二次創作小説(新・総合)
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.1 )
- 日時: 2023/06/06 08:32
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第1話「意外な訪ね人」
【ランカークス村 武器屋】
ドシンっ
「……。頼まれた依頼の奴は、こんなもんか…」
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もしだけどよ、あの時…アバン先生が立ち寄ってなかったら…おれは武器屋の息子として、毎日の様に忙しくしていたかもな。
そして何年か振りに帰って来た時なんてよ、いきなり親父にすっげぇ殴られたわ。
その頃に比べたら、今の方がまだ安心な気がするよ。
なあダイ……、おれはお前を信じているぜ。
お前の捜索を、ある神様が依頼してくれたんだよ。
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「ポップさん!」
「な……、何だよニカ! そんな大声出して…」
「いいから。後は私が代わりに店番するから、あなたは家に帰って!!」
「あっ……。ああ、後は頼んだぞニカ!」
「ええっ!!」
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ったくニカの奴、いきなり家に帰れって何なんだよ。
一大事って感じでもねーが、心配なのは放って置けないな。
慌てて家に帰ると、キッチンから楽しい会話が聞こえて来たんだ。
親父の相棒・ワンパチに導かれ、そこに向かうと……顔見知りの仲間が2人いたんだ。
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「あ、ポップお兄ちゃん!」
「子リンに息吹リンク、何でお前らがこの村にいるんだよ?」
「ちょっと。いきなりソレを聞くの? 折角この村の様子見がてら、僕たち2人がわざわざ君に会いに来たのに失礼しちゃうなぁ…」
「ほんとほんと、もし兄ちゃんがこの事を察してたら…爆弾の刑にされるとこだよ!」
「確かに。君の言う通り…時君ならそれを、今すぐ実行しそうだ…」
「でしょ? 兄ちゃん、相変わらずボクに対してはかなり重度のアレだから…」
「あ〜、アレだね…(汗)」
「あはは。悪ィ悪ィ……」
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全くニカの馬鹿野郎、おめーが急いで帰れって言うから勢いよく走っちまったじゃねーか。
怒りをアイツにぶつけかけたが、背後からマルタンとチュチュが見事にシンクロしやがる。
その合図は多分、この計画その物がアイツなりの作戦だと言う事だ。
仕方ねーな、今回ばかりはお前たち2人に免じて様子見しといてやるよ!
そしてニカ、こういう『大事なこと』は俺に前もって言っとけよな!!
2話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.2 )
- 日時: 2023/06/06 21:13
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第2話「恋柱と鬼の少女と武闘家」
【甘露寺邸】
「…………………」
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あれから、私はどうしていたの…?
あの日、レオナから捜索の依頼を受けて…私はクロコダイン 水柱の人と捜索していた。
だけど、それらに関する手がかりが掴めなくて…捜索中に倒れてしまった。
その私を抱えてくれた大きな手は、クロコダイン本人である。
そうか……、私はその間……丸一日眠っていたのね…。
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「あっ! 目を覚ました」
「善逸…それに無一郎……、此処は?」
「気付いてない? 君は小さな勇者を探している時に、倒れてしまったんだ」
「うん。第1発見者のワニっぽい大男がね、「頼む。マァムは大切な仲間なんだ!」て言ってたんだよ」
「………。ワニっぽいって……」
「こ〜ら。折角意識を取り戻した女の子に対して、その言い方はすっごく失礼だよ!!」
『……………。ごめんなさい………(汗)』
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そっか…、私は倒れていたのね…。
私が眠っている間、他の人が私を介抱していたとすると…お礼はその人に伝えるべき。
様々な蝶を操る蟲柱、名前は確か…胡蝶しのぶさん。
レオナと似たような性格の人だけど、彼女自身の中では…ある感情を抑えている。
それは……、怒りの感情だわ……。
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ひょこっ
「む〜……」
「あ、禰󠄀豆子ちゃんもマァムちゃんが心配で来てくれたの?」
「む〜、む〜♪」
「……。この女の子、初対面の私が撫でたら駄目かしら…?」
「大丈夫。炭治郎君が言ってたの、禰󠄀豆子ちゃんはね……初めて見る人を見ても、自分の家族同然だと思っているからって」
「……。そう……、炭治郎が………」
「うん。だから何も怖くないよマァムちゃん、私も禰󠄀豆子ちゃんの頭を撫でた事あるけど。全然大丈夫だったよ♪」
「む〜♪♪」
「そっ……、そう……(汗)」
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よく見ると、辺りはすっかり暗くなっているわね。
確かこういう時に限って、鬼が出没する可能性があるってレオナから聞いた事があったのを思い出したわ。
各柱邸には何人かの凄腕がいて、殺意を悟ったら…いつでも行動出来るように待機している。
今私がいる甘露寺邸には、離れの所に2人のガードが付いているわ。
さっきまで大人しかった禰󠄀豆子が突然、何かを察し始めたの。
私にも感じるわ……、数体…? いえ。それ以上の物凄い殺気をかなり感じるわ!!
3話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.3 )
- 日時: 2023/06/07 08:05
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第3話「呪われしクロノ、登場」
【産屋敷 居間】
ガラガラっ
「大変だ兄貴、敵襲だ!」
「何っ?!」
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やはり、例の鬼が現れたのか…?
不知火兄弟の話し声を偶然聞いてしまい、俺もすぐに駆け付ける。
すると月明かりと共に現れたのは、赤い髪に白い鉢巻を身に付けている青年だった。
あの姿形は、間違いないぞ…。
初めてあんたにあった時は、こんな姿じゃなかった筈だ…。そうだろ? クロノ!
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「ふっ。自称:元ソルジャーだとか呟く者も、そこにいるとは…何と言う素晴らしい日だ」
「……。聞き間違えたりはしないぞ、ドルマゲス!」
「ほう…。この少年の中にいながらも、私の名を覚えてくれていたとは…」
「どう言うことなんだよ、クラウド!」
「実弥……玄弥、よく聞いてくれ! 目の前にいる変わり果てた姿は、お前たちと少しだけ歳が違う俺やマァムの大切な仲間なんだ!」
「なっ……、何だとっ!!」
「…。何だ、アイツの中の何処かで…。俺たちに助けを求めているぞ……」
「難しい事はよく分からないけど。そのドルマゲスとやらを葬らなければ、あの姿の持ち主を助け出す事は不利って事になるね」
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流石だな無一郎、アンタの推測は正しい。
すると目の前の敵は、不思議な力を使って…この屋敷周辺に姿を現す。
しかし、離れているとはいえ……少し距離がある甘露寺邸にはマァムがいる筈だ。
本当は殺したくはないが、中に道化師がいるなら……仕方ないな。
迷っている時間もなく、例の道化師は杖で攻撃を繰り出して来た。
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「その忌々しい殺意を、この魔法で打ち消してやるよ…デスペル!!」
「…………っ!!! なっ……、何だと………」
「奴が怯んだぞ。今だ、クラウド!!」
「ああっ!」
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確かにこれで決めれるが、油断は禁物だ!
呪われしクロノは通常攻撃だけじゃなく、最強魔法・シャイニングを繰り出す事もある。
本来のアイツの使用武器は、日本刀だ。
それが今……、秘宝の杖という事は……此処へ来る時に何かあっただろうか……。
シャイニングを繰り出すタイミングを見計らい、俺はその背後に回る。
此処で決めさせて貰うぞ、クロノ!!
