二次創作小説(新・総合)
- 裸族講座(後編) ( No.60 )
- 日時: 2024/07/04 21:28
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
講座3. 裸族技について
ウッキーR(W)「さぁ、ここからは第3講座。いよいよ裸族の醍醐味、裸族技のレクチャーをしていくっぺ!」
『おおおおっ!!!!!!!!!!』
愛海(W)「いつもならここに多くの時間を割くんだけど、今回は裸族の真髄を1から指導していく特別カリキュラムだからね。時間の都合上、申し訳ないんだけど、今回はある裸族技を教えていくよ〜!」
さぁ、いよいよ始まった裸族講座後半戦。前回までで裸族に関する情報や概念を叩き込んだところで、ここからはいよいよ実践的な方面での話に移ることになる。
……しかし、これはずっと思っていたことなんだけども、何故裸族技という概念が生まれたのだろうか? アイドル達はまだしも、スマブ裸族やモンハン裸族なんて裸族技無しでも充分強いのでは……?
霊夢「えぇ。それは流石にね、私も思ったことはあるのよ;」
霖之助「実のところ、詳細はよく分かってないみたいなんだよね…… たしかに不思議に思う点だとは思うよ;」
乱歩「そうか? 見方を変えてみれば、俺達からすれば願ってもない話なんだがな」
東方裸族一同もよく分かっていない裸族技の存在意義。だが、新人モンハン裸族1のまとも枠である乱歩曰く、裸族技の有り難みはたしかにあるようで……
乱歩「例えば、だ。俺達は元はモンスターだからな。人を静止させたり攻撃するにしても肉体言語である事が殆どだ。それらを裸族技に置き換えられるだけでも、身体的な被害は抑えられやすいと思うのだが……」
霖之助「ふむ、成程ね…………」
霊夢「その発想は目から鱗だったわ…………」
たしかに、暴力に身を任せて下手に相手に怪我を負わせる位なら、裸族技で精神にダメージを与えた方が表面上はマシになる、という話だった。いや、裸族技の中には相手を火傷させるような技(例:もっこRINGファイヤーetc.)もあるんで、必ずしもそうとは言えないのだが…………
ワリオ(W)「よし、準備が整ったようだな! それではいよいよ実習に移る! 今回お前達に覚えてもらう技は、裸族技の中でも最もスタンダードな技『ズボンひっちぎり』だっ!!」
新人裸族たち『ズ、ズボンひっちぎり…………!?』
霖之助「やり方を説明していくね。まずは手に気を送り構える!構えはZHOKの構えだ!そして、ターゲットを見つけたらズボンを目がけてズボンを引きちぎるのみ!」
霊夢「ZHOKの構え方は足をある程度広げて腰を低くし、腋を締めて手は手刀の構えで!目は相手の足の付け根から股間あたりを直視すると良いわ!」
ウッキーR(W)「ちなみにZHOKは「Z(ズボンから)H(はみ出る)O(男の)K(勲章)」の略だっぺ!!この構えは裸族技では基本中の基本!収得出来ない奴は裸族小学校からやり直して来るっぺ!」
愛海(W)「一応補足すると、ZHOKには別名があって「Z(ズボンがあって)H(張りきる)O(女の)K(キラめき)」って意味もあるよ~。女性裸族が増えてきたことによる新解釈だよね!」
パッと見ると構えは格闘技でよく見るカッコいい構えであるが、これは裸族技を発動する際の構えだ。何も知らない人が見るとファイティングポーズをしているように見えるが、これは完全に裸族技の発動アイズだ。油断したら殺されるぞ。
先輩裸族の勇姿を参考に、モンハン裸族一同もZHOKの構えを取ってみる。流石に戦闘慣れしているからか、姿勢そのものは全員揃って綺麗に見える。
……と、ここでワリオ(W)からもう一言。
ワリオ(W)「しかーしっ! あくまでズボンひっちぎりとは仮の姿! 本来はとある"上級裸族技"を習得する過程で設けられたダウングレード版だと思ってもらって構わない! 今から俺が本来のズボンひっちぎり……『ズボンワイルドひっちぎり』を魅せてやろう!!」
次の瞬間、目の前に一体のマネキンが用意された。マネキンにはいかにも硬そうな素材のジーンズが着用されていた。……えっ、これ破くんです? マジで?
ワリオ(W)「行くぞッ! 裸族の真髄を前にしては、あらゆる衣類も皆無力ッ! ズボンッ! ワァイルドォ! ひっちぎりィッ!!!!」
\ ビリィッ!!!!!!!! /
……えー。何が起こったのかを、もう一度改めて説明しよう。
まずワリオは、野性味を放ちつつも研ぎ澄まされた精神力と崩れない構えで相手の膝のくるぶし周りを高速でしつこく擦ったのである。そんな事をしようものなら、幾ら硬い材質のジーンズであろうが繊維はどうしても弱くなる。その隙をついて、裸族技の使い手が思いっ切りひっちぎったのである! いや、改めて話してもとんでも理論だな!?
斯くして、いかにブランド物のジーンズであろうとも、一瞬にして○’zの稲○さんが履くホットパンツ並みに短くなっていた。しかも何が恐ろしいかというと、このマネキンにはジーンズの下にトランクスを着用させていたのだが、ワリオ(W)はトランクスを破くことなくズボンをホットパンツに生まれ変わらせたのである(???)。この繊細なる匠の技に、他の裸族からも歓声が挙がった。
……だが、ここでひとつ疑問の声が。
ゲネオ「流石は裸族界のトップを走るお方……! しかし、私としては不思議に思う点があります。衣服を破り捨てる事で技として昇華させているならば、何故下着には手を出さないのです?」
ワリオ(W)「ゔぁっかもーんっ! そんな事も分からないというのかっ!?」
新人裸族一同『!?!?!?!?!?』
ウッキーR(W)「これはオラでも分がることだっぺ! この技を使う上での最大の評価点は『いかにはみチンスレスレの短さでひっちぎれるか』なんだっぺ! パンモロやチンモロをしていては野蛮な破き方としてマイナス評価を受けるんだっペ!」
霖之助「ちなみに、通常のズボンひっちぎりとズボンワイルドひっちぎりの違いは、ひっちぎった後のズボンの丈にあるよ。パンツを巻き込む事無く、相手の膝上以上且つ明確にははみチンしていないという条件を満たした場合のみ、ズボンワイルドひっちぎりに認定されるんだ」
霊夢「当初はこれしか裸族技として正式には認められなかったんだけど、流石に新規層にも優しくすべきって話が挙がってね。そうして生まれたダウングレード版がズボンひっちぎりって訳。こっちの方の許容は割とガバガバで、膝下の範囲しか破けなくても、パンモロやチンモロになってしまったとしても、ズボンを破けさえすれば成立するわ」
愛海(W)「ちなみになんだけど。この技を女性に対して使用する時は、チンを考慮する必要がないからもっと判定が緩くなるんだよね~。よほど恥ずかしくなるような破き方でもなければ上手くいくと思うよ~。ガレスちゃんは是非参考にしてもらえると嬉しいな!」
下着には敢えて手をかけないことによって、はみチンスレスレのスリルやチラリズムを考慮する事が出来る。ある意味、裸族達にとっての趣によってズボンワイルドひっちぎりは成立しているのだ。
人の趣など全く知らないモンハン裸族としては彼らの言うことをいまいち理解出来ていなかったようだが、他でもない先輩裸族が言ってるのだからそうなのだろう。そう思うことにした。
※原案であるりゅーと師匠の文を参考に、現代風により説明感を強めてお送り致しました。
