二次創作小説(新・総合)

優の苦労日記 ( No.763 )
日時: 2021/05/11 08:56
名前: 桜木霊歌 (ID: Fa9NiHx5)

『優の特務司書生活 失くし物探し駅 著者:桜木霊歌』を読んでた方が分かりやすいです。

霊歌の生前最期の作品、『失くし物探し駅』を浄化した優は、先程の有碍書のあった場所とは違う本棚へと霊歌(アルケミスト)をつれて来られた。
優「ここは・・・?」
館長「ここは有魂書の本棚だ。ここにある本からどれか一つを選んでくれ。」
優「本を・・・ですか?じゃあ、この本でお願いします」
優が手に取った本は、『風立ちぬ』。
確か芥川龍之介の弟分であり、霊歌にとっての兄的存在の文豪である堀辰雄の作品だったな、と思い出す。
霊歌(アルケミスト)「あっ、辰雄さんの作品なのです!」
優「どっちの世界の霊歌さんも辰雄さんと龍之介さんと寛さんに懐いてるんですよねぇ・・・」
霊歌(アルケミスト)「そういえばさっき優くん私に変身してましたよね?あれってどういう原理なのですか?」
優「あれは接続コネクトっていって、物語の登場人物キャラクターズ創造主ストーリーテラーの姿と力を借りて戦うんですよ」
霊歌(アルケミスト)「なるほど・・・じゃあその霊歌わたしや龍先生、寛お兄さんや辰雄お兄さんはどんな人なんですか?」
優「寛さんや辰雄さんは存じ上げませんが、僕の知る霊歌さんはあなたと同じように元気で明るくて活発な心優しい方ですよ。・・・ただあなたと異なり明るすぎる元気すぎなお調子者なんですよ・・・」
霊歌(アルケミスト)「は、はぁ・・・?」
優「普段は面白いことなら何でもOKなお調子者なのに、い ざ と い う 時 に は ほ ん と に 頼 れ る の は 何 で な の ・ ・ ・ ? 」
館長「あぁ・・・」
霊歌(アルケミスト)「あ、あなや・・・なのです・・・」
優のその表情を見て、二人は思わず優の苦労が偲ばれた。
恐らく、外から見れば元気な姉に振り回される弟の様子が思い描かれる。
優「あと、ある意味自由すぎるのは僕の知ってる龍之介さんの影響かも・・・あの人のびのびしすぎの放任主義者だから・・・」
館長「・・・うん、君も君で大変だな・・・と、とりあえず、有魂書の中には文豪の魂が込められている。そこから魂を連れてくるんだ」
優「どうやるんですか?」
館長「文豪の魂に直接連れてきてもらうんだ。だからこそ、霊歌を連れてきたんだよ」
霊歌(アルケミスト)「私なのですか?分かったのです!」
そう言って霊歌(アルケミスト)は風立ちぬに潜書する。
そして時間が経つと、霊歌(アルケミスト)は少年を連れて戻ってくる。
辰雄「どうも・・・堀辰雄と言います・・・!よろしくお願いしますっ・・・」
優「辰雄さんですね。こちらこそよろしくおねがいします!」
霊歌(アルケミスト)「辰雄お兄さん、ご久しぶりなのです!」
辰雄「霊歌ちゃん!久しぶりだね」
えへへーとのほほんとした感じで辰雄に頭を撫でられている霊歌(アルケミスト)を見て、思わず口に出してしまった。
優「僕の知ってる霊歌さんも彼女並みに大人しかったら良かったのに・・・」
霊歌「なぁに?元気なことはいい事じゃん!」
優「かと言って元気すぎて周りを振り回しすぎるのも・・・って霊歌さん!?」
まさかいつの間にか後ろにいたとは考えておらず、思いっきし驚いてしまった。
霊歌(アルケミスト)「あ、もしかして優くんが知ってる方の私なのですか?初めまして、なのです。」
霊歌「あっ、私だ。別の世界の私って感じなのかな?こちらこそ初めまして!よろしくね!」
優「あっさり打ち解けた!?」
こうもフレンドリーで社交性があるのは性格が違っても、やっぱり根っからの部分は変わらないんだろうか・・・
そうこうしている内にも、W霊歌は仲良くなっており、霊歌(アルケミスト)は霊歌の肩に乗っているイマジンに興味を示している。

感想まだです!

