二次創作小説(新・総合)
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.67 )
- 日時: 2018/02/25 00:44
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>66
50・変幻自在の番人
ガメレオアームは姿を消してベロや足、玉を使って攻撃する。魔理沙やドロッチェは姿の見えない相手に苦労していた。普段視覚に頼って攻撃している2人にとって姿の見えない相手は十分な驚異である。ストロンとスピンも攻撃を当てられず困っていた。
魔理沙「河童の透明化の技術も凄いがそれを自分の体ひとつでやってのけるアイツもすごいな……」
ドロッチェ「技術……そうだ、ドク!お前の知恵を貸してくれ!」
ドク「やれやれ……年寄りをコキ使いおって……」
魔理沙の頭上を通り抜けUFOが現れた。そこに乗っていたのは年をとりすっかり縮こまったネズミだった。弱々しく見えてはいるが眼鏡の奥の知識は誰よりも深い。
ドク「ほほう……なるほど……簡単なことじゃ。」
魔理沙「爺さん、何かわかったのか?」
ドク「まぁの。まずは……」
ドクはガメレオアームの吐き出した玉を専用の機械で受け止める。そして何やら解析し終わった後にドクはUFOのアームを使って水鉄砲のようなものを取り出した。いかにも縄張り争いが起きそうな水鉄砲だ。
ドク「透明じゃからわからないんじゃよ。色をつければなんとかなるはずじゃ。ほれ、ワシの後ろにおらんと服が汚れるぞ。」
魔理沙「なぁドロッチェ、この爺さんなんなんだ?」
ドロッチェ「ドクという我が団のエンジニアだ。俺達が起点としている飛行船を作ったこともあるんだぞ。」
魔理沙「へぇ、凄いんだな爺さん!」
ドク「フン、若いもんにはまだ負けんわ!」
ドクは色水を周りに思いっきり塗りたくった。灼熱機関の赤と黄金の空間はどんどん色鮮やかになっていく。そして今まで透明になっていたガメレオアームの体にも色水が塗られていきとうとうその姿があらわになった。これにはガメレオアーム自信も驚いており頑張って透明になろうとするが、いくら環境に近づけても色水のせいでボロが出てしまう。
魔理沙「姿がわかればこっちのもんだな!」
ストロン「よーし、やっちゃうよぉー!」
スピン「チュー!」
姿が見えるようになってから対応が速くなった。伸ばしたベロや足をストロンががっしり掴み、ゴムパッチンの要領で攻撃する。スピンとドロッチェは素早い動きで玉の的を散らし、魔理沙が大きな一撃を叩き込む。気づいた時にはガメレオアームはヨレヨレのベロを引きずりながら尻尾を巻いて逃げていった。
魔理沙「よっしゃー!倒したぜー!」
ドロッチェ「ここを守っているガーディアンだったというわけか。」
ストロン「ベロ、すっごく長かったねぇ。」
スピン「どこにしまってるんだろうね、あのベロ。」
しかし、轟音と地震が突如としてやってきた。どうやら交戦の衝撃で塔が限界を迎えたらしい。風化により既にボロボロの状態となっていた塔は崩壊への道を歩んでいた。天井の黄金の板が音を立てて落ちていく。もはや崩壊は時間の問題となっていた。
ドロッチェ「まずい、崩れるぞ!」
魔理沙「逃げろー!」
必死に塔を降りる魔理沙達。しかし塔の崩壊は予想よりも速く、一行を包んでもろとも崩れ去った。
魔理沙「うわああぁぁぁ!!」
神秘の楽園
魔理沙「ん……ぅん……?ここは………!?」
気がついた魔理沙は同時に驚愕した。洞窟の奥だというのにまるで外のように明るいのだ。周りには綺麗な建造物があり空には雲が漂っている。塔の崩壊に巻き込まれ天国に到達したのかと錯覚するほどにこの景色は驚きに満ちていた。自分の胸に手を当てる、心臓の鼓動を確かめる。
魔理沙「生きてる、よな……?」
ドロッチェ「無事だったか!」
ストロン「あービックリしたぁ。でも今もビックリしてるよぉ。」
スピン「ここはどこでチュ?どこなんでチュ?」
ドク「やれやれ、また死に損なんだか……」
???「あら魔理沙、こんな所で会うなんてね。」
魔理沙「んあ?誰だ……って!?お前……」
ドロッチェ「知っているのか?」
魔理沙「………アリスだ。ずいぶんメカメカしくなってはいるがな。」
魔理沙の目の前に立っていたのは人形使いのアリスだった。しかし、ハルトマン社にキカイ化されてしまいサイボーグとなってしまっている。暗黒のオーラを纏っているのはすぐそばに闇の勢力がいる故か。魔理沙が知っているアリスの面影はそこには存在しなかった。
アリスボーグ「私の犠牲を無駄にしたようね……ホント、馬鹿な魔理沙。」
魔理沙「状況が状況だったんだ!お前をほうってはおけないだろ…」
アリスボーグ「あの人も詰めが甘いわ……あの時にとどめを刺していればこんなことにはならなかったものを。」
魔理沙「なぁアリス、戻ってきてくれよ。」
アリスボーグ「それは無理よ、私はあなたの命と引き換えに私を売ったの。今の私はハルトマン社の所有物。休むことなく兵器の設計図を書くメンバーよ。」
魔理沙「そんな………」
アリスボーグ「下を向くなんてあなたらしくないわね。いつもみたいに力づくで取り返しにきたらいいのに。」
魔理沙「………ああ、そのつもりだぜ。お前も幻想郷も全部あいつらから取り戻す!」
アリスボーグ「そう、私もただではあげられないわ。頑張って探してちょうだい。ここがあなた達の墓場となるか楽園となるか、すべてはその時に……」
アリスボーグは暗黒のオーラに包まれて消えてしまった。
ドロッチェ「ほう、これは高価なお宝だ。」
魔理沙「ドロッチェ……」
ドロッチェ「俺の本業は盗賊だ。あの子を奪い取るのには適任だろう?」
魔理沙「ああ、たぶんこの上ない味方だ。」
ドロッチェ「光栄の至り。さて、それじゃあ始めるとしようか。」
こうして、魔理沙とドロッチェ団の最高難度の宝探しが始まった。目指すは奈落の先の傀儡の少女。