二次創作小説(新・総合)

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.21 )
日時: 2017/05/18 18:57
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




19・幻想の終局



博麗神社

霊夢はぼんやりと紫の警告を思い出していた。しかし思い出してもやることは変わらない。黒幕を倒してやめさせる、ただそれだけのこと、極めていつも通り。いつも通りのことなのにこうも胸がざわつくのは何でだろう。相手が異世界からの侵略者だから?紫すらわからない相手だから?……紫の言うことがわかる気がするわ、これは確かに嫌な予感がする。勘の類いでしかないのだが、巫女の勘は信じられないぐらいによく当たる。なるべく外れることを願って霊夢は境内を掃除した。

霊夢「はぁ………わからないことをいつまでも心配するのもよくないわね。いつも通りやればいいだけのことよ、そうよ、心配することはないわ。」

自分に暗示をかけ続ける霊夢。こうでもしないと不安に押し潰されそうなのだ。………不安でたまらないなんてガラにもないこと、魔理沙に見られたら笑われるかしら。



そして来客は突然やってきた。ピンク色の機械に乗り込んだ謎の女性がロボット兵を引き連れて飛んできたのだ。霊夢はめんどくさいことになりそう、と呆れた顔をしながらも境内を掃き続ける。

スージー「あら、案外寂しい場所ですのねここ。」
霊夢「遠いところからわざわざ喧嘩売りにきたのかお前は。」
スージー「はじめまして霊夢様、私ハルトマンワークスカンパニー美人秘書のスージーと申します。以後お見知りおきを。」

スージーはロボット兵を後退させ、取引しようと応じた。霊夢は受諾する気はまったく無いがロボットから降りようとしない限り相手も同じだろうと思い一応話を伺うことにした。
どうやら相手はここを潰してホールを作るらしい。その見返りにハルトマン社の技術を教えるというのだが…………

霊夢「お断りよそんなの。」
スージー「あら、我が技術がほしくはないと?」
霊夢「そもそも私に取引するまでもなく勝手にやってるでしょ。なんか騒がしいと思ったらあんた達だったのね、まったく………」
スージー「魔法と科学の融合………面白い話だと思うのですが。」
霊夢「私達は今の生活に満足してるの。それを改造してまで文明をよくしようなんて思わないわよ。…話は終わりよ、帰ってちょうだい。」
スージー「交渉決裂………ですわね………では。」
兵士「……はっ。」

兵士は博麗神社を壊しホールの建設に取りかかった。霊夢はとうとう頭にきたのか弾幕でロボット達を吹き飛ばす。

兵士「うわーっ!?」
霊夢「ったく………黙って引き返せば見逃してあげたのに、よっぽど怪我をしたいようね!」
スージー「さすがは博麗の巫女………データ通りですわ。ですが………我が技術の前では無力ですわよ!」

スージーの愛機、リレインバーが霊夢に襲いかかる。無駄がなく洗練された動きと豊富な重火器は霊夢の力に引けをとらない威力となっていた。攻撃範囲は霊夢の方が上だが火力は圧倒的にスージーに軍配が上がる。周りのロボット兵の補助もあってか非常に戦い辛い。

霊夢「はぁ……はぁ……いったいどこにそんないっぱいの弾が入るのよ………」
スージー「我が技術に不可能はありませんから。」
霊夢(周りもこうなってるとしたら、私1人じゃどうにもならないわ………魔理沙や咲夜も今頃……)

圧倒的なパワーに押し負けそうになる霊夢。それでも最後まで抵抗をやめずロボット兵を凪ぎ払う。無尽蔵にわき出てくるロボット兵は時として壁となり、時として剣となり追い詰める。フラフラになったその時、時空の歪みが現れた。

霊夢「な、なに!?なんなの!?」
スージー「あなたと遊んでいる暇はありませんの。別世界のド田舎へご案内いたしまーす。」
霊夢「うっ………ぐぅ………吸い込まれる…………!!」

必死に抵抗するも耐えられず飲み込まれた霊夢。スージーは服についた汚れを払いつつ兵士達に指示を仰ぐ。幻想郷のほぼ全てがキカイ化しつつあること、霊夢という大きな障害を取り除くことに成功したスージーは上機嫌だった。ハルトマンは霊夢を特に気にかけていたはず、この報告をすればきっと喜ぶだろう。そして…………

スージー「………あら、もうこんな時間。後は任せましたわよ。障害は消えましたがここは幻想郷、油断はしませんように。」
兵士達「「はっ!!」」






『博麗神社、制圧』