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「限界を越える……、これが全てだ!」
「くっ………。こ……、こんな……こんな無愛想な下等生物に……私が破れるとは………」
「………。勝った……?」
「……………」
「息はあるな。大丈夫だ、勝ったぞ!」
「………。良かった………」
「そうだ。おい、クロノは無事か?」
「ああ。例の野郎の気配も無くなってるぜ、ひとまずコイツを俺の屋敷で休ませるよ」
「そうか。後は頼んだぞ、実弥」
「おうっ!」
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その後、数分遅れでマァムたちが駆け付けて来た。
奴との闘いで軽いダメージは受けたものの、マァムはその箇所に向けてべホイミを唱える。
そんな彼女に寄り添うように、禰󠄀豆子はマァムのやっている姿をウキウキしながら見ていた。
もし俺の手でクロノを死なせてしまったら、アイツの事をよく理解している幼馴染に俺自身が顔向け出来ないからな……。
4話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.4 )
- 日時: 2023/06/07 23:58
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
続きは明日、描きます。
更新まで、暫くお待ち下さい。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.5 )
- 日時: 2023/06/08 08:15
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第4話「攫われた魔導の娘」
【ランカークス村 ポップの実家】
バァァンっ
「ポップ君! ポップ君はいる?」
「どうしたんだよレオナ、急に来るなり慌てて……」
「何悠長な事を言ってるのよ? あたしの城で保護していたティナが……昨夜、誰かに攫われてしまったのよ!!」
『えっ………』
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嘘だろ……、ティナが攫われちまったのか。
確かパプニカ王国には3人の賢者がいて、レオナは賢者の卵だとバタックの爺さんから聞いた。
つまりティナの力は、レオナや3賢者よりもかなり強い力が秘めている。
いや、秘めているというよりあれは…魔導の力と言うべきだな……。
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「今はカール王国にいるアバン先生にも伝書鳩を使って伝えたから、兵を率いて捜索に当たって貰っているわ」
「……。なあ、レオナ……」
「何? ポップ君」
「ティナを攫った野郎の特徴、分かるか?」
「はっきりは見ていないんだけど…。白い帽子と色違いのタキシードを纏った黒髪の中年男性みたいな感じだったわ……」
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おいおい、そいつはどっからどう見ても鬼舞辻無惨じゃねーかよ。
後に太陽を克服する禰󠄀豆子を手に入れる代わりに、人と幻獣とのハーフであるティナを攫うとは。
まさか今回の事件に、敵側のトップが絡んでいるとはな……。
炭治郎はいつも言っていたな、アイツだけは地の果てまで追いかけてでも倒すと。
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プルルルルル……
「ヒュンケルからだわ。はい、どうしたの? ヒュンケル」
『姫。ティナが監禁している場所が分かりました』
「待って。近くにポップ君がいるの、彼に代わってもいいかしら?」
『はい。お願いします!!』
「……。ポップ君、ヒュンケルからよ!」
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あの頃にやったミナカトールの儀式は、今も忘れたりしない。
ミナカトールを発動するには、5つの印を照らさなければ行けなかった。
レオナから俺……ヒュンケル、ダイの順番で時計回りに行ったけど。
あの時はマァムだけが光らなくなり、すげぇ戸惑った事もある。
各自の光も俺はきちんと覚えているぜ、レオナは正義の使徒だから白い光。
俺は勇気の使徒で緑、ヒュンケルは元魔王軍の一部隊だったけど……当たり前のように光っていたから……あの光は闘気だな。
そしてダイは人を差別しないから、純真の心を持っている。
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「ヒュンケル……」
『大方の状況はこちらも聞いている。元凶が奴である事もな!』
「ああ。最終的にはソイツと会うのも、遠くないかも知れないぜ」
『……。それで、ティナが監禁された場所の件なんだが……。サウスフィガロの町らしい…』
「……。要するにその町に向かうには『その世界自体』に詳しい奴らを連れて行く必要があると、おめぇはそう言いたいんだな?」
『ふっ。流石だなポップ、その考え方は正しい』
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やはりな、いくら俺がルーラを使えるとは言っても……そこに行くのは難しいからな。
ティナを助けるにはまず、レオナと今後の事を話す必要があるぞ。
後の半分は俺の村を含め、各場所の警備をしないと行けないからな。
だったら、今回は俺とロック リルム ラーハルト ヒュンケルで助けに行った方がいいだろう。
その間に次に変化があるとすれば、風の心その物を読んでいるアイツの他にいないぜ。
5話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.6 )
- 日時: 2023/06/08 21:14
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第5話「唯ならぬ殺気と対面」
【サウスフィガロの町】
ヒュウゥゥン……
「どうやら。この屋敷の何処かに、無惨様が探し求めている娘がいるそうだな…」
「やっぱり! そこにいたのか、バッツ!」
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何とかこの町をイメージしていたけど、中々出来なくて苦労したんだ。
だからヒュンケル ロック リルム ラーハルトに固めて貰いながら、無事に辿り着いた。
どんな姿だろうと、濃い茶色の髪……見慣れた衣装は間違いなかった。
まさかアンタまで、アイツの言いなりになっちまったなんて。
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「ふっ。意外な所で再開するもんだな、ポップ!」
「おい魔法使い。本当にコイツは貴様の知り合いなのか?」
「ああ。ノヴァと同じように勇敢だけど、負けず嫌いなとこはアイツにほぼ近いんだよ」
「まあ。今回は会えただけで退屈凌ぎにならなかったが、次に会うまでに万全な策を立てる事だな…」
「……。あのような言い方、バッツその物ではないな…」
「様子見だけで何とかなったんだ。今の内に助けに行こう!」
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歳とかはそんなに離れてねーけど、今更奮い立たせちまうのも情けねぇな。
あんな姿になっちまったバッツを、俺は本当に救えるだろうか。
いや、救えるかとか救えないかとかのどうかじゃない! 助けるんだ、必ず!!
こんな大事な感じになっちまったのは、初めてじゃないんだ。
突然気配が変わったのか、後ろを振り向くと…顔見知りの人がそこにいたんだ。
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「アバン先生、フローラ様!」
「ポップ。元気そうね!」
「はい。フローラ様は何故先生と一緒に?」
「アバンが私に助け舟を出してくれたの。この町でいっときは殺意は消えましたが、再び現れないとも限らないと」
「……。バッツは……、アイツは俺の友人であり…恋のライバルでもあります…。」
「ロック。今のあなたがあるのは、エアリスのお陰でもあります! これまであなた自身を労ってくれた彼女から離れる事は、あなたでも分かる筈です!」
「フローラ様……」
「ヒュンケルとアバンたちはこの町全体の警備を強化しなさい、私とリルム ポップ ラーハルトの4人でティナの救助に向かいます!」
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いつもそうだ、マァムが諦めかけた時も…彼女の前向きで救われたんだよな。
元々『この世界』出身のリルムが先頭になり、俺たちを屋敷の地下に案内する。
例の地下に到着すると、部屋の前には手錠で囚われたティナの姿があった。
専用の鍵をフローラ様に託し、彼女はテキパキとティナの両腕に着いた手錠を外して行く。
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【町長の屋敷内 地下1階の拷問部屋】
「大丈夫。しっかりしなさい、ティナ!」
「フローラ様……。それに、ポップたちも」
「ティナ。話したい事も沢山あるけど……今は後回だよ、さっさとこの屋敷を出よーよ!」
「うん。屋敷を出るまでが油断出来ません、町の裏側まで私を守って下さい!」
「……。ダイ様の友人の頼みとならば!」
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全くよ、ミストバーンを抑える時と変わらないぜ。
あん時の俺はレオナの手を取り、2人で一緒にバーンの元に向かったんだよな。
いや、ミストバーンを抑えるならダイたちじゃなくて俺とレオナでも十分に行けた筈だ。
だけど今は、あの頃その物じゃない!
出口に向かう時でも、殺気は高まって来やがった!
裏口から出た時にはもう、町全体が暗くなっている可能性が充分に高い気がするぜ!!
6話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.7 )
- 日時: 2023/06/09 08:45
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第6話「闘いたくない意志、少女の想い」
【サウスフィガロの町】
「フローラ様たち。ベリーグッドでしたね、丁度お見えになった所ですよ!」
「そうね。アバン、町の住民たちの避難はどうしたの?」
「そこは心配入りません。既に住民たちの避難退路はロックと半分の兵士たちに任せてあります!」
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やれやれ、肝心な所は人任せですか…。
初めてダイと会った時もこんな風に、急に実践しろって言われてたっけ。
あん時はガーゴイルの得意技が技封じと言うのを忘れていたけど、もうヘマはしない。
あの禍々しいバッツをいつものバッツに戻すなら、全力で闘うしかないのか。
いや、それ以外に何か策はあるんだろうか。
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「ねえバッツ、私の声…聞こえてる?」
「ティナ。今近付いたら危険です、私たちの後ろに離れていなさい!」
「そうだ。命が惜しくば、伝説の勇者の意思に従う事だ…」
「お願い。これ以上誰にも傷付いて欲しくないんです、だから…彼の事は私に任せて下さい」
「……。でもよぉティナ、今のバッツは……」
「分かってる。どんな彼であっても、私は光の戦士として闘う彼を沢山見て来たから」
「なっ……。くっ……、お前まで俺に逆らうつもりか……?!」
『バッツ……ッ!!!』
「ポップ、そしてティナたち! 俺は今の内に俺を捕らえている『アイツ』を抑えている。だから、その隙に俺を正気に戻してくれ!」
「……。やって見るわ、バッツ!」
「仕方ありません。アバンはラーハルトと共にティナたちの援護に向かいなさい、私はその間…ロックたちのサポートに入ります!」
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今一瞬だけど、光のバッツが見えた気がする。
そしてアイツもアイツで、俺たちの役に立とうと一生懸命に頑張っているんだ。
アバン先生は元祖アバンストラッシュ、ラーハルトはハーケンディストールで攻めて行く。
バッツの方も今は、『闇の自分』と闘っている真っ最中なんだよな…。
だから踏ん張れ……、踏ん張るんだ…バッツ。
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「くっ……。この男の『光そのもの』を閉じ込めても、あの娘を想う奴の力が強くなり過ぎて……思うように操れんぞ!」
「ほう。どうやら我々の攻撃には相当耐えていないようだな……」
「……。何だとっ……、混血風情が……!!」
「再び立ち向かって来ましたか。今ですよポップ、ティナ! あなたたちの真の力を、私たちに見せて下さい!」
「分かりました。行けるか? ティナ!」
「うん、やってみる!!」
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俺たち2人に想いを託すように、ラーハルトたちは再度立ち向かって行く。
徐々にだけど、光の力が更に強くなっている気がするんだ。
それにアイツも言っていた、このままでは自分の中にいるバッツ本人を操る事はできないと。
リルムが俺にフバーハとプロテスを唱えてくれたから、アイツ自身を正気に戻すチャンスが来た。
さあ! 受けてみやがれ、これが…俺たち光の戦士の最強の技だ!!
7話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.8 )
- 日時: 2023/06/09 21:26
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
リクエストを募集します。
作者が描ける範囲でしたら、ほのぼのと冒険系 恋愛 友情までなら大丈夫です。
タイトルとかは、以下のジャンル内から選んで下さい。
皆さんからの応募、お待ちしています。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.9 )
- 日時: 2023/06/10 06:14
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第7話「おかえり、バッツ 前編」
(マァムSide)
【フィガロ城 国王の部屋】
バァァン………
「おや。誰かと思ったらクラウドじゃないか、どうした?」
「エドガー。ダイの行方が分かったと言うのは、本当なのか?」
「ああ。彼に関する情報を君たちより先に送ったのはセリスだ、今はルーラが使えるフォブスターと言う魔法使いと共に例の少年を迎えに行ってるよ」
「あの。それで彼は……ダイは一体何処にいますか?」
「……。エンジェランドだ、例の闘いの後の傷が癒えてないから。1年間はそこで療養しているそうだ」
『…………。エンジェランド……、もしやダイはパルテナ(様)たちのとこに……?』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それ以前……、今の状況でダイに会うのはかなり厳しそうだわ。
あの大爆発の後、本当にダイは2度目の生涯を終えてしまったとばかり思っていた。
それ自体を巻き込みたくなくて、ダイは思いっきりポップを空から蹴り落としていたのね。
空高く飛んでいたポップを受け止めたのは私じゃなくて、私の大切な幼馴染・レオナだった!