- 裸族講座(後編) ( No.61 )
- 日時: 2024/07/04 21:33
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
講座4. 裸族料理について
愛海(W)「さぁてと。ここからは第4講座、これまた裸族の醍醐味の1つ、裸族料理についてもレクチャーしていくよ~!」
裸族一同『うぉぉぉぉぉぉっ!!!!』
裸族の歴台の活躍経歴を振り返ってみても、裸族料理の存在はもはや必要不可欠。少し前にも荒ぶっていたらしいという噂の裸族料理についても、勿論履修する必要があった。
霊夢「ところでなんだけど……あんた達、料理自体はちゃんと出来るんでしょうね?」
霖之助「裸族料理といえど、元をたどれば料理に分類されるからね。あくまでも最低限の料理が出来ることが、裸族料理を伝授できる最低条件になるんだけど……」
ここで霊夢と霖之助から念の為の確認。これまでの裸族料理というのは、あくまで全員が最低限の料理くらいなら作れているのが前提とされてきた。ここは何せカキコ界だ。料理を作ろうとして激辛兵器やポイズンクッキング、挙句の果てにはクトゥルフ錬成(!?)すらしてしまう、まさしく魑魅魍魎の世界。これまで通りのカキコの通例であれば、そんな事を気にする必要はなかったのだが…………
ガレス「料理の腕前? 当然ウチは問題ないっしょ!」
マカオ「アパ。マカノリョウリ、ゲンシテキ。デモ、イチオウツクレル。アパァ!」
ゲネオ「料理? ククッ、何を聞くかと思えば。自炊など出来て当然でしょう?」
乱歩「ダウトだ」
ゲネオ「なっ……!? 何故です乱歩!? 貴方は私が作ってきた料理を何度も食べてる筈ですよ!? 今更私に何の恨みをつけようというのです!?」
乱歩「なら聞くが……ゲネオ。お前、料理を作る際の"味付け"はどうしてる?」
ゲネオ「何を聞くかと思えば。そんなものは自明の理に決まっているでしょう?」
ゲネオ「大量の山椒と花椒、そして隠し味に『ゲネポス種特有の麻痺毒』。このスペシャルブレンドこそが至高ッ! 皆さんの舌を唸らせる事間違い無しですッ!」
『アウトだよっっっっ!?!?!?!?』
ゲネオ「そんなっ!? 何故ッ!?!?」
な ん と い う こ と で し ょ う
流石に雌個体だからかガレスは問題なし、アパッチなので原始的なものしか作れないらしいがマカオも特段問題は無さそうだった。
ところがゲネオは話が一転。彼の味の好みは紛れもない激辛兵器級の辛さ……いや、辛さではあるのだが。その辛さの質というのが、歴代の激辛兵器錬成者とは少し異なっていた。
それまでの激辛料理といえば、唐辛子やハバネロ、ブート・ジョロキアといったC18H27NO3(カプサイシン)由来の激辛成分で、数多の料理対決審査員を死の淵に追いやってきた()のだが、今回は訳が違う。
山椒や花椒に含まれているのはサンショオールという少々異なる成分であり、これがいわゆる山椒属特有の"舌が痺れる辛味"を引き出していた。それだけだったらまだマシだったのだが、ゲネオはここにゲネポス種が有する麻痺毒の成分を隠し味と称して投入する癖がある(シビレ罠設置)。これにより、常人ではとても耐えられそうにない『麻の極地』ともいうべき激辛……もとい『激シビレ兵器』と化していた……
ウッキーR(W)「なんてことだっぺ……! 裸族も多様化の一途をたどってきたけんども、そもそも料理が出来ない裸族ってのは聞いたことがないタイプだっぺ……;」
ワリオ(W)「俺様達のセカイでいうクルール(W)、冬優子(W)などに相当する辛党……いや、これは辛党なのか? まぁつまり、このまま裸族料理を伝授させても、正当な裸族料理を作れそうにない可能性もあるのか…… なんとも嘆かわしい……ッ!!」
ゲネオ「そんな……ッ! 何故ですっ! 刺激とは美味なる料理の必須ステータスではありませんかっ!」
霊夢「んな訳ないでしょ、このアホンダラ(#^ω^)」
ただでさえ味覚破壊疑惑の強いゲネオが裸族料理を覚えたとあっては、それはもはや一般人は当然ながら裸族すら食すことの出来ない正真正銘の食べ物ではない何かと化してしまう。限られた時間の中で通常の料理教室まで開けるはずもなく、今回ゲネオはおやすみを余儀なくされてしまった…… 勿論彼は不平を並べていたが、裸族を律する者にシバかれたので、この話はここでおしまい。
……ところで、もう1人口を閉ざしている者がいたのはお気づきだろうか?
霖之助「……ところで、飯男くん。さっきから君の反応を聞けてなかったんだけど……」
飯男「なっ、あ"ぁん!? オ、オレが料理を、つ、作れないとでも……!?」
乱歩「……よせ、飯男。今回ばかりは素直になっておいた方が、お前の、そして先輩達の為だ」
飯男「う、ぐぅ…………っ!!」
乱歩「……すまない、霖之助さん。飯男も、恐らく裸族料理は継承出来ないだろう。……彼は、文字通りの『ポイズンクッキング錬成者』だからな;」
霖之助「えっ、ポイズンクッキング…………?」
乱歩の発言に、思わず疑問を抱く霖之助。
というのも、今まででいうポイズンクッキングというのは、あくまで比喩的なもの。洗剤を使って材料を洗ってしまっただとか、シリカゲルのような食べられそうにないものを料理に入れてしまった、といった、日常でも起こりうるヤバい飯達の総称とも呼べるものだった。……しかし、今回の飯男のポイズンクッキングは、そちらの例には該当しない。
飯男「チッ…… あんましこういうのは口にしたくなかったんだけどよ。オレが料理を作ろうとすると、なんでか知らねぇが手元から毒液が次々と垂れちまうんだ……! そのせいで、自分で旨い飯すら作れねぇ! ……クソッ、ドスイーオスとしての誇りが、こんなとこで裏目に出ちまうなんて……!」
……そう。このドスイーオス、もとい飯男は『文字通りのポイズンクッキング錬成者』だったのだ。料理を作ろうとすると、イーオス種特有の毒液の分泌を抑えることが出来なくなるようで、手に触れた材料がすべて毒まみれになってしまうというジレンマを抱えていた。おまけに彼、ドス組の中ではかなりの健啖家で、料理に対する執着もかなり強い方なのだ。自分で納得のいく料理すら作れないという事実は、ある種、彼のコンプレックスのひとつにもなっていた……
必ずしも裸族が、裸族料理を作れるわけではないのだ
- 裸族講座(後編) ( No.62 )
- 日時: 2024/07/04 21:46
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
愛海(W)「うーん…… あたしが思ってたよりも結構厄介な新人達なんだね……; まぁでも、確認は終わったみたいだから、早速裸族料理の真髄を解説しちゃうよ~!」
ウッキーR(W)「とは言っても、裸族料理も普通の料理と実はそこまで大きな差は無いんだっぺ!」
ワリオ(W)「大切なのは、裸族界に長らく伝わっている伝統的な調味料を用いることだ! 裸族料理のさしすせそと言っても過言ではないぞ! 今回は、中でも最もオーソドックスな裸族調味料『裸塩』について教えるぞ! 脳内のラゾシックレコードにとくと刻むといい!」
そこまで話すと、W683sideの先輩裸族達は再び前方の開けた場に集まった。そして、新人裸族一同も集まるように手招きし、霖之助と霊夢以外の全員が集まった。それはそれとして、ラゾシックレコードって何?
