二次創作小説(新・総合)

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.71 )
日時: 2018/04/29 16:45
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)

frontstory >>60



おまけ

ShadowOfRose



4・こいしの道

ダークマインドによって改変された邪悪なる鏡、ディメンションミラーの中の世界。裏の世界の住人達は今日も虚空の時間を過ごしていた。

ダメタ「アイツはこの腐った世界を叩き直す為の力を欲しがった。その為ならなんだってした。戦艦をこしらえ、反逆者と言われかねない行いもした。しかしアイツは負けたんだ。なんの志も持ってないが正義感が人一倍強いやつにな。」
ブラデ「そこまでするなんてお前のモデルはよほど表の世界が嫌いだったんだな。」
ダメタ「正義の審判気取りだったんだよアイツは。そんなことをしても世界なんて変わらん。」
こいし「私達の世界ではあまりそんなことは無かったなー。ちょっとした異変は起きたりするけど巫女さんがすぐに解決してくれるし。」
ブラデ「そっちの世界にも正義のヒーローがいんのか。」
こいし「やることはえげつないけど案外間違ってないかも。」
ダタラ「なら、今回の奇妙な事件はその巫女さんとこっちの世界のヒーローが解決することになるのかねぇ。」
ダメタ「なんにせよ大きなことを成し遂げるには力が必要だ。ただ一方的な力では邪魔が入る。全体的な力が必要だ。」
こいし「そっちの世界のヒーローにも会ってみたいなー……」









その後も5人はまた修行に明け暮れた。ダークメタナイトの言う『大きな力』を手にいれる為に。

こいし「ねぇシャドーちゃん、私が求めてるものってなんだと思う?」
シャドー「…………自分の存在意義じゃない?お姉ちゃんの影になってるって言ってたし……」
こいし「私いつも無意識に行動してるからさ、自分でも自分のことがわかんないの。だから皆に迷惑聞いて回ろうとしてるんだけど相手にされないの。」
シャドー「それはまた災難だね……」
こいしさんは私の存在意義かぁ………」

こいしは紫に染まり黒い雲をまだらに宿した空に向かって流れるように呟いた。そのあとうつむきながら青いバラを一輪咲かせて手のひらで弄んでいる。シャドーカービィはごろごろと寝つけなさそうにこいしの横を転がっている。
表と裏が無いカービィの影、シャドーカービィは昼寝が好きで他のメンバーの作業をしている横で四六時中寝ている。何度も星の危機を救ってきたカービィの影だけあって使える武器の種類や技術は抜きん出ておりブラックデデデやダークメタナイトにも遅れを取らない。ただ少々いたずら好きであり、帽子や仮面を取っては怒られている。まためんどくさがりでもあり基本的に自分から動くことはない。
こいしはこいしで不機嫌に転がっているシャドーカービィを見ながら自分の行く末を考えていた。誰からも相手にされず暗がりをさ迷っていた自分に光が射す道を。

今度はダークメタナイトと共に剣の修行に勤しむこいし。等身というハンデはあるものの相手は音速の剣技を操る剣士の影。素人同然のこいしに容赦なく力の差を刻み込んでいく。こいしも必死に食らいついていくが能力を使った奇襲は見切られ、サードアイの触手や弾幕を使った遠距離攻撃も鏡を使った分身や太刀捌き、素早い動きでかわされ、雲泥の差は簡単には縮まらなかった。

ダメタ「女性の割には体幹がしっかりしているな。しかし剣に振り回されている、遠距離攻撃はただ単に攻撃だけでなく牽制や自分の隙を潰すこともできる。単体で使うよりかは剣術と絡めて戦えば上達するぞ。」
こいし「やった……けど、疲れたぁ……もうダメ……剣術って難しいんだねー……」

ほぼ防戦一方だったこいしは思いっきり地面に座り込んだ。ダークメタナイトの斬撃を受けた両手は衝撃により震えている。さとり妖怪とはいえ慣れない剣術と容赦の無い攻撃にはスタミナをすごく消費するのである。

ダメタ「これは慣れだ。しかしなぜ剣術を?」
こいし「弾幕張るだけじゃ楽しくないし、せっかくこの世界に迷いこんだんだからここでしかできないことしよっかなーって。それに、自分の不得意な部分や新しい部分を伸ばして自分なりの力にしたいって思ったの。」
ダメタ「力、か……得ても損はしないが使いどころを間違えるなよ。」
こいし「うん、でも疲れたぁ……」
ダメタ「基礎持久力に難ありか……ブラックデデデに頼んで基礎トレでも仕込んでみるか。」
こいし「うへぇ……」

戦闘のプロとの経験を経てこいしは少しずつ強くなっていく。いつか姉に少しでも追いつくために、手探り状態で自分の求める道を登る。