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【回想:カール王国 周辺】
ガバッ………
『ぐっ………』
『ポップ君、しっかりしてちょうだい!』
『へっ? れ……、レオナ……?』
『うっ……。キミもキミで傷が所々あるじゃないの、キミに何かあったら…あたし……』
『……。ごめんな……、レオナ……』
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そっか、私が武闘家になる為の修行を身に付けていた間…ポップはレオナといたのね。
パプニカから離れた後、ダイが何か言いたかったみたいだったから…後をつけて来た。
初めて使ったルーラに寄って着地したのは、ロモス付近じゃなくて魔の森だった。
あの時着地するタイミングを見て、ダイは私を庇ってくれたんだわ。
それ以降に私たちが両思いになったのは、バーンパレスの時だったわね……。
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【回想:バーンパレス 左の塔 周辺】
『ダイ!!』
『これっ……、シグマが置いてってくれたんだ。この盾を……、ポップに渡して欲しいって……』
『これって……、シャハルの盾……?』
『うん。これを身に付けると多分だけど、最強の技を1度だけ跳ね返せる気がするんだ』
『…………』
『…? どうかしたの、マァム…』
『……。積もる話は後よダイ、今はポップたちと合流しましょう!』
『うん……。でも……、かなり強かったなぁ……シグマは……』
『アルビナスもね……。シグマと同じ位に強かったけど……、私たちは勝てたのよ』
『……。ねえ、マァム……』
『何っ?』
『今は2人きりだから言うんだけどさ。その……、マァムはさ……いつからおれの事を……好きに…って言うか……意識するようになったの……?』
『………。ロモスの王様たちを守ろうとしていた時からよ、あの時のダイは……凄いと言える位に頼もしかったからね♪』
『………。そう言われるとさ、改めて何か…恥ずかしいや……//////////』
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あの時レオナも言っていたけど、ダイはただの冒険好きの少年じゃない。
世界中の期待を背負いながら闘う、小さな勇者様だからね。
その天空界・エンジェランドに行けるようになる為にも、息吹リンクやマリオたちから幾つかの情報を聞くしかないわ。
そして、無事に貴方に会えた時は……今度は私の素直な気持ちをダイの前で面と向かって伝えるのよ。
あの儀式の時の告白はかなり最低だったし、ダイもダイで……かなり呆然としていたから。
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【現在:フィガロ城 国王の部屋】
「とにかく。君たちも君たちでお疲れだろう、我が城の休憩室で休むといいさ」
「そうだな。今夜位は他でもないアンタからの好意に甘えるのも、たまには悪くないからな」
「ええ!」
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初めて来たけど、何て立派なお城かしら。
パプニカやカール城もきっと、このお城と同じ位に広いだろうなぁ。
明日辺りにはフォブスターが例の女性と一緒に、このフィガロ国に連れて来る筈よ。
或いはそれとは逆に、ダイの事だから…彼から自ら私に会いたいと言って来る事も考えられるわね。
もしそうなるとしたら…今からでも考えなきゃ行けないわ、ダイに対する私の本当の想いを……。
8話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.10 )
- 日時: 2023/06/10 22:20
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
更新状況です。
ピカチュウの登場回ですが、14話辺りの登場になります。
それまでは呪われしバッツ戦後→療養の流れになるので、ティナが想いを伝えるのが後になります。
その前に、ダイとマァム+ポップとレオナがくっつくかも知れませんが。
それでは、引き続き宜しくお願いします。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.11 )
- 日時: 2023/06/11 21:10
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第8話「眠れない夜」
【フィガロ城 休憩室】
「……………」
本当に私…、一体何をしているのかしら……。
少しでもダイの負担を軽くしたくて、武闘家になったのに。
回復系呪文や魔法だと、私より凄い人たちは沢山いたわ。
もしかしたらセリスもきっと、ダイを好いているのかしら…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「外の空気、吸って来ようかな……」
セリスはレオナと同じ位に活発なとこもあって、少女らしい一面は滅多にない。
元は帝国の女将軍だったから、かなりエリートな軍人さんかも知れないわね。
私……、このままだとダイに嫌われてしまうかも知れない。
仮にそうなったとしたら、レオナに何て報告をしたらいいのかしら…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あなたね? 武闘家のマァムって娘は」
「まさか。あなたが……、セリス将軍?!」
「『将軍』は必要ないわ。私の事はセリスで構わないわ」
「おや。意外な組み合わせだねぇ、何かあったのか?」
「エドガー。私、彼女とお話したいの。あの部屋、使ってもいい?」
「勿論だ。ではこちらへ、フォブスターたち」
「ええ。さあ私たちも参りましょう、勇者・ダイ様」
「うん…。……じゃあ、また明日ね? マァム…」
「………ッ!!!」
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去り際に聞いた今の声…、間違いないわ。
本当に……、本当に天空界にいたのね。
それに私の事を覚えていたって事は、本物のダイその物だわ!
振り返って彼を追いかけようとしたけど、セリスが首を横に振る。
この合図ってもしかすると、「会いたいなら、明日にしなさい」って事だったのかしら。
9話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.12 )
- 日時: 2023/06/12 08:26
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第9話「2人の時間」
【フィガロ城 個室】
「まさか。こんな部屋があったなんて…」
「驚いたでしょ? 私もこの城に来たのは、久し振りだったから…」
外の空気を吸う為に、休憩室から離れて来たのはいいけど。
日付が変わる寸前で彼女に会うことが出来たなんて、今までになかったわ。
それにしてもエドガー国王は凄いわね、いつでも私たちや他の皆が此処を使えるように綺麗にしてくれるなんて。
駄目よ、本当に聞きたいのはそのことじゃないわ!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……。セリス……」
「どうしたの?」
「…。単刀直入に言うわ! ねえセリス、あなたはダイの事を慕っているの?」
「いいえ。確かにあの子の事は気にはなってるけど、私にはちゃんとした人がいるわ」
「えっ……?」
「エドガーもね。最初の頃は私を1人の人間として見ていてくれた事もあったけど、それでも私は緑の帽子を被った彼を裏切りたくないのよ…」
「……………」
緑の帽子を被った彼…? 時リンじゃないとしたら…かなりジャンプ力の高いルイージしかいないわ!
いつもティファが言ってたのよね、「想いを伝えるのは、言葉だけじゃないよ」て。
でもねティファ、自分の思っている事はちゃんと言葉にしなきゃ行けない時もあるのよ。
それから私はセリスの恋バナを沢山聞いて、色々為になるアドバイスを貰ったりしたの。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
バァァン……
「マァム、セリス!」
「エドガー! それにダイまで…。2人揃ってどうしたの、そんなに息を切らして」
「折角の貴重な時間に邪魔をして済まないね。すぐに向かって欲しいんだ!」
「こ………、こんな時間に何処へですか?!」
「決まってるだろ。サウスフィガロの町だよ!」
『えぇっ?!』
「おれ、クラウドを呼んで来るよ! 何処に彼がいるのか…教えてよエドガー!!」
「分かった。こっちだダイ、私について来てくれ!」
「うんっ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一体何があったって言うの…、全然意味が分からないわ。
サウスフィガロの町で事件が起きている、それってもしかすると?!
そっか…、だからエドガー国王とダイはあんな風に慌てていたのね…。
要するにこれは、ダイを守り抜く為のかなり期待が出来るチャンスかも知れないわ!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さあセリス、私たちも覚悟を決めるのよ!」
「かっ……。覚悟って……、さっきからマァム。あなたは一体何を言いかけているの?」
「ごめんなさい。あなたとは沢山お話したかったけど、このまま呑気にしていたら…今度は他の仲間たちが危ない目に合うかも知れないのよ!!」
「えっ……?!」
「しっかりしてセリス! 私の知らないティナをよく知ってるのは、他でもないあなたやエドガー国王陛下たちだけなのよ?!」
「………ッ!!!」
「私たちがいるこの部屋からでもかなり感じるわ…。今頃サウスフィガロの町は今……、完全に火の海になっているかも知れない。多分だけど…、アバン先生たちが対峙しているのは…呪われた姿のバッツその物になるんだわ…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いくらアバン先生やフローラ様たちがいても、相手の力は桁外れの強さだわ。
それに……、ポップのメドローアとティナのアルテマがあったにしても…決着が付くはずはない。
そう、最終的にバッツをどうにか出来るのは…私とダイの2人だけなのよ!
私たちがお互いの手を取り合えば、バッツは正気に戻ると考えられるわ!
その最強の技は、閃華ストラッシュよ!!