愛海(W)「裸塩はね。言っちゃえば、人間がかく汗に含まれる塩分を抽出することで得られる、裸族にとって有り難い貴重な調味料なのだよ!!」
『おぉ~~~~!!』
ウッキーR(W)「ともすれば、裸塩を生成する方法ってぇのは、汗をかくことに他ならないんだっぺ!」
ワリオ(W)「汗をかく手段は各々自由だ! 好きに動き回るといい! ただし、今回はチュートリアルとして、俺様達と共に汗を流すぞ! さぁ、皆で円陣を組み、高らかに回るぞぉぉぉ!!!」
尊師の掛け声に併せ、裸族達は円陣を組んで回りだす。その光景は、さながら体育祭で気合を入れる為の円陣にも似ていたという…… 余談ながら、汗をかきやすいようになのか、まだ秋ど真ん中だと言うのに、今回の裸族講座特設会場は既に暖房が付けられており、熱気ムンムンの状態で今まで講義を受けていた事を追記しておく。ギャラリー組、よく音を上げなかったな;
さて、高速で円陣を組みながら周り続けて幾許の時が流れた頃。裸族特有の代謝の良さと熱気ムンムンの環境の影響からか、着衣していたスーツやシャツには汗がビッシリ。……というか、もはや汗が蒸発して結晶化していたのだ(爆弾発言)。おい、まさかこれが…………
ウッキーR(W)「ふぃ~! 良い汗がかけたんだっペ! やっぱし、フレッシュな新人裸友達と裸の付き合いをするのは良い経験になるんだっぺ!」
ワリオ(W)「皆、良くぞ俺様達の協力に応えてくれた! 俺様達のスーツを見るといい! かいた汗が蒸発して結晶のようになっているだろう? これこそが、裸族界に伝わる伝統調味料、『裸塩』だッ!!!」
『おおおおっ!!!!!!!!』
愛海(W)「あとは、この裸塩をあらゆる料理に使用するだけ! 使用する量は、多ければ多い程裸友にも受け入れられるから、是非とも挑戦してみてよね! その実力が認められれば、更なる裸族調味料についても教えてあげるよ~!!」
ガレス「うっはぁ…………! ウチの水属性とも相性バチバチなんじゃね? やんなきゃ損っしょ!!」
マカオ「アパッ! ホゾンショク、シオ、オオクツカウ! ハダカシオ、ホゾンショク、ピッタリ、アパァッ!!!」
ゲネオ「なんと素晴らしい……ッ! 裸塩の神聖なる塩分と、山椒が齎す圧倒的な刺激を組み合わせれば……!」
飯男「だからゲネオはそもそも料理を作ろうとしてんじゃねぇよ!! んな刺激特化劇物なんざ、お前以外食えた試しがねぇだろうが!!!」
……各々が感銘を受けていたりやいのやいのと騒ぎ立てている中、乱歩はというと、1歩引いて見守っていた霊夢と霖之助のところに話を聞きに来ていた。
乱歩「……お話、失礼します。2人は何故、裸塩作成に加わらなかったのですか?」
霖之助「……おや、乱歩君。わざわざこちらに来なくても良かったのに」
霊夢「……でもまぁ、良いんじゃない? 新人達の中では1番物事の善し悪しが分かってそうなあんたになら……話してもいいでしょうから」
他でもないHALsideの先立である2人が、裸族の醍醐味でもある裸族料理の説明に大きく加担していなかった点に、乱歩は一種の疑念を抱いていた。──そして、その疑念は驚くべき真相として帰ることになる。
霊夢「……実を言うとね。裸族料理は、一般社会にはまず間違いなく認められないブツよ」
乱歩「……………………えっ?」
霖之助「他でもない僕が経験したことだからね; 虚勢でも何でもないんだよ。……裸族料理は、裸族社会でしか価値を持たないんだ」
霖之助「……乱歩君、よく聞いてくれ。君だけでも構わないから、くれぐれも『一般人を含む人前では、絶対に裸族料理を提供しないでくれ』。……あれに関しては、裸族と人間の共生を完全に頭ごなしに否定する存在だから……;」
乱歩「え"っ() ……あ、あぁ。分かりました。肝に、銘じておきます……」
……読者の皆様であれば、彼らの発言に心当たりがある事だろう。というか、ありまくりな筈なのである()
カキコの日常小説を盛り上げる大きなイベントのひとつに『料理対決』というものがある。その歴史は大変長く続くものなのだが、いずれの開催においても絶対不変の問題作が存在していた。それが、他でもない裸族料理である()
それもそのはず。裸族料理、及び裸塩とは、一般人視点から言わせてみれば"老廃物で作り上げた塩分"である。調味料の名を語る事さえ烏滸がましい案件な上、これを塩分過多レベルで投入されるものだから、裸族料理がトラウマになっている者達も後を絶たないのだ。
おまけに霖之助、8年ほど前のHALの第一作で実際に裸族料理(焼き裸刀魚)を提供した事があり、結果としてこっぴどくボコボコにされた過去がある。そうした過去の事例も受け、穏健派裸族の中では、裸族料理提供の機会を控える動きが見え始めたらしい…………
裸族の社会も、ひとまとまりではないのである。
- 裸族講座(後編) ( No.63 )
- 日時: 2024/07/04 21:50
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
講座5. 裸族ソングについて
ワリオ(W)「さぁ、次が最後の講義になるぞ! ケツを引き締めて受けるといい! 裸族ソングについて教えてやろう!」
新人裸族の為の裸族講座も、いよいよ第5講義へ。これまた裸族の歴史には欠かせない裸族ソングについてのお話。……いや、なんで講義の種類だけで5つも項目作れたんだよ、って質問はナシでお願いします;
ガレス「……んん~? ちょっと待ってよ先生。裸族って歌を歌う習性とかもあるってわけ?」
愛海(W)「良くぞ聞いてくれたね、ガレスちゃん! 勿論、裸族にだって歌を歌う機会は多いんだよ! 私なんかもそう、通常のアイドルと裸族アイドルの二足の草鞋で活動してるんだから!」
ウッキーR(W)「裸族ソングとは、いわば裸族の為の替え歌に該当するんだっぺ! 最新流行チャートに乗っかって裸族ソングも日々進化を重ねてんだっペ!!」
霊夢「けど、最近だとあんまりフルで歌わせてもらえる機会も減ってるのよね。J○SRA○が強く目を光らせるようになったから……」
霖之助「悲しいけど、これも時の流れだよね。表の世界でも影響を受けてしまってる様だし……」
裸族ソングの歴史も、裸族料理に並ぶ位には濃いものと呼べるだろう。中には「脱ぎたくて」や「裸族のサツバツ論」など、長年にわたって愛されている(?)裸族ソングすらある始末; 当然ながら、その歴史を紐解き裸族ソングを伝授させる事も、新人用裸族講座には必要な工程と呼べるだろう……
ワリオ(W)「そういう訳だ! さぁ! では早速、俺様達がとっておきの裸族ソンg「たっ、大変だぁぁぁぁぁぁぁ!!」むっ、お前は公民館の浣腸……じゃない、館長ではないか! 何があったというのだ!?」
ワリオが嬉々として裸族の叡智を伝授しようとした矢先、この場の館長が慌ててこちらに駆け寄ってきた。何やら緊急事態が発生したようだが……
館長「ああっ! ワリオ(W)さん、聞いてください! 来週末、この公民館を貸し切りたいというお願いの電話が届いたのですが…… 電話をくれた団体さんが『お洋服愛好会』という組織のようでして……」
ワリオ(W)「何ッ!? お洋服愛好会だと!?」
愛海(W)「……驚いた。まさかこの辺りでもその名前を聞くだなんてね……」
ウッキーR(W)「こいつぁ由々しき事態だっぺ!!」
霊夢「お洋服愛好会……? てっきり架空の存在だとばかり思ってたのだけど……」
飯男「……ア"ァン? お洋服愛好会……ってぇのは、何なんだ?」
ゲネオ「何やら皆さん、唯ならぬ雰囲気な様ですが……」
霖之助「僕が説明するよ。お洋服愛好会というのは、各セカイで存在が確認されている【衣服を着用することを信条とした集団】……いわば、僕達とは正反対の立場の存在だよ。まさか、裸族文化が乏しくなっているHALsideでも存在が確認されているなんて……」
館長曰く、来週末にお洋服愛好会が公民館の使用許可を取りたいという電話が届いたのだという。……いや、ただ予約を入れに来ただけなんだから、別に公民館側としては何の問題もないのでは???
館長「確かに、実際のところ、公民館側への問題は一切御座いません。ですが、お洋服愛好会と裸族の因縁は深いものと聞いています。このタイミングでなぜわざわざ公民館の依頼をしに来たのか。私としては不安でならないのです……!」
愛海(W)「そうだよね。館長の焦る気持ちはあたしもよく分かるよ。……ねぇ館長さん。予約をしに来たって言うのなら、相手方の住所とかも把握してるんじゃないかな?」
ウッキーR(W)「なるほど、そこにこっちからカチコミに行くってわけだっぺな!!」
ワリオ(W)「よぉし! 話は聞いてたな、新人諸君! これから俺様達は、憎きお洋服愛好会のアジトにカチコミをかける!! 裸族とて、戦わねばならぬ時があるのだ! ……共に来てくれるか?」
飯男「ケッ、当然じゃあねぇっすか!!」
ゲネオ「我々の戦力を舐められては困りますねぇ……!」
ガレス「なぁんか面白そうじゃん??」
マカオ「アパ! ウチイリ!」
乱歩「……これ、俺も乗る流れなのか? ……ったく、しょうがねぇな……;」
…………えぇ、大変厄介なことにですねぇ。
今回、W683sideから派遣された特別講師3名は、揃いも揃って過激派に分類されており、お洋服愛好会のアジトに乗り込む気満々の御様子(問題発言)。こうなってしまうと、穏健派裸族の忠告もだいたい通じなくなってしまうという通例があった……
ワリオ(W)「さぁ行くぞ、皆の衆! 敵のアジトは『C-Ref(セントラル-レフ)』! 裸族馬車で全速前進じゃあああああああ!!!」
裸族一同『うおあああああああああああ!!!!』
ギャラリー組『いやちょっと待てえええええええ!?!?』
……えっ、ちょっと待ってください?
