二次創作小説(新・総合)

Re: 新章開始【改訂版】プリキュアオールスターズ!if物 ( No.27 )
日時: 2018/04/11 19:21
名前: 広村伊智子 (ID: VUcOU5GL)

言い忘れてたけど、オールスターズは進級してるよ。
そして、伊智子も進級したからまた亀更新なるよ。
ふたばは実年齢成長だから、今小1だよ。

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2話
『笑顔いっぱい!キュアファニー誕生!』



 それは、えりかが4歳の頃のこと。
 えりかには、3才の従姉妹いとこがいた。

 彼女の名前は、『来海せとか』。

 彼女は、ショートカットの後ろ髪より20センチ長い横髪を風になびかせ、いたずらをしたらしい、えりかを追いかけている。
「えりかぁぁぁ、ちょっとまてぇぇぇぇぇ!」
「いやだぁ!」
 すると、怒り顔だったせとかの表情が、暗く沈む。
「・・・・このままあえなくなってもくいはのこらないのかよ?せっかく、わたし、えりかのにがおえをプレゼントしたかったのに」
 その言葉に、えりかは、はたと立ち止まる。
「あたしはただ・・・・かわいいイラストをもっとかわいくしようとおもったのに」

 せとかは、えりかの、お節介ながらも隠れた思いやりに気づき、辛そうな顔をして、
「ごめん・・・・さいごのさいごで、わたしはえりかを・・・・!」
走り去っていった。

 何日経っても、せとかは帰って来なかった。

 しかし、それをえりかが気にする事はなかった。
 なぜなら、記憶が強制消去されたからだ。


 __希望が花・ファッションショップ『フェアリードロップ』の一室__
「・・・・変な夢。あたしには、従姉妹なんて居ないのに・・・・」
 青いウェーブのかかった髪の、中3程の少女は呟いた。


 __あやの家__
「祝!」
「「「「プリキュア覚醒ー!」」」」
 あさ子の掛け声に、さあや、まあや、あさ子、政直は、あやのプリキュア覚醒を祝った。
「ありがとうー!」
 前述の通り、あやの家系は、代々プリキュアなので、覚醒を報告するのは当然という考えから、あやは家族にばらしたのだろう。
「あや・・・・こんなにも立派になって・・・・!」
「「パパさん!?」」
「ごめん、あたしのパパ、普段はキリッとしてるんだけど、どうも涙もろくって」
 報告を聞いて感激している政直に驚くさあやとまあやに、あやは苦笑しながら説明した。

 祝賀会が終わった後、さあやはこんな提案をした。
「最近話題の、ファッションショップ『フェアリードロップ』が、希望が花ってとこにあるらしくて、これから行きたいんだけど、あや、まあや、来るか?」
「いいよ!あ、希望が花といえば植物園でも有名なんだけど、そっちにも寄っていい?」
「もちろん!じゃ、先にそっちよってくか!で、まあやは?」
「すみません、私、日本科学未来館ってとこに行く予定で・・・・」
 申し訳なさそうに誤るまあやに、さあやは、いいよいいよと手を振った。
「ルゥたんは?」
「お留守番するルゥ」
「分かった。」


 __南深心みなみみこ駅・改札口前__
「行き先が違うからここで分かれるね!」
「じゃ、まあやも楽しんで来いよ!」
「はい!ふたりも楽しんできてください!」
 そして、あや、さあやは2番乗り場に、まあやは5番乗り場に向かった。


 __かみ希望きぼうはな駅前
「「つーいたー!」」
 ふたりは両手を挙げて叫んだ。その行為による周囲の視線も気になるが、ふたりはかまわず進む。
「ここを登るんだよね?」
「あぁ。でも・・・・」
「「めんどい ね/な」」
 そう、こんなときは・・・・
「「リアルイメージ・リアルイメージ!変速ギアつき自転車!」」
 リアルイメージに限る!(ちょっとせこい。)