10話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.13 )
- 日時: 2023/06/12 23:00
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
こちらも、父の日に特別編を描こうと考えています。
ほのぼのがいいか、家族っぽい感じの話がいいかで…凄く悩んでいます。
どっちにしようかなぁ…。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.14 )
- 日時: 2023/06/13 23:06
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
現時点での、仲良し一覧。
・マァム&禰󠄀豆子
・ダイ&ピカチュウ、ピチュー
・セリス&ゼロスーツサムス
・ティナ&ゼルダ
・ポップ&善逸+玄弥
・ラーハルト&時透無一郎
・バッツ&竈門炭治郎
こんな感じですね。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.15 )
- 日時: 2023/06/14 08:16
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第10話「闘いは終わり、そして…」
【サウスフィガロの町】
「2人共。此処は俺に任せな!」
『えっ?!』
「幻影を喰らえ!!」
まるで、最初から分かっていたかのような結末だった。
魔法剣ブレイブブレイドが繰り出される瞬間をとらえ、私はフローラ様 ダイはヒュンケルに連れ出された。
そんな私たちを助けてくれたのは、ポップと色違いのバンダナを身に付けている銀髪の陽気な男性。
彼の技が効いたのか、操られていた人の表情は元に戻り…その場に倒れ込む。
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「ロック。見事だったぞ」
「ああ。ポップたちが何とか凌いでくれたからさ、上手くタイミングを掴む事が出来たよ」
凄い、この人も読んでいたのね。
本当は私の閃華烈光拳とダイのアバンストラッシュを合わせた技で、何とかしたかったけど。
本当の光属性を持っている、この人自身には敵わなかった。
幸いポップとティナには怪我はなく、お城で休ませる事になったみたい。
私もついて行こうとした時、ダイは立ち止まったままみたいだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「心配するな。この町の復旧が終わるまで、エドガーの所で休んでいるんだぞ?」
「…。分かった、終わった後でもいいんだ。色々…、聞かせてね?」
「ああっ!」
勿論アバン先生だけじゃなく、ヒュンケルやクラウドも町の復旧作業を手伝う事になった。
特に深手を負っているバッツは、フィガロ城にある例の部屋に搬送されたけど。
初めてあった時は……、あんな感じはしなかった。
いつも笑顔を沢山見せて、ピカチュウとの旅の思い出とか色々話してくれたけど。
あんなに強い人がどうして、あんな恐ろしい姿になってしまったのかしら…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【フィガロ城 玉座の間】
「皆。よくやってくれました、でも……」
「レオナ姫?」
「あたし。ポップ君たちが心配だから、目を覚ますまで2人の側にいたいの…」
「レオナ姫。それなら、私も付き添います!」
「ううん。今度ばかりは大丈夫、ちゃんと…勇敢な護衛を見つけているから」
「ああ。だからセリス、此処は姫に免じてくれ…」
「……。分かったわ、スコール……」
レオナ……、本当は堪えていたのね。
こんな結果になるんだったら、最初から任せなきゃ良かったとかなり悔やんでいたわ。
場内はレオナを始め、スコールやエドガーたち以外の人は一旦解散になったの。
ダイもダイで納得していないみたいだから、無理もないわ…。
だからこそなのよ、こんな時にこそ…私なりのやり方でダイを支えてやるべきなんだわ!
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【飛空艇ファルコン号 停留所】
「……。おれたちも疲れたからさ、今日はこの船で英気を養おうか…」
「そうね…。船の中じゃないのに、2人きりだと何だか…恥ずかしいね……」
「…………」
「どうしたの?」
「……。ねえ、マァム……」
「な〜に? 勿体ぶらずに言いたいことがあるなら、面と向かって言いなさいよ!」
「うん! あの時のさ……。フレイザードとの闘いをする前以来だったから、おれも緊張はしているよ」
「…。そうね、あの闘いの事は…いつでも思い出せるわ…」
いつでもと言ったけど、半分は嘘だったの。
心眼を使った特訓を強化していたあの時、ダイはただ…レオナを助ける為に必死だった。
ロモス城が百獣魔団によって攻めて来たあの日でも、私は少しでもダイの負担を軽くしてあげたかった。
その軍団の当時の団長が、クロコダインだったわ。
今はあの頃の彼ではなく、私たちやクラウドたちを守る心強い優秀なガードとして…立派に頑張っているもの。
11話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.16 )
- 日時: 2023/06/14 20:54
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第11話「王女の祈り」
【フィガロ城 宿屋】
(レオナSide)
「………。ポップ君……」
エドガー王の話に寄ると、あの姿は呪われたバッツ君だった……。
何でも、此処とは別の所でも…さっきの彼と同じように呪われた姿をした青年がいたみたい。
その彼もまた、自分の世界を救った若き英雄でもある。
何故若き英雄までも、呪われた姿をするのかしら…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「くっ……。う……、うう……」
「ティナ! しっかりしろ、俺は…俺は此処にいるぞ…」
「スコール…。私…、どうしてたの?」
「……。魘されていたよ、例の悪夢を見てな…」
例の悪夢がまた、ティナを苦しめているんだわ。
生まれてすぐに彼女は、帝国に連れ出されたみたいだけど。
施設か何処かの場所で彼女は、闘う為の訓練を身に付けていたのね…。
確かにセリスならティナをよく知っているけど、幼馴染以上になりそうだったから駄目だったんだわ。
セリスとティナ、お互いに似たような過去を持つ者同士だけど…それだけでもダメなのよ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ガチャッ』
「クラウド。バッツ君の容体は?」
「…。かなり酷い状況だ、もう少し掛かるとエドガーが言っていた」
「……。誰が…、バッツ君をあんな変わり果てた姿にしたの…?」
「…………」
「……。無惨の野郎だよ……」
『…………ッ!!!』
聞き間違いじゃない、この声の主は…ポップ君だわ…。
良かった…、本当に良かったわ…。
何て奇跡なのかしら、普通なら1日は掛かる筈なのに。
もしかするとだけど、あたしの祈りが通じたかも知れないわね。
意識を回復したポップ君を優しく起こし、視線をスコールたちに向ける。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「クラウド。あの時蝶屋敷を襲ったのは、変わり果てた姿のクロノで間違いないよな?」
「ああ。あの後無一郎の話から聞いた話に寄ると、アイツを支配していたのは…暗黒神・ラプソーンらしい」
「ちょっと待てよ。その暗黒神サマが無惨の野郎の配下になって、魔法力の高い奴を支配してんのかよ?」
「ああ……」
「……ッ!!! 次なる標的は、赤いバンダナを着用してる…アイツしかいねぇ!」
『な………、何だと(ですって)?!』
つまりこれって、2度ならず3度までって奴かしら。
ポップ君の言う特徴の人からすると、その彼もまた…自分の世界を救った英雄でもあるわ。
鬼舞辻無惨が暗黒神・ラプソーンを復活し、様々な英雄たちを支配するには何か狙いがある。
それって……、鬼のまま光を克服した禰󠄀豆子を我が物にする為に…自分の手駒を増やすつもりでいるんだわ!!
後はバッツ君の容体が回復次第、緊急会議を執り行うしかないわね!
今度こそ力にならなきゃ、あたしの持てる力でポップ君たちの負担を軽く出来たら…今後の闘いでも有利に出来るかも知れないわ。
12話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.17 )
- 日時: 2023/06/15 06:32
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第12話「逃げ出した少女」
【フィガロ城 玉座の間】
「……。鬼舞辻無惨か…」
「はい。炭治郎君の家族を殺害し、禰󠄀豆子を鬼にしたのはソイツです」
それでも、そいつといつ対等に闘うのかもちゃんと話さなきゃ行けないんだわ。
現にサウスフィガロの町も未だに、復旧は終わっていないもの。
こうして皆の指揮官的ポジションになったとしても、あたしは何も役に立ってはいないわ。
皆のように闘いたいけど、あたしは足手纏いになるかも知れないわ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『バァァン』
「姫よ。取り込み中に、失礼する!」
「どうしたの?」
「………。あ〜しらたちも見張ってたんだけどよ、魔導の力を使う姉ちゃんがいなくなってんだよ!」
「嘘っ! あたしが此処に来るまではちゃんと、休んでいたのに…」
まだ、完全に傷は癒えていない筈なのに…。
ティナの事だわ、本調子じゃなくても…あたしたちの為に無惨と闘おうとしている。
いくらあなたの魔法が最強でもねティナ、敵の方はそれ以上の強さなのよ!
恐らく城内にはもう、彼女の姿はない筈よね。
ティナが他に行く場所と言ったら……、少し離れた先にあるモブリズの村かしら。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「モブリズの村か…。そこなら、確かにティナはいる筈だろう」
「はい。本当ならあたしが出向く事なんですが、ポップ君の容体が完治するまでは…側に居たいんです」
「そうだな…」
他にも救援を呼んで、ティナを探しに行った方がいいかも知れないわ。
それから数分後、サウスフィガロの街の復旧は無事に終わったわ。
帰って来た直後にあたしはロックたちに話したの、ティナがお城を抜け出したと言うことを。
するとロックはかなり青ざめた姿になり、急いで探しに行く。
う〜ん……。エアリスの事もそれ位大事にして欲しいと思ってしまうのって、あたしだけかしら…。
13話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.18 )
- 日時: 2023/06/15 22:14
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第13話「珍しい組み合わせとかなりの殺気」
【モブリズの村】
『バンッ』
「に……、逃げて来たって言うのは本当か?」
「……。ええ……」
「どうしよう一護さん。もし、もしもだよ? この失踪その物が大事になったら…」
「…。近くまで来てるみたいだよ、此処は僕と黒崎さんに任せてくれるかな?」
「で……、でも……」
「大丈夫よコハル。あたしだってそれ位分かってるんだから、それに…この気配は味方よ!」
確かに味方だけど、かなり青ざめてる気がするよ〜。
無一郎君ならともかく、一護さんがいても相手にバレちゃうってば!!
それ自体を最初から見切っていたのか、ある人が私たちを安全な場所に案内してくれたの。
この人もきっと、鬼殺隊の1人なんだろうなぁ……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(コハルSide)
「俺も一護さんたちに加勢して来ます! 松本さんはそれまで、コハルさんとティナさんを!」
「分かったわ!」
「うん。君も気を付けてね、炭治郎君」
「はいっ!」
やっぱり、生前の弟妹たちを見ていたから。
その優しさもきっと、彼の中に入ってるんだろうなぁ。
村の子供たちに囲まれながらも、ティナさんの代わりに絵本の読み聞かせをする。
難しくて読めないところは、乱菊さんにフォローして貰いながらも…1冊の本を声に出して読み始める。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(炭治郎Side)
「…。久し振りだな、あの時以来か? 一護」
「ああ。そう言うあんたもあんたで、変わってなくて安心したぜ。ロック!」
「ティナがこの村に帰って来てるだろ? 通させて貰うぜ!」
「ロックさん。あなたはまた、ティナさんを苦しめるつもりですか?」
『炭治郎…?』
「詳しい事は聞いてませんが。ロックさん、今のあなたは…呪われしロックさんだ!」
「そうかよ。ならば、場所を変えるぞ!」
何て闘気だ、バッツさんの時とはかなりの桁違いだ。
ラプソーンは今の仲間を操り、俺たちを倒して…ティナさんを攫うつもりなんだ。
現在目を覚ましていないバッツさんが動けない今、俺たち3人で食い止めるしかない!
