二次創作小説(新・総合)

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.44 )
日時: 2017/09/11 21:53
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>43



36・歪みの彼方へ



妖怪の山

操られた椛によって包囲されてしまった早苗とリボン。屈強なインベードアーマー部隊に囲まれた2人に勝ち目はない。

兵士1「見つけたぞ!さぁそのクリスタルをよこせ!」
リボン「嫌です!これは大事な宝物なんです!」
兵士2「……やむをえん、むりやりでも!」

インベードアーマー部隊が取り押さえようとした途端、1機のインベードアーマーに異変が起きた。最初はプスプスと煙を立てたり動きにガタが来てたりしていたがだんだん煙が白から黒に変わってきた。

兵士1「な、なんだなんだ!?お前ちゃんとメンテナンスしたのか!?」
兵士2「したさ!でもおかしいんだ!」
兵士3「お、おい、お前燃料漏れてるぞ!?」
兵士4「爆発するぞ!退避、退避ー!!」

兵士がそう声を荒げ一斉に離れ、インベードアーマーが爆発した。そうして離れた隙を尽き、早苗とリボンはわき道に飛び込むが、爆発に巻き込まれ山を転げ落ちてしまう。なんとか木にしがみついて止まったが服が大分汚れてしまった。そこにやってきたのは赤い服をきた落ちついた佇まいの少女だった。










雛「あら、大丈夫?」
早苗「あなたは……雛さん?」
リボン「雛……なんだかお人形さんみたいですね。」
雛「ふふ、ありがとう妖精さん。あなたも綺麗なリボンね。」
リボン「え!?どうして私の名前を……?」
早苗「……さっきのも、あなたが?」
雛「私はそばにいただけなんだけどね。」

雛は厄をため込む程度の能力を持っている。雛を捕まえて飛んでいた運搬車が突如エンストを起こし爆発した。どうやら『めったに起きない』事故として認識されたらしい。その後なんとか抜け出してここまできたのだという。

早苗「お、お互い大変ですね………」
雛「そうなのよ、せっかくの一張羅が台無しよー。それで、どうしてあなた達まで追われてるの?」
リボン「それが………」

リボンはリップルスターに起こったことを話した。雛はじっくりとそれを聞いていた。そして何かを考えていたようだが、決意を固めたのかすくっと立ち上がった。

雛「よし!なら私も手伝わせてもらうわ。」
リボン「ええっ!?でもそんな………」
雛「今は人手が欲しいんでしょ?こんな私にもできることはあるわよ、きっとね。」
早苗「厄を撒き散らすことが仕事でも?」
雛「厄をためるのが仕事なの!」
リボン「でも、ここは違う世界みたいですし……リップルスターに戻る方法を考えないと……」

雛も加わった3人で別世界に行く方法を考える。あの時はマルクがブラックホールを作ったことで強制的に空間をねじまげ、それの副産物として時空の歪みが発生した。つまり空間そのものにダメージを与えれば歪みができるのである。
しかし3人ともそんなことはできない。途方に暮れていた時、早苗がリボンのクリスタルを見た。

早苗「それは……増幅系のクリスタルですか?」
リボン「はい、このクリスタルは与えられたエネルギーを大きくする力を持ってるんです。」
雛「ならそのクリスタルに魔力を注ぎこめば何か起きるんじゃない?やってみましょう!」
リボン「え!?ちょ、ちょっと!?」
早苗「それしかありませんね!」
リボン「え!?」

そう言うと早苗と雛はクリスタルに魔力を注ぎ始めた。溢れんばかりの魔力を注ぎ込まれたクリスタルは爆発寸前になっていた。そして魔力の注入をやめるとクリスタルの中で魔力が増幅、凝縮する。そして凝縮した魔力は出所を失いクリスタルにたまり続ける。

雛「今よリボンちゃん!魔力を放つのよ!」
リボン「は、はい!」

リボンは魔力を天空に向けて放った。大きな魔力は柱となりその衝撃は大気を押し揺るがし大地をえぐった。そして魔力は上空で霧散し、大きな渦を作った。それは大きな歪みとなって3人を彼方に吸い込んだ。









リップルスター

早苗「う………うーん………」
雛「どうやら……成功したようね……」
リボン「もう!無茶苦茶ですよ!壊れたらどうするんですか………え………」

なんと早苗達はリップルスターに到着していた。しかし花と虹に溢れた故郷はそこにはなかった。焦げた大地と瓦礫が広がる空間が広がっている、それを目の当たりにしたリボンはかつて早苗がしていた自責の念に包まれた目をしており、震えながらかつてあった王宮を見ていた。