二次創作小説(新・総合)
- プロローグ4 ( No.14 )
- 日時: 2022/10/31 21:27
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: CE4YyNoS)
プロローグ4。カカカッ!
《神界:イシターの神殿》
ワルキューレ「・・・これが、『門』・・・一方通行の『入り口』とは異なり、複雑な力によって『通路』を確立させたゲート・・・」
・・・女神イシターの使いである乙女の騎士『ワルキューレ』。黒い枠の『入り口』とはまた違う、金色の枠の『門』というモノがイシターの神殿に出現しており、その事を女神『イシター』が説明していた。
ワルキューレ「しかし、入り口もそうですが、何故このようなモノが・・・かつて、『ゆらぎ』を巡った幾度もの戦いでは、『逢魔』がこのような通路を繋ぐのを阻止するために戦っていましたが、突然そんな・・・
・・・やはり、近頃活動しているという、正体不明の集団と関係性が・・・」
イシター「・・・いえ、ワルキューレ・・・どうやらこの入り口は・・・『逢魔』と言う組織が行おうとした、全世界の融合とは、また違うのです。」
ワルキューレ「違う・・・?・・・どういうことでしょうか。」
ワルキューレの疑問に対し、イシターはこう答えた。
イシター「これは確かに、異なる世界同士を繋ぐ『通路』。・・・ですが、『絶無機関』と名乗る者達にとっては、この『門』は不都合な物らしく・・・
・・・『入り口』は恐らく絶無機関によるものでしょう。・・・しかしこの『門』は、一切の邪悪な力を感じないのです。・・・神界や幻想界にもいくつかこの『門』が確認されましたが、現れる悪しき者達によって・・・破壊されています。」
ワルキューレ「破壊を・・・!?では、この『門』を作ったのは絶無機関ではないと・・・?」
イシター「そういう事になるのでしょう。」
ワルキューレ「邪悪な力は感じず、むしろ破壊されている・・・絶無機関の行動は今だに目的が見えない・・・
・・・行方不明者の続出や、正体不明の魔物の出現・・・更にはドルアーガを始めとした、倒したはずの者達が復活したという情報も・・・やはり、世界に再び何かが起ころうとしているのですね・・・それも、今までとは根本な何かが違う・・・」
イシター「ええ・・・今回起きている数々の事件・・・今まで以上に根は深いでしょう・・・」
ワルキューレ「・・・
・・・しかしそれでも、この異変を放置するわけにはいきません。・・・イシター様、行って参ります。」
イシター「・・・この『門』の先に何があるのかは私にもわかりません。・・・これが絶無機関にとって不都合な物ならば、その手の者達に破壊されないように、くれぐれも気を付けるのです。」
ワルキューレ「・・・はい。・・・イシター様も、お気をつけてください。
・・・では、参ります・・・!!」
・・・武器を持ち、ワルキューレは『門』へと入って行った。
《洛芦和高校:第一生徒会室》
佐伯「・・・近頃発生している行方不明事件や、次々と出現している謎の『入り口』・・・悪魔の類ともまた違う謎の魔物・・・更にはそれらの事象に関わっているという『絶無機関』、それに関与している『悪魔ドルアーガ』・・・
・・・そして、この『干渉物質』という緑色の結晶が、対抗手段の1つ・・・
・・・『エインシャント卿』と言いましたか。何かを心配されているという事は嘘ではないようですが・・・
しかし、この結晶には確かに奇妙な力を感じますが、見えざるものが見えたり、何かしらの力のリスクや消耗を避けることが出来る・・・と言うのはいさかか信じづらい。貴方が何故『機巧魔神』を知っているのかも疑問だ。」
・・・純白の改造制服を着ているこの青年は、洛芦和高校にある、第一生徒会会長『佐伯玲士郎』。突然やって来た、『エインシャント卿』と言う、深緑色のローブを纏っている謎の男と会話をしていた。
エインシャント卿「・・・言いたいことは分かる。・・・だが、今回の事件・・・『機巧魔神』のように強力な力が必要になる。だが、強力な力はいずれにも『リスク』・・・というモノがある。
・・・そこにいる少女・・・お前の機巧魔神『翡翠』の『副葬処女』・・・『哀音』と言ったか。彼女に関しても・・・」