今、お洋服愛好会のアジトがC-Refにあるとか言いました? そんなん聞いた事ないが??? 言われのないカチコミじゃないすか!?!?
流石にこの展開には、それまで腹を抱えて爆笑していたりグロッキー状態(になっていたり、描写を面倒がってすっかり空気)となっていた、カオス大好きなC-Ref出身の皆さんが思わず総ツッコミに廻る始末。しかも、彼らがこんな反応をしていたのには理由があり…………
白奈「い、今の時間って、明坂先輩達が学園フェスの為の準備のお手伝いの為にC-Refに集まってたんじゃ……!!」
茜「それだけではないっ! 奏坂学園総選挙に勝つ為の現在の総本部が他でもないC-Refなのだぞ!? 今の時間では中等部の者らも来てるはず……!!」
迅「あと九瓏から聞いた話じゃ、今日は雨天でグラウンドが使えないからってC-Refに来てるはず。おまけに天空中央高校もおんなじ感じでこっちに来てたんじゃ……! 大問題になるんじゃねぇのかよ!?」
……そう。この時間帯のC-Refは文字通りの大所帯。そんな中で衣服を脱ぎ捨てた変態男女集団がカチコミをかけてきたとあっては、C-Refは大混乱の渦に巻き込まれてしまうのは火を見るより明らかであった。そんな事態だけは、幾らギャグカオス大好きなこの集団でも、見過ごす訳にはいかない問題だったのだ。
茜「わーっはっはっはっ!! 心当たりはないものの、C-Refは他でもない我が牙城!」
なる「お洋服愛好会?ってのは聞いた事ないけどよぉ……!」
迅「この先に行かせる訳にはいかねぇ! いくぜ、茜会長、箱部ェ! HALsideのギャグカオス組の底力、思い知らせてやr……」
愛海(W)「たかが一般人、3人如きで止められると思ったら甘々のあまちゃんだよっ!! ズボンもスカートも関係無しっ! ひっちぎりing、My Way!!」
\ビリビリビリビリビリビリッッッ!!!/
「「「ば、馬鹿なああああああああっ!?!?!?」」」
しろにゃ「な、なるちゃーーーん!?!?」
雷那「先輩ーーー!? 迅ーーー!?」
W683side恒例の裸族技【裸族馬車(単に肉体で馬車っぽく形成して移動するという技)】の侵攻を防ぐべく、HALsideのおふざけ三銃士が揃って立ちはだかった。……のだが、馬車の先導に立っていた愛海師匠(W)たった1人相手に為す術なく敗北。流石はW683sideが誇る先輩裸族の実力……なのだろうか。ちなみに3人の様子は、迅が制服のズボンをホットパンツスタイルまで破かれる(但し中のドラゴン柄のトランクスは無事)、茜がスカートをギリギリパンツが隠れるかどうかレベルまでひっちぎられた状態、なるに至ってはそもそも舞高の制服にスカートが無いせいで全体的に引っかき傷のように切り裂かれていた() 女性陣に至ってはそよ風ひとつだけで恥じらう事態なのだが!?
裸族暴走は、何人たりとも止められぬ
- 裸族講座(後編) ( No.64 )
- 日時: 2024/07/04 21:55
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
茜「ぐっ、ぐぬぬ……っ! よもや私の衣服まで狙われることになるとは思わなかったぞ……っ!!」
雷那「先輩、下手に動かないでください……! ……パンツ、容易に見られますよ()」
茜「やめろォッ!? せっかくその事実から逃げようとしてたというのにっ!!」
なる「んな事で恥じらってる場合かよ! あたしらはまだまだ戦わなきゃなんねぇーのよ!!」
白奈「で、でもどうしましょう……! あの裸族馬車、もう人力で追いつくのは無理ある速度で駆け出していきましたよ……!?」
迅「まぁまぁ落ち着きなさんな。今から奴らを追うってのは流石に無理ある訳なんで、諦めてプランBに切り替えませんと」
雷那「…………色々と配慮してくれてんだろうなーってのが分かるから彼女としては嬉しいんだけどさ、土下寝で提案しながら電話試みるとかシュールにも程がない?」
……さて。裸族暴走を止められなかった一行は、プランBを展開する為に一斉に電話をかけていた。……つまるところ、プランBとは先制で連絡し裸族襲撃に出来るだけ向こうに備えてもらうという事であった() まぁ、これが出来なければ日常小説はまかり通らないだろうからな…………;
──C-Ref球場にて。
吾郎「 黒 沼 ち ゃ ~ ん ! ! 」
一馬「……今回の3打席勝負は決着が着いただろ。残りは次回に持ち越しだ」
吾郎「そう固いこと言わないでくださいよ。私が野球を続けているのも、他ならない黒沼ちゃんが野球の道を突き進んでるからなんですから……」
九瓏「……おい、柊一郎。アイツ、ひっぺがしてもいいか?」
柊一郎「アハハ……; 僕も、米田の兄さんがそっちの……黒沼くん、だっけ? 彼と因縁……なのかな? そんな縁がある事を知らなかったから……; ……? 電話がなってるみたいだよ?」
九瓏「? 俺宛てに? 一体誰から…………」
\ピッ/
九瓏「もしもし、九瓏だ」
迅「あっ、私です。緋桐迅です」
九瓏「こんな時間に何用だよ」
迅「今、C-Ref球場に居るんですよね?」
九瓏「あぁ。それがどうかしたか?」
迅「実はこっち、裸族の講習会を聞きに行ってたんですが……」
九瓏「裸族の講習会ってなんなんだよ() ……けど、電話したって事は、何か起きたのか?」
迅「……裸族がC-Refを襲撃しにくると。なので予め、とりわけ裸族に弱そうな人を避難させるべきだと思って連絡したんですが……懸念事項は何かありませんか?」
九瓏「 」
裸族がやって来るから、避難の必要があれば済ませるように。
いざこれを何も知らない人間がやろうとすると、当然ながらどう対策を取ればいいかなんて分かるはずがないのである。ましてや九瓏率いる千将高校は女性部員も数名おり、彼女達の避難対応を如何様にすべきか、九瓏に判断が委ねられることと…………
九瓏「まぁ柳生は剣道の達人だから自衛は出来るだろうし、蒼鳥は重度の飛行機オタクだからな。裸族如きにたじろくような奴らじゃない筈だから、避難の必要はねぇだろ」
迅「九瓏。思ったより事態甘く見てません???」
九瓏「まさか。マネージャー2人を考慮したとしても、片方はどれ程混迷を極めた状態でも的確にツッコミを入れてくれる冷徹マネージャー、もう片方は俺らの最終兵器だぞ? 何処に心配する要素があると。……むしろ注意を促すべきは、天空中央高校の面子の筈だ」
九瓏「……おい、柊一郎。緊急事態だ」
柊一郎「えっ、何かあったの?」
九瓏「近いうちに、衣服を脱ぎ捨てた変態集団がここを襲いに来るらしい。避難の必要がある人員がいないか確かめてくれないか?」
柊一郎「ごめん、なんて???????」
柊一郎「うーん…… こっちの野球部は、女の子への人気こそ高いけど、別に女性部員は居ないからね。そんなに気にする事は無いと思うよ。……あっ。でも、彩理さんだけは避難させた方がいいかも。そうしないと虹谷君が何しでかすか分からないから……;」
九瓏「分かった。避難のさせ方はそちらに委ねる事になるが、別に構わないな?」
柊一郎「うん。丁度今、彼女達は部室に戻ってるはずだから、そのまま待機するように言っておくよ」
ろくに裸族の存在も知らない一同に緊急事態を伝えるというのは、困惑もするし骨の折れる工程だ。しかしこれも、C-Ref在籍メンバーのメンタルを少しでも保護する為。バカバカしい話ではあるが、茜会長から楓副会長へ、白奈からアリシアナへと、裸族警戒の報せは伝達されることとなった。協議の結果、イロドリミドリ方面は、1年生が多めなHaNaMiNaは流石に精神衛生上宜しくない気がするとの事で、七々瀬が先導して避難。オンゲキメンバーに関しても、純粋無垢が特に過ぎるあかり、柚子、千夏の3名を葵が責任をもって避難させることにしたという。まさかまさかの主役群勢、ASTERISMが全員退避という事態である(爆弾投下)。
茜「……ふぅ。ともかく、これで一応避難勧告の方は間に合った訳だな。諸君、御苦労であった!」
迅「えぇ。後は、我々も急ぎC-Refに戻らないと……」
なる「……ところでよ。ちょっと気になってた事があるんだが…………」
白奈「誰か、1人忘れているような…………?」
雷那「えっ? …………そういえば。美亜は何処行ったのよ? たしか第4講義の辺りにトイレに行くって言ってきり…………」
──場所は移って、C-Ref。
学園の一大事という危険極まりない時期に馬鹿げた事に首を突っ込んでいた生徒会長に呆れつつも、生徒会副会長・九條楓は、総員への避難、警戒勧告を粛々と進めていた。
楓「……そうですか。では仕方ありません。奥の談話室でスマ○ラに付き合ってあげてくだい。止むを得ない事態であると推測されますので。……ふぅ、これで一通りの避難勧告は間に合いましたね。あとは、出来うる限りの対抗措置w……「た、大変だぁーーーっ!!」 ……っ!? どうかしましたか、結城莉玖さん!」
急な叫び声に何事かと目を向けると、⊿TRiEDGEのがおー系ロックンロール少女がバタバタとこちらに駆け寄ってきた。随分と慌ただしい素振りを見せているが……?