確か、闇に染められてる戦士を解き放つには…不思議な力が必要って玄弥から聞いたぞ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「黒崎さん。時透君、一旦『この世界』から離れてエクスデスがいたあの場所に行きましょう!」
「ああ、分かったぜ炭治郎!」
「うん。今はそれしかないね」
「いいだろう。その場所までおれがテレポで連れて行ってやる、行きたい奴は集まれ!」
「よしっ! 行くぞ、2人共!」
『おう(うん)っ!!』
今だけは恐らく、一時休戦だろうな。
その場所自身をイメージし、辿り着いた先は例の世界だった。
そうか……、さっきまで俺たちはティナさんの世界にいたんだな…。
今のロックさんは呪われた姿だとしても、光の彼に戻るには…エアリスさんの力が必要になる筈だ。
それ以前にエアリスさんには、どう説明すればいいだろうか…。
14話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.19 )
- 日時: 2023/06/16 07:57
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
14話のあらすじ
先の闘いたいにより……バッツが回復寸前の一方、暗黒神・ラプソーンの魂がロックの中に潜入する。
それを察した炭治郎は安全を第1に考え、一護 無一郎と共にティナの世界を離れる。
すると辿り着いた先は、次元の狭間の最新部にあるラストフロア。
そんなロックを正気に戻すべく、炭治郎たちはある作戦に取り掛かろうとしていた。
14話の更新は、作者が戻り次第更新します。
それまでは、暫くお待ち下さい。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.20 )
- 日時: 2023/06/17 08:58
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第14話「目覚めた陽気な戦士と強力な助っ人」
(不死川Side)
【フィガロ城 例の部屋】
「……? 此処は…?」
「気が付いたか。俺たちが分かるか?」
「………」
「実弥……、義勇……」
「へっ。ちゃんと記憶もあって安心したぜ、少し待ってろ。フローラ様を呼んで来るからよ」
とは言ったものの、あれから竈門たちは帰って来ないな。
あの魔力の高い姉ちゃんがいなくなったなんて、今目を覚ましたばかりのアイツには…とてもじゃねぇが…言える訳がねぇ。
いつもパプニカのお偉いさんは毎回のように言っていたよな、いつかは…知るべき事になると…。
現時点では冨岡もいるから、今の所は何もないとは言い切れないがな…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【玉座の間】
『バァァン…』
「実弥君。バッツ君の容体はどうかしら?」
「…心配はいらねぇっす。先程奴の意識が戻りました」
「……。良かった……」
「しかし。現時点で竈門たちの帰還もかなり遅いので、今は安心出来ねぇですが…」
「そうでしょうね。炭治郎君たちは恐らく、呪われた姿のロックさんにかなり苦戦していると思われますね」
「えっ?!」
「アバン。ロックを止めるには、何かいい方法はないの?」
「心配はいりません。既に『彼女』にも根回しは前もってしています、もうすぐ…このフィガロ城に来る頃でしょう…」
アバン氏の言う『彼女』とやらが気になり、この場で数分間はジッと耐えるしかなかった。
更にこちらへ向かってくる音が徐々に近付いて来て、門を開ける。
そいつこそが、アバン氏の言っていた例の『彼女』で間違いはなさそうだな。
三つ編みパーマにピンクのリボンを纏っている茶髪の女…、背丈は恐らく163cm位だな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「アバン先生。わたしを『こちらの世界』にお呼びになったのは、もしかして?!」
「そうです。現時点であなたの大切なフィアンセが何者かによって操られているんですよ!」
「そんな……、ロックが……?!」
「エアリスさん。事を急ぎます、急いで彼を助けに行って下さい!」
「急ぐって……、どういう事ですか?」
「要は緊急事態なんだよ。今はアンタの分まで竈門たちが時間を稼いでいるんだが、これは流石に…かなりヤバい状況そのものみたいなんだよ」
「……。もしかすると…今彼らがいるのは、次元の狭間にあるラストフロア…。わたし、行きます!!」
「その答えを待っていたわ。道中はエアリス、あなたにはヒムをボディガードとして同行させます!」
「えっ……?」
「そういう事だ。最後まで宜しく頼むぜ、エアリスさんよぉ」
「……。分かりました! アバン先生…フローラ様、その間は彼を…バッツの事を…宜しくお願いします」
「分かったわ!」
流石、古代種の末裔だけはあるな。
アバン氏の言葉を聞いた途端、この姉ちゃんはすぐに見切ったからよ。
自分の大切な恋人であり、最も好いている冒険家が今…敵さんの洗脳を受けちまっているんだ。
その陽気な冒険家であるアイツを正気に戻せるのはエアリス、お前さんしかいないという事だよ。
アンタが来ると前から分かっていたから、預かっていた武器をアンタに返すぜ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『スッ…』
「ほらよ。お前さんの大切な武器と、お守り用のバンダナだ…」
「……。ねえ実弥、ロックを操っている人の名前は…聞いた事あるの?」
「……。オレもそこまではっきり聞いた訳じゃねぇが、お前さんのフィアンセをあのような姿にしたのは…暗黒神・ラプソーンだろうぜ…」
「そう…。その暗黒神とは近い内に、闘うことになる、ね…?」
「エアリスさんよ。今は暗黒神の野郎よりまずは、ロックをどうにかしねーと!!」
「そだね。じゃあ実弥、わたしたち…行って来る、ね…?」
「ああ。戻って来る時は、アイツらも一緒に頼むな?」
「うん。さあ行こう、ヒム!!」
「おうっ!」
今でも感じるぜ、エアリスの闘気を。
アイツが本気になるのは間違いなく、竈門たちが追い込まれた時だ。
エアリスの切り札である大いなる副音は、一定期間中無効になるらしい。
勿論、回復もその技の中に含まれているからよ。
だからよエアリス、こっちの方は警備を更に強化して置くから…何も心配はするな。
アンタの持てる全ての力で…ロックの野郎を、竈門たちをオレらに代わって助けてやってくれよな。
15話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.21 )
- 日時: 2023/06/17 17:07
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
こんにちは。
視点変更は、()で分かれています。
上手く再現出来ないのが、作者の悩みです。
為になるアドバイスとかありましたら、宜しくお願いします。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.22 )
- 日時: 2023/06/17 18:35
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
久々にルールを載せて置きますね。
・作者自身のスレです、作者に対するアンチや辛口 意味不明のコメントはお断りです。
・小説自体は完璧なオリジナル小説になっています。
・最初の方を理解していただける方を、読者として受け入れます。
・アドバイスや助言などありましたら、いつでもどうぞ。
以上です。
久々過ぎたから抜けてると思いますが、宜しくお願いします。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.23 )
- 日時: 2023/06/18 06:58
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第15話「レオナの不安と電気鼠、登場」
(レオナSide)
【フィガロ城 城内廊下】
「レオナ姫…」
「ヒュンケル。他にも新しい情報は入ったの?」
「…。敵に関する事ではないが、この国育ちの『双子たち』の過去が明らかになった」
「えっ……?!」
それはつまり…、現在王様になっているのが長男のエドガー国王陛下。
そして、17歳の頃に何でもコインを使ってお城を抜け出した弟がいたのは噂で聞いていたけど。
その当時から彼の弟は国のやり方が気に入らなくて、自由を手にして去ったんだわ。
まるで……、マァムが武闘家を目指すキッカケになった事みたいな理由ね…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「その前に1つ教えて欲しいの。ラプソーンって……、一体何者なの?」
「…。アバンから聞いていた話なんだが。そいつはかつて、遠い先祖に当たる7人の賢者たちによって…封印されたらしい」
「つまり、神の使いでもあるレティスが彼らに力を託していたのね…?」
「ああ。これらに関しては炭治郎たちが戻り次第知らせる、今は姫、この国の警備を今後どのように強化するかを考えて頂きたい!」
「それもそうね。エドガー王とも、時には面と向かって話し合わなきゃ行けないわ…」
いくら久々の再会であっても、あの王様には蓋をしている過去があるんだわ。
その蓋を開けて…少しでも王様の負担を軽くする事が、一国のトップであるあたしの役目そのものよ。
大魔王・バーンとの闘いから2年は経過しつつも、あたしやヒュンケルたちにとっては…未だに思い出す事もあるわ。
その事自体口にしないヒュンケル自身に取っても、中々言い出せない気がするもの…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『カツカツカツカツカツ…』
「う〜ん……。かと言って、『かつての出来事』そのものをポップ君本人に面と向かって相談するのもねぇ…」
「あの。何かお悩みですか?!」
「………ッ!!! き……、キミはもしかして?!」
「はい。僕は『スマブラ四天王』の1人、電気鼠ポケモンのピカチュウと言います!」
この黄色くて可愛いポケモンが…、ピカチュウ。
待って! 今彼の口から、『スマブラ四天王』と言ったのは聞き間違いじゃないわ。
要するに彼もまた、歴代のスマブラ大会を当時の仲間たちと共に戦って…平和に導いて来たって事なのかしら。
未だに腰を抜かしているあたしを目の前に、ピカチュウは心配そうに見ているわ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ごめんなさい。初対面の方であるあなたを驚かせるつもりはなかったんです…」