佐伯「・・・」
・・・エインシャント卿は、佐伯が座る椅子の横にいた、品高い装飾をされた白い服を着ている少女『哀音』を見た。
哀音『・・・』
そのタイミングで、佐伯が持っていた、『干渉物質』と言う緑色の結晶が砕ける。・・・そしてその光が、佐伯の『影を通して』何処かに入り込んでいった。
佐伯「・・・電子的に視力を増幅したわけでも、悪魔でもないにも関わらず、『射影体』・・・哀音が見えるとなると、貴方もただ物ではないでしょう。
・・・とは言えーー」
エインシャント卿「疑問に思うところや疑いの念があるのならばそれで一向に構わん。・・・だが、『最悪の結末』は何が何でも避けなければならんのだ。・・・『絶無機関』の行おうとしている行為はあってはならない・・・何が何でも未来を変える必要がある。
・・・どちらにせよ、この問題を解決したいのはこちらも同じであろう。・・・それに、『悪魔ドルアーガ』を野放しにするのは、『神聖防衛隊』の・・・お前の信念に会わないのでは?」
佐伯「・・・簡単に行ってくれるようですがーーぐっ!?」
すると、佐伯の様子がおかしくなる。
佐伯「がっ・・・な、何だ・・・!?」
その様子を見ていたエインシャント卿は、佐伯に言っているかのようにこう言った。
エインシャント卿「ドルアーガの呪縛か・・・お前はどうやら過去に起こった事象に関して『つっかかり』があったようだからな。
・・・『目を付けられた』か。よりにもよってか・・・」
佐伯「『つっかかり』?・・・『目を付けられた』・・・?どういう・・・ことだッ・・・!!
・・・いや、それ以前に・・・神聖防衛隊であり、第一生徒会会長の僕が、悪魔に操られるなどっ・・・ぐっ・・・!!」
哀音『・・・!!』
エインシャント卿「・・・中々耐えることが出来てるようが出来ているようだが・・・術者であるドルアーガ本人を倒さない限り解けない強力な呪縛だ。無理に抵抗すると酷い事になるぞ。」
佐伯「何故そこまで知って・・・いや、まさか・・・
エインシャント卿・・・どうやら僕は勘違いをしていたのかもしれない・・・絶無機関とやらの行動に納得がいっていようなことは言っていたが・・・あなたは・・・いや、お前は・・・絶無機関に『加担』していないとは言っていない・・・!!」
・・・佐伯のこの問いに、エインシャント卿は下を向いたまま呟く。
エインシャント卿「・・・そう、なるのだろうな・・・
・・・こうなった以上は仕方がないのだろう。・・・今は任されたことを始めるとするか。・・・アイツらももう、手遅れだからな・・・」
佐伯「手遅れ・・・?誰の事を・・・ぐっ・・・!」
・・・呪縛の力が強くなっている模様。すると・・・
佐伯「・・・正気を保っていられる内に、もう一つ聞かせてもらおう・・・」
エインシャント卿「む・・・?」
佐伯「お前、は・・・先程『未来を変える必要がある』等と言ったが・・・未来の、『何』を変えようとしている・・・?」
エインシャント卿「・・・
・・・『悲劇』・・・といったところか。」
・・・
一旦区切ります。
- プロローグ4 ( No.15 )
- 日時: 2022/10/31 21:30
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: CE4YyNoS)
続き
《洛芦和高校:校門前》
智春「駄目だ・・・本当に誰もいない・・・朱里さんとかならまだ分かるところはあるけど、嵩月や樋口や杏・・・それどころか生徒や先生すら1人もいない・・・どうなってるんだ・・・?」
・・・『洛芦和高校』。校内を捜索していた少年少女が2人。少年は『夏目智春』。この高校に通っている、『科學部』に所属している学生である。・・・少女の方は・・・
操緒『そう言えば、ここに来る前にも誰も見かけなかったね。』
・・・何か、浮いている。洛芦和高校の制服を着ているが、浮いている。・・・『水無神操緒』。智春に憑いている幽霊的な存在である。
操緒『・・・もしかして今、この世界にいるのはあたしと智春だけ・・・だったりして。』
智春「今そういう事言うのやめろって。本当にそうだと、何かとんでもない事が起きてる事になるじゃないか。」
