二次創作小説(新・総合)
- プロローグ2 ( No.4 )
- 日時: 2023/03/17 23:02
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: wXN0Dq0s)
……プロローグから3か月後……
《ウルトラワールド:バトリオシティ》
……人間も人外生物も、大した問題も無く、交流を深めながら暮らすことが出来ている世界。異世界の住人も多く住んでおり、数え切れないほどの生物が、元から住み着いてもいる。
そう言った、『クロスオーバー』で形成された世界の1つがこの『ウルトラワールド』。
……そこにある、様々な技術が集っている大きな町『バトリオシティ』。『この地帯』におけるクロスオーバーの中枢と言っても過言では無い。
そして、その町に存在する大通り。名を『ビルダーストリート』。
活気のあふれた多数の商店や、ゲームセンター、映画館等と徹底的に揃っており、しかも住宅街が出来上がっている。
また、『スマブラ屋敷』などと呼ばれる施設は、4階建てで、200もある部屋の広さは平均20畳。庭も結構広いという。
……ということで、その『スマブラ屋敷』の一室にて。
大地「……さて、ちょうど昼飯が出来たわけだし、この際食べてけよ。」
阿求「……」
……祷大地は、先程作ったばかりのラーメン(飲み物で野菜ジュース)を、稗田阿求に振る舞う。
阿求「……」
大地「んあ?どした?具合でも悪いのか「いやそうじゃなくて!!」
若干睨み気味な表情をしていた阿求だが、大地に対してツッコミをした。
阿求「一体全体何で私を異世界に何度も連れて行くのよ!?3日に一度くらいの頻度でさりげなくここに連れて来て!これ言うのも今日で20回目じゃないの!!」
大地「そしてこのくだりも20回目。んで夜になったら意外と充実した表情で帰ってるじゃないか。」
阿求「いや、そ、それは……否定しないけど!様々な技術を組み合わせたこの世界の文化がとても新鮮に感じるのは事実だけど!」
……どうやら阿求、何故か何度もウルトラワールドに連れて行かれているようで、毎回このくだりらしい。
阿求「というか大地、貴方も分かっているでしょう!?八雲紫がこの件に関してまだ納得してないのが!!」
大地「いやだから何」
阿求の発言に対して無関心気味な大地だが、
阿求「だからも何も!阿礼乙女である私を何のためらいもなく連れて行くもんだから人里内の不満や不安が募ってるんだってば!
幻想郷は絶妙なバランスで保たれてるって何度も言ったじゃない!!そもそもあんまり混乱を招かれるようなことされると結構良くないの!!」
まあ分からなくもない論理なのだが、大地は興味ない……というか面倒臭そうな表情を浮かべている。
大地「いや良くないも何も。許可を得てるんだし、別に困るわけでも怒られるわけでもないだろ。」
阿求「困るし怒られるから!!特にうちの使用人が!!