莉玖「大変大変、大変なんだぁーーー!! 大変! 大変が現れたんだよっ!」
楓「…………? 大変? 大変が現れた、と言いますと?」
莉玖「だーかーらーっ!『たいへん』がやってきt……? ああっ、違う!『へんたい』だ! 変態がさっき、向こうの演習場方面から襲いかかってきたんだ! もう既に何人か被害が……っ!!」
楓「!? 直ぐに事態の沈静化を果たしに行きましょう!」
莉玖からの報せを受け、暫定統括の楓は問題の演習場に向かったのだが…………
虹谷「はーーっはっはっはっ!! 麗しきレディ達を襲っている不埒な輩は君達かい?」
東雲「いけませんね。女の子を不当に傷つけようなどと……」
神成「俺のオンナに勝手に手ェ出してんじゃねぇよ!」
『うおおおおおおおおおおおお!!!』
飯男「女がどうだとか、ゴチャゴチャうるせぇんだよ!! ターゲット:ユニフォーム、ロックオン!!」
ゲネオ「ククッ。この場にいらしてる方々があなた方にとって何なのかは、我々にとっては預かり知らぬ所。我々の新たな門出の生贄となって頂きましょう! 繊維:ポリエステル100%、出力:33.4%!」
マカオ「アパッ! ショウジュン:ヒザウエ10センチ!」
『三位一体! ズボンひっちぎりィィィッ!!!』
\ビリビリビリィィィッ!?!?!?/
『うわあああああああ!?!?!? ボク(僕/俺)達のユニフォームがああああああああ!?!?!?』
演習場は大混乱そのものとなっており、現地に辿り着いてしまった裸族達の手によって「脱・お洋服愛好会」という謎のスローガンが場の中央を支配してしまっていた。
既に裸族技の被害をモロに受けてしまったのか、仏原拓男(千将高校のあのオタク男)、御形アリシアナ(イロドリの頼れるバンマス)、高瀬梨緒(莉玖の先輩)、早乙女彩華(えっち耐性皆無)の4名が倒れ込んでおり、先程の襲撃で新たに天空中央3人組も倒れ込んでしまっていた…………
鞘花「くっ……! 何なのですかこの変態達は!? 我が小浪一刀流を持ってしても、まるでかすり傷ひとつすら与えられない……!」
大心「恐らく戦い慣れてるんだろうな! 全く取り押さえられる気がしないぞ!!」
政秀「おまけに、数的にもこちらの方が不利だろう…… ここに在籍してるメンバーの過半数は女子だからな;」
咲姫「あら、失礼ね。オンゲキっていう特殊な次世代スポーツとはいえ、私達だって役に立てない訳じゃないわよ? …………それよりも」
これ以上の被害を出させまいと既に何名かが応戦してくれていたが、裸族の侵攻を防ぐのが精一杯と防戦状態なのは明白だった。
しかしながら、中でも特に問題だったのは────
咲姫「どうしてあなたがそっちにいるのよ! 美亜っ!!」
- 裸族講座(後編) ( No.65 )
- 日時: 2024/07/04 22:03
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
彼女達が相対する先に居たのは件の裸族一味、なのだが。W683sideから景気づけでプレゼントでもされたのか、彼らは痛褌を巻いて変態性をパワーアップさせていたのだ!? 勿論、柄物なので褌には絵が描かれているのだが、よく見てみるとシャ○マスやらデ○ステでよく知られるあの子やその子のあられもない姿ばかり……; ……まさかとは思うが、お前らこの子達のことよく知らないまま履いてたりしないだろうな?
飯男「あ"ぁん? そんなもん知ってるわけねぇだろうが」
ゲネオ「ククッ。しかし、他ならぬ裸族の先立から頂いたもの。丁重に扱う他ないでしょう?」
ガレス「まぁ強いていうなら、プリントされるくらいには有名な娘達なんじゃないの? ウチらもそんくらい有名になんなきゃって事じゃん?」
マカオ (´・ω・`)?
ダメだ。全く理解してる気配がない。人間文化に馴染んでないからとか言われたらそこまでだが、だとしたらこんなイラスト描かれた皆さんが不憫でしかない。
しかし、だからこそ、彼女の存在は裸族にとって大きな助けとなっていた。
美亜「にゃふふふふ♪ これだから皆はまだ野蛮だと思われちゃうんだよ。美亜ちゃんの手にかかれば、どんなフルーツの情報だっておちゃのこさいさいなんだからっ!」
「「「「おぉ~~~~~~っ!!!!」」」」
愛海(W)「まさか、あたし達の事をビッシリと把握してるだなんてね…… 柏木美亜ちゃん、とんでもない逸材かもしれないね……!」
ウッキーR(W)「だっぺ! 裸族技の精度はまだしも、オラ達にも負けず劣らずの身のこなしをしてるっぺ!」
ワリオ(W)「うむ! これでHALsideの裸族も、新たなステージに進んだと言えるだろう!」
「ふざけないでください!!!」
裸族達が新たな仲間を祝ってる素振りだったが、当然ながらその場に居なかったので状況を理解出来ない者達が大多数であった。
中でも、美亜と同じ『マーチングポケッツ』のメンバー:東雲つむぎは、純粋組故に今は不在のリーダー:日向千夏の分も含めた信じられないという思いが強く根底にあった。
つむぎ「確かにみゃーは、その…… 言ってしまってはなんですが、女の子に目がない、少々オジサンめいた女の子ではあります…… でもっ! それでも、決して他の人にまで危害を加えるような人じゃありません!! あなた達、みゃーに一体何をしたんですか!!」
涙を浮かべ、目の前で起こってるあまりにもカオスな現状を前に身体が震えて堪らないものの、何としてでも抗おうとするつむぎに対し、当の美亜はというと……先程までのにゃふ顔は何処へやら。まるで心を潰されているかのような、苦しい表情を浮かべていた。
やはり美亜に何かがあったのではと疑う面々だったが、皆の間を割るかのように2人の男女が前に出てきた。
亜音「……あなたは、美亜さんのお友達なんですね。急に彼女の考え方を改めさせてしまった事については、本当に申し訳ありません」
乱歩「……彼女に一体何をしたのか、だったな。真実を知る覚悟があるのなら、俺の口から話すが……どうする?」
モンスター組の中では比較的温厚で話が分かる亜音と乱歩だが、裸族&裸族ファンとして身を置いてることもあってか、その表情は正しく真剣そのもの。モンスターとしての威圧感が、つむぎの前に立ち塞がっていた。
──しかし、東雲つむぎの意思は確固たるものだった。
乱歩「……良いだろう。それは、俺達が裸族講座を急遽取り止めにし、この場に乗り込もうとした時の事だ…………」
──────────────────
「さっきの裸族講座、凄い感銘を受けたんです! 裸族が行ってる活動、もっと教えてくれませんか!」
──それは、問題児3人をこの手で脱ぎ晒してやった後の事だった。
なんと柏木美亜は、爆走を続ける裸族馬車の真ん前に飛び出してきたかと思えば、第一声から思いっきり裸族の活動に興味津々だと打ち明けていたのだ!? あれっ、美亜ちゃん本当にそっち側だったっけか!?