操緒『というより、思いっきり起きてない?人どころか動物とか虫すら見かけてないし。』
智春「そこまで!?いや、流石にそれは偶然じゃ・・・」
操緒『まぁ、流石にそうだとは思うけど。
・・・でも、変な事件が最近起きてるのは本当じゃん。行方不明事件とか、変な生き物が出て来てる、とか、変な入り口みたいなのが色んな所で確認されてる・・・とか。』
智春「どれもあくまでも噂の範疇を超えてないやつばっかりじゃないか。・・・こっちから見ると意外と本当っぽいの、確かに多いけどけどさ・・・」
操緒『・・・どっちにしてもどうしよう?このままじゃ話も進まないよ。』
智春「そうだけど・・・どうしたものかなぁ・・・ん?」
すると、智春は、何かが落ちているのを見つける。
・・・それは、不思議なエネルギーを感じる緑色の結晶だった。
操緒『何だろうコレ。結構綺麗だけど。』
智春「・・・何か、不思議な感じだな・・・皆が見当たらなくなったのと関係があったりするのかな・・・?」
すると突然・・・
操緒『・・・智春っ!!』
智春「えっ?」
操緒の視線の先には、見た事も無い魔物が学園内から出現していた。
緑色と黒色の2種のスライムや、青い鎧の騎士、また別で、茶色い鎧や鬼の仮面のような魔物等もいる。
智春「何だ・・・!?如何にもモンスターって感じのモンスターが出て来た・・・?」
操緒『・・・待って、他にも誰か来る・・・!!』
・・・同じく現れたのは・・・
エインシャント卿「・・・む、手短にこの世界の住人をほぼ全員退避させたつもりだったが・・・まだいたか。・・・それも、機巧魔神の演奏者とその副葬処女・・・か。」
操緒『今度は誰?まだ話が通じそうな方っぽいけど・・・』
智春「・・・でも、校内から出て来たってなると・・・」
エインシャント卿「・・・まぁ、こいつらよりはまだ話は通じる方だとは思うがな。
・・・だが、お前達の方から見れば、今の私は・・・『エインシャント卿』。お前達の、『敵』だ。」
智春「『敵』・・・?
・・・ん?ちょっと待って!!さっきまでのその言い方、もしかして操緒が見えてる・・・!?」
操緒『えっ!?・・・じゃ、じゃあもしかしてこの人も悪魔?それとも・・・』
エインシャント卿「・・・悪魔ではないし、演奏者でもない、と言う事は言っておこう。
・・・悪いがこれ以上の御託は無しでお願いしよう。・・・『干渉物質』と、『機巧魔神』の力を合わせた『結果』が知りたい。
・・・お前も出てこい。翡翠の演奏者。」
智春「えっ・・・!?」
・・・エインシャント卿の後ろに、佐伯がついていた。・・・無論、哀音もいる。
佐伯「・・・」
操緒『えっ!?あの人って・・・』
智春「生徒会長・・・!?ようやく知ってる人には出会えたは出会えたけど・・・何というか、よりにもよってだし、それに何でそっちに・・・」
佐伯「・・・夏目智春・・・」
智春「は、はい・・・?」
佐伯「あの時・・・あの瞬間さえなければ・・・お前が機巧魔神を使わうことさえなければ、あの悪魔を滅ぼせたはず・・・なんだっ・・・!!」
哀音『・・・』
憎悪に近い感情を智春向ける佐伯。困惑する智春だが、操緒はある事に気づく。
操緒『ねぇ、何か・・・様子がいつもとおかしくない?すまし顔どころか、冷静さも欠いてるっていうか・・・』
智春「えっ?・・・言われてみると確かに、憎悪を向けてるような・・・しかも僕に。」
エインシャント卿「分かるか。機巧魔神の演奏者と副葬処女よ。・・・彼は今、負の感情を増幅され操られているのだ。」
智春「負の感情・・・?お前、一体何をしたんだ!!」
エインシャント卿「私自身は何もしていない。・・・いや、したと言えばしたがな。・・・彼に『干渉物質』を渡すだけのつもりだったが・・・奴等にタイミング悪く目を付けられ、悪魔ドルアーガの呪縛でこのざまだ。」
操緒『『ドルアーガ』・・・?』
「その話、詳しく聞かせてもらいます。」
エインシャント卿「む・・・」
・・・そこで、上空から誰かが降りて来た。
ワルキューレ「・・・『悪魔ドルアーガ』・・・更には、下級ながらもドルアーガの塔の魔物もいる・・・どうやら、復活しているのは間違いないようですね。
