二次創作小説(新・総合)

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.46 )
日時: 2017/10/03 19:39
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>45



38・奇跡と奇跡



王宮

リップルスターの復興作業を終えた日の翌日、外に出てみると早苗達は目の前の光景に絶句した。花壇は岩で押しつぶされ、木々は燃やされたり切られたりしている。氷柱や針が深々と突き刺さっており不発した爆弾も転がっていた。幸い犠牲者はいなかったが妖精達の平和はまた脅かされていた。

リボン「そんな……っ!そうだ!クリスタル!」

リボンは大急ぎで王宮に戻る。早苗と雛も慌ててついていく。クリスタルを祀る祭壇には煌々と輝く大きなクリスタルと倒れている女王がいた。クリスタルの周りには黒い霧が渦巻きリボンが女王に近づくとそれは突如爆発しリボンを吹き飛ばした。そして一点に集まり黒い霧は白い多面体をなした。リボンはその多面体を見て震えていた。
そう、その多面体こそ、かつてリップルスターを恐怖で覆い尽くした闇の軍勢ゼロツーの側近、7つの奇跡を起こす者『ミラクルマター』である。

リボン「ミラクルマター!?そんな、確かにあの時カービィさんが………」
ミラクル「……久しいな、妖精の子よ。確かにあの時我らは滅びた。しかしまた蘇ったのだ、再びこの世界を闇に閉ざすために。我らは闇を糧とする。不安、絶望、憤怒……全ての闇を。」
雛「まさか、外をめちゃくちゃにしたのもあなたが……」
早苗「でも、見たところそんなことができそうには見えないんですが………」
ミラクル「クク…………では見せてやろう。」

ミラクルマターは黒い霧を早苗達に纏わせた。すると気づいたら異空間に立っていた。目の前にはミラクルマターが佇んでいる。

ミラクル「我は7つの奇跡を起こす者ミラクルマター……クリスタルを奪い、貴様達を倒す。それこそが我が悲願。」
早苗「……同じ奇跡を起こす者同士、どちらが優れているか勝負といきましょうか。」
雛「厄も闇も、全部取り込んであげるわ!」
リボン「気をつけて下さい……相手はとても手強いです………」







ミラクルマターはグニグニと姿を変える。最初は大きな炎の塊となった。

ミラクル「奇跡変化……炎!」

2つの火柱が唸りをあげて早苗達に襲いかかる。火柱の勢いは衰えることなく執拗に追いかける。

早苗「これが、最初の奇跡……!」
雛「熱っ……あ、熱っ!」
リボン「強い……前と戦ったときはもっと弱かったような………」
早苗「ただ避けただけじゃダメ………ここで撃つっ!グレイソーマタージ!」

五芒星の弾幕がミラクルマターに向かって飛んでいく。動きが鈍く全弾命中はしたが特殊なバリアによってその攻撃はかき消されてしまった。

早苗「そんなっ………」
リボン「ミラクルマターは自分と同じ属性の攻撃以外は効かないんです!ああ……カービィさんがいれば戦えるのに………」
雛「と言うことはこれが効くわね!必殺、大鐘婆の火!」

雛はクルクルと回転しながら炎の弾を撒き散らした。炎の弾は波のように織り成し浴びせるようにミラクルマターに命中する。ダメージを受けたようだが何事も無かったかのように平然としていた。

ミラクル「ほう……なかなかの火力だ、しかしこれはどうかな?………奇跡変化、爆!」

今度は泡に包まれた黒い球体に姿を変え、自分にそっくりの爆弾を放った。爆弾は床や壁に跳ね返り黒い球体を残して消える。泡は当たると広範囲に爆発するようで、飛んで回避する3人にとっては厄介な技となっていた。

早苗「これ……転がってた不発弾?」
雛「ちょうどいいじゃない、あなたの爆弾と合わせて返り討ちよ!」
早苗「そうですね、おみくじ爆弾!」
雛「それっ、飛んでいきなさーい!」

早苗と雛は不発弾とおみくじ爆弾を投げた。くっついたおみくじには『大吉』という文字が浮かびあがり大きな爆発を起こした。そうとう大きな威力だったのかいくつかの目が潰れている。ここでも大吉を引くところが実に早苗らしい。

ミラクル「さすがは、奇跡を起こせるだけのことはある……ならば次はこれだ、奇跡変化、刃!」

今度はチェーンソーのような姿となり早苗達を追いかける。後続のパーツも分離して追い詰めていく。

リボン(やっぱり……ミラクルマターは確実に強くなってる。でもなんで……それに、ミラクルマターが復活してるってことは、たぶんゼロツーも……)

雛「ちょっと!ぼんやりしてると危ないわよ!」
リボン「キャッ!す、すみません…………」
早苗「さすがに、これには対処しようがありませんね……」
雛「でもあのパーツには刃が無かったからもしかしたら取っ捕まえて投げ返せないかしら?」
早苗「まためちゃくちゃなこと考えますね……」
リボン「いえ、カービィさんも前はそうやって倒してました。なのでいけるかもしれません!」
雛「……また変わるわよ、気をつけて!」



様々な奇跡変化を起こし早苗達を追い詰めるミラクルマター。そしてその猛攻を耐え凌ぎ反撃の隙を伺う3人。リップルスターの平和をもう一度取り戻すべく、3人はミラクルマターの変化に食らい続ける。