二次創作小説(新・総合)

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.30 )
日時: 2017/07/11 13:17
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: xMxTbxuA)

frontstory >>29



28・復讐の魔女



ザ・ワールド・オブ・ドロシア

復讐に囚われた魔女は全てを絵画にしようと襲ってきた。自分の存在を隠された世界を、不自然な現象を信じこんだ人々を、慕ってくれる人がいるデデデ達を、ドロシアは許せなかった。嫉妬と憎悪を持ったドロシアはただただデデデ達を絵画にすることに専念した。魔力球や僕であるパラ・ソーサレスの攻撃に加え、額縁を投げつけたり絵の具爆弾を撃ったりと格段にパワーアップしている。デデデ達は怒涛の攻撃の裏にあるドロシアの復讐の念を嫌でも感じざるを得なかった。

ドロシア「………憎い…………あなたも………世界も…………」
デデデ「この………いい加減目覚めやがれ!」

デデデは魔力球を当たる寸前で打ち返しドロシアに命中させた。するとドロシアを包んでいたバリアが消え、その隙に藍と橙、バンワドが攻撃を集中させる。耐えられなくなったドロシアは瞬間移動で消え去った。

藍「なるほど………ああやればバリアが消えるのね。」
橙「でも、忘れられるってなんだかかわいそうですよね………」
デデデ「復讐は何も生み出さないとはよく言ったもんだ。あいつはもう復讐心の塊だ、何を言ったって届かねえだろうよ。言ったってしょうがねえなら体を張ってわかってもらうしかねえだろ。」

ドロシアの奇襲に備えていると突然モクモクと煙がたった。煙が晴れると現れたのは100門を越える大砲の絵画だった。その砲口は全てこちらがわに向かれている。

藍「大砲の絵?すごい、本物みたい!」
デデデ「いや、気をつけろ。あいつは絵画を実体化できる。こいつぁ厄介だ!」

ペラペラの砲口からは凄まじい勢いで砲弾が発射される。即座に藍が結界で対処したが雨とも言えるほどの量の攻撃は藍に大きな衝撃を与えた。

藍「うぅっ!……完全に甘く見てた………」
橙「ら、藍しゃまに痛いことするなんて………橙は怒りました!」
橙「ちょっと、橙!?どこいくの!?」
バンワド「危ないですよ!」

制止を聞かず橙は大砲に向かって全力で駆け出した。猫ならではの俊敏かつしなやかな動きでスタイリッシュに砲弾の間を縫っていく。大砲にたどり着くと爪で額縁を切り裂き、額縁から額縁へと飛び移りまた爪で裂いていく。約半分の大砲を破壊した橙は魔法陣の書かれたいくつかの卵を投げた。

橙「いっけー!鳳凰卵!」

すると卵が割れ中から炎の塊が生まれた。花火のように広がった炎は大砲の絵画を全て焼きつくし、100門を越える大砲は全て破壊された。小さくても可愛くても橙は立派な妖怪であることをデデデとバンワドは改めて思い知らされた。

橙「やりました藍しゃま!」
藍「橙……いつの間にこんなに強くなったの?藍様感激!」
デデデ「やい、そろそろ姿を現しやがれ!」

『この憎しみを………絵画に込めてあなたにも送ってあげるわ………』

ドロシアがケタケタ絵画と共に現れた。不適笑うケタケタ絵画は早く標的を仕留めんとゴトゴトと動いている。号令と共に放たれたケタケタ絵画は噛みついてきたり絵の具を吐いたりと様々な動きをする。大砲と違い『動く』ので一筋縄ではいかないのだ。
しかし、ドロシアは元々こちらの世界の敵。それにこっちは何回も世界を救ってきたのだ。故に2人はいつものことをするかのように鮮やかにケタケタ絵画を倒していく。かたやハンマーでへし折り、かたや槍で突き破り。柔よく剛を制す2人の攻撃は見事に噛み合っていた。

デデデ「どおらあっ!!」
バンワド「せいやぁっ!!」

藍と橙のアシストもあり、とうとうドロシアだけになった。それでもドロシアは攻撃の手を緩めることなく追い詰める。バリアを壊すには魔力球を跳ね返すしか方法は無く、戦況は未だ五分五分となっている。
しばらくするとドロシアは巨大なキャンパスと蛇の目玉がついた筆を取りだし蛇の絵を描いた。これぞさとりを石像にさせた『メドゥーサの眼筆』の力である。

