二次創作小説(新・総合)
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.39 )
- 日時: 2017/08/22 19:51
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
2・紅魔館の休日
レミリア「夏休みといったらスイカ割りね!咲夜、スイカを用意してちょうだい。」
咲夜「スイカなら先ほど切ってお出ししましたが?」
レミリア「わかってないわね咲夜は。スイカ割りはスイカ割りなりの良さがあるのよ。不均等に割れるから得するし、何より割るまでの過程が楽しいんだから。とにかくはやく用意なさい!なるべく大きいの!」
咲夜「は、はい…………」
レミリアの言った通り咲夜は大きなスイカを用意した。カービィよりも少し大きな見事なスイカだ。レミリアは目隠しをして棒を持ち、その場をグルグルと回る。他のメンバーはレミリアに指示を出しスイカを割らせるのだ。
美鈴「まっすぐですよ!」
パチュリー「左に行きなさい。」
メタナイト「行き過ぎている。半歩右だ。」
カービィ「ぽよ、ぽーよ!!」
レミリア「何言ってるのかわからないけど、えいっ!!」
パカッと音を立ててスイカが割れた。一番大きなスイカのかけらをレミリアが取り、あとは皆で分けて食べる。スイカ割りは紅魔館のスイカが無くなるまで続いた。
ルナサ「楽しそうね、みんな。」
メルラン「あっスイカ割りー?懐かしいわー!」
リリカ「今日もお手伝いに来たよ!」
レミリア「あら、珍しいお客さんね。」
昼前にプリズムリバー姉妹がやってきた。妖夢の助けにより幻想郷のキカイ化のことを知った姉妹は幻想郷を元に戻すためにひとまず紅魔館の復興の手伝いをしていたのだ。手伝いが手伝いであるために、いつもの服ではなく作業着である。
美鈴「お、皆さんもどうですか?楽しいですよ!」
ルナサ「え……いいの……?」
レミリア「こういうのは人が多い方がいいのよ。さ、そんな服じゃ暑苦しくて仕方ないわ。さっさと着替えてきなさいな。」
パチュリー「ま、いつも手伝ってるお礼ね。」
メルラン「わー!このピンクだまかわいー!ぽよぽよー!ぷにぷにー!」
リリカ「ほらほらお姉ちゃん!行くよ!」
カービィの弾力が気に入ったのかいつまでも触っているメルランを引き剥がし、姉妹達は着替えに行った。しばらくすると大きな袋を抱えながら戻ってきた。中にはたくさんの野菜や肉が入っている。
ルナサ「お昼まだなら、バーベキューやらない?」
レミリア「あら、ちょうどやるとこだったの。」
咲夜「あれほどスイカを食べていらしたではありませんか。」
レミリア「あんなの食べたうちに入らないわ!あなたももっと食べたいでしょう、カービィ?」
カービィ「ぽよ!」
メタナイト「では食材を切り分けよう、厨房を借りるぞ。」
レミリア「咲夜もついていきなさい。2人でやれば早くできるでしょ。」
咲夜「はっ……」
山ほどある食材を手際よく切っていくメタナイトと咲夜。美鈴が釣った魚も含めて廃洋館の段ボールにあったバーベキューセットで焼いていく。モクモクと大きな煙の柱が青い空に向かって延びていた。
メルラン「美味しいわー!やっぱり外で食べるご飯っていいわねー。」
メタナイト「まだたくさんあるからどんどん食べるといい。」
レミリア「あんまりがっついてると立派なレディになれないわよ。」
パチュリー「カービィに言ってるのレミィ?」
ルナサ「焼くの変わろうか?ずっと食べてないんでしょ?」
咲夜「お客様にさせるわけにはいけませんわ。」
主にカービィの活躍により山のようにあった食材は無くなった。片づけをやる最中、ふとレミリアは悪夢を思い出した。湖の水面は静かで底が見えるほど澄んでいる。とても洪水なんて起きる雰囲気は無かった。過ぎたことは考えないほうがいいわね、とレミリアはまた片づけに勤しんだ。
そして太陽が真上に座し、気温がピークに達する頃にはレミリアはパラソルの中でじっとしていた。吸血鬼なので日光には弱いのだという。
レミリア「にしても暑いわね………パラソルだけじゃ心もとないわ……こういう時にはあの氷の妖精が恋しくなるわね………」
カービィ「………ぼよ!」
何か思い出したのかカービィはロボボアーマーに搭乗し、美鈴が割っていた氷をスキャンした。するとピンク色だったロボボアーマーが水色になり、アームの部分がファンになっている。『アイスモード』というらしい。
レミリア「あら、ちょうどいい扇風機じゃない。」
カービィ「スノーマンブリザード!!」
レミリア「えっ……?ちょっ……………」
ファンから送られてきた風は吹雪を思わせるほど寒く強かった。パラソルは吹き飛び水面は揺れ所々凍っている。一番近くで風を受けたレミリアはガチガチに凍ってしまった。
レミリア「す……涼しすぎるわよっ!!」
パチュリー「本が……凍ったわ……」
咲夜「今、毛布を用意しますね……美鈴、手伝ってちょうだい。」
美鈴「は……はひっ…………」
カービィ「ぽよ………」
リリカ「すごいね、大自然を操るエネルギッシュな感じ!作曲に使えるかも。」
メルラン「あーいいかもー。」
ルナサ「……………はっくしゅん。」
その時、紅魔館一帯は季節外れの吹雪に包まれた。