二次創作小説(新・総合)
- chapter1 ノエロコリ ( No.28 )
- 日時: 2023/02/09 20:12
- 名前: アルズ (ID: 9s66RooU)
『キーンコーンカーンコーン…』
『希望ヶ峰学園学園長からお知らせいたします!
オマエラ、朝の7時ですよ! 本日も学生の本分を忘れぬよう努めましょう!』
アナウンスが私の夢の微睡から現実へと引き戻した。
昨日の惨事から私たちは現実逃避をするが如く、みんなと交流するわけもなく自室にこもった。
恐らく、唯一外に出てウロウロしていたのは豊馬さんだけだろう。
あの子だけ、あの『動機』にびっくりしていなかったのだから。
「あの子はどんな動機を与えられたのかなぁ…」
ぼそりと呟く声に応える者はいない。
何故なら私自身の個室なのだから。
『キーンコーンカーンコーン…』
「…え?」
二度目のチャイムが鳴った。
それが何を意味するかはわからなかった。
が、それはいとも簡単に知ることになった。
『死体が発見されました。
一定時間の捜査時間を行った後、学級裁判を行います。』
死体…?
どういうこと…?
私はマフラーを掴み、首に巻きながら外へと出た。
「わわっ、みんな…!」
私と同じ朝の習慣の人たちの他に朝遅い子たちが扉から出て、慌てたようにキョロキョロと周りを見渡したり、私の声を聴いて反応する人がいたりした。
「今の…!」
「…ああ。言葉通りだろ。」
「し、死体ってどこで…?!」
「わからない…。とりあえず…」
と、言葉を紡いだところで
「みんな!」
柚月君が食堂のある場所から走ってきた。
「食堂に…来てほしいんだ…。」
言われるがまま足を食堂に向かわせる。
この先は血生臭い結末があったとしても…。
見なければいけないんだ…。
「ぅぁ…。」
誰かの嗚咽が聞こえた気がする。
食堂に、私たちが到着すれば、現場が発見時と同じ状態で残されていた。
そこには、
そこには…
レイラさんが、食堂のテーブルに血を吐き、苦悶の表情を浮かべて倒れ伏していた…。
「うぷぷ…うぷぷぷぷぷぷぷ!
ついに、始まりましたね! 骨折って動機を準備したかいがありましたよ!」
「…おまえが、やったんじゃないのか?」
「やってませんよ。
オシオキと、校則違反以外で僕が手を出すことはありません。
なので、これは正真正銘…オマエラの誰かが殺したんだ。」
「ウソ…よ。」
「噓じゃないよ。本当だよ。
さて、ここらで一つ、説明をば。」
何の説明だろうか…。
そうやってそわそわ待っていると、モノクマはそれを踏まえてか、こほんと咳払いをした。
「まず、この後『学級裁判』というのを行います。
今回の議題は『レイラさんを殺した犯人は誰か』についてです。
学級裁判では殺人を犯した人間を『クロ』。それ以外を『シロ』と表します。
この二陣営が対決を行い、最終的には全員で投票を行います。」
「投票…。」
「はい。
ここでオマエラの多数決で正解が選ばれます。
もしここで犯人…つまり『クロ』を当てれた場合、秩序を乱した『クロ』だけがオシオキされますので、みなさんは安心してこの学園生活を送ってください。」
「…お、オシオキって?
さっきも言ってたよな…?」
その問いに待ってましたと言わんばかりにモノクマはにやりと笑った。
そして、口を開く。
「処刑の事です。ショ・ケ・イ。」
「あっ内容は色々あるよ。
生きたまま火葬とか、激流にほっぽりだして溺死させるとか。
本当、種類様々!皆さん楽しみにしてくださいね!」
生命の冒涜を感じる。
私は思わず吐き気を催して口を押えた。
隣にいた柚月君がそんな様子を見てか、背中をさすってくれた。
多分、それをされると吐く。多分ね。
「ちなみに前言った通り『クロ』は当てられなかったら外に出られる。逆に当てられたら『クロ』はオシオキされますので、頑張って嘘や証拠隠滅頑張ってくださいね。
そうそう、これ渡しておきますね!『ザ・モノクマファイル』~~~~~~!!!
では!皆さんご武運を!」
そう言ってモノクマは消えていった。
私は手元に残されたモノクマファイルと呼ばれるものを覗いて見ることにした。