二次創作小説(新・総合)

Re: 冬大会8位【改訂版】プリキュアオールスターズ!if物 ( No.16 )
日時: 2018/03/26 16:17
名前: 広村 伊智子 (ID: VUcOU5GL)

アイリ



「ママ、」
「何?」
 暫く思案顔のアイリだったが、
「私、ちゃんとやるから・・・・だから、今度・・・・」
にっこり笑って、右手の小指を差し出した。
「久しぶりに、美味しいオムライス作って欲しいな!」
 マナは頷いて、自分の小指と娘の小指とを絡めた。
「・・・・モチのロンだよ!」

 そして、風の吹く音がすると同時に、二人の小指は引き離されていった。

「・・・・」
 アイリは、口を固く結んでうつむいた。

 __『今度』って、いったいいつなんだろうね・・・・。


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はな(愛乃)



 はなは唐突なお願いをした。
「ママ!ラブリービームの出し方教えて!」
「いいよ、まだ時間はあるし・・・・」
 __はな、プリキュアに憧れてるもんね__そう言おうとしたら、
「それが、あんまり時間がないんだな・・・・。君だけって訳にも行かないんだよ」
大友が悲しそうな顔をしてめぐみの言葉を遮った。

「そんな・・・・大友さん、どうしても?」

 はなは、めぐみと大友の間に漂う雰囲気を感じ取り、それをいぶかしんだ。
 __まるで、知り合いみたいな・・・・でもまさか・・・・

「うん、どうしても・・・・」
 大友はさらに表情を暗くした。

「ママ!」
 はなは、少し焦ったような表情を浮かべた後、さっきのお願いを訂正しようとした。
「ラブリービームはいいから、」

 と、はなが言いかけた時、めぐみは穴の中に吸い込まれかけた。
 めぐみは、娘のお願いは最後まで聞かなくてはと、近くの桜の幹を掴もうと手を伸ばす。しかし、もう遅かった。

 はなは、全身の力が抜けたようにその場にへたり込むと、いつもとは違う、か細い声で呟いた。
「いいから、だから・・・・」
 はなの目に涙が溜まる。
「一緒に・・・・」
 はなは、底なし沼のような闇色の穴に向かって、何かを求めるように手を伸ばした。
「一緒・・・・に・・・・!」


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(次回、その5(悪夢シリーズラスト))