・・・いえ、それだけではない・・・『カオックス』に『ダダッタ』・・・マーベルランドに現れた魔物まで・・・」
智春「こ、今度は誰!?」
操緒『・・・何か、如何にも天から来た女騎士・・・って感じがするね。』
エインシャント卿「・・・乙女の騎士『ワルキューレ』か。わざわざ異世界から・・・いや、どうやら『門』を通ったようだな。」
ワルキューレ「・・・話を聞く限り、貴方は『絶無機関』の者のようですね。・・・そして、隣にいる彼は・・・ドルアーガの呪縛にかかっている・・・では、彼の横にいる、透けている上に浮いている娘は一体・・・」
哀音『・・・』
智春「哀音の事が見えてる・・・?じゃあこの人も・・・?」
操緒『でも、悪魔って感じじゃないよね?・・・しかも、結構高い位置どころか空から降りて来てたし』
智春「そこは関係あるのか・・・?」
ワルキューレ「『見えてる』・・・?気配は人間に近いようですが、一体・・・?・・・というより、貴方達は・・・しかも1人は、そちらの白い娘と同じように・・・透けて・・・浮いている・・・?」
智春「えっと、説明すると長くなるので今は・・・」
操緒『・・・そっちは誰なの?あたしの事も見えるみたいだから、ただの人間・・・って感じじゃないよね。』
ワルキューレ「・・・私は乙女の騎士『ワルキューレ』。女神イシターの使いです。
・・・様々な世界で起こっている事件を探るために、私が知る物質界とは、また似て非なるこの世界に降り立ちました。」
操緒『似て非なるこの世界って・・・じゃあ、どっかの本とかであったような、別の世界から来た・・・みたいな感じって事?』
ワルキューレ「そういう事になります。」
智春「(・・・今、女神の使いなんて言ってけど・・・本当にこの世に神がいるなんてなると、絶対ややこしい事になってたかもなぁ。ただでさえ高校入ってから凄い事を聞かされたり巻き込まれたりしてるし・・・)」
エインシャント卿「・・・オイ、いつまで話を長引かせるつもりだ。待たせてやっているこっちの身にもなってもらおうか。」
魔物達「・・・」
智春「あっ!!いけないそうだった!!」
操緒『・・・というか、待ってくれてたんだ・・・』
佐伯「・・・やれ、翡翠。」
哀音『・・・
・・・闇より静けき氷海に眠るーー其は、科学の音色に凍てつく影ーー・・・』
すると、哀音は無表情なまま奇怪な呪文を奏で始めた。・・・途中から、少女の声のソレではなくなり、地の底から聞こえてくるような低い声となる。
・・・そして、姿を消したと思えば・・・
ワルキューレ「(消えた・・・!?しかし、この力は・・・)」
・・・日の光に照らされた長い影が佐伯の足元に落ちており、色がより一層黒く・・・というか『闇の色』となる。
・・・その陰の中から、何かが這い出てくる。
・・・それは、淡緑色の、何処か歪んだ人の形をしている機械仕掛けの魔神・・・
ワルキューレ「これは・・・!?」
エインシャント卿「・・・ほう、これが『機巧魔神』・・・生で見るのは初めてだ。(・・・それに・・・)」
佐伯「・・・」
翡翠(哀音)「・・・」
エインシャント卿「(・・・『干渉物質』も、問題なく機能しているようだ。安心したな。)」
智春「機巧魔神・翡翠・・・!!」
操緒『本気であたし達を消すつもりみたい・・・!!智春!』
智春「・・・ああ、やるしかないみたいだ・・・!!」
・・・すると、智春が持っていた緑色の結晶が光り始める。
・・・砕けて、智春の『影を通して』光が何処かに入り込んでいった。
智春「い、今のは・・・?」
操緒『うーん・・・何だろう、調子が良くなったような・・・』
智春「えっ、何で?」
エインシャント卿「・・・『干渉物質』・・・そこにも落ちていたのか・・・まぁ、今はそのほうが良かったのだろう。」
智春「何の話をしてるのか良く分からないけど・・・」
・・・智春は、操緒に目で合図を送る。
智春「・・・来い!『黑鐵』!!」
操緒『闇より暗き深淵より出でしーー其は、科学の光が落とす影!』
すると、操緒も哀音と同じような経緯で、姿が消えたと思えば、智春の影の中から何かが這い上がって来た。佐伯が呼び出した翡翠とは異なり、漆黒の魔神だ。
黑鐵(操緒)「・・・」
ワルキューレ「これは・・・?貴方達も白い彼のような力を・・・?
