二次創作小説(新・総合)

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.62 )
日時: 2018/01/15 21:02
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>16



45・出口とロマンを求めて



マジルテ

魔理沙「うっ………ぐっ………」

ダークマターに体を刺され深手を負い出血のショックで気を失っていた。そして目が覚めたら洞窟のようなところにいた。体には包帯が巻かれており誰かが処置を施したらしい。

魔理沙「ここは……うぉっ?」
『チューチュー!!』

意識がしっかりし周りを見ると青や緑、黄色の小さな生き物がいた。その生き物は魔理沙を見たとたん入り口の方へと逃げてしまった。生き物がいなくなり洞窟には魔理沙ひとりとなり、静けさに包まれる。ゆっくりと立ち上がり洞窟から出ようとすると入り口から大きなネズミが現れた。そのネズミは耳が大きく赤い帽子からはみ出ており、赤いマントをしていた。さらにそのネズミの後ろには大きなネズミやサングラスをかけたネズミ、飛行物体に乗ったネズミがいた。

???「目が覚めたようだな、気分はどうだ?」
魔理沙「お前……誰だ?」
ドロッチェ「俺は世紀の大怪盗ドロッチェだ。ひとまず戻れ、今度は君が話す番だ。」

ドロッチェは魔理沙をひとまず奥に戻し、ゆっくりと話すことにしたが、魔理沙はひどく焦っていた。

魔理沙「私は…魔理沙、霧雨魔理沙だ。なぁ、ここはいったいどこなんだ?アリスはここにいるのか?なんでお前達はこんなところにいるんだ?なんで…」
ドロッチェ「待て待て……1つずつだ。まずはここがどこなのか、という問いの答えだが、ここはマジルテだ。いつから存在するのかわからない前人未踏の古の洞窟だ。入ったら二度と出ては来れんらしいがな。だから君を見つけた時は罠にやられたのかと思っていたんだが、そのままにするのも寝覚めが悪い。」
魔理沙「マジルテ?待てよ、幻想郷にそんな洞窟はないぞ?」
ドロッチェ「幻想郷?ここはポップスターだぞ。」
魔理沙「何だって?じゃあ私は時空の歪みから世界をまたいで飛ばされて来たってことなのか?」
ドロッチェ「いろんな世界を旅してきたが君のような服装を見たのは初めてだ。君が別世界の住人というのは本当のことらしいな。」

ドロッチェ「次にアリスがここにいるのか、という問いの答えだが、俺が倒れていた君を見つけた時には誰もいなかったぞ。」
魔理沙「そっか……アリスも時空の歪みに入っていったから会えると思ったんだけどな……」
ドロッチェ「この世界は広い、しかし君が真に願えばいつかは必ず会えるさ。」

ドロッチェ「最後になぜ俺達がこんなところにいるのか、という問いについての答えだが、さっきも言ったがここは前人未踏の洞窟。お宝だってここに眠っているはずさ。」
魔理沙「そういや怪盗なんだったか。」
ドロッチェ「そうだ、まだ見ぬロマンと大いなる力を求めて全世界を旅している。ここは通過点に過ぎない。」
魔理沙「なんかすごいな……」

ドロッチェ「そこでものは相談なんだが、君にも宝探しを手伝ってもらいたい。」
魔理沙「はぁ?なんで私が……」
ドロッチェ「あのまま放っておいたら君はそのまま死ぬところだったんだ、少しは感謝してもいいんじゃないか?」
魔理沙「うっ……」
ドロッチェ「そのかわり、アリスという人探しを強力しよう。この世界に詳しい人と行動したほうがいいだろう?」
魔理沙「で、できるのか?」
ドロッチェ「できるさ、こいつらはチューリン。体が小さくてすばやい。隙間にも入れるしたくさんいる。時間はかかるかもしれないが気休め程度にはなるだろう。」
魔理沙「……わかった、言うとおりにする。」
ドロッチェ「賢明な判断だ、じゃあそろそろ出発しようか。君は怪我人なんだからくれぐれも無茶はするなよ?」
魔理沙「わかってるさ!」









地底の木々

薄暗い洞窟なのにここは植物がうっそうと生い茂っている。入り口が近く種や光がよく入ってくる他、土壌が豊かな上に天敵もいないので長い時間をかけて大きな樹海を形成したのだという。骸骨や遺品が多く転がっているのは入り口から近い故に誰でも入ってこれるのだが、樹海に巣くう敵や罠にやられてしまったのだという。

魔理沙「洞窟なのにまるでジャングルみたいだ。」
ドロッチェ「ここは入り口から近いからな。半端なトレジャーハンターまがいがよくここまで来て、そして死んでいった。」
魔理沙「死んだ?」
ドロッチェ「ああ、どんな冒険映画でも越えられないような代物だ。」
魔理沙「へぇ……にしてもホントにお宝なんてあるのか?」
ドロッチェ「まぁ、ここら辺は誰でも来れるところだからなぁ。……ん?どうしたチューリン。」

ジャングルから出てきたチューリンがドロッチェに報告する。どうやら埋もれた宝箱があるようだ。

ドロッチェ「そうか、よし魔理沙。取りに行くぞ。」
魔理沙「えっ、こんなところ進めってのか?」
ドロッチェ「大丈夫だ、虫は出ないさ。それに、君の力を見てみたい。」
魔理沙「まぁいいけどさぁ……」

魔理沙はしぶしぶジャングルに突入し宝箱を持って帰ってきた。ドロッチェはピッキング装置を使って箱を開けると中に入っていたのは金色のメダルだった。小さなメダルだが未だその輝きを失ってはいない。

魔理沙「なんだこりゃ?メダル?」
ドロッチェ「金メダルだな。よし、これは君にあげよう。」
魔理沙「いいのか?」
ドロッチェ「ああ。異世界の宝探しに協力してくれた報酬といっていいだろう。アリスにあげてもいいんだぞ?」
魔理沙「へへっ……ありがとな。」

ドロッチェ達と魔理沙はジャングルの奥地をどんどん進んでいく。奥地へ進むにつれて植物は無くなり建造物が目立つようになってきた。さすがにここまでくると骸骨や遺品がない。骨すら残さないような罠があるのかもしれない。しばらくするとスイッチの遺跡にたどり着いた。何の気なしに魔理沙はスイッチを踏むと壁がせりあがり進めるようになったのだが、魔理沙が踏むのをやめると壁は戻ってしまった。

ドロッチェ「魔理沙、ここでスイッチを押していてくれないか?俺達が進んでいく。」
魔理沙「お、おう。気をつけてな。」

ドロッチェは数匹のチューリンを連れて奥へ進んでいった。しばらくすると轟音と共にドロッチェ達が上から降ってきた。手には水晶玉がある。

魔理沙「うまくいったのか?」
ドロッチェ「ああ、これは相当な値打ちになるぞ。」









手にいれた宝を袋にいれてどんどん先に進むドロッチェ達。そしてとうとうドロッチェ達は大きな地底湖についた。端が見えないほど大きく、鍾乳石が天井を埋め尽くしている。

魔理沙「でっけぇ湖だ……」
ドロッチェ「そうだな、ここまで来れたのはおそらく俺達だけだろう。」
魔理沙「……なぁ、なんか嫌な予感がするんだが。」
ドロッチェ「奇遇だな、俺もだ。」




地底湖の奥底で揺らめく影。静かな水面を激しく揺らして飛び出してきたのはここのヌシともとれる大きな鯨だった。