二次創作小説(新・総合)

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.59 )
日時: 2017/12/23 21:03
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>58



44・霊夢の逃走劇



ウィスピーボーグは逃げる霊夢達を執拗に追いかけまわす。パイプの隙間や穴を覗いたり時には破壊したりと隙がない。どこへ行っても逃げ道は存在しないのだ。巨大な体を持ちながらも素早く移動するウィスピーボーグを前に霊夢達はどんどん疲弊していった。

クー「な、なんて執念深さだ……」
チュチュ「もうダメ、私限界………」
ナゴ「ほれ、もっと気張らんか!」
霊夢「このままだと危ないわね……よし、罠を作りましょ。あれだけ大きいんだもの、重心さえ崩せればチャンスはあるわ!」
リック「ようするに落とし穴だな!」
霊夢「ええ、私が囮になるからなるべくいいやつを作るのよ!」

そう言うと霊夢はウィスピーボーグの元へ飛んでいった。あいつから逃げるだけでも皆は体力をどんどん消費していく、それなら私がと霊夢は自ら囮となることを選んだのだ。最悪交戦することになろうともなんとか応戦できる。今は少しでも時間を稼ぐしかない。霊夢はウィスピーボーグのまん前に堂々と現れた。

霊夢「さぁ、私が相手よ!」
ウィスボ「ガガガガーー!!!」













クー「さぁ、霊夢がいなくてもやれるってことを照明してやろうぜ!」
一同「「「オーーーッッ!!!」」」

一方、リック達は必死で落とし穴を作っていた。体力のあるナゴとリックが率先して穴を堀り、クーの羽で細いパイプを切っていき、手先が器用なチュチュが大きな穴の上にパイプを編み上げていく。ピッチは小さな体で大急ぎで駆け回り枝やら葉っぱやらで地面と同化するように見せかける。バケツでぼんやりしているカインはただぼーっと作業を見ていた。
やっとできた落とし穴は粗末な造りではあったがウィスピーボーグを嵌めるには十分な罠となっていた。

リック「よし、こんなもんでいいだろ!自信作だぜ!」
ナゴ「吾が輩のほうが多く土をかき出したがな。」
リック「はぁ!?オイラのほうが多いに決まってらぁ!」
クー「わかったわかった……カイン、信号を送ってくれ。」
カイン「わかったんだな!むむむ………ポーン!」

カインは爆弾を真上に思いっきり高く吹き上げた。

クー「よし、急げ!巻き込まれるぞ!」
チュチュ「かなり時間かけたんだからしっかり嵌めなさいよ!」
ピッチ「ピピー!」












霊夢「あの爆発は……ほら、こっちよ!」

霊夢はウィスピーボーグと追いかけっこをしていた。距離が一定になるように、ドリルを撃ってきたらドリルだけを撃墜する。近づきすぎず離れすぎずを繰り返し、落とし穴の方へ誘導する。

霊夢「よし、もうすぐ!」

落とし穴ポイントに到達したウィスピーボーグは案の定脚が嵌まりバランスを崩して転倒した。さらにチュチュが凝った編み方をしたのか、パイプがカエシ状になっていていくら力を込めても引き抜けない。

霊夢「皆、この札を持って私の言った位置について。急いで!」
リック「わ、わかったぜ。」」
霊夢「カインの分は貼っておくから大丈夫よ。」
カイン「あ、ありがとうなんだな……」

霊夢達は配置についた後に渡された札を掲げた。すると札は一筋の光となって他の札とつながる。全ての光が繋がると今まで白かった光が7つの色に分かれ霊夢達の周りを駆け巡る。

霊夢「これが皆でできる悪霊退治よ!七天魔殲陣!」

霊夢が叫ぶと突如ウィスピーボーグを覆う程の大きな魔法陣が発生し、そこから聖なる光が一気にわき上がった。ところどころ起爆性の札も紛れており反撃も許さない。聖なる光は空を貫き太陽のごとく明るかった。

ウィスボ『ガァァァ…………!!』

ウィスピーボーグは光の輝きに包まれ魂もろとも祓われてしまったようだ。霊夢はそっとタックの魂に祈りを捧げた。リックが目を醒ましたのは呆気にとられて足を滑らし頭から地面に激突した後だった。






リック「やった……のか?」
霊夢「ええ、もう大丈夫よ。」
ピッチ「やったー!!」
ナゴ「これでこの森のキカイ化は止まるのであるな!」
霊夢「止まりはするけど戻りはしないみたいね……」
クー「でもこれで自然は守られた。霊夢のおかげさ。」
チュチュ「あら、見かけによらずやるじゃないの。」
霊夢「見かけには余計よ。」

霊夢と仲間達の働きによりグラスランドは奪還された。拠点に戻った霊夢達はひとまず祝勝会という事で材木工場の倉庫からくすねた果物をひたすら食べまくった。果物を囲むテーブルの輪の中にはもちろん霊夢もいる。元の世界の幻想郷に戻る手段を考えることは今はすっかり後回しになっていた。



『グラスランド 奪還 』









ハルトマンワークスカンパニー母艦
アクシスアークス

スージー「………以上がプレインプロプトン支社で起きました。」
ハルトマン「わかった、報告ご苦労である。ひとまず下がっていなさい。」
スージー「ここのところ、ゲンジュウ民達の抵抗が激しくなっています。既に襲撃され奪還された支社も少なくありません。」
ハルトマン「まだまだこの世界には未踏の地がある。そこを支配すればよいのである。」
黒霊夢「ねぇ、いい加減私の任務まだ?」
影咲夜「そろそろ体を動かしたいのだけれど。」
2人「「早くオリジナルと戦いたいのに。」」
ハルトマン「まぁ待つのである。君達にも出番はやがて来るのである。チキンでも食べながら今は辛抱するのである。」

ディメンションミラーによって作られた霊夢の影と咲夜の影。オリジナルがそうとうな強さを持つため影である存在もまた同等の存在を持つ。未だ目立った活動はしていないが2人放たれた時、世界はどう動くのか。全てはマザーコンピューター『星の夢』のみぞ知る。