ドロシア「悠久の芸術になるがいいわ………!」
デデデ「うおっ………体が………動かねぇ………」
バンワド「だ、大王様!?」

不意をつかれた大王は蛇の目を見てしまった。体が硬直しだんだんと動かなくなり、数分経つと立派な石像となった。

バンワド「だ、大王様……………」
橙「い、石になっちゃいましたね………」
ドロシア「まずは…………1人………え?」

デデデの石像がプルプルと揺れる。すると今まで石になって動かなかった腕が動くようになった。続いて足、胴体と動く箇所はさらに増え、ハンマーで顔の石を叩き割るとそのままドロシアを殴りつけた。バリアはいつも張ってあるわけではなく時々無くなる時があるとわかったのはそのときだった。

デデデ「はぁ………はぁ………なんとかなったか…………おい、バンワド!……ああもう泣くな泣くな!俺が悪いみたいじゃねえか!泣くな!」
ドロシア「な、なんで………?」
デデデ「呪いなんかにやられるほど俺は弱くなんかねえんでな!」
ドロシア「呪い…………そう。」
藍「橙!今よ!」
橙「はい!鳳凰卵!」

適当に投げた卵から炎が出てくる。無作為に広がる炎は蛇の絵を焼きつくした。

ドロシア「でも……………そろそろ終わりよ………あなた達を絵画にして、この世界を修正する。」

ドロシアは最大まで大きくした魔力球を放った。ドロシアの身長の何倍も大きな魔力球をデデデは受け止める。しかし魔力球の威力は大きく徐々にデデデを押しのけていく。じっと踏ん張って耐えていると背中に暖かい感触があった。

デデデ「お前ら………」
バンワド「ここは僕達が支えます!」
藍「さあ!幻想郷の平和の為に!」
橙「思いっきりやっちゃって下さい!」
デデデ「へっ………うおぉぉぉぉ!!!」

バンワド達の支えを頼りにデデデは魔力球に打ち勝った。打ち返された魔力球はそのままドロシアを飲み込み爆発した。



『世界中の人が………あなたみたいな人だったら…………私……は…………』



そう言葉を残し、ドロシアは消えた。

デデデ「さ、帰ろうぜ。」
バンワド「はい!」
橙「疲れました………」
藍「ほら、あともうちょっとだよ。」






地霊殿

地霊殿はドロシアの呪いから解放された人々で溢れ帰っていた。騒がしいのは前と変わらず、思い思いの言葉を投げかけながら街へと戻っていった。

勇儀「へぇ………あんた魔女に打ち勝ったのかい?やるねえ!」
パルスィ「なかなかやるじゃないあなた達………妬ましいわ…………」
キスメ「ありがとう…………皆さん………!」
ヤマメ「ふぁー……一時はどうなることかと思ったよー!」
お燐「助かった………助かったんだねあたい達!」
お空「わーい!これで思いっきり遊べるねー!」

しばらくすると奥からさとりが現れた。

さとり「旅の方………地底を救っていただき、ありがとうございます。」
デデデ「おう、困ったときはお互い様だ!」
さとり「地上が征服されたと聞いてここの警備を強化させていたのですが……まさか絵画にやられるとは思いませんでした。」
デデデ「そうだよな……んで、その絵画はどうすんだ?」

デデデはドロシアが描かれた絵画を指す。ドロシアの目にはもう復讐の炎は灯っていなかった。

さとり「そのまま飾っておきます。呪いの絵画だとか言われていますが……ここの住人は呪いなんかには負けないので。」
(それに………魔女の方もそれを望んでいるようでしたし。)
デデデ「そうか………まぁ、何かあったらすぐ呼んでくれ!」

一通りの挨拶を交わした後デデデ達はまた旅に出た。しばらくすれば地霊殿もいつもの活気を取り戻すと信じて。





『地霊殿、奪還』






さとり「あれ?そういえばこいしは?」
お燐「え?見てませんよ?」
さとり「こいしー!どこなのー!こいしー!」