ていうか、貴方が言ってる許可って、正確にはうちのお屋敷の机に『本日も連れてきます』って書いたメモ紙を添えてるだけで、許可じゃないわよね!?ほとんど誘拐よね!?」
大地「そう言ってもなぁ、俺に文句言ったって意味を成さねぇよ。
俺も元々『時空融合現象』関係の異変に巻き込まれた身だし、手伝ってるのも、それを理由に半ば強引に作者に付き合わされてるに近いんだよ。」
阿求「うぅ……」
……『作者』と言うのは、ウルトラワールドの管理者に当たる人物。幻想郷で言うならば、八雲紫や摩多羅隠岐奈のような立ち位置だが、作者本人が調査に出向くことが多いのが、賢者や幻想郷の各勢力との相違点か。
異世界同士の交流や共闘等の『クロスオーバー』の類が好きなようで、すでにいくつかの世界とは友好関係や協力関係を結んでいる。
阿求が何故かウルトラワールドに連れて行かれるのも、8割がその『作者』の独断らしい。
最近深刻になりつつある、異なる世界同士が融合する『時空融合現象』を、(趣味に没頭しつつ)徹底的に調べているしい。
幻想郷も3か月前に、時空融合現象に巻き込まれたため、この状況も、元をたどるとそれが始まり。
……祷大地という人物は、幻想郷と融合しそうになった方の世界の住人らしい。
『MZD』という、少年の姿をした神様が、(別世界のも含めて)個性的な住民達を毎年、ポップンパーティーなる音楽の宴を開催している『ポップンワールド』。
『作者』は、MZDと前から関りがあったようで、3か月前の時空融合現象の際、抗争が起きることも無く短期間で対応できたのもそのお陰だという。
阿求「……大体、あの『作者』という青年は何がしたいのよ。最近は幻想郷の各勢力とコンタクトを取っているし。」
大地「まあそれに関しては、十中八九協力関係や友好関係を結びたいんだろうな。
『クロスオーバー』好きなアイツにとっちゃ、いい機会だし、あと、月の民だとかの行動も抑えておきたいんだろ。」
阿求「……」
……この3か月で、『作者』は、幻想郷の各勢力と友好関係や協力関係を得ようとしていた(ただし『あくまでもどうするかはやりたいようにやってくれ』とのこと)。
おそらく、時空融合現象等の、世界の垣根を越えて発生する異変の解決や、異世界同士の交流が理由だろう。
興味が湧いたのか、紅魔館陣営はウルトラワールド陣営との友好関係を条件付きで許諾。
永遠亭陣営に関しては、月人(月の都に住んでいる種族)が、時空融合現象の影響を若干受けていたことを聞きいた後、協力関係を得ることにしたらしい。
他の勢力はどうかと言えば、
摩多羅隠岐奈は、MZDと話の反りが合ったのか協力関係になり、
守矢神社は信仰を増やすことを主な理由に協力関係と友好関係を結び、
白玉楼や命蓮寺、神霊廟は仲介の立場に(二ツ岩マミゾウは例外)、
古道具屋の『香霖堂』の店主や霧雨魔理沙は、異世界の道具や技術等につられて友好関係を得て、
天狗や河童などの妖怪の山の勢力や、博麗霊夢や、茨木華扇、閻魔である四季映姫はとりあえず納得して、
八雲紫や上白沢慧音は(勝手に阿求を連れて行くのも相まって)全く納得しておらず、
鬼である伊吹萃香(更にその伝で同じ鬼である星熊勇儀)や妖精、幻想郷各地に住んでいる一部の妖怪達は異世界の住人と仲良くなっていて、
旧都や地霊殿とは現在コンタクトを取っている最中(手間がかかっているらしい)。
……ということで……まぁ、結果的に幻想郷も変わりつつあるのだ。
阿求「……だとしても、何で私をこの世界に何度も連れて行くのよ。実際、この世界が面白い事は否定しないけど……」
大地「俺も明確な理由は知らん。だが……なんだかんだで、お前や、小鈴とかいうお前のダチにちょいと興味があるのは作者も俺も同じさ。
……どっちにしろ、巻き込まれた以上は幻想郷だけの問題でもないだろ。根本的解決の繋がる手がかりが微塵もつかめていない以上、手当たり次第に人脈を作るしかないさ。」
阿求「……そう言うものなのかしら……?」
大地「今考えても明確な答えは出ねぇだろ。てか、冷める前にそろそろラーメン食えよ。」
阿求「い、言われなくたって、そのつもりよ。」
……阿求は箸を手に取り、ラーメンを食べた。その時、インターホンが鳴った。
大地「んあ?この時に誰だ……?」
大地が扉を開けると、四角い体つきの男が。