優の苦労日記 ( No.764 )
日時: 2021/05/10 16:02
名前: 桜木霊歌 (ID: Fa9NiHx5)

そんな微笑ましい様子を見ながら、優は思わず『ふぅ・・・』とため息をつく。
霊歌「あれ?優どうしたの?」
霊歌(アルケミスト)「優くん、お疲れなのですか?休まれた方がよろしいのですよ」
辰雄「そうですよ!あなたが特務司書さんなんでしょう?ちゃんと休まないと・・・」
優「いやぁ・・・特務司書とか『語り部』の想区絡みの事は自分から首を突っ込んでいますけど・・・それ以外のことで色々と巻き込まれているんですよ!」
霊歌・辰雄・館長「うわぁ・・・」
霊歌(アルケミスト)「あ、あなや、なのです・・・」
優のその言葉から、彼は相当なことに巻き込まれがちだということがわかる。
霊歌「私の曾孫がよくトラブルに巻き込まれるのは分かってるけど・・・そこまで巻き込まれてるの?」
優「元々巻き込まれがちでしたけど・・・今年になってから余計巻き込まれるようになりましたよ・・・!」
館長「お、おう・・・どんまいだな・・・」
優「そうなんですよ・・・あの学園長アホカラスに無理難題押し付けられるは傷害事件の調査を押し付けられるは、一時的に宿無しになるは監禁されるは、マジカメモンスターに住居侵入されるは地獄のテレビ番組に出演させられるは、おじいちゃんが集めていた変な魔導書が原因で幽霊船の調査をするはめになるはもう散々ですよ!」
そんな優のとんでもトラブルを聞いて、思わず固まってしまった。

え・・・?この子まだ中学3年生って言ってたよね?え?

霊歌「ちょっと待って!地獄のテレビ番組と魔導書要因での幽霊船調査は聞いてなかったんだけど!?っていうかあの学園長クソカラスは何私の曾孫に危ない調査任せてるの!?あと私の孫は何集めてんの!?」
辰雄「君まだ中学3年生でしょ!?宿無しとか監禁とかどうしてそうなったんですか!?」
優「あはは・・・ちょっと先輩から『下僕になった友達を助けたければアトランティカ博物館にあるリエーレ王子の来館記念写真を持ってこい。ただし担保はオンボロ寮』って感じで・・・レオナ先輩に泊めて頂きました。監禁の方は主犯の方が寮長さんを引きずり下ろすための舞台装置として利用させられそうになっただけです」
霊歌(アルケミスト)「優斗の曾孫が人生ハードモードという感じなのです・・・それ以前に学園長さんは何をされていたのですか・・・?」
優「あの学園長アホクソバカラス、僕の友達を食費を盾に脅してきましたし、監禁の時には何もせずにむしろ南の島で遊んでましたが?」
辰雄「それは学園長失格なんじゃ・・・」
ふと霊歌の方を見ると、霊歌は満面の笑み(ただし目は笑ってない上に笑顔に影がさしている)を浮かべており、手に持つ白紙の書はいつも使っている杖に変化している。
木で作られた霊歌の身長と同じくらいの両手杖ロッドであり、花や三日月のチャームがついており、先端には赤い花を模した宝石がつけられている。
その杖はたしか、『夢物語の願い杖』・・・だったか?
その杖を構え、霊歌はニコニコと笑みを浮かべている。
霊歌「優、私がこれからオンボロ寮に支援するから、学園長の言うことは容赦なく断りなさい。私がこれからあの学園長こりないバカラスは私が始末するから♪」
優「大丈夫ですから!支援はありがたくいただきますが、学園長を始末しないで!?」
アルケミストの霊歌と辰雄も完全に怯えてしまっている。
頼むから落ち着け、本当に落ち着いてくれ!

1時間後・・・

霊歌「その・・・ごめん・・・曾孫への扱いがあまりにも酷すぎて・・・」
優「全くですよ!猪突猛進すぎて困るんですよ!」
霊歌(アルケミスト)「霊歌ちゃんの気持ちも分かるのですが、起こった霊歌ちゃん怖すぎるのです!」
辰雄「優くんお願い休んで!」
館長「断られる可能性も考えていたが即答で引き受けてくれたのは、学園長に比べると信頼できるからか・・・?」
優「その通りです・・・」
もう今すぐにもナイトレイブンカレッジの学園長室にまで殴り込みに行こうとする霊歌を止めるのは大変だった。
紫のイマジンを使って今すぐにでも学園長室に行こうとする霊歌を館長と辰雄、霊歌(アルケミスト)の3人で抑え込み、優はロディに接続コネクトし、旋律の魔法で精神安定を試みたがかなり手こずり、1時間もかかってようやく止まったのだ。