・・・いえ、話は後にしましょう。今は・・・彼らをどうにかしなければ!!」
魔物達「・・・」
・・・エインシャント卿は、洛芦和高校の上に移動し、こう言った。
エインシャント卿「・・・さて、これだけ待たせたんだ。速やかに終わらせて貰おう。
・・・『宴』はまだ、始まっていないからな。」
プロローグ4『機巧魔神』
一旦区切ります。
- プロローグ4 ( No.16 )
- 日時: 2022/10/31 21:35
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: CE4YyNoS)
続き
注釈:黑鐵の『黑』は環境依存で、機種によっては文字化けする場合がございます。
佐伯「・・・潰せ、翡翠。」
翡翠(哀音)「・・・」
・・・音の共鳴だけで、周囲が凍り始め、氷弾のような攻撃を仕掛けてくる。
黑鐵(操緒)「・・・」
・・・対して、黑鐵の右腕に魔法陣が出現し、回転を始める。
それを、無数の氷弾に向かって殴りつける。そしたら、跳ね返るどころか、攻撃そのものが貫通して翡翠に直撃。
翡翠(哀音)「・・・!!」
佐伯「なっ・・・!!」
ワルキューレ「(今の力は・・・重力操作・・・でしょうか?何という力・・・!!)」
魔物達「・・・!!」
ワルキューレ「・・・私も負けていられませんね。・・・サイクロンの術!!」
風の攻撃で魔物達を攻撃。
魔物達「ガッ・・・!!」
・・・引き続き、翡翠を攻撃する黑鐵。
エインシャント卿「・・・神聖防衛隊も恐れていた機巧魔神・黑鐵・・・かなりの力なのは確かだな。」
黑鐵(操緒)「・・・」
智春「やり過ぎて壊さないと良いんだけど・・・あれっ?」
翡翠(哀音)「・・・」
佐伯「・・・大丈夫か、翡翠・・・いや、哀音。」
・・・ほとんど無傷の翡翠。
智春「(あれ・・・あの時より何か違うような・・・)」
黑鐵(操緒)「・・・」
智春「待って!!一旦ストップだ黑鐵・・・いや、操緒!」
再び攻撃をしようとした黑鐵を智春が一旦止める。黑鐵が智春の影に中に戻り、操緒が姿を現す。
操緒『・・・どうしたの智春。急に・・・』
智春「・・・会長の機巧魔神・・・何か前と違くないかな?」
操緒『そうなの?そもそもあれに関しては前にひどい目にあったから複雑な気分なのに・・・』
智春「(・・・それに、機巧魔神を使った時の疲労感が、どういうわけかあんまり・・・)」
エインシャント卿「・・・気づき始めているようだな。黑鐵の演奏者。
・・・彼に渡した『干渉物質』・・・アレに少し細工をしておいたのだ。」
智春「干渉物質?・・・もしかして、さっき拾って、砕けた・・・」
エインシャント卿「・・・アレは、代償がある力のリスクを避けたり、本来ならば見えることのない存在を視認する、他者に視認させることが出来たり等と言う力を持つ。
・・・翡翠の演奏者に渡したソレには、副葬処女にドルアーガの呪縛に似た暗示をかけ、そして翡翠そのものの強度も高め、パワーバランスも調整させる。そういったものだ。
・・・出来れば、その細工が作用しないほうが良かったが、こうなったからには最後まで役立ってもらわないとならんのだ。」
ワルキューレ「ドルアーガの力を、再現したと・・・!?」
エインシャント卿「・・・『情報さえあれば、複製など容易』なんだ。・・・まあ、呪縛そのものはドルアーガのものだが、射影体のような存在に呪縛かけるのは難しい。たったそれだけだ。
・・・一旦来い!『カムーズ』!」
ワルキューレ「えっ・・・!?」
すると、離れの位置から、腕が4本もある、赤い大きな魔物が現れた。彼が魔人『カムーズ』である。
同時に、炎の魔物『ホノーリアン』が、佐伯のようにしろいい服に身を包んだ者達2体ずつが出現。
操緒『また誰か来た!今度はものすごく分かりやすい怪物が出て来た!!』
