二次創作小説(新・総合)

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.70 )
日時: 2018/04/15 21:06
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)

frontstory >>69



53・人形裁判



魔鉄の少女の攻撃は凄まじく、神殿を半壊状態にまで追い込んでいる。魔理沙とドロッチェ団は攻撃の隙をついて反撃に出るが、瓦礫の一部をそぎおとしただけで致命傷には至っていない。
ふと魔鉄の少女が右腕を上げると巨大な磁力の刃が発生した。瓦礫や鎧がくっつき磁力の刃は途端に大きな鈍器と化した。

魔鉄の少女『アァァ…………ガアァァァ!!』
魔理沙「おわぁっ!?」
ドロッチェ「ぬぉっ!?」

降り下ろした衝撃で瓦礫が飛び散り爆発する。直撃は避けたものの爆風のダメージは決して小さくは無かった。そして間髪いれずに魔鉄の少女は極太のビームで辺り一面を凪ぎ払う。大規模な爆発と衝撃で神殿は崩れ落ち、その瓦礫は念力で再度降りかかる。高い威力ながらも隙のない戦いに魔理沙達は疲弊していた。

ドロッチェ「まずいな……力の差がありすぎる。俺達の攻撃がまるで効いてないぞ。」
魔理沙「とにかくアリスを引きずり出してもっかいエンジンを止めたいんだが装甲が固くてな……」
ドロッチェ「ふむ………なるほどな……お?」
魔理沙「どうしたんだ?」
ドロッチェ「……ダイヤモンドを削る方法を知ってるか?」
魔理沙「どうしたんだいきなり?ダイヤモンドで削るんだろ?」
ドロッチェ「ああ……だから……」

魔鉄の少女は叫びの念力で瓦礫を固めてドロッチェに飛ばす。しかしドロッチェは気にもとめず寧ろ瓦礫の塊に立ち向かっていた。そしてステッキを使って塊を打ち返したのである。

魔鉄の少女『!!!???』
ドロッチェ「こうするのさ。」
魔理沙「すげえ!あ、アリス!」

完全に油断していた魔鉄の少女は塊のダメージをくらい上半身の装甲が大きく削がれた。少しではあるがアリスの体が見えている。その隙に魔理沙はアリスの体を掴み無理矢理引きずり出そうとするが、電気を操るビットが現れ魔理沙に高い電気を浴びせる。

魔理沙「ぐあああっ!?」
ドロッチェ「魔理沙!?」
魔理沙「なんの……これしき………アリスは………これ以上に痛い思いをしてんだ……ぐっ……」

魔理沙はアリスを掴んだ体を離さず、電気に耐えながらも踏ん張って引きずり出そうとする。邪魔な瓦礫ははたき落とし、砕けた鎧も削ぎ落とし、ただアリスを助け出す為に魔理沙は死にもの狂いでアリスを引っ張った。
そして意識が朦朧としたとき、その最後の瞬間にアリスの体を取り巻く邪魔な物が無くなった。魔理沙は渾身の力でアリスを引き抜き、助け出した。魔力の供給源が無くなった魔鉄の鎧は音を立てて崩れ落ちていく。

魔理沙「アリス!おい、しっかりしろ!」
ドロッチェ「ダークマター……これでどうだ!」

ドロッチェはアリスのエンジン部分に輝く石をかかげるとダークマターはそれを避けるようにアリスの体から抜け出た。

ダークマター「あの時、ちゃんととどめを刺していればな……」
魔理沙「アリスをこんなにしやがって……覚悟しろ!そう簡単には殺さねえぞ!」
ダークマター「……いいだろう、今度こそこの剣の錆にしてくれる!」













『駄目よマターちゃん、もう戻る時間よ。』



作られた闇の狭間から現れたのはレミリアのクローン、レプリカだった。

魔理沙「レミリア!?お前……」
レプリカ「私はレミリアであってレミリアでない…そう、私はそんな存在よ。」
ダークマター「……邪魔をする気か。」
レプリカ「まぁまぁいいじゃない。あの子を失うのは残念だけど、設計図さえ作れればあとはこっちのものでしょ?」
ダークマター「反逆の芽を摘まぬ気か。」
レプリカ「あれが完成すればここもあそこも消えるから大丈夫。まぁ見てなさいな。」
ダークマター「………ではしかと見させてもらおう。その先の世界を。」



ダークマターとレプリカは闇に包まれて姿を消した。アリスの体は機械を埋め込まれ痛々しいサイボーグと化してしまっているが、白磁の肌は辛うじてその生を示していた。しばらくするとエンジンの再稼働が始まり、青色の瞳が魔理沙を捉えた。

アリス「………魔理沙………?あなた、どうして……」
魔理沙「ったく、勝手にこんな体になりやがって。苦労したんだぜ?」
アリス「ありがとう………そこのおしゃれなネズミの紳士さんもね。」
ドロッチェ「そんなんじゃない、俺はしがない盗賊団の団長さ。」



アリス「ありがとう、もう大丈夫よ。にしてももう時間は無いわ。私があんなものを仕上げたばかりに……」
魔理沙「おい、何を書いたってんだ?」
アリス「……レライザ。」
魔理沙「レライザ?」
アリス「マザーコンピューターの補助的システムよ。」
ドロッチェ「それがどうして世界の危機なんだ?」
アリス「それは別の機械『デウス・エクス・アリス』…インベードアーマーに継ぐ戦闘用マシンよ。」
魔理沙「マジかよ……」
ドロッチェ「とにかく目的のものは見つかったんだ。早くここから出ようぜ。」






地上

アリス「あなたはこれからどうするの?」
魔理沙「それが、ここは幻想郷とは全く違う世界なんだ。途方に暮れてんだぜ……」
ドロッチェ「心配はいらない。幻想郷に帰れるまで俺の飛行船にいればいい。」
魔理沙「ひこうせん?」
ドロッチェ「まぁ、見ればわかるさ。」

ドロッチェが天を指差すと大きな飛行船が現れた。中に入ると居住スペースが広がっており生活にはあまり苦労しないようだ。

魔理沙「すっげー!こんなとこはじめて来たぜ!」
アリス「確かにここは別の世界らしいわね……」
ドロッチェ「君がここにきたように、帰れる方法がきっとあるはずだ。」
魔理沙「じゃあしばらく厄介になるぜ。」
アリス「ごめんなさいね。」
ドロッチェ「なに、構わないさ。華があるほうが旅は楽しい。」