感想まだです

優の苦労日記 ( No.765 )
日時: 2021/05/10 16:08
名前: 桜木霊歌 (ID: Fa9NiHx5)

霊歌「というか私、幽霊船と地獄の番組なんて初耳なんですけど!一体何がどうなってそうなったの!?」
優「じゃあ、4月の頃に巻き込まれた地獄のテレビ番組の方からですね・・・」

4月某日
当時の優は文芸部の活動をする為に部室である中等部3年1組に向かっていた。
今日はこんなお話を書こうかな、なんて考えながら部室の扉を開けると、そこにいたのは・・・
骸骨「おや!君が天才文芸部員の時ノ小路優君ですね?可愛らしくて端正な顔たちをしてますね!いやー、美人くんで死んでしまいそうです!もう死んでますけど!」
スーツを着込んでいた骸骨だった。
優「すみません、あの・・・どなたでしょうか・・・?」
骸骨→ヘルP「おや失礼。私は地獄のテレビ番組のプロデューサー兼司会兼スカウトマンのヘルPと申します!」つ名刺
優「あ、はいどうもヘルPさん、時ノ小路優です。余り物しかないですけど、こちらのお菓子とドリンクを・・・って飲食できるんですか?」
反射的に名刺を受け取り、部室に用意していたお菓子とドリンクをヘルPに渡そうとするが、相手が骸骨なので思わずためらってしまう。
ヘルP「これでも飲食はできますよ!あと私は君のことをよーく知っていますよ!あと朗報です!君は地獄のテレビ番組、キルデスビジネスに参加が決定しました!」
どこからかドンドンパフパフー、という音が聞こえたが、優にとってはさっぱりだ。
テレビ番組の募集に参加した覚えすらない。
優「お言葉はありがたいのですが、僕は心当たりがないので人違いでは・・・」
ヘルP「いえいえ、ちゃーんとここに証拠の履歴書がありますよ!」
そう言ってヘルPが取り出した履歴書には優の情報が書かれており、その履歴書の筆跡はサッカー部の遠征でここにいない友人のものだった。
優「・・・すみません、少しお時間を頂いても?」
ヘルP「構いませんよ!」

プルルル…

陽斗『はいもしもし?』
優「陽斗何やってくれてんの!?僕そもそも許可してないんだけど!?」
陽斗『いやー父さんが昔これに参加して、家が新築にしたいって願いが叶ったんだ!だからお前もこれに参加しろって思って送ったんだ!お前、中々作品発表の機会に恵まれないって言ってただろ?それで願いを叶えてもらえって!』
優「確かに恵まれてなかったけど、自分の力で発表したいし・・・強いて願い事があるなら絶版になってる霊歌さんの作品が欲しい「なるほどなるほど!では参加ですね!ごあんなーい!」え!?」
優の呟きを聞いたヘルPは優を抱えると、窓から飛び降りた。
場所は3階。ヤバい・・・と思ったが、ヘルPは予想に反して華麗に着地。
気がつくとそこはヘルステージであり、すでに3人の人間がいる。
とりあえず、具体的にいうと全員が悪魔と出会い、何らかの願いを叶えたいらしい。
そして優にとってはこのあとの衣装決めが散々だった。
ヘルスタイリスト「最後のそこの一般学生!」
優「たしかに僕は一般人ですが・・・;」
ヘルスタイリスト「なんてことよ・・・その格好・・・まるで低予算映画のモンスター変わりにされたゴ○○リみたいじゃない!」
優「ゴ・・・!?」
ヘルスタイリスト「もう!あんたみたいな子供にはゴシックがお似合いよ!この無知小僧くん!」
そういって優の服は黒と白と灰色を基調としたゴシックというより・・・スチームパンク風の衣装に着替えさせられた。

霊歌「あ、もしかして優が絶版になってて見つからないって言ってた本を見つけたの、もしかしてそれのおかげ?っていうか評価wwwwwwwww」
館長「傍迷惑なお友達だね・・・」
優「その通りです・・・。正直あのスタイリストさんの陽斗は許さない・・・!陽斗に関してはすぐに許したけど・・・」
辰雄「その評価って君だけだったの・・・?」
優「いいえ、たしか他には『狂気の芸術家が想像で生み出した人食い熊』とか『おじいちゃんが捨てた古い人形』とか『旅行先で財布がないことに気づいたペンギン』とか・・・」
霊歌(アルケミスト)「それはそれで酷くないのですか!?」
優はその時の事を思い出したのか、どこか遠い目をしている。

