くて木が空を飛んで刺さってアスファルトな地面になってて………」
レミリア「落ち着きなさい、全然わからないわ。とりあえず冷静に……」
美鈴「冷静になんかなってられませんよ!とにかく急いで来て下さい!」

主を置いてドタドタと走り出す門番、何事かと外に出てみると空からたくさんの機械が見える。降ってきた木や電球が地面に刺さると地面が鉄で舗装されてしまい、色とりどりの花が咲き誇る花壇が飲み込まれてしまった。更に鉄のロボットの兵隊が空を埋め尽くすように現れる。

レミリア「なんなの?こいつら………」
???「おっと、オマエがリストに乗ってたレミリア・スカーレットって奴だな?なんだ、写真のより弱そうなのサ!」

人を食ったような憎たらしい声の主がロボットの軍団の前に現れた。2色の帽子を被り奇妙な腕をしていたその生命体は、ただニタニタと笑っていた。

マルク「ボクはマルク。今日からこの世界はボクの物なのサ!」
レミリア「急に出てきて何を言っているのかしら、ここは私の館よ。絶対に渡さないわ。」
マルク「おっと………この数を相手にして、どこまで強気でいられるかな?……やれ!」

マルクの号令と共にロボットの軍団が一斉に襲いかかってきた。鋼の拳やレーザーが雨のように降り注ぐ。そしてその銀の群れを一筋の紅い光が貫いた。過ぎた一線にいたロボットは大破していた。それに合わせてパチュリーは魔法、美鈴は武術で応戦している。

レミリア「へぇ………グングニルを受けても形が残る物なんて初めて見たわ。」
パチュリー「ふぅ、なかなか手応えのある奴ね。」
美鈴「手足が持つかわかりませんが、今は館の危機ですからね………」

マルク「なるほど、結構しぶといね……ならコイツの出番なのサ!」

マルクは異空間を開きそこから兵器を呼び出す、それは明らかに殺意をむき出しにした冷徹なもうひとつの紅い吸血鬼だった。無垢だったその瞳は今は冷たく薄暗い。

レミリア「……フラン!?」
美鈴「妹様!?どうして…………」
マルク「さてフランボーグ、思いっきり暴れてやるのサ!」
フラン「………………」

瞳を赤く輝かせレミリアを捉えた途端、細い腕がレミリアの体に直撃した。見えないくらいの速さでレミリアの懐につっこんだのである。

レミリア「ぐっ…………!!」
マルク「おー、いいねいいね!なかなかの破壊力なのサ!」

レミリアは衝撃で館の外壁にめり込んだ。武装したことによりフランの力が格段に上がっており、強靭な吸血鬼の体を簡単に吹き飛ばしてしまった。相当な威力のはずだが、レミリアはお腹を押さえながらも戦場に復帰し、さも余裕そうな顔をする。

レミリア「なるほど……フランをさらったのはアンタだったのね……これで心置きなく本気になれるわ…」

レミリアの周りを紅いオーラが包む。そのオーラはレミリアの右手に集い大きな槍を形成した。空気を押し揺るがすほどの力を持つ槍をマルクに向かって思いっきり放り投げる。しかしフランが間に入り体を盾にしてマルクを守った。右手に深手を負いながらもレミリアの全力を防いだのである。

レミリア「嘘……私の全力を片手だけで……?」
マルク「ちっ……これ借り物なんだぜ?キズつけやがって……もういい、これだけ深手を負わせりゃ充分だ。捕まえるのサ!」

マルクの号令に従いロボットの軍団がレミリアの確保に向かう。パチュリーや美鈴をおしのけその拳はレミリアに伸びた。










その兵士の首筋にナイフが飛んできたのは数秒後の話である。

咲夜「遅くなりました、気づいてはいたのですが能力が使えず………」

咲夜の手には銅のリストがついていた。どうやら能力を使用不能にする力が働いているらしい。

パチュリー「無駄よ……能力を使えないあなたなんて足手まとい以外に無いわ……」
咲夜「美鈴もパチュリー様も大分疲弊しています、ここは私がなんとしても守らないと………」
美鈴「そのリスト……どうしたんですか?」
咲夜「子供につけられたんだけど……様子がおかしかったから怪しく思って……外そうと思った時には既に……しかし、そこそこ運動はできます、ここはお任せを!」


マルク「今更ザコがやって来たのサ。まとめて捕まえてやる!」
咲夜「ザコかどうかは……まだわかりませんわよ。」