二次創作小説(新・総合)
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.11 )
- 日時: 2017/04/16 21:21
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
9・スキマと異空間の邂逅
八雲神社
どこにあるのかハッキリしない空間にひっそりと佇む屋敷のような神社がある。そこは主以外は入ることすらできないように特殊な結界を施しており、偶然や奇跡をもってしても見ることはできない。
そこの中庭では八雲神社の主、紫が神妙な面持ちで空を眺めていた。そばには紫の式、藍がおり心配そうに紫の横顔を見ている。
紫「霊夢にはあらかじめ言っておいたけどまだ嫌な予感がするわ。」
藍「最近ずっとですよね……まさか戦争レベルの異変が起きる……とかではないですよね?」
紫「わからないわ……こんな感覚はじめてだもの、せめて私の勘違いであることを祈るしか無いわ…」
今まで感じたことのない胸のザワつきはいつまでたっても消えることはなかった。いつもだったら霊夢が解決してくれるのだが今回はやけに不安が残る。しかし自分は心配することしかできない、そんな自分に不甲斐なさを感じたまま眠りについた。
その翌日、紫の不安は的中していた。大量の機械が幻想郷の空を覆い尽くし、地面に刺さる時の地響きと轟音により紫達は外に駆け出した。
橙「藍しゃま、怖いです……」
藍「大丈夫だよ、私が守ってあげるからね。」
藍の式、橙は大きな音と見たことのない機械に怯えていた。しかし何より気にしていたのは紫本人であった。誰も入ることができない結界になぜ入ることができたのかわからない。紫は2人の前に立つと兵士の1人がリストを取りだし写真と実物を確認していた。
兵士「八雲紫だな?我々の悲願のため、同行してもらう。」
紫「ずかずかと大勢で乗り込むなんて、礼儀のなってない方々ね。」
藍「何が目的かは知らないが、お帰り願おうか。こっちは安眠を妨害されて不機嫌なんだ。」
橙「そ、そうです!」
兵士「ならば仕方ない……なるべく怪我はさせるなよ。」
ロボット兵は紫を捕まえようとするが、紫はスキマを作り取り込む。どこに繋がっているかはわからないが取り込まれた兵士達が戻ってくることはなかった。藍と橙も妖術で立ち向かい互角の戦いをしていた。
紫「こんなものなの………!?」
『やっと見つけたヨォ!ボクの友達!』
突然星形に空間が裂けそこから黒い船が現れた。禍々しいオーラに包まれた船のドアからマホロアが紫の前に降り立つ。
マホロア「会えて嬉しいヨォ、ユカリ。」
紫「あなたがこれの主犯ね……どうしてこんなことを……」
マホロア「遊びに来たんだヨォ、ユカリの能力はボクと同じだからネェ。頑丈な結界を張ってても、ボクには通用しないヨ。」
紫「ずいぶんなことね……とにかく、その兵士たちにはお帰り願うわ。あなたもね。」
マホロア「えー?そんなぁー」
紫「……これはお仕置きが必要ね。私をコケにしたこと後悔させてあげるわ。」
紫はいきなりマホロアに結界を展開しその中で弾幕を張るもそこにマホロアの姿はなかった。
マホロア「酷いなぁ、遊ぶんだったら言ってヨォ。」
藍「紫様、危ない!」
マホロアは紫の背後に現れ船のオールで背中を切り裂いた。しかし切り裂いた背中は紫ではなく藍のものだった。心配そうに駆け寄る橙を藍は優しく抱き止める。
藍「うぅ……橙……」
紫「しっかりしなさい!大丈夫よ!」
マホロア「あらぁ………庇ったんだネェ………」
紫「………いいわ、少し本気になってあげる!豪幕結界!」
紫は激流の如く威力の強い弾幕を放ち、マホロアも同威力の魔力球を放つ。しかしだんだんマホロアが押し負けくらいかけるも異空間に入り難を逃れた。その後も避けては放ちを繰り返し戦いは長引くもマホロアはピンピンしており、むしろ紫がスタミナを消耗していた。紫よりもマホロアのほうが少ない力で大量の魔力球が出せるからである。
マホロア「もうスキマ、出せる余裕も無いんじゃない?」
紫「そんなこと、やってみればわかることよ……」
マホロア「……ふーん、じゃあ………えいっ!」
紫「!?」
マホロアは魔力の密度を高めた魔力球を藍に向かって放った。しかしその豪速球は紫が受けとめ、戦いの疲れからか倒れこんでしまった。
紫「うぅ………あなた………なんて人なの………」
マホロア「サテ、ここまでくれば大丈夫かな?えいっ!」
マホロアは紫を異空間の中に引き込んだ。
兵士「あの2人はどうします?」
マホロア「んー………使えそうにないしテキトーにローパーのエサになってもらおうかナァ。」
藍と橙を紫とは別の異空間に送りこむ。
橙「藍しゃま……ずっと……そばに……」
藍「橙……ありがとね………」
『八雲神社、制圧』