「いいのよピカチュウ。キミのことはね、マリオやネス君たちから色々聞いていたから」
「でも…。未だに腰を抜かしているように見えますが(汗)」
「う〜ん。確かに1番問題なのはそこなのよね、誰かあたしを立ち上がらせてくれる親切な人はいるかしら…」
「……。そうですね……」
「全くよぅ。一国のトップたるレオナ女王殿下がこんな広い廊下で腰を抜かすなんて、カッコ悪過ぎるだろーが!!」
『……………ッ!!!』
この陽気な言葉は……、聞き間違いじゃないわ。
顔だけ前を向くと、幼少時から肌身離さず身に付けている黄色いバンダナをトレードマークにしている黒髪の恋人が目の前にいたわ。
いくら仕方がないとは言っても、初めて言葉を交わすピカチュウを見たら…どうしても腰を抜かしちゃったんですもの。
それ以前にこのピカチュウは他のポケモンたちとは違って、何か不思議な感覚があるわ。
あたしとは初対面なのに、気恥ずかしさで仕掛けて来るビリビリをしないのも…違和感があるのは違いないけど。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『スリスリ…』
「…。ねえ、ピカチュウ」
「何ですか?」
「キミ…。いきなりあたしの手をスリスリしているんだけど、それはどういう意味でやっている事なの?」
「レオナ。それに関しては俺が代弁するよ、ピカチュウがレオナを擦りよっているのはな…敵意がない証でもあんだよ!」
「……? つまりそれは。あたしに対する敵意が……、ピカチュウには一切ないって事?」
「ああ。禰󠄀豆子と似たような感覚を持ってるが、ピカチュウには両頬の電気袋がある」
「……………」
確かに、赤い電気袋が左右に付いているわ。
ポップ君の力を借りて何とか立ち上がると、ピカチュウはあたしたちの回りを走っている。
本当だわ、この行動はポップ君の言う通りね。
そう言われてみるとそうだわ、禰󠄀豆子が諸事情によって鬼になったみたいだけど…。
彼女に暗示を掛けてくれた親切な人がきっと、あたしたちを家族同然に受け入れてくれるようにしてくれたんだわ。
その人と会うのはかなり先になりそうだけど、今は今後の事を話し合う必要がありそうね。
16話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.24 )
- 日時: 2023/06/18 22:06
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第16話「夢の中での本音」
【飛空艇ファルコン号 休憩室】
(マァムSide)
『ギュッ……』
「ZZZZZZ………」
「……………」
2年振りの再会だと言うのに、私を抱き締める力は相変わらず緩めているのね。
だけど、あの時ポップがダイを受け止めようとしていたけど…彼ばかりにいい所を見せる訳には行かなかった。
レオナを助ける為に覚悟を決めたあの時だって、私がピンチの時に駆け付けてくれたのは嬉しかったわ。
いつも先生が私に言っていたわ、その時が来たら…人を助ける為の力になれますよって。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【夢の中】
「……? あれ、私…いつから鎧化しているのかしら…?」
『此処は……、俺の精神世界なんだよ』
「…………ッ!!! その声は……、もしかしてロック?!」
『頼むマァム。俺の意識がある内に、『俺』を助けてくれ!』
「……。つまり、完全に支配されるのも…時間の問題……?」
『そうだ。今頃エアリスがあの場所に向かっている頃だけど、間に合わないかも知れない』
確かに……、彼自身が精神体となって私に話しかけているみたいだわ。
こんな危機的状況だと、ダイを置いて行ける訳がないわ。
本当に助けてと願っているなら、ダイと一緒に必ずあなたの所に駆け付けるから。
ごめんなさいロック…、それまでの間でいいよ。
少しだけ……少しだけでいいから、待っていて欲しい。
17話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.25 )
- 日時: 2023/06/19 08:45
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第17話「2人の強い決意」
【フィガロ城 玉座の間】
(マァムSide)
「殿下。無理な事は承知しています、お願いします! 私を……、『私たち』を炭治郎達の所に行かせて下さい!!」
「マァム。君の気持ちは重々承知しているが……、どうして…そこまでしたいんだ?」
確かに、こんな風に誰かの為に動いたことなんてあまりなかったわ。
改めてエドガー王からそう聞かれてみると、私は何て答えた方が正解かしら。
未だにどう答えたらいいか悩んでいた時、ダイの左手が私の背中を優しく押してくれたの。
もしかしてダイ……、あなたも誰かに言われたの…?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「エドガー。今回はマァム1人で行かせる気はないよ…、おれも一緒に行きたいんだ!」
「ダイ。君が彼女の肩を持つ理由は1つだね、何があっても…彼女を失う訳には行かない…。そう言うことかい?」
「うん。またあの時みたいに、おれが竜魔人になったら多分…マァムを傷付けそうで怖いけど。だからって、おれのせいで……。おれのせいでマァムをおれがいる目の前から失いたくないんだ!!」
「………。ダイ………」
そう言えば、ヒュンケルから聞いていたわ。
あの時ダイはバランに寄って白紙状態にされて…、ヒュンケルも一度別行動を取っていた見たいね。
その前から一緒にいた私なんか、ダイの力に慣れない気がした事も痛感したわ。
最後の最後にダイと2人きりになった時、私たちはデルムリン島じゃなく…私と初めてあった『あの場所』に来た事があったのを思い出したわ…。
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【回想:魔の森】
『……? 此処…、ロモス近辺じゃないわ!』
『マァム。此処はおれとポップ、マァムがこうして顔を合わせた思い出の場所なんだよ』
『懐かしい…。そうか、ルーラって行きたい場所をイメージしなきゃ行けないのね…』
『………。こんな時になんだけどさ、マァム…』
『何?』
『あの時。クロコダインと初めて闘った時は、おれ…痺れていたよね?』
『ええ……。ポップに問い詰められていたわ、ダイに何をする気だって…』
『うん…。もしさ、あの時マァムがキアリクが入った魔弾丸をおれに向けて撃ってくれなかったら…ずっと痺れていたかも知れないんだ…』
『そうね…。でもその魔弾丸はもう…、使えなくなってしまったわ…』
『……。おれ…、次にマァムと会うまでいっぱいいっぱい特訓して強くなるよ!』
『私も。ダイに何かあってもいつでも助けて上げれるように、とことん強くなって見せるわ!』
そう……、この時の誓いがポップの時とは全く違う瞬間だったわ。
彼の時は男みたいなムキムキになるんじゃねぇよって揶揄うように私に言って聞たけど、ダイの時は全然違っていたわ。
お互いがお互いを大切に想えるその日を2人の心にしまう事を願って、互いに強くなる決意をしたのよ。
そしてロモスの武術大会で無事に再会を果たし、私たちはお互いにあの時誓い合った約束をきちんと守り通していたんだわ……。
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【現在:フィガロ城 玉座の間】
「事情は理解した。君たちがそこまで言うなら、私からは何も言わないよ」
「エドガー…。それってつまり…?」
「ああ。出撃を許可するが、道中は君たち2人のサポートをする者を護衛として付けさせて貰うぞ!」
『……………』
「ラーハルト。君に彼らのガードを任せたいのだが、頼まれてくれるかい?」
「……。このラーハルト、ダイ様たちのお力添えになれるよう……精進致します!」
「ラーハルト……。本当にそれでいいの?」
「はい。元々私は『あの頃』からダイ様の部下でもありますので、国王殿下からご指名を承ってしまった以上…最後の最後まであなた様の為に最善を尽くさせて頂くまでです!」
「………。やっぱり変わってないね、ラーハルトは……(汗)」
「本当にね……(汗)」
それでも、頼もしく感じてしまうのは言うまでもないわ。
時にはラーハルトだって、私にダイを回復するように指示を出してくれるもの。
戦士としての力は今も健在だから、炭治郎達の救援でも力に慣れるかも知れない。
夢の中で私に話しかけて来たロックとの約束を、この場で果たさないと行けない気がするわ!
今から私たちがそっちに向かうから、私たちが助けに行くまで耐えていてね……炭治郎達!!
18話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.26 )
- 日時: 2023/06/19 23:38
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
18話では、兄のピンチに妹・禰󠄀豆子が駆け付けます。
爆血を使い、呪われたロックを正気に戻します。
禰󠄀豆子の爆血に寄り、ロックは正気に戻り…その場で倒れる。
こんな感じで、上手く終わらせたいと思いますので…宜しくお願いします。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.27 )
- 日時: 2023/06/20 08:21
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第18話「思わぬ奇跡」
【ラストフロア】
(炭治郎Side)
「くっ……。まさか、此処まで俺たちが苦戦するなんて…」
「どうすればいい? どういたら、あの人は苦しまずに済むんだよ…?」
仮に数々の呼吸を使ったとしても、変わり果てたロックさんにはあまりダメージが効いていない。
それ以外の対策で挑むとしたら、あの時時透君は呼吸以外で何かを放っていたな。
確か……、あの魔法はデスペルって名前だった筈だ…。
もしかしたらおれにも、時透君と同じように奇跡が起きるかも知れないぞ。
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「此処で終わりだ…。小童共め…」
『駄目だ。逃げろ(るんだ)、炭治郎ーーーーー!!!』
「数多に注ぐ。『かのもの』の闇に光を捧げよ……アルテマ!!」
「なっ………?!」
「た………、炭治郎が……初めて魔法を使用した……」
つまり、俺の声にその魔法は受け入れてくれたって事なのか…。
この世界に来て初めて、全集中以外の事をしたのは今でも信じられない。
先程放ったアルテマに寄り、ロックさんの動きが鈍くなったぞ。
よしっ、この魔法なら何とか行ける!!