飯男「あ"ぁん!? おい小娘、馬車が走ってるってのにいきなり楯突くのは危n」
乱歩「まぁ待て、落ち着け! 少なくともこの子には敵意は見当たらないだろう? ……しかし、どうしましょうか、霖之助さん。俺達、このような展開は初めてで……」
相変わらず何にでもがんを飛ばそうとする飯男を抑えつつ、乱歩は霖之助に助言を求めた。何せ、彼らからすれば初めての『知人以外の裸族肯定者』だからだ。
霖之助「……うん。僕達、裸族の考え方に共感してくれる人っていうのはとても大切だからね。しっかりと丁寧に導いてあげるんだ」
霊夢「ワリオ尊師(W)も言ってたでしょ? 裸族は日々、活動を広げるために布教活動をしてるって。丁度いいわ。折角なんだから、あなた達自身で彼女に裸族の活動を教えてあげなさい?」
ガレス「へぇ? なるほどねぇ?」
裸族たるもの。裸族文化を広げるための布教が出来なければ、生活圏を得るのも一苦労。その重要性、及び大変さを理解してもらうためにも、霊夢達はこの場を研修の1つとしたのだ。
……いや、裸族が生活圏を得ようとするってのも変な話なのかもしれないが。
……しかし、皆さんはある事をお忘れではないだろうか?
飯男「……おい、乱歩。裸族文化を布教ったってどうすりゃいいんだよ? オレが部下を集めた時なんかは、力を示したりカリスマ性でどうにかしてたんだがよ……」
ゲネオ「ククッ。今回の相手は人間の少女。……我々の従来のやり方が通じる、というわけでもないでしょうね。残念ながら……」
ガレス「だーから言ったじゃん! こんな時のために裸族宣材PV作ろーよって! ……あれ。でもまだあれ未完成だったんだっけ?」
マカオ「アパ。マカタチ、ラゾク、ミジュク。ダカラ、オシエ、ウケタ。アパッ」
乱歩「…………そうだったな。ひよっこ裸族の俺達じゃあ、これといって布教に使える「何か」すら持ち合わせてないんだったな……;」
美亜「え、えぇっと…………本当に大丈夫?;」
……そう。この新人裸族一同、そもそも裸族としての心構えすら足りてない状態だったから裸族講座を開いたのであって、ようやく裸族としての正式な第一歩を踏み出せた矢先で布教も宣伝も何も無かったのである。
気概一つだけで布教が出来る程、裸族の道は甘くない。そもそも羞恥心の方が普通は勝つし、伴う危険だって格段に多いのだ。
裸族の回想、今回結構筆が乗りました
- 裸族講座(後編) ( No.66 )
- 日時: 2024/07/04 22:08
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
「えぇい! 情けないっ! それでも胸を張って裸族と呼べるものかっ!!」
布教への有効打1つも持ち合わせていない新人裸族達を見かねたのか、とうとうワリオ尊師(W)達が立ち上がった!
ウッキーR(W)「全く、情けない話だっぺ! この裸族として培った圧倒的なマッスルボディを以てすれば、どんな人間だって惚れ込むに違いないんだっぺ!!」
愛海(W)「……う~ん、どうだろうね~? なんていうか、あの子はあたしと似たような雰囲気があるんだよね。シンパシー、ってやつかな? だからさ、これなんかどうだろう? あたしの今1番のお気に入りで、裸友も参加してるんだけど……」
特に共感性を感じるという愛海(W)が、奏坂のにゃふにゃふ娘に手渡したのは、とある映像だった。一体何が映っていたのかというと…………
~~~~~~~~~~~~~~~~
花村(夢)『アッハハハ! 愚かなホボムネチラの大地の民達よ! たった今奪った裸の大樹の力を以て、この地をお洋服に染めてあげるよっ!!』
ジャクリン(W)『そうはさせへんで!! マルハダーカ王国の王女として、アンタに好きな様にさせて堪るか!!』
日菜子(W)『勿論、私達の大切な勇者シミパンを倒させはしない!!』
コリエンテ(W)『今やそっちが思っている様な貧弱な国じゃないんだよ! 皆で力を合わせてぶちのめしてやる!!』
花村(夢)『クッ……! どうしても言う事を聞いてくれないんだね…… だったら、こっちも相応に相手してもらうよ! 行け、闇の最強裸族コンビよ! ぼくの野望に仇為す勇者達を、悉く闇に葬っちゃって!!』
メイプル(ゆ)&ゴーグル(ゆ)『『ラジャー! 魔王スケブーラ様ー!!』』
茄子(W)『そんな…… まさか私の持つヌードスピリットを以て世界が滅ぼされるなんて……! お母様、お爺様……私はこのまま、らぞきゅあに恩すら返せずに終わってしまうのですか……!?』
~~~~~~~~~~~~~~~~~
美亜「こ、これは……!?」
愛海(W)「最近段取りの不手際で公演が遅れてしまった事で話題になった、有名な裸塚の胸組公演『ぬぎぬぎらぞきゅあ!~phantasm lost~』だね」
ガレス「うっわ! マジで演技パねーじゃん!! 皆、自分の持ち味を活かして裸族として日々頑張ってんだね~ ……ウチらも裸族としてケンサン?積めば、こーした公演に出演して皆にユメを届けられる、ってわけ?」
愛海(W)「もちろん! その高みまで登ってこれたなら、その時は一緒に裸族ミュージカルに出よ~よ!」
いやお前ら、純情な中学2年の女子になんてもん見せとんねん!? ……いや、別に純情ではなかったか?(超失言)
しかしこの裸族ミュージカル、参加面子がいちいち豪華すぎませんかね!? なんか大御所級の裸族も見受けられるんだけど!? あとタイトルだとか経歴も割と(今となっては少し前の)時事ネタ突っ込まれててツッコミが到底追いつかないのだが??? それとそのタイトルをわざわざ選んだってことは某子世代&第七大好き作者を初めとしたニチアサプリキュア大好き作者陣をまたしても敵に回す気満々じゃねぇか……(諦観)
そんな裸族らしさ1000%の超大作を目にした美亜は、ガタガタと身体を震わせ…………
「こ、こんなに活き活きとした可愛く、美しく、逞しいフルーツなんて、本当に初めて……!! あたし、本当に感動しちゃった! もっと彼女達に近づきたい…… そうと決まれば、美亜ちゃんも裸族……に…………っ」
う、うわああああああああああああ!?!? と、とうとう可愛いオンゲキキャラからも裸族が現r…………?