智春「・・・あれっ、あの白い見た目・・・第一生徒会、神聖防衛隊の・・・」
操緒『・・・もしかして、あの人達も操られて・・・?』
カムーズ「・・・チィッ・・・俺に細かい仕事させやがって・・・!!」
エインシャント卿「何だっていいだろう。・・・それより、『門』は見つかったのか。」
カムーズ「見つからなかったら呼び戻される前に戻って来てるだろうが!!」
エインシャント卿「・・・だろうな。・・・それより、お前の因縁の相手があっちにいるのは分かってたか?」
カムーズ「何・・・?」
カムーズは、ワルキューレの方を見た。
ワルキューレ「魔人カムーズ・・・貴方も復活したのですか!?」
カムーズ「テメェは・・・ワルキューレ!?よりにもよってまた俺の前に現れやがって!!まさか例の『門』から来やがったわけか!!」
操緒『自分で現れたんじゃなかったっけ』
カムーズ「うるせぇ!!誰だか知らない何か透けてる奴が出しゃばってんじゃねぇ!!
というかそもそもだ!!『門』を壊すだけだろ!!?何でいちいちちまちまと探さなけりゃならねーんだよ!!ホノーリアンで森を燃やせばすぐ見つかるだろうが!!」
エインシャント卿「駄目な事にはちゃんと駄目な理由があるだけだ。何のために神聖防衛隊のデータを元にしたバグエネミーを付き添わせたと思っている。」
カムーズ「調子に乗りやがって・・・!!」
エインシャント卿「そういったノリで、何度も乙女の騎士達に敗北した貴様が言える立場か?」
カムーズ「うぐっ・・・!!」
智春「バグエネミー・・・?」
操緒『元にしたって・・・?』
神聖防衛隊(バグエネミー)「・・・」
エインシャント卿「・・・この世界の情報から作った魔物さ。・・・乙女の騎士も知っているのではないか?あのようなナリの、ノイズを纏った魔物をな。」
ワルキューレ「・・・『バグエネミー』、と言いましたか・・・近頃現れている奇妙な魔物もまた、やはり絶無機関が・・・!!」
エインシャント卿「・・・流石に分かるだろうな。
・・・下がれ。翡翠の演奏者。」
佐伯「・・・!!」
・・・そう言われると、佐伯は哀音と共に、突然出てきた奇妙な穴の中に入って行った。
操緒『あっ、入って行っちゃった・・・』
智春「・・・生徒会長・・・たしか、悪魔ドルアーガっていうのにに操られてるんだったよな・・・
・・・(放っておくわけにもいかないよな・・・佐伯や、哀音のためにも・・・
・・・さっきの哀音・・・暗示をかけられてたっていて言う割には、悲しそうな顔をしてたし・・・)」
エインシャント卿「・・・先程の戦闘で、機巧魔神と干渉物質の相性が非常に良いという事は記録出来た。
・・・さて、黑鐵の演奏者と副葬処女、そして乙女の騎士・・・早いところ奴等も片付けーー」
「カカカッ!面白い事を沢山聞かせてもらいましたよ!
・・・あの悪魔ドルアーガや、魔人カムーズの復活、バグエネミーと呼ばれる、キャラクターを元にした魔物・・・奇妙な『入り口』の発生、そしてそれらの事象を引き起こしている絶無機関・・・
・・・更には絶無機関が邪魔に感じている、異世界同士の通路を確立させた『門』・・・何かしらの代償を回避するという『干渉物質』・・・
これは、非常に鬼ヤバな展開になってきましたよ・・・!!」
エインシャント卿「何・・・?」
カムーズ「誰だっ!!?盗み聞きなんぞしやがって!!」
一旦区切ります。
- プロローグ4 ( No.17 )
- 日時: 2022/10/31 21:55
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: CE4YyNoS)
続き
そこに現れたのは・・・
ブラック「・・・おっと、気分が高まって、うっかり声に出してしまいました。」
カメラちゃん「じー!!」
操緒『今度は分かりやすいくらい悪魔っぽいの来た!!』
ワルキューレ「彼は・・・!!