スティーブ「……」
大地「ああ、『スティーブ』か。これまた突然何の用だ?」
……『スティーブ』と言う、年齢も全く分からないこの人物。『マインクラフト』と呼ばれる世界の住人なのだが、経緯は今の所よく分からないが、大地の事を慕っているらしい。
スティーブ「……」
早速、スティーブは何かを大地に渡す。
大地「え、作者が?つか、これって……」
スティーブ「(説明中……」
大地「……こいつを阿求に?どういう風の吹き回し何だか……ま、この際だし渡しておくか。……あ、そういや最近新しく発売した双六を買ったんだが、一緒にやるか?」
スティーブ「……(頷く」
阿求「……?何の話してたの?」
大地「作者がお前にこれを渡したかったらしい。」
阿求「え、今度は何よもう…………んん?」
……包帯に巻かれ包まれている、22センチメートルほどの、それなりに細い物体。
早速包帯を取ってみたのだが……
阿求「……(・-・)」
……それは、筒っぽい形をしていて、その鞘を抜き取ってみれば出て来たのは、鋭い乱刃……ハッキリ言えば『短刀』だった。
阿求「……えっと、これって……」
大地「短刀。」
阿求「いやそれは見ればわかるわよ!!そういう事じゃなくて、何で私への届け物が刀なのよ?それにこれ、どこから持って来て……」
大地「さぁな。スティーブの方も、作者にお前に届けるよう頼まれただけらしいし。
刀そのものに関してはまあ……大方、作者が滅んだ並行世界から調達したんだろ。この世界、銃刀法違反はかなりグダグダだが、それらの仕入れ先ってなるとほとんど異世界だからな。」
阿求「並行世界……」
……この世界に似ている別の世界、少しの可能性や分岐で変化した未来……言うとすれば並行世界。
その中で、(『主人公が負ける』、『世界が悪の組織に支配される』等と言った可能性、あるいは別世界の介入などの原因によって)滅亡した並行世界で放流・放置されている遺品や遺産を『作者』は回収している。
……いや、並行世界の遺品回収は、この世界だと職の1つらしい。多少の訓練をした上で、専用の許可書を得ていればある程度できるとのこと。
(大地曰く、密漁者が続出したため、『作者』と『ボルシャック』と言う人物(?)がこの制度を決めたらしい。)
阿求「だとしてもアイツ、一体何を考えてるの?聞こうとして毎回出し抜かれるからこうなったらすぐに問い詰めてやるわ!!それで作者は今どこにーー」
スティーブ「……(大地に耳打ちする」
大地「あー、アンダーナイトインヴァースをやってみたいって言ってゲームセンターに行ったから今はいないって。」
阿求「ちっくしょうがぁっ!!!」
大地「……阿求のやつ、何か段々口調とか荒っぽくなってんなぁ」
スティーブ「(首を縦に振る」
阿求「いや少なくとも6割以上はそっちのせいでしょうがっ!!?双六取り出しながら興味無さそうに言わないでよ!!?」
大地「双六やる?」
阿求「それはやる受けて立つ!!」
……とりあえず、阿求がまあまあ振り回されてる事なら良く分かったわけだが。『作者』が阿求に送った、乱刃の短刀……これは……
……飛んで翌日。
《幻想郷:稗田邸》
阿求「んー……」
……意外と快眠出来ていた阿求。布団から起き上がって、襖を開けて日の光を浴びる。
阿求「あれこれ言ったけど、結局昨日も充実しちゃったわね……
そういえば、その時受け取ったあの刀……何で私に送りつけたのかしら。何か特別な力があるようには見えなかったし……
とりあえず、後で刀について調べてみようかしら。歴史的な遺産って可能性もあり得るしーー」
……昨日受け取った短刀を閉まっていた棚の方に行こうとした時……
目の前にいたのは、ストロベリーのロングヘアの、身長は阿求よりは若干低めの、スカイブルーの瞳の人物。服装は軍服と思われる黒いフリル付きワンピース。
阿求「……ん?(目をこする)……んん?」
……その人物は、阿求に向かってーー
「おっはようございます、あるじさんっ♪」
阿求「(・-・)」
「……(微笑む」
阿求「・・・。
なあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!??」
……『ウルトラワールドでの日常Reboot』……ここから、本格的に(?)スタートです!!
プロローグ
終演。
……続く。