二次創作小説(新・総合)

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.73 )
日時: 2018/06/24 20:37
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: KG6j5ysh)

frontstory >>17 >>18



54・小さな鼠、脱兎の如く



妙蓮寺周辺

人里をひとりの少女が逃げ回っていた。まーるい耳と長い尻尾を持ち、両手には直角に曲がった二つの棒を抱えている。小さな体は襲撃で傷だらけになっていた。
妙蓮寺が襲撃に遭った際、主の星にすぐに隠れろと命じられた。主や皆を置いて行けるかと反対したが、増えつつあるロボット兵、白蓮を討ち倒したギャラクティックナイト、とてもではないが状況はとてもよくない。なので異変解決に詳しい人達に助けを求めてほしいと言われ、不安ながらも受け入れたのだ。
そして数十分後、ナズーリンの不在に気づいたギャラクティックナイトが捜索に乗り出したのである。ナズーリンを捕まえるためには容赦はせず砲撃などもお構い無し。
ナズーリンは逃げ続けた。まるで立体迷路のようにいりくんだ人里を駆け回る。コンクリートで固められた地面は土よりも負担をかけ、高速で動く車に体をぶつけたりと体を負傷し続け体はボロボロになっていた。それでもナズーリンは逃げ続ける。一刻も早く皆を救う為に。そして、早くも辛い現実と立ち会うことになる。捜索に乗り出したロボット兵が人里のロボット兵に召集をかけ先回りさせていたのである。

兵士「逃げられると思ったか!おとなしくしろ!」
ナズーリン「く、くそっ……!」

ナズーリンはダウジングを構え臨戦態勢を取る。しかしロボット兵はどんどん増えていき気づけば辺りを取り囲むほどになっていた。

ナズーリン(ここまでか……)

ナズーリンはふりかかる拳に目をつぶっていた。しかしいつまでたっても衝撃は無かった。目を開けるとそこには仮面をつけた青い騎士がいた。後からきたメイドと吸血鬼、そしてピンクだまも現れ次々とロボット兵を倒していく。

ナズーリン「き、君達は……?」
メタナイト「話は後だ、ひとまず安全な場所へ。カービィ、頼んだぞ!」

カービィはナズーリンを担ぎ上げメタナイト達と共に空き家に避難する。咲夜がナズーリンの手当をしているとナズーリンは安心したかのように話をしだした。

ナズーリン「……助けてくれてありがとう、それで君は……」
メタナイト「私はメタナイト、そしてカービィだ。私達はどうやら違う世界からきた住人らしい。」
レミリア「幻想郷もポップスター?も同じやつらに侵略されててね………」
ナズーリン「二つの世界を同時侵略なんてそんなことできるのかい!?」
メタナイト「現に私は時空の歪みでここへ飛ばされた。と、私の話はいいだろう。」
レミリア「そ、あなたの話を聞かせてちょうだい。」
ナズーリン「わかった………」

ナズーリンは突如空からロボットがやってきて妙蓮寺を襲ったことと、白蓮がギャラクティックナイトに打ち倒されたことを話した。その言葉を聞いた途端、メタナイトの仮面の奥の素顔が歪んだ。わずかな隙間から覗く表情の変化に気づいたのはカービィだった。興味深しげにメタナイトの顔を覗く。

メタナイト「そうか、カービィも戦ったことがあったな。」
咲夜「聖白蓮を打ち倒したと聞きましたが……そらほどまでに手強いのですか?」
メタナイト「私も詳しくは知らないのだが古の戦乱の時代、たった一人で億の軍勢に打ち勝ち、神ですら切り伏せ星を崩したという。」
レミリア「な、なんだかとんでもない奴ねそいつ……」
メタナイト「私もギリギリの戦いだった……しかしまだ生きていたとはな。」
咲夜「こんな時こそ霊夢の出番なんでしょうけど、今度ばかりは心配ね……」
ナズーリン「たとえ相手が化け物でも、私は勝たなきゃ、助けなきゃならないんだ!」
レミリア「そうね、今はそのことに集中しましょ。でもその前に休むのが先!」
ナズーリン「うぅ……」

ずっと恐怖と疲れに戦ってきたのか、絶対に寝ないと言い張っていたのに寝てしまった。その寝顔は安堵の表情だったという。その横ではカービィがコロコロと寝転がっていた。
翌朝、元気になったナズーリンはレミリア達の助けを借りて妙蓮寺を奪還するのだった。










道中 ダストステージ

材木やゴミがたまるゴミ捨て場。ビルのごとく積まれた不要品の山の中、彼女は目覚めた。

小傘「むぐむぐ……ぶはぁっ!はー……死ぬかと思った……もう、なんなのよあの切り込みマスク!あちきを捕まえて働かせるのかと思ったら使えないってこんなとこに棄てるなんて……とりあえず傘どこだろ……あ、あった。よいしょっと。」

お化け傘を引っ張りだし、ゴミ山を下り、変わり果てた幻想郷のビル群を見上げた。最初は大きなビル群を化け物だと勘違いしていて驚いたが、だんだん慣れてきた。

小傘「あの切り込みマスク……絶対に許さないんだから!」

レミリア達がリベンジに向かう中、レミリア達が知らないところでもうひとつのリベンジに燃える存在がいた。