(・・・あの見た目は・・・恐らく、かつて神界と相似している『天界』で、権限を乱用し、暴挙を働いていた神の悪事や裏側を暴いた、あの・・・!!)」
カムーズ「誰なんだよテメェは!!しかも変なちっせーやつを連れてよぉ!!」
ブラック「俺ちゃんは『ブラック』。魔界から来た悪魔系YouTuberですよ。」
智春「ゆーちゅー・・・」
操緒『ばー・・・?』
ワルキューレ「たしか、小牟さんが言っていたような・・・」
ブラック「おっと、どうやらこの世界は、まだYouTubeが浸透する前だったんでしたね。
・・・それで、そこにいるのは・・・さとしくんより年上の、高校生くらいの少年と、幽霊のような半透明なお嬢さん・・・そして、おおっと、何と!女神イシターに仕える乙女の騎士ワルキューレさんまでいるではありませんか!こんなところでお会いできるとは!あなたの噂は、魔界にも知れ渡っていましたよ。」
ワルキューレ「そ、それは・・・光栄です・・・?」
操緒『・・・何で疑問形?』
エインシャント卿「・・・貴様、どこから入って来た。・・・乙女の騎士のように、『門』からではないようだがな。」
ブラック「言ってしまいますと、さとしくんや彼の学校のクラスメイトや教師たち・・・それどころか近所にいた人達がまるごと行方不明になってしまいましてねぇ。流石に気になったので、動画を撮りながら探していたところ・・・突然謎の転移に巻き込まれてしまったのです。」
智春「転移・・・?」
操緒『というか、勝手がこっちとほとんど同じだね。』
エインシャント卿「・・・どうやら、『奴』も本格的にあの世界を取り込もうとしているわけか。」
カムーズ「って、オイ!!」
ワルキューレ「取り込む・・・?どう言う事ですか!!」
エインシャント卿「おっと、失言が過ぎたか。・・・悪いがここから先は自分で考えてもらおう。」
・・・エインシャント卿は、校門前の方に降りて来た。
エインシャント卿「・・・今度こそ片付けるぞ。カムーズ。」
カムーズ「チィッ・・・勝手にしろ!!」
・・・戦闘態勢に入る、エインシャント卿とカムーズ、そして魔物達。
ブラック「どうやら、色々と確かめる必要があるようですねぇ・・・」
ブラックは、鎌を構えて戦闘態勢に入る。
智春「・・・君も、協力してくれる・・・みたいだね。」
ブラック「ええ、こちらも撮影の邪魔をされているようなモノですから。・・・それに、有名な作品のキャラクターたちと共闘したり、戦うなどというのは・・・こんなチャンスがまた来るとは、そう何度もありませんから!カカカッ!」
操緒『・・・あくまでも自分本位なんだねぇ・・・
・・・ああ、悪魔だけに、か。』
智春「何自分の言った事で勝手に納得してんのさ・・・
(・・・ん?有名な作品の・・・キャラクター・・・?チャンスがまた・・・?)」
エインシャント卿「(・・・こちらは、私とカムーズと・・・ホノーリアンと神聖防衛隊のバグエネミーが2体ずつ・・・あとは、サイクロンの術を喰らわず、残ったドルアーガの魔物とカオックスやダダッタ数体・・・
・・・様子見のつもりとは言え、部は悪いが・・・今はまだ良いだろう。すぐに片づけるのも面白くない。)
・・・行け。」
・・・魔物達が先制攻撃を仕掛けようとする。
智春「操緒、もう一回行くぞ!!」
操緒『うん!!』
ワルキューレ「こちらも行きます!!」
・・・智春はもう一度黑鐵を呼び出し、ワルキューレは剣や魔法を使いこなして魔物達を迎え撃つ。
カムーズ「チィッ!!雑魚とは言え使えねぇ・・・!!」
ブラック「そんな事言ってられますかね?『デビルサンダー』!!」
横から、ブラックが電撃を放って攻撃。
カムーズ「どわっ!?・・・テメェ、やりやがったな!!火だるまにしてやる!!」
・・・カムーズは、左腕(下)の方(顔っぽいのが付いてる)から、火炎弾を放って来た。ブラックはそれを軽やかに避ける
ブラック「成程。魔人カムーズ・・・強さは中々ですが、まだ遅いですね。」
