二次創作小説(新・総合)

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.49 )
日時: 2017/11/01 22:20
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>31



おまけ

shadowofrose



2・従者の末路

こいしが不思議な鏡の世界に慣れることに時間はかからなかった。3人も別の世界から迷いこんだこいしに興味を持っているが、未だに信頼できる間柄にはなっていないようだ。実際シャドーカービィはすぐに寝てしまうし、ブラックデデデはまだこいしを怪しんで話しかけようとはしない。ダークメタナイトにおいては開けた場所でずっと戦いの練習に明け暮れているために話すことができないのだ。なのでこいしはフラフラと鏡の世界を探検していた。
この世界では時間の流れが無いのかお腹が空かないし傷もすぐ治る。以前ダークメタナイトが興味本位でこいしに試合を持ちかけ戦った。鏡を操り分身や剣を使って戦うダークメタナイトに対し、こいしは薔薇やサードアイを駆使してダークメタナイトを束縛しにかかる。更にこいしは無意識を操ることで姿を消すことができ、一度こいしの存在を忘れると一方的に攻撃されてしまう。ダークメタナイトも精神を研ぎ澄ますことで奇襲を受け流すことができ、戦いは熾烈を極めた。結果は僅差でダークメタナイトの勝利に終わったらしい。

ある日、突然ダークメタナイトの招集がかかった。どうやら新たな住人がやってきたらしい。話せる人だといいな、とこいしは期待しながら3人に着いていく。するとそこで出会ったのは6つの手を持ち、紫と金の衣装に身を包んだ金髪の青年だった。身なりを見ると金持ちの従者を思わせる。ブラックデデデは寝ている青年をつかみ、軽くその頬を平手打ちした。ペチペチと音を立てたあと青年はゆっくりと目を開けた。

???「ここは………どこなのね………?」
ブラック「気づいたか坊主、ここは鏡の世界だ。ディメンションミラーしか入ってこれねぇ世界なのに、なんで入ってこれたんだ?」
ダメタ「お前………もしかしてタランザか?」
ブラック「ん?知ってんのかダメタ。」
ダメタ「ディメンションミラーに時々映っていた女王の従者だ。その女王がお前をタランザと言っていたのを思い出した。」
こいし「え?外の世界を見れるの?」
ダメタ「こちらから出ることはできないが広場にあるディメンションミラーを介してならな、お前もそこからやってきたんだ。」
タランザ「そ、そうなのね……僕は……女王様に誉めてもらいたくて鏡のレプリカを渡して…うっ……」

タランザは頭を抑えてうずくまる。ダークメタナイト曰く闇の性格が入る前兆なのだという。この世界の住人は覗いた人の裏の性格が入ってくる。ただしこいしは例外で主であるダークマインドが直に裏の世界に放り込んだせいで裏の性格が出る過程をカットしてしまったのだ。
そしてタランザは再び起きあがる。そして高らかにこう叫んだ。

ダークタランザ「ミーの名前はダークタランザ!!プププキングダムをセクトニア様の代わりに支配し、真の王になる男なのね!!」
ブラック「……おい、こいつ大丈夫か?」
ダメタ「元々こいつは従順な下僕だったんだ、裏の性格は大体察しがつくだろうに。」

タランザは真面目な従者であればその裏の性格であるダークタランザはお調子者で能天気。そこだけ見ればただの変人なのだが、操りの秘術でプププキングダムを恐怖に陥れるという犯罪をやってのけた。愉快犯のような笑いを響かせながらダークタランザは4人に挨拶をする。裏の性格であっても紳士的であることに変わりはないようだ。

ダタラ「なーんか皆暗いのねー。ミーのようなセンス溢れるこの衣装を見学するのね!」
ブラック「ああもうわかった、わかったから無駄に回転すんなウゼェ!」
ダメタ(こいつ……表向きはひょうきんものを装っているつもりのようだが……どこか狂気じみたものを感じる。)
こいし「わー!とってもきれーい!」
ダタラ「おお、こんな辺鄙な場所にも可憐な花があったとはなんたる僥倖!ミーは今とっても幸せなのね!」

こうして何もない鏡の世界にやかましいくらい元気な住人がやってきた。社交的な性格で冗談を織り混ぜて話すトークショーや趣味の手品を披露する彼はこいしにとって正に絶好の遊び相手となっていた。ダークタランザも可愛い少女の為ならばと一生懸命話をする。時々ブラックデデデにするどいツッコミを入れられつつも、ミラージュライフを謳歌しているようだ。