…………一体全体、どうした事だろうか。
今までのHAL作品、というか大体の裸族物語であれば、一度こうしたキッカケに目覚めてしまうとあとはキレイに裸族と成り果ててしまう事が通例と化してしまっていたのだが、今回はどうやらワケが違うらしい。
かつてない異様な事態を前に、W683sideの先輩達もすぐには声を掛けづらい状態となってしまった。
ワリオ(W)「……ど、どうしたと言うのだ? 今のは間違いなく、こう、裸族としての道を新たに始める展開だったろう……?」
霊夢「……ちょっとこのパターンは、私も初めて見たわね。一体、何が彼女の衝動を止めてるのかしら……」
乱歩「……話を聞かねば、答えなど出るはずもない」
意を決したのか、乱歩が彼女の前に歩み寄った。彼の足音が聞こえて身体を少し震わせていたが、美亜は決して乱歩から視線を切ることはなかった。
乱歩「……その目つき。真剣そのものだな。裸族を志したいという意思、俺達裸友との友好関係に対しての懸念が見受けられる訳でもない。ならば、お前が感じ取っている恐怖は一体…………」
「多分、『友達への申し訳なさ』じゃないかな」
どこからともなく聞こえてきたその声に、一同は揃って振り返る。
声の先に立っていたのは、白銀のボロボロなドレスを身にまとった令嬢、上裸のあらくれ、片目隠れのバンダナ盗賊……もとい、モンハン裸族協力隊の3人だった。
井槌「急に場を離れられたものだからな; 追いつくまでに時間がかかってしまったでござるよ;」
首領原「ようやく追いついたかと思えば、今度はいたいけな少女に何やら説き伏せてるじゃねぇか。流石に事態が気になったもんだからよ、亜音に言われて話に混ざることにした、って訳だ」
井槌と首領原もこの状況を気にしていたようだが、今回は亜音たっての要望だという。彼女は周囲を一瞥した後、再び美亜に話しかけてきた。
亜音「柏木美亜ちゃん、だったよね。あなたには、これまで一緒に過ごしてきた大切な人たちがいるんじゃないかな?」
美亜「…………っ!!」
亜音「裸族にはなりたい。でも、それが結果として、今までの関係性を壊してしまいかねない。……そんな葛藤があったとしても、人間のあなたなら不思議じゃないと思ったの」
亜音の優しくも真っ直ぐ突き刺さる重たい言葉に、いつしか、美亜の瞳は涙で滲んでいた。
美亜「……うっ…… なっち…… つむりん…… 咲姫ねえ…… あたし…………っ!!」
乱歩「…………成程な。そういう事情だったか」
亜音を通じて美亜の心情を理解した乱歩は、それでも尚、顔色を一つも変えずに美亜の前に立っていた。
乱歩「……俺には、俺達には、裸族の仕来りが分からない。他の者達がどのように声を掛けるかは俺の与り知らない所だが……これは、俺個人の率直な意見だ」
「裸族としての志を共にしてくれるのは、俺達としても是非とも歓迎したい。だが、それにより今まで築いてきた繋がりまで断ち切るように強要するのは、俺の意に反する」
「他の先輩方がどう思われるかは定かではないが、俺は【必要に応じては裸族の有り様を封じても構わない】と考えている」
『!?!?!?!?!?!?』
「……そうでもしなければ、お前はこの誘いには乗らないだろう。心配するな。説得ぐらいなら俺からもお願いするし、過剰なまでの布教活動や出過ぎた真似はさせやしない。俺が保障する。……最も、お前自身が望んで行う場合は、下手に止めはしないが」
「大丈夫だよ、美亜ちゃん。乱歩の事を信じてあげて。私からも、美亜ちゃんの友達に一緒に説得するから……」
人ならざる者ではあるが、相手の立場や事情を汲んだ上で説得してくれた2人に心を動かされたのか。
この時をもって、美亜の葛藤は晴れる事となった。
「……ごめん。なっち、つむりん、咲姫ねえ、皆。……やっぱり美亜ちゃん、更なるフルーツを求めて一皮むけたい! 奏坂の皆の前では出来るだけ変なことはしないって約束するから、あたし、裸族としてもっとにゃふにゃふな人生を歩んでいくっ!!!!」
『うおおおおおおおおおおおおおおお!!! 新たなる同志の誕生だっ!!!』
裸族とて葛藤があってもいいと思います
- 裸族講座(後編) ( No.67 )
- 日時: 2024/07/04 22:15
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
────────────────
乱歩「……ここまでが、事の経緯に至る。柏木美亜は、己の意思で裸族になる事を志し、俺達はできる限り彼女の裸族としての活動を支えてやることを約束した。 ……ここまでを踏まえた上で、何か言いたい事はあっただろうか?」
乱歩から語られた永きエピソードの果て、つむぎは改めて美亜と向き合って言葉を交わした。
つむぎ「……彼の話は、本当だっていうんですか……?」
美亜「……うん。世界はつむりんが思うよりも、あたしが思うよりもずっと広くて。こことは違う世界の人達の中には、あたし達じゃ想像もできないような新しく刺激的でインスピレーションがわいてくる様なフルーツに満ち溢れているの! ……そしたら、身体がうずいていても立ってもいられなくなっちゃった」
つむぎ「…………はぁ。分かりましたよ。みゃーは一度興味を持ったらとにかく諦めが悪いんですから…… でも、本当に皆の前では変な真似はしないでくださいよ! とくになっちなんて、純粋にも程があるんですから……」
美亜「にゃっふふ。それはもう百も承知だよ~。なっちは絶対守護らなきゃだからね。あたしがヘマしてるようじゃマーチングポケッツはお先真っ暗だもん」
長らくの間、苦楽を共にしてきたつむぎからすると、こうした覚悟を決めた時の美亜は、とにかく諦めが悪かった。中身がオジサンであるが故、度々起こす問題じみた行動を何度否定して引き留めようとしても、この残念な可愛い女の子は何度もめげずに同じ事を繰り返してきた。……結局最後は、こちらが折れてしまうのであった。
幸い、美亜には良識がちゃんとあるし、その良識を分かってくれて保護してくれる人達もいる(というか、その人達にまで嘆願された)。ここまで気にかけてもらってる事もあり、つむぎとしてはもはや受け入れてしまったとしても仕方ない考えになってしまっていた。
「ちょっと待ちなさい!! 私は絶対に認めないわ!!!」
────一喝。
元々情報通な上にオジサンくさい言動も目立っていた美亜が、その展開に拍車が掛かってしまったとしても、まぁ最悪起こりうる事もあるよなぁ位の感覚だった訳だが。それでも、それでも尚、彼女のこれ以上の迷走を見過ごす訳にはいかない人がいた。
咲姫「本当にダメなものはダメなのよ、美亜! 清廉で清らかな女の子なんだもの、そんな破廉恥同然の姿を信条とするなんて、幾ら自分がなりたいと言っても『お姉ちゃん』が認めるわけないじゃない!!!」
美亜「黙っていてよ、咲姫ねえ!!!!!」
──それは、姉としての矜恃か。
つむぎと同じく、いやそれ以上に同じ時を過ごしてきた柏木咲姫としては、美亜の裸族化に特段物申したい様子であった。当然ながら、咲姫の方が正常な思考回路である事を、今更ながらではあるが追記させていただく。
……しかし、つむぎの時の反応とは異なり、姉に対しての美亜の姿勢は、まるで反抗期の妹そのものであった。
美亜「……たしかに咲姫ねえはあたしにとって、誰にだって尊敬できる最高のお姉ちゃんだよ。……でもね。「ある一点」に対してだけは、あたしいつまでだって反対し続ける。その為なら、自分が"逆に"衣服を脱ぎ捨てるという形をとったって構わない!!」
「いっつもいっつも言ってるけどさぁ!! あたしをまるで着せ替え人形みたいにコスプレさせようとするのやめてよっ!! 『お洋服愛好会』って言葉でごまかしてコスプレショー開いてるのだってバレてるんだからねっ!!!」
「う、ううううう嘘でしょっ!? 今までずっと秘密裏に活動してたのに!? あっ、じゃなくてっ、いやっ、これは、その…………!」
…………実は柏木咲姫という女、超がつくほどに漫画・アニメが大好きなのだが、周囲の皆には隠して生活をしている……という事になっている。こんな語り口な時点でお察しかと思われるが、周囲には割かしバレバレだったりする;
並びに、重度の隠れコスプレイヤーなのだが、これが災いしてなのか、妹の美亜にもよくコスプレをせがむという悪癖となってしまった…… 実は美亜が裸族になろうとした一因がこれであり、姉からの執拗なコスプレの魔の手にうんざりした結果、反動で自らの衣服を脱ぎ捨てることに対する羞恥心が薄れてしまったという部分があったのだ……(天変地異)