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『スッ………』
「えっ……?」
「ぐっ……。何処にそんな力があるかは知らんが、無駄な事を……」
「炭治郎!!」
「動くんだ。今動かないと炭治郎、君がやられてしまう!!」
そうだ……、初めて呼吸以外の方法を使ったから…今は身動き出来ないんだ。
ごめん……、折角皆に会えたのに…俺は此処で負けるかも知れない。
ダイ君…マァムさん……、クラウドさん達……。
ごめんね……、君たちとの約束……守れそうにないかも知れないな………。
2年と言う短い期間を過ごしただけでも、俺は満足したかも知れないよ……。
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『ボワアァァァァァァ………』
「ぐっ……。な……、何なんだこれは……。体が……、体が熱いぞ……!!」
「これは……、この赤い炎は禰󠄀豆子の!!」
「ヴヴヴ…………」
「禰󠄀豆子……。フィガロ城で待ってろって言っただろ、何で俺たちのとこに1人で来たんだよ……?」
「ヴヴヴ………。ヴヴヴーーーーー!!」
「えっ………?!」
「炭治郎。禰󠄀豆子はね、心の中で君が彼女の名を呼んでるって思っていたんだよ!」
「ダイ、マァム!!」
「よし。負傷者は3人いるな……、お前はこいつらの治療を頼む!」
「分かったわ!!」
つまり……、マァムさん達が俺たちを助けに向かいたいと感じていたから。
甘露寺さんがマァムさんの背中に禰󠄀豆子が入っている桶を彼女に背負って貰い、ダイ君がこの場所に向けてルーラで来た。
そうか……、ルーラっていうのは初めて来る場所を意識しないと行けないのか。
ごめんな禰󠄀豆子……、急に取り乱したりして。
後はダイ君に……、全てを託すしかないかも知れないな。
19話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.28 )
- 日時: 2023/06/20 20:50
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第19話「禰󠄀豆子の想い」
【ラストフロア】
(マァムSide)
「良かった…。ダメージは少し軽いけど、放っては置けないわね…」
「……。どうして、此処が分かったんですか?」
「……。それはね、少し遡るんだけど……」
「お願いします。聞かせて下さい!」
「……。分かったわ!」
この経緯はね、少し前に遡るわ。
私とダイ ラーハルトが彼らの救援を国王陛下から頼まれて、すぐの事だったわ。
すぐにでも向かおうとダイの気持ちに応えようとしたその時だったの、私たちを止めたのは。
後ろを振り返ると、ある物を食べて色が変わってしまった蜜璃がそこにいたの。
かなり息を切らしていたから、何とか落ち着かせようとしていたわ。
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【回想:フィガロ城 廊下内】
『皆。これから炭治郎君たちを助けに行くんだよね?』
『うん。こうしてる間にも、炭治郎たちが…』
『お願い。禰󠄀豆子ちゃんを同席して上げて!』
『何故……、そこまでしようとする?』
『分かるもん。本当は禰󠄀豆子ちゃんだって、炭治郎君の力になろうとしてたんだから!』
それは、全く知らなかったわ。
いつもはぽけ〜っとしているけど、禰󠄀豆子は自分の身内に万が一の事があったら…力を発揮するって事かしら。
確かダイもあの時は、此処ぞって時に紋章の力を開花していたのを覚えている。
ダイと禰󠄀豆子が力を開花するタイミングも、よく似ている感じがするわね。
結局蜜璃の強引に敵わないまま、私が彼女を背負いながら此処まで来ていたの。
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【現在:ラストフロア 最深部】
『ジュワァァァァァァァ……』
「ぐっ……、離れろ……この女………」
「………ッ!!! 『爆血!』」
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ロックーーーーー!!!」
「ロックさん。あなたには大切な人がいます、その人の為に負けたら駄目だ!!」
凄いわ、禰󠄀豆子は本気でロックを助けようとしている。
いつもの優しいロックに戻って欲しいと思っているから、赤い炎を繰り出したんだわ。
かつて炭治郎が上弦の1人、累を倒す為に…禰󠄀豆子は魂となって現れたお母さんの気持ちを受け入れたから…今回も同じ気持ちが蘇って来たんだわ。
その赤い炎の中でロックを支配していた闇は消え去り、その場で倒れ込む。
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『バタッ……』
「……………」
「……。む〜……」
「大丈夫だよ禰󠄀豆子。ロックは無事だから、心配はいらないよ。」
「む〜♪」
やっぱり、長く島育ちしていたから……。
鬼化した禰󠄀豆子を見ても、全く差別しないわ。
今もダイの中にある印・純真は……、健在しているわね。
彼の優しい撫で撫でに、禰󠄀豆子は微笑んでいる。
そんな優しい光景を、私たちは黙って見守るしかないと気付いたのは聞くまでもないわね。
20話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.29 )
- 日時: 2023/06/21 08:47
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第20話「仲間たちの帰還と今後の役割」
【フィガロ城 例の部屋】
(ポップSide)
「……………」
「ロック……。良かった……、本当に…無事でいてくれた……」
「……。エアリス……」
「ポップ君。この場はエアリス自身の為にも、あたしたちは気を遣わせましょうか?」
「……。そうだな、折角の時間を邪魔する訳にも行かないもんな…」
あの後ヒムから聞いた話に寄ると、バッツの世界にある最後のダンジョン・ラストフロアと呼ばれる場所で遅れて合流したらしい。
その時はマァムがいつでもロックが目覚める事を祈りながら、残り少ない彼女自身の魔法力をロックの為に与え続ける。
その光景をただ、見守るしかないと判断したらしい。
それはつまり、体は暗黒神サマに支配されても……彼の理性は頑張って耐えていたからだからかも知れないな…。
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【玉座の間】
『カツカツカツカツカツ……』
「エドガー国王陛下!」
「おおポップたちか、ロックの容体はどうだね?」
「心配はいりません。彼の事はエアリスに任せて来ました、暫くは彼女にお任せした方がいいでしょう…」
「そうだね。中でもロックの安否を1番に心配していたのは、他でもないエアリスだ……」
「……。結局は禰󠄀豆子がダイたちの分まで活躍していたらしいですからね…」
「ポップ君……」
「…………」
「……。それで国王陛下、あの後ですけど…ティナはどうなりましたか?」
「ああ。あれからバッツ殿の傷が完全に完治した後、彼女を連れて…故郷で療養するそうだ」
『……。何か、そっちの方もまた……別の意味で心配になって来る気がするわ……(汗)』
確かに数日間は側にいられなかったにしても、アイツ自身が更に支配されそうになりそうで怖いぜ。
バッツの事をあまり知らないおれたちがどうこう言う筋合いはないけど、念の為に様子を見に行くべきだな…。
俺と同じ意見を、レオナもその場で感じていた事に気付く。
本来ならクルルにも同席を依頼したいとこだが、今は邪魔したくないと否定された。
バッツとはかつての仲間なのに、それで本当にいいのかよ…クルル……。
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「そうだポップたち。暫くは羽根を伸ばして来たらどうだ?」
『えっ……?』
「実はセリスがオペラ劇場の方で…久々に自分のリサイタルを開催すると申し出て来てな。折角の機会だ、2人にも是非鑑賞して貰いたいのだが……」
「ですが…。俺とレオナが抜けたら、誰がこの城の警備を……」
「その心配はいらないわ、ポップ!」
「ミオリネ……」
「ミオリネ……。本当にいいのか…?」
「ええ。きっとスレッタも……、「折角の機会ですから、今行かなきゃ……損です…」て似たような事を言うと思うわ……」
『………………(汗)』
要するにこれって、折角のご厚意を無下にするなって事なんだよな…。
俺は軽傷で2日位で何とかなったけど、他の連中は交代制で介抱している筈だ。
薬とかの提供はチョッパーが調合した物を取り寄せているから、炭治郎たちは数日の内に完治する見たいだろう…。
禰󠄀豆子は炭治郎に付き添っているし、今回同席していない実弥たちにも一部始終の経緯を説明しないといけないからなぁ…。
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「セリスの歌を含めたオペラ劇場のチケット…、王様からレオナの分と合わせて2枚分貰っちまったけど……」
「確かに。彼の言うように…たまには羽根を伸ばすのも、悪くはないけどね……」
「……。今の所は何もないからとはいえ、奴らがいつティナを狙って来るか分からないのは変わらないぜ……」
「……。今回の羽根休みもきっと…それを兼ねての中休み、て事にも繋がるわ…」
「そうだ。道案内ならマッシュに事情を話してみようぜ、あいつなら例の劇場までの道を知ってる筈だからよ…ルーラで飛んで行くよりもそっちの方が早いかも知れねーからな」
「そうね。確かに国王陛下の弟でもあるマッシュ王子なら『この世界』自体に詳しいから、あたしたちの事情を聞き入れてくれるかも知れないわね!」
「よぉしっ! 一休みしてから、早速頼みに行こうぜ!」
「ええっ!」
そうだな、中でも俺たちが1番頑張っているから…皆からもゆっくり休めと言われているんだ。
緊急事態になっても、いつでも連絡が出来るようにと…ヒュンケルから俺たち2人分のスマホを託された。
画面を開いて連絡帳を見ると、一緒にいる奴ら全員分の連絡先が入っていた。
ダイとマァムの方は恐らくだけど、ラーハルトの野郎が2人が目覚めるタイミングを測って渡すかも知れないな…。
あの頃から気に入らねー野郎だけど、お前さんはやると言ったらやる男だからな…。
……もしもだけどよヒュンケル、ダイやマァムに万が一の事があったりしたら…そん時は俺たちが絶対に許さないからな!!