感想まだです

優の苦労日記 ( No.766 )
日時: 2021/05/10 16:14
名前: 桜木霊歌 (ID: Fa9NiHx5)

続いて優は1週間前に巻き込まれた事件について話し始めた。

1週間前・・・

優は祖父の集めた本のある書斎で本を読もうと思い、そこで休日を楽しもうとしていた。
・・・と、そこで優はとある本が目に入った。
タイトルは『オブラ・ディン号の帰港 その後悔と悲劇の記録』。
気になって手を取ってみると、気を失ってしまう。
そして気がつくと、優は何故かかなり昔と思われる帆船の近くかつ小舟に乗っていた。
優「え、ここどこ・・・?」
船頭「社の人間に、叩き起こされたぜ。」
優「あ、お疲れさまです・・・」
船頭「あんたをオブラ・ディン号に渡せとな4年も行方知れずだった船で調査とは、ご苦労なこった」
優「え、え・・・!?」
全く状況が読めない。
ふと自分の服装が変わっていることに気づいた
優(何・・・!?僕また何か巻き込まれたの!?)
とりあえず、手元にあった資料に目を通す。

『イギリス 東インド会社
ロンドン本社 保険請求課 主任調査官殿
オブラ・ディン号が帰着。ただちにファルマスへ出向し、査定書を作成されたし。』

優「・・・」
ここに書いてあることが正しければ、現在の優は本の世界で保険調査員になっているという事だ。
優(この船、商船なんだよなぁ・・・事故か故意だったかでそういうの変わるからか・・・)
とりあえず、いつもの冷静な方向性に戻り、冷静になって恐らく優の配役されたであろう登場人物の持っていたであろう鞄を開けると、そこには物語の世界に入り込んでしまう前に優が触れた本と懐中時計が入っていた。
優「この本・・・!?何で・・・!?こっちの時計は・・・『死を忘るるなかれ(メメント・モーテム)』?」
警戒しながら本を開くと、そこには序文が書かれていた。
序文を纏めるとこうだ。

懐中時計メメント・モーテムの力を使ってこの船に何があったのかを調べてほしい。
・ただし『取引』の章は今は見せられない。
・埋められる全てのところを埋めたらモロッコのフランス人駐在所まで届けてほしい
・依頼主はこの船の船医『ヘンリー・エバンズ』

優「なるほど・・・じゃあ、エバンズ先生のお願い、聞いてあげますか」
メメント・モーテムと手記を持って船へと上がった。
・・・そして船長室の前で1つの白骨死体を見つけた。
おそらくこの船の乗組員だろう。何故かそばに斧が落ちているが。
そういえば懐中時計を使えって言われていたなと思い、メメント・モーテムを取り出すと、わずかにメメント・モーテムが発光しているのがわかる。
もしかして、と思いメメント・モーテムの蓋を開くと、時計の針が10時5分を指したと同時に、暗闇に包まれた。
優「え?何!?」
???「船長!開けてください!」
???「蹴破れ!」
???「今度こそ貝殻をいただきますよ!」
優(貝殻・・・?もしかして・・・)
優は先程海で謎に光るものを見た。
もしかしてあの光が、誰かもわからぬ人が言っている貝殻?
すると扉が開く音がすると同時に、声が響いた。
???「船長の私に逆らうものには、罰をくれてやる!」

パーン!

優「!?」
急に視界が開け、目の前には髭をはやした男性が銃を発泡していた。
しかし、男の前にいる自分には何一つ怪我はない。
優「撃たれたわけじゃない・・・!?」
後ろを向くと、そこには航海士のような格好をした男に銃弾が当たり、血が出ているのがわかる。
その手には斧を持っている。
優「・・・まさかさっきの白骨死体ってこの人・・・!?」

霊歌「おうふ・・・優大丈夫だったの・・・?」
優「推理とかはよくできるようになりましたし、何ならグロ耐性も上がりました。」
辰雄「・・・優くん巻き込まれすぎじゃ・・・」
優「何ならいくつか自分から首を突っ込んでいますけど」
その言葉を聞いて、館長はできる限りこの子には優しい仕事を回そう。
そう決意したのであった

堀辰雄
職種ジョブ攻撃職アタッカー
武器:大剣グレートソード
所属:気絶組
龍之介の弟分であり、霊歌(アルケミスト)にとっては兄貴分の文豪。
グロテスクなことが苦手で、幼い頃から病気がちだったが、そのことに屈さず暮らしている。
気弱な性格で気を使うことができるが、気を使いすぎて空回りしがち。
一度決めたことは最後までやり抜く心の強さを持つ

感想OKです!