飯男「な、なんてヤロウだ…… 人に強制的に衣服を着させようとしてくるのか、お洋服愛好会ってのは……!」
ゲネオ「……ククッ。これがお洋服愛好会……ッ! 裸族に仇なす一大勢力という訳ですか……!」
マカオ「アパッ! ラゾクノテキ! ウチイリ! アパァッ!!」
ガレス「……えっ? 今の話の流れそーいう感じ? なんかウチらが今着てる特別な衣装も、そーいう「こすぷれ」とかってのに似てんじゃないの……?」
愛海(W)「いやいや! あたし達の神聖なる痛褌は、並大抵のコスプレとかとは訳が違うんだよ! 最新の流行ファッションを取り入れたりってのはそうだけど、最大の違いは『何を魅せたいか』だよっ!」
ウッキーR(W)「だっぺ! コスプレってのは"衣服"の方に意識が行きがちだけども、この裸族御用達衣装の最大の焦点は"己の肉体美"の方にあるんだっぺ! 筋肉、ボディライン、魅せ方だって人それぞれだっぺ!!」
ワリオ(W)「お洋服愛好会の有り体が各々の世界で異なるらしい、というのは新たな発見だが…… それはそれとして裸族活動の妨げになるリスクがあるのであれば、俺達は力を貸さねばなるまい!!」
\バタン/
??1「ふぅ、やっと現場に辿り着きましたか。これから裸族活動が始まると話を伺ったのですが……」
ゲネオ「えぇ、その通りです。相手も相応の実力を秘めてるようですが、裸族として正しき一歩を歩み出した私達の敵ではありません」
??2「……見ると、既に何人かやってるみたいだな。これはお前達が?」
飯男「おうよっ! 柏木が決意表明してくれたんだけどよぉ、それにギャーギャー騒ぎ立ててる奴らが居たもんだから、各位で『真なる裸族』に目覚めた俺達の勇姿を刻み込んだって訳さぁ!」
??3「……ふ~ん? なら、あーやちゃんをこんな目に遭わせたのも、あなた達って事でいいんだよね?」
霖之助「(……まぁ流石にそうなるよね;)……そうなるね。急な来訪になってしまって、悪いとは思っているよ……」
??4「管理人から色々と変な話は聞かされてたんだけどさ。こういう緊急事態の時は、思いきって場を鎮めてほしいって言われたんだ。覚悟は出来てるんだよね?」
霊夢「(……この世界の調停者の力、見せてもらうわよ。)……当然よ。裸族の意思って、揃いも揃って結束力が強いから……」
HALsideにおける「お洋服愛好会」の実態が判明してからというものの、裸族一同は臨戦態勢を整えつつあった。あんたら、どんだけお洋服愛好会への敵意が高いんだよ; もっと言うと、なんでヒメはコスプレの集いに対してその名前採用しちゃったんだよ。結果としてあらぬ風評被害もらう始末になっちまったじゃねぇか;
……ところで先程から、何名かの声が会話に交じってきたのだが?
ワリオ(W)「というか待て!? さっきから聞き覚えのない会話が混じりこんでるぞ!? お前達は一体……!?」
??1→米田「いやぁ、良かったですよ。やっと皆さんお気づきになられた様ですから…… 久々に黒沼ちゃんと一緒にケンカ出来るって思えたら、身体中が震えてしゃあないんや…… この一瞬とも言える奇跡を噛み締める為にも……せいぜい楽しませてくれや?」
??2→黒沼「……昔の本性に戻ってるぞ、米田の兄さん; ……だがまぁ、既に被害が出ちまったんだ。ケジメつけずに、ここから出られると思うなよ?」
??3→春菜「私のあーやちゃんを傷つけた変態さん達には……たーっぷりお仕置きしないとね……?」
??4→阪奈「やっとマネージャー業務が終わったと思ったらこれだもんね…… 九瓏から話聞いた時は泡吹いて倒れるかと思っちゃったよ; ……まぁ今回は、新しく頼りになりそうな人達も増えたことだし、準備ハ出来タヨネ?」
楓「……成程。この場が粛正の時の様ですね。ならば、奏坂学園生徒会副会長として、私も助太刀致しましょう……(▭≡▭)」
裸族一同『 』
BGM:Vibes 2k20 (オンゲキより、桜井春菜の楽曲)
──斯くして、W683sideの先輩裸族から裸族の心得を説かされたHALsideの新人裸族達は、新たな門出を飾ることとなった。しかし、例え本来が人ならざるものであったとしても、度をすぎた暴走を諌めるオシオキ組には敵わない事を思い知ることとなったのであった……
ちなみに美亜はというと、あの後咲姫ねえに連行されておしりペンペンの刑にされていた。
※ 本編はここまでですが、もうちっとだけ続きます
- 裸族講座(後編) ( No.68 )
- 日時: 2024/07/04 22:21
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
・おまけ話
魔理沙「いやぁ、悪ぃ悪ぃ; まさかお洋服愛好会って名前でほかの活動やってる集団がいるとは想像もしてなかったからな、対応が遅れてしまったんだぜ;」
迅「良いんですよ、別に。……ですが、俺としては純粋に引っかかった点があるんですよね……」
なる「? どうしたんだ、迅? 裸族の一件でまだ何かあんのか?」
迅「いやさ、この世界におけるお洋服愛好会っていうのは、結局のところ「ただのコスプレ愛好会」な訳だよな? 箱部や白奈もその条件に合致するんじゃないのか、ってな」
なる「あー、言われてみれば確かにな」
白奈「たしかに、イロドリミドリでも衣装合わせの筈がコスプレ会みたいに……って事、何回かありましたね; 特になずな先輩の影響が強いとは思っていたのですが……」
雷那「なーに馬鹿なこと話してんのよ。裸族に荒らされた演習場、皆で片付けてる最中でしょーが」
茜「まぁそう言うでないぞ、雷那。話を聞けばお前、この間迅と2人で出張に行ったそうではないか。その時に「友達ができた」などと言って目の前で瞬間コスプレをしてくれた事、きっちり覚えてるのだからな?」
雷那「なっ!? せ、先輩! 今その話持ち出さないでくださいよ!!」
実は、コスプレという概念に対してはイロドリミドリメンバーや迅&雷那も覚えがあり、思ってたよりこの派閥は広がる可能性があった、という話。
───────────────
初めての本格的な裸族講座、大変ありがとうございました(爆)
それまでの筆の勢いに任せて、「裸族講座」をコラボ形式でやらせていただくぞ!とまではなったのですが、あまりにも長丁場になると気づいてから前半を書き終えたタイミングで集中力が途切れてしまいまして……; 気づけば4ヶ月以上お待たせする事となってしまいました。読者の皆様方、そして今回コラボを快諾してくださったW683さん、大変申し訳ございませんでした。
ここで裏話をおひとつ。
今回、W683sideを初めとした様々なセカイの裸族の皆様をお借りさせていただきましたが、その出演経緯は【管理人HALが裸族を正式に活動させてあげるために講師になってもらうよう各所に依頼した】のが事の発端だったりします。大変申し訳ございませんでした(水爆投下)
私がカキコデビューした9年前辺りは、それはまぁ裸族全盛期……だと思います。当時から裸族講座には日常小説作家としての憧れがありました。9年越しに叶えることになるとはまるで思ってなかったのですが;
時代が変わってしまったことと、私自身がそもそも裸族に対する考え方が、それまでのテンプレートとは少し異なることもありまして、今回の裸族講座は色々と新式も採用させていただきました。皆様がどう受け取られるのか、というのには興味があります。
W683さんからお借りした先輩裸族の皆様につきましては、今回お忍びで裸族講座を観に来てくれていたW683sideの皆様にお願いしてお帰りさせていただきました。重ね重ね、本当にありがとうございました。
最後になりますが、裸族というのは非常に繊細なジャンルです。極力キャラ崩壊を起こさせすぎないように気は配りますが、それでも至らない点があって不快を招いてしまう危険性があります。
この度はオンゲキメンバーを推してるファンの皆様、大暴走を起こしてしまい大変申し訳ございませんでした。
随分と長いあとがきになってしまいましたが、ここいらで締めると致しましょう。それでは、感想をどうぞ。
※ 今回コラボを快諾してくださったW683先生の現在の作品『普通で普通じゃない日常劇場S』の方も、どうぞ宜しくお願い致します!