二次創作小説(新・総合)

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.13 )
日時: 2017/04/28 10:46
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: kXLxxwrM)



11・あてのない旅へ



永遠亭

迷いの竹林の奥深く、月からやってきた蓬莱人が隠れすむための館があった。そこの住人は朝から大忙し、薬の原料の薬草探しや人里に降りて訪問販売などクタクタな毎日を過ごしていた。
その主、輝夜は窓の外の風景を眺めながら永琳と話をしていた。

輝夜「なんだか外のほうが騒がしいわね。どうしたのかしら?」
永琳「今鈴仙達に確認させています。直にわかるかと。」

騒音を気にしつつも2人の帰りを待っていると、大慌てで帰って来た。息を切らし途切れ途切れで見たことをつげる。

鈴仙「師匠、大変です………し、侵略者です!」
てゐ「ば、化物が攻めてくるよー!」
鈴仙「なるほど、うるさかったのはこのためね。」

永遠亭に向かう敵の波はどんどん大きくなり竹を根こそぎ倒していく。怒濤の猛進で歩む敵の前に2つの影が現れた。先陣を切るダークマインドが足を止める。

影狼「ちょっと、なんなのよあんた達!こんなに竹林を踏み荒らして!」
妹紅「見かけない顔だな……どこから来た?」
マインド「なに………ちょっと持ってかれたものを返してもらいに来ただけだ。ったく、こんな奥深くに建てやがって……最短ルートを作ったほうがはやいと思ってな。」
妹紅「もしかして輝夜に用があるのか?なら帰ったほうがいい。どうせ取り合っちゃくれないさ。人違いじゃないか?」
マインド「そんなこと、本人に会えばわかることだ。さあ通せ、邪魔立てするなら女といえど容赦はしない。」
妹紅「ふーん……私を殺そうっての?面白い、輝夜に会う前に燃やし尽くしてやろうか。」

炎を出し臨戦状態になる妹紅、しかしダークマインドは恐れもせず妹紅の背後に鏡を呼び寄せた。妹紅は気づかず鏡に取り込まれてしまう。

妹紅「なっ………おい、出せ!」
マインド「無駄だ、そこは永久不変の鏡の牢獄。お前がそこで何をしようと出ることは出来ない。」
影狼「あんた……何者なの?」
マインド「悪心を操る者……ダークマインドだ。覚えておくといい。」

するとダークマインドは鏡で影狼を吹き飛ばし、歩みを進める。そしてとうとう永遠亭の前に来てしまった。外では鈴仙達が今まさにここを離れようとしていたのだった。

マインド「間に合ったようだな。さて不死身の姫様よ、ディメンションミラーを返してもらおう。」
永琳「なんて禍々しい穢れ………帰りなさい、あなたが探しているものは無いわよ。」
マインド「なに………ただでとは言わん、永久不変の世界をプレゼントしてやろう。」
輝夜「どんなものを貰おうと無いものは無いの、ごめんなさいね。」
マインド「まだ隠すつもりか………ならば連れていってやろう、鏡の牢獄へ。」

ダークマインドは指を鳴らし2つの鏡を呼び寄せ輝夜と永琳を取り込んだ。そこには妹紅もおり、完全なる牢獄であることを知らされた。時を幾つ重ねても決して変わることのない空間に。

マインド「よし………探せ!」
ウィズ「アイアイサー!」

ダークマインドの号令のもとに荒探しが始まった。部屋という部屋、あらゆる所を探し回ったがディメンションミラーは無かった。

マインド「ちゃんと探したんだろうな?」
ウィズ「探しましたよ!しかしあんなでっかい鏡を隠せる所なんてありゃしませんよ!嘘なんじゃないですかぁ?」
マインド「チッ………おい、そこの兎!お前達で俺のディメンションミラーを探してこい!」
鈴仙「はぁ!?どうして私達が!?」
マインド「この世界ではお前達のほうが詳しいだろうからな。持ってくることができればこいつらは解放してやろう。さらばだ。」

そう言い残すとダークマインドとその僕達は消えてしまった。後にはボロボロに散らかった永遠亭と強引に通ってできた道だけが残った。
鈴仙とてゐは部屋の片付けをしながら今後のことを考えた。ありもしないものを探すなんてどうすればよいのだろう………

てゐ「でも、あんなに本気になって探してるんだったら、きっと大事なものなんだろうね……」
鈴仙「そうね………ここには無いみたいだし、人里近くに行ってみたほうがいいかもね。」
てゐ「え!?行くの?危ないよやめようよ!」
鈴仙「そういう訳にもいかないでしょ……姫様と師匠を助けないと……」
てゐ「あてはあるの?」
鈴仙「………ない。でもやらないよりかはましだと思う。てゐはここで待ってて、留守にするわけにもいかないから。」
てゐ「うん………頑張ってね………」

いつも笑顔のてゐが涙をこらしながら片付けている。鈴仙は震えるてゐの肩をそっと抱き寄せながらいつまでも声をかけていた。そしててゐが泣き疲れて眠った時、鈴仙は持てる薬を全部詰め、あてのない姫様救出の旅に出た。