カムーズ「何ぃ!?ふざけやがって!!」
・・・殴りかかろうとしたり、ブーメランを投げつけたり、また火炎弾を放ったりで攻撃しまくるカムーズ。
ブラック「安い挑発に乗るところ、煽り耐性が低すぎますね。」
カムーズ「テメェ・・・もう許さねぇ!!さっさと片付けて次はワルキューレだ!!」
エインシャント卿「・・・全く・・・」
・・・エインシャント卿は宙に浮き、レーザーを放ってくる。
智春「飛んだ!?」
黑鐵(操緒)「・・・!!」
神聖防衛隊(バグエネミー)達「・・・」
・・・神聖防衛隊のバグエネミーも、ひたすら銃を撃ったりする。
ワルキューレ「・・・神聖防衛隊、ですか・・・どういったものかはわかりませんが、その者達の力を悪用させるわけにはいきませんね。・・・『分身の術』!!」
・・・分身を繰り出し、それでバグエネミーに斬りかかる。
神聖防衛隊(バグエネミー)達「・・・!!」
カムーズ「オラオラオラオラッ!!」
ブラック「おやおや、俺ちゃんに気を取られていて大丈夫なんでしょうかね?」
カムーズ「ああ?何をーー」
智春「今だ!!黑鐵っ!!」
黑鐵(操緒)「・・・!!!」
・・・隙を付いて、カムーズを黑鐵が殴りつけた。そして、カムーズは壁までぶっ飛んだ。
カムーズ「がはっ・・・!!」
ワルキューレ「ここで終わりにします!!」
カムーズ「ぐっ・・・そういうわけには行かねーんだよっ!!エインシャント卿!!」
エインシャント卿「・・・チッ。」
・・・エインシャント卿はまた謎の穴を作り、カムーズをそこに放り込んだ。
智春「逃げられた・・・!!」
黑鐵(操緒)「・・・」
智春「ああっ、これ以上はダメだ操緒っ!!学校が壊れる!!」
・・・智春は黑鐵を引っ込ませた。
エインシャント卿「・・・この程度でやれるとは流石に思っていなかったが・・・仕方がない。『門』は後回しにするしかないな。」
エインシャント卿もまた、その穴に入ろうとする。
ワルキューレ「!!待ちなさいっ・・・!!」
エインシャント卿「・・・そう言うわけにはいかないのだ。
・・・『悲劇』を全て変えるまでは・・・!!」
智春「・・・!?」
そのまま、エインシャント卿も去ってしまった。
ブラック「・・・撤退していしまいましたか。もうちょっと活躍してみたかったのですがねぇ。」
操緒『・・・それで、変な魔物はもういないっぽいけど・・・これからどうするの?』
智春「うーん・・・エインシャント卿が言ってる事から考えると・・・ワルキューレさんやブラックを除くと、本当に今はこの世界には僕と操緒しかいないって事・・・なんだよね?」
ワルキューレ「・・・」
ワルキューレは、少し考えた後にこう言った。
ワルキューレ「・・・そういう事でしたら、一度神界に来ていただけますか?」
智春「えっ!?」
操緒『でも、そんな簡単に良いの?・・・こっちも色々あるけど』
ワルキューレ「・・・今回の事件・・・やはり、こちらの世界だけの問題ではありません。・・・それに、このまま貴方達を置いてけぼりと言うワケにも行きませんから。」
ブラック「まぁ、当然の発言ですね。」
智春「・・・」
操緒『・・・で、結局ついて行くの?』
智春「・・・色々気になることはあるけど、今はその方が良いかもしれない。・・・生徒会長を放置って訳にもいかないし、また僕の前に出てくるかもしれないからさ。」
操緒『あー、操られてるどうこうで、結構、智春の事を目の敵にしてたしね。』
ブラック「・・・でしたら、ついて行くほかないでしょう。俺ちゃんも、さとしくんたちの行方が気になりますし、それに女神イシターにも挨拶するのも悪くありませんから。」
カメラちゃん「じー!!」
ワルキューレ「・・・決まったようですね。・・・それでは、ついて来てください。・・・私が通った『門』の所に連れて行きます。」
プロローグ4
END
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