二次創作小説(新・総合)
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.56 )
- 日時: 2017/12/01 18:58
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>53
42・霊夢のスニーキングミッション
霊夢「とは言ったものの……どうすればいいのかしら、いくら勘で異変を解決してきた私でもさすがに異世界のことになると……」
リック「こんな時にカービィがいればなぁ……」
霊夢「カービィ?」
リック「ああ、この星を何度も救ったヒーローなんだぜ!」
霊夢「ふーん……ヒーローねぇ……カッコいいのかしら?」
リック(まーるいピンクボールであることを話しても信じてもらえなさそうだから黙っておくか………)
ひとまずプレインプロプトンを探索することにした霊夢達。襲い来る野生動物を退けながらも進んでいくとある建物を見つけた。どうやら木を加工して木材を作る工場らしい。あまり大人数で動くと見つかる可能性が高いので今回は霊夢とリックとクーの3人で行動することにした。
リック「んじゃあここの偉い奴をぶん殴れば帰ってくれるんだな?」
霊夢「たぶんそうじゃない?」
クー「なんでそう物騒な考え方するんだ……?」
霊夢「帰ってくださいって言って素直に帰る奴らじゃないからよ。それに……」
クー「それに?」
霊夢「私の神社をぶっ潰した落とし前をつけたいのよ。」
霊夢の目は今までにない怒りを宿していた。クーは危険を察知したのか霊夢と話すのをやめた。
早速潜入したいのだが入り口は厳重な警備体制が敷かれていて正面突破は困難、壁には有刺鉄線が敷かれておりとても登れそうにない。見張り台はいつも機能していて近くにいると捕まってしまうのだ。これではいつまでたっても潜入できそうにない。
霊夢「ねぇ、あれを使ったらどうかしら?」
霊夢は段ボールを積んだトラックを指差した。トラックは特に検査をすることもなく中に入っていった。
リック「トラックを使って正面突破か!霊夢、お前ブッ飛んでるなぁ!」
霊夢「違うわよ!あの段ボールの中に入って工場に潜入するの!」
クー「なるほど……これは俺達では浮かばないアイデアだ。しかしどうする?」
リック「ひとまずはトラックを追いかけるしかないな。」
霊夢達は空のトラックを追いかける。着いた先は丸太が山積みになった作業場だった。巨大なチェーンソーがついた機械が木を次々と伐採していく。段ボールに詰められていたのは木に実っていた果物だった。リックは果物を必死に我慢しながらもピッタリな段ボールを探していた。
霊夢「どうせなら可愛いプリントが入った段ボールがいいわね。」
リック「オイラが入っても壊れねぇかな……」
クー「ひとまず入って様子を見よう。」
段ボールに入りながらトラックに乗る霊夢達。しばらくすると社員が積み荷を確認して扉を閉め、トラックを発車させた。ゴトゴトとトラックに揺られる中、門を通過し、霊夢達は工場に潜入することに成功したのである。積み荷は全て倉庫に入れられ、霊夢達は段ボールから顔を出した。辺りは全て段ボールに包まれており、どこからも果物の香りが漂ってくる。リックは待ってましたと言わんばかりに果物を食べた。
クー「おいリック!何やってんだ!」
リック「ずっとリンゴが食えなかったんだぜ、たくさんあるんだしこれぐらいいいだろ?」
霊夢「はぁ……にしても、こんなにたくさんの果物をどうするのかしら?」
クー「さぁ?ジュースとかにするんじゃないか?」
リック「ジュースだって!?うまそうじゃねえか!」
クー「お前は……ほら、いつまでも食ってないで早く行くぞ!」
リック「まだ食い終わってないのにー!」
倉庫から出た霊夢達は見つからないように工場を探索していた。とても大きな工場で果物を加工する箇所と木材を作る箇所で別れているようだ。社員が忙しなく仕事をしているようで機械の音も合わせてとても賑やかである。しばらく物影で様子を見ていると、2人の社員が話しながらやってきた。
社員1「新しく入った工場長、ホントによくやるよなぁ。いつもスージー様のキッツイ叱責を買ってるってのに。」
社員2「そうだよなぁ。突然工場長がいなくなってその埋め合わせに採用させられたトーシロなんだろ?そんなに人材不足なのか?」
社員1「わからん、とにかくさっさと報告を済ませよう。えーと……どこだっけ?」
社員2「お前工場長室がどこかもわかんねぇのか?エレベーターで最上階まで登った所だよ!」
霊夢「エレベーターに乗って最上階まで行けばいいのね?」
リック「あれだろ?上下に動いてる箱みたいなやつ。」
クー「よし、そうと決まればさっさと行こうぜ。」
霊夢達はエレベーターに乗り込み最上階へ進む。このまま順調に進むのかと思いきや、突如エレベーターは最上階の3つ手前で止まったのだ。エレベーターのドアが開き社員が乗り込もうとすると霊夢達た鉢合わせてしまった。
霊夢「………」
社員「………」
社員「し、侵入者だーーー!!!」
社員がそう叫ぶとこんどは武装した兵士がやってきた。ここからは階段を使って最上階を目指さなければならない。霊夢達は急いで階段を使って最上階まで昇っていく。
リック「ハァ……ハァ……待って……くれ……」
クー「果物の食いすぎだよバカ野郎!」
兵士「いたぞ!逃がすな!」
霊夢「邪魔しないでよ!」
霊夢の札やクーの羽で次々と兵士を撃墜していき、やっと最上階まで到達するころにはリックはもうヘトヘトの状態だった。
工場長室の扉は思いの外頑丈であり、なかなか突き破ることができない。するとリックは体調が回復したのかタックルをして扉をこじ開けた。
扉の先にいたのは美人秘書のスージーとこの前に霊夢にボコボコにされたタックだった。タックは身体に機械がついている。
スージー「………タック工場長、これはどういうことですの?」
タック「ひょ、ヒョヒョ……スージー様、これは……」
スージー「反乱分子を弱体化させるためにあなたの腕を信じて採用したのにコテンパンにやられ、ボロボロになって倒れてた所を情けで拾って工場長に雇ってやったのに侵入者すら倒せない始末……ホンット、あなたは使えないクズですわね。」
タック「し、しかし……」
スージー「あら?あらあら?雇われ新人工場長であるあなたが?美人秘書のスージー様に口答え?あなた自分の立場わかってますの?」
タック「……………」
スージー「あなたは我々の信頼を裏切った、これは相当なペナルティですわ。でも、私は寛容で優しい美人秘書のスージー様ですので、あなたに最後の最後のチャンスを与えてあげますわ。」
タック「チャンス……?」
スージー「そう、あなたは最後は優秀な兵士となって、侵入者をボコボコにするのです!」
霊夢達「「!?」」
スージーはそう言うとリモコンのスイッチを押した。しばらくするとタックについている機械が怪しく光り、激しい電撃を放った。
タック「ヒョーーー!?」
スージー「使えないクズならクズらしく最後は派手に散っていらっしゃい、では。」
スージーは時空の裂け目を使いタックを残して消えていった。
クー「お、おい、なんだか様子がおかしいぞ……」
霊夢「何かしら?」
タック「た、助けてくれヒョ……か、身体が……身体が……ヒョーーーー!?」
タックは機械に完全に飲み込まれ、背中から怪しいアームが5本生えたロボットと化してしまった。
タック改「ヒョ……ヒョヒョ……ヒョーッヒョッヒョッヒョーー!!」
リック「マジかよ……」
霊夢「やるしか……ないのね!」
クー「憐れな……」