「ぉぉぉおおおおおお!!」
「いーそーげーーーー!!」
 前者はあや、後者はさあや。そして、さすが変速ギア。あっという間に植物園に到着した。

「すごいねー!」
「どの館からみようか?」
「あの、よろしければ案内しましょうか?」
 そう言って、ふたりに声をかけたのは、濃い赤紫の、ツーサイドテールの少女だった。あやよりもちょっと年上に見えるため、中3だろうか。
「あ、私、花咲はなさきつぼみです。ここの園長の孫なので、少しはお役に立てるかと・・・・」
「「是非!」」
「んぇ!?・・・・は、はいっ!」
 ふたりに気圧けおされるつぼみの前に、いいタイミングで、青いウェーブのかかった髪の、中3程の少女が現れた。
「どしたの、つぼみ?」
「えりか!お客さんが来たんですけど、結構パワフルで・・・・」
 この少女は、えりか、というらしい。
「じゃ、今暇だし、つきあうよ!」
「えりかー!ありがとうございます!」

 えりかは、あやとさあやに向き合うと、
「あたし、来海くるみえりか!よろしくっしゅ!」
「「はい!」」


 __しばらく後__
「「ありがとうございました!」」
「お役に立ててよかったです!」
「どういたしましてー!」
 と、一通りのやり取りがあってから、さあやとあやは言った。
「じゃ、次はフェアリードロップだな!」
「だね!」
 そこに、えりかが、ずずぃっと寄ってくる。
「今、『フェアリードロップ』って言いましたぁ!?」
「えりか、それ、みらいさんのセリフ・・・・」
 えりかにはつぼみの声は聞こえていない。
「そこ、あたしんち!」
「「ええええええええええええ!?」」

 ・・・・ということで、『ふたば』という子の宿題を見ないといけないから、と言うつぼみと別れ、えりかに案内されて、あや、さあやは、えりかの家へと向かう。
 その道中で、あやが、
「あ、桜!きれい!」
「でしょ?今年は、3月下旬なのに満開になったりして、はやいよねぇ」
 すると、えりかは思いついたように、
「この町の桜の名所知ってるんだけど、あたしんち寄る前に、行く?」
「「はい!」」

 と、寄り道、脇道、回り道。(しかしそれらも全て道!・・・・れいかさぁぁん!)高台に向かう道中のことだった。
「お前が小野あやか」
 焦茶の道着に、短めのポニテ、赤い目と髪、高身長で、キリッとした青年が、宙に浮いている。
「! こいつって・・・・」
「うん、この前の、バーチャルイメージャー連合とかいう組織の、赤い女の子の仲間だと思う」
「そうだ。俺はアングリ。この前のあいつは、サッドだ。」
 突然のことに、えりかは戸惑っているようだ。
「え、え!?ばぁちゃるいめぇじゃぁれんごう!?・・・・まさか、あやって・・・・!あーもう!何でこんなときに限ってコフレがいないのよー!」

 あやは、
「さあや、えりかさん、さがってて!」
と、鋭く言った。

「リアルイメージ・リアルイメージ!あたしはプリキュア!」
 (少女変身中)
「心を開いて!キュアマインド!」

 さあやは、
「すげぇ・・・・!」
と、えりかは、
「今度の後輩か・・・・」
と言った。

「ケンオー、しょーうかんっ!」
「ケケケケ!」
 ケンオーが召還された。
「でりゃぁぁぁぁぁ!!」
 早速マインドは、パンチラッシュを仕掛ける。
「ケケ・・・・」
 ケンオーはまあまあ弱っているようだ。
「よし、このまま」
「仲間は放っておいていいのか?」
「な・・・・!」
 見ると、さあやとえりかの前には、もう一体召還されていて、ふたりに襲い掛かろうとしていた。

 さあやは、ビーム銃で攻撃し、何とかケンオーに反撃の隙を与えないようにして、えりかとじぶんを守っていた。
「リアルイメージ・リアルイメージ!ビーム銃!」
 __バシュゥン!
「すごい・・・・」
 しかし、銃にも限界は来る。強力な銃はリアイメに機能制限がかかっているため、この銃は元々、少しちゃっちいのだ。
「くっ・・・・!」
 さあやは銃を投げ捨てながら、えりかをかばうように立った。
「何やってんの、危ないよ!ここはあたしが何とかするから、さあやは逃げて!」
「何とかって、どうするんですか?」
「それは・・・・」
「親切にして貰ったのに、恩をあだで返して逃げられるわけないだろ!!」
「! ・・・・」
「これは、私たち小野家が解決しなきゃいけない問題なんです。そこに、えりかさんたちは巻き込まれちゃいけない。この場に残るなら、私も一緒です!」

