二次創作小説(新・総合)
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.43 )
- 日時: 2017/09/06 21:24
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>10 >>15
35・妖精の星に奇跡を
守矢神社
突如現れたグリルの襲撃によって神奈子と諏訪子を失い、神社もボロボロにされてしまった。巫女である早苗は境内の真ん中に座り込んでいる。その顔は涙で溢れていた。静かな境内に響くのは変わり果てた妖怪の山の叫び、早苗は絶望していたのだ。
早苗「私が………未熟………だから………だから………」
声にならない悲しみの叫びを漏らしながら早苗はすすり泣く。自分には何もできなかった、侵略者を返り討ちにすることができなかった、神奈子様と諏訪子様を守ることができなかった………と何度も自分を責め続けた。それで何かが変わることもなく、ただただ自分を責めていた。自分が起こすことができる奇跡は起こせなかったのである。
その時、天から何かが落ちてきた。その内のひとつはカランと石畳の上に転がり、もうひとつはバサッと植え込みに落ちた。見に行くと石畳には見たこともない宝石が輝きながら落ちている。それもとても大きな宝石であり、早苗の顔が反射するほど。植え込みの方には宝石と同じくらいか少し小さめの妖精が突っ込んでいた。
気絶していた妖精は早苗の膝に寝かされていた。気がついた妖精は早苗の顔を見るやいなや飛び上がってしまい早苗の顎に直撃した。痛がる双方だったが最初に話しかけたのは早苗だった。
早苗「あの、大丈夫ですか?」
妖精「はい、なんとか……そ、それよりも助けて下さい!私の星が大変なんです!」
早苗「え……?」
リボンという妖精の話によると、マルクと赤い吸血鬼のロボットが故郷を殲滅したのだという。自分は秘宝であるクリスタルを持ち出し逃走に成功したが追っ手の攻撃による時空の歪みに巻き込まれここまできてしまったらしい。
リボン「今はあなたしか頼れる人がいないんです!お願いします!どうか……助けて下さい……」
早苗「そ、そんなこと言われても私には………」
私は誰も救えない、私は誰も守れない、そんな念が頭から離れない。しかしリボンは頼れる人がいないと泣いて早苗に頼んでいる。きっと故郷は友達がいて何気ない日常に包まれていたのだろう、しかし、早苗と境遇が同じでも彼女は『逃げる』という行動をやってのけたのだ。しかも早苗よりも小さくか弱い妖精の女の子が。だとすると今やるべきことはただひとつ、少なくともここでメソメソ泣いていることではない。
早苗「………わかりました、なんとかしましょう。」
リボン「ホントですか?……よかった…………」
しかし、そう簡単に時空の歪みは起こるわけでもなくリボンもわからない。しかし今の早苗には『自分にはできることがある』という証明が欲しかったのだ。幻想郷は今や無法地帯になりつつあり、リボンには戦う力はない。更にクリスタルには未知なる力が宿りエネルギー資源として狙われている。ハルトマン社の兵士が来るのも時間の問題だ。
早苗「ひとまずここは危ないです、どこか遠くに逃げましょう!」
リボン「は、はい!」
兵士1「エネルギー反応があった。おそらくリップルスターの宝だと思われる。」
兵士2「ホントか?フランボーグの攻撃でリップルスターは壊滅したと聞くが………」
兵士1「まだ生き残りがいたんだろう。ほら、徹底的に探すぞ。」
上空の遠くにロボットの小隊が見える。早苗達は下山しようと神社を離れた。
妖怪の山
舗装されており通りやすくはなったもののやはり違和感を感じる。それに動物といった類いが全く見られない。このまま下っていければよいのだが、クリスタルを持っているリボンをそう簡単には見逃してはもらえなかった。
椛「見つけましたよ!」
哨戒部隊の白狼天狗である椛に見つかり笛を吹かれた。ぞろぞろと敵が集まってくる。
リボン「あわわ…………」
早苗「大丈夫ですよ、絶対に助けてみせますから!」
大事なものを取り戻すために、早苗は自ら戦場に飛び込んだ。