 えりかは、さあやの気迫に押されつつも、でも、と反論した。
「これがあんたたちだけの問題だとしたら、余計あたしって邪魔じゃない。それに、あたしを守る義務なんてないんだから、別にそんな・・・・」
「違います」
 えりかは、虚を突かれたように、目を丸くした。
「私は、『守りたい』んです。これは、私のわがままなんです。」
 さあやは、えりかに微笑みかけながら言った。
「自分勝手ですみません。なんて言ったらいいのかな、えりかさんには、初対面なのに、つい親しみを感じてしまって・・・・」
 えりかは黙ったままだ。
「だから・・・・」
 さあやは、アングリとケンオーを睨みつけながら叫んだ。
「どっからでもかかって来い!えりかさんは、この私が、なにがなんでも絶対に守る!!」

 刹那、さあやは、まばゆい光に包まれた。
 そして、無意識の内に、こう言っていた。
「・・・・『To Be Pretty Cure』機能制限解除イタシマス」

 光が収まると、さあやは、えりかに言った。
「・・・・任せてください!」


「リアルイメージ・リアルイメージ!」
 光の粒子がさあやの周りに浮いた。
「私はプリキュア!」

 さあやの横髪が、15センチほど伸びる。但し、ツインテールにはめている、金色のリングはそのまんま。
 ハトプリのものを20センチ長くしたような、花弁をイメージした青いスカートをはく。
 そして、ハート型のブローチと、その下に、涙型のブローチが出現する。

 そしてさあやは、メルヘンチックなドアを開けると、その先の落とし穴に落ちていく。

 さあやは、落ちる途中に風に煽られ画面外にはみ出すも、側転でカムバックし、なんとか誤魔化す。
 てれ顔のさあや。
 下から照らす光を浴びて、キリッとした顔になる。

 そして・・・・
「笑顔いっぱい!」
 さあや・・・・いや、新たなる戦士は、バシッとボーズを決めた。
「キュアファニー!」
 ここに、また一つ、伝説が生まれた。


「わぁ・・・・」
 えりかは、さあやが変身していくさまを見て、思わず声をあげた。思えば、人の変身をじっくり見たことなど、ほとんどない。
「キュア・・・・ファニー?」
 2体のケンオーに苦戦していたマインドも、目を見張った。
「・・・・フン」
 アングリは、つまらなさそうに鼻を鳴らした。

 ファニーは、どうやら、力押しのマインドとは異なり、ビーム系統が得意なようだ。
「リアルイメージ・リアルイメージ!」
 ファニーの手に、青いロッドが握られた。
「トゥルースロッド!」
 ファニーは、たぁぁぁ!と、ケンオーに攻撃をする。
「ファニー!ありがとう!」
「いやいや、マインドも、私たちを守ってくれてありがとな」

 一段落したところで彼女は、それを縦に持ち、願いをこめるような仕草をする。
「プリキュア・・・・」
 右足をゆっくり後ろに下げる。
「ファニアー・・・・」
 ロッドの先端部に、虹色のエネルギーがたまる。
「アトモスフィアぁぁぁぁぁぁ!!」

 ケンオーは、見事に2体とも抹殺された。
 だが、ここで終わりではなかった。
「敵が増えて面白くないからな。お前らの体力がどこまで続くか、実験開始だ。」
「「「ケケケケ!」」」
「「嘘ぉ!?」」
 一気に、3体も出されてしまった。
「何なの、あのアングリって人!」
「ドSじゃねぇのか?」
 二人はげんなりしている。

 その時だった。
「「「えりかー!」」」
 向こうから、3人・・・・いや、1人と2匹が駆け寄ってきたのだ。
「つぼみ!シプレ!コフレ!」
 先ほどの、植物園の園長の孫であるつぼみが、ぜぇぜぇ言いながら、えりかの前で止まった。
「つ、つかれたぁぁ・・・・」
 つぼみは、そう独り言を言う。どうやらこの娘、独り言などは中性口調になるらしい。
「あれ?・・・・つぼみ、いつきとゆりさんは?」
「何言ってるんですか、いつきは明堂院流の門下生と合宿、ゆりさんはお母さんと京都に旅行、だったじゃないですか」
「あ、そっか・・・・」
 そっか、じゃないです、と、つぼみは不服そうだったが、
「えりか、いきますよ!」
「やるっしゅ!」
 ・・・・とそのまえに、えりかは、ファニーに向かって、
「先輩の実力、しっかり目に焼き付けておいてよ?」
と、ニカッと笑いながら言った。


 つぼみとえりかは、ココロパフュームを振りながら、腕を交差させる。パフュームはスライドされ、何かをはめる部分があらわになる。
 つぼみとえりかは、いつの間にか、ノンスリーブの薄手のワンピースに身を包まれていて、くるくると回転しなながら徐々に近づいていき、おでこがくっつきそうな距離で向かい合わせになり、パフュームを持って、祈るような仕草をした。
 すると、二人の胸の辺りから光が溢れた。二人は、今度は背中合わせになる。二人の胸から。ピンポン玉サイズの光の粒が一つ飛び出すと、上空に居た妖精__シプレとコフレ__の胸のハートのブローチに収まった。
 シプレとコフレは、ちょっと幸せそうな表情で、
「「プリキュアの種、行くですっ/ですぅ」」
と言うと、さっきのブローチから、小さな丸いもの__プリキュアの種__が飛び出し、つぼみとえりかは、それを二本の指で挟んだ。
「「プリキュア!」」
 二人は、パフュームを再び構えると、
「「オープンマイハート!」」
プリキュアの種を、パフュームにセットした。

 二人は、シュッシュッと光水こうすいをかけあうと、徐々に衣装が変わっていく。時には相手にもかけたりする。
 つぼみがえりかのうでをとって、慌てるえりかをよそに、ノリノリで振り回すことなんかもあったが、回転するうちに、服に飾りがついたり、靴が装着されたりする。

 つぼみの髪は、だんだん鮮やかなピンク色のツイストポニーテールに変わっていき、えりかの髪も、鮮やかなスカイブルーになり、二股に分かれ、さらにウェーブのかかった、もっと長い髪になる。

 最後に、髪飾り、イヤリング、パフュームキャリーの3つが装着され、一旦バシッとポーズを決める。

「大地に咲く一輪の花!」
 つぼみだった戦士は、自分を指差しているかのようなポーズをして・・・・
「キュアブロッサム!」

「海風にゆれる一輪の花!」
 えりかだった戦士は、手を前に突き出して・・・・
「キュアマリン!」

 そして・・・・
「「ハートキャッチプリキュア!!」」


「かっこいーっ!」
「すごい・・・・」
 あやは興奮し、さあやは紅潮しながら、二人の勇姿を眺めていた。
「いいえ、これからです!」
「じゃ、3体まとめてやろう!」


 二人は、それぞれ、ブロッサムタクト、マリンタクトを召還する。
「「集まれ、花のパワー!」」
 ブロッサム、マリンは、それぞれタクトを構える。
「ブロッサムタクト!」
「マリンタクト!」

「ハッ!」
 二人は、タクトのドーム部分を回す。光が先端に集まる。
「「集まれ、二つの花の力よ!」」
 二人は、横に並んで、一つずつ、フォルテの字を書きながら、
「「プリキュア!フローラルパワー・・・・フォルテッシモぉぉぉぉ!!」」

 二人は、ケンオー3体の胸に飛び込んでいき、ぶちぬく。
「「ハートキャッチ!」」
 爆発音とともに、怪物は消し飛んだ。


「・・・・チッ」
 さすがに不利だと思ったのか、アングリは帰っていった。

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【次回予告】

ごめん、時間がない。BY伊智子

『どうして!?まあや、変身失敗!』
次回も、よろしくお願いします。


・・・・え?6195文字!?