21話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.30 )
- 日時: 2023/06/21 22:35
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第21話「ダイとラーハルト」
【フィガロ城 休憩室】
(ダイSide)
『ガチャッ……』
「いたいた。ダイくーん!」
「ええっ?! み……蜜璃さんが何で此処に?」
「えへへ。私もマァムちゃんの事が心配でね、様子を見に来ちゃったの♪」
「…………(汗)」
流石は、柱の1人だ……。
同じ女の子として、マァムの事を心配してくれるのは凄く嬉しいな。
だけど……、蜜璃さんが此処に来てると他の柱たちに気付かれたりしたら…かなりヤバい感じがするよ。
確か不知火さんから聞いた話だけど、蜜璃さんに対して特別な感情を抱いてる人がいるみたいだ。
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【回想:飛空艇ファルコン号 艦内】
『……。蛇柱の伊黒さん…?』
『ああ。柱会議の頃、中でも竈門炭治郎を鬼殺隊と認めなかったのは俺とそいつだけなんだ』
『そんなに冷たい人が…、どうして蜜璃さんの事を?』
『あいつはな。同じ頃に柱に昇進となった甘露寺に声をかけていたんだよ、今も甘露寺はアイツが託した蛇柄のタイツを身に付けてるだろ?』
『うん。蜜璃さんが言うには、初めて言葉を交わした『あの日』に初めて貰ったから…何があっても大切にしたいって……』
『そうだ。だから伊黒は甘露寺と言葉を交わす事で、少しずつ意識するようになったんだよ』
それが、どんな風に前へ進むのもその人なりのペースがあるんだね。
甘露寺さん…ううん、蜜璃さんだっていくつか辛い過去がある筈なのに。
それを乗り越えようとして、柱になる事を決意したのかも知れない。
確かに俺だっていつかは、結婚するかも知れないよ。
いつも父さんが言ってたんだ、愛する女性と子を育て…その為には無惨を倒せって。
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【現在:フィガロ城 最上階】
『カツカツカツカツカツ……』
「ダイ様。お呼びでございますか?」
「うん。ラーハルト、おれ…決めたよ!」
今なら分かるんだ、どうして蜜璃さんが伊黒さんを大切に思っているのかを。
それと同じ位に、おれはマァムの頼もしさに惹かれていると思うんだ。
だからおれも、マァムに頼られるように…努力しようと思う。
マァムに何があってもちゃんと駆け付けられるように、おれも少しずつ精進しなきゃ。
22話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.31 )
- 日時: 2023/06/22 08:34
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第22話「大切な人への想い 前編」
【オペラ劇場】
(レオナSide)
「着いたぜ。此処がオペラ劇場だ!」
「すっげー。劇場内の曲までウキウキした気分の曲になってら!」
「ははは。ポップらしい意見だな、そこも気に入ったぞ♪」
確かに、建物の中は普通に見える事自体は同感だけど…。
マッシュ王子の的確な説明は、凄く分かりやすいと感じたわ。
2つの階段がある間の扉は、何かの落とし穴か何かで落ちない限り…そこから顔を出す事は出来ないみたい。
う〜ん……、こう言うドッキリ系ってマリオやドンキーとかがウキウキしながらやりそうなイメージがあるわね…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あら。更にお部屋がかなり離れた所にあるけど、あそこは何なの?」
「おっ! いい所に気が付いたなレオナ、あの部屋は控室なんだ」
「控室?」
「そうだ。おれも此処に来た事が何度かあるから、分かる範囲までしか教えられないけど…それでもいいか?」
「…。お願いするわ、どんな些細な事でもお構いなしなんだから!」
「………。レオナ……(汗)」
あの時、あたしたちがフィガロを出る前にミオリネが言ってくれたの。
もし、彼女の言う『あの子』ならきっと…こう言うだろうって。
確かに『この世界』に来る事自体、滅多にないかも知れないわね。
折角の依頼を断られてしまうと、何の為にその依頼主があたしたちにお願いしたのか分からなくなってしまうわ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ポップ、レオナ!」
「なっ……何だよマッシュ、急に真剣な表情を見せ始めてよ……」
「兄貴から聞いたんだ。今は何も起きてはいないかも知れないが、奴らはその隙を狙って俺たちに襲いかかることもある!」
「つまり。あなたたちの世界で言うなら、ケフカの復活も近いって事になるの?」
「そうだ。確かに俺たちはケフカを倒した、兄貴やセリスたちもそれぞれの場所で新しい生活を送る事が出来たんだ。だが…、その安泰な生活も…ケフカの復活と共に延期になる事も考えられると思うぜ…」
「……。要するに、その道化師野郎自体を俺たちやクラウドたちの手で倒さない限り…本当の平和は来ないと言いたいのか?」
「ああ…。その通りだよ、ポップ…」
「……………」
お城を出る前に心配していたポップ君の心配事が、近い内に起きようとしてしまうなんて…。
折角の貴重な休暇なのに、本来の目的を達成しなきゃ…肝心の平和に辿り着く事が出来なくなってしまうのね……。
それに対するあたしはパプニカの王女である前に、ポップ君を支える恋人でもある。
もしも、その時が近い内に来ようとしても……。
あたしにしか出来ない方法を使って、ポップ君の負担を少しでも軽くする事が出来るかも知れないわ…!!
23話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.32 )
- 日時: 2023/06/23 00:08
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
作者の呟き
この所、息抜き用にPS5を稼働する事が多くなりました。
何か自分の創作内でネタが思い付かず、原典であるDQ11sをやっていると…少し閃きつつあるんです。
苦手な戦闘系もそこにあったから、連携とかはそれを参考にしよう!
実は、レオナの告白前に…変わったハプニングを更新しようと思っています。
23話から開始するので、宜しくお願いします。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.33 )
- 日時: 2023/06/23 10:00
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第23話「小さな勇者の貴重な勉強時間」
【フィガロ城 書庫】
(ダイSide)
『スッ……』
「ねえエドガー。この回復魔法って何て言うの?」
「ケアルだね。マァムが使う回復呪文・ホイミと同じような効果があるのは知ってるかい?」
「うん。威力はそのホイミに近いって事なんだよね?」
「ああ、そういうことになる筈だ」
その後ラーハルトはおれが書庫に行ってる間、暇を見ながらマァムの方を見てるって言っていたっけ…。
確かにおれは勇者の端くれなのに、ほとんどが魔法剣しかないからなぁ。
真の勇者になるからには、この『別世界』その物の魔法も少しずつ暗記しなきゃいけないんだよね。
呪文の読み書きならともかく、魔法に関する指導はかなり苦手なんだよなぁ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『バンッ』
「あ……、アイク…(汗)」
「陛下! そろそろ休憩時間は終わりです、さっさと玉座に戻って…ご自身の職務に没頭して下さい!」
「いや。今はダイに『この世界』の魔法を…」
「これ以上は結構だ!! 後はおれとゼルダが引き継ぎしますから、陛下は早く戻って下さい!💢💢💢」
「あ……ああ……。済まないがダイ、私の出番はどうやら此処までみたいだ」
「うん。おれの事なら心配しなくても大丈夫だからさ、エドガーはエドガーのやるべき仕事に専念しててよ!」
「ありがとう。後は宜しく頼んだよ、アイクたち」
「ふんっ!」
「はいっ。お任せ下さい!」
確かに、アイクとゼルダから白と黒魔法の事を教えて貰うのもいい気がする。
以前マルスから話は聞いていたけど、アイクがゼルダと一緒にこうしておれの所に来るのは…ラーハルトの負担を考えての事みたいだね。
うんと小さな頃からラーハルトは赤ん坊だったおれにいつも、父さんの教えを守りながら見ていてくれていたからね…。
おれは父さんの事はよく思い出すけど、母さんのことはあまり覚えていないんだよなぁ。
初めて母さんの過去を見たのは、バーンとの闘いの時だけなんだよね…。
おれにとっての思い出は、母さんがおれを安心させてくれる時以外かも知れないや……。
『コンコンコン』
「……。誰だ?」
「ラーハルトだ。ダイ様にお知らせしたい事があるんだが…」
「……。手短にな、それ以外は許さないぞ」
「分かっている。すぐに終わるから、安心しろ」
「……。アイク、ゼルダ!」
「どうかしましたか? ダイさん」
「少しだけでいいんだ、ラーハルトと…2人きりにさせてくれないかな?」
「う〜ん……。どうしますか? アイクさん」
「気持ち的にはそうしてやりたい所だが。今は魔法に関する読み書きが終わっていないだろ?」
「そうですよダイ様。私との大切な時間は、その後でも構いませんので…今はお勉強に集中して下さい!」
「…。分かった、おれ…魔法の読み書きを頑張って続けるよ!」
「はい。じゃあ次は、簡単な黒魔法から習って行きましょうか!」
「うんっ!」
そう言いながら、ゼルダはサウスフィガロの本屋で買った魔法一覧と言う本を広げ始める。
その本の中には時空系は勿論、召喚魔法や青魔法など…色んな項目が載っていたんだ。
えっと…バタックさんが少し前に言っていたけど、クロコダインが持っている斧系には…クロコダインの意のままに技を繰り出す事が出来るって。
じゃあ…当時敵だったヒュンケルを倒したのも、おれ自身が願っていた事だったのかな……。
ヒュンケルもヒュンケルで、今回の件が…全て誤解だと気付いてくれて本当によかったよ…。
24話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.34 )
- 日時: 2023/06/24 06:49
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第24話「大魔道士の異変」
【オペラ劇場】
(ポップSide)
「ありがとうポップ。あなたのお陰でリサイクルは上手く行ったわ!」
「悪ィ。あれはさ…、幼少期の頃を思い出しちまったんだよ……」
今でも甦っちまうんだよなぁ、おれが小さかった頃の出来事が。
中々寝つけなくて、ショボショボするまで幼いおれが月を見ていた時だったんだよ。
その時に心配して様子を見に来た母さんがおれの側に来て、子守唄を歌ってくれたんだ。
これなら…安心して眠れると、幼い俺はそう思っていたんだよなぁ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ポスンッ……』
「えっ………?!」
「ポップ君?!」
『ポップ!!』
嘘だろ……、何でこんな時に小さくなっちまうんだよ……。
かなり危機一髪だと察したのか、レオナはおれを抱き締めたままキメラの翼を使用する。
マッシュはその間セリスに事の経緯を語ると言って、この場に残ってくれたんだ。
何とか難を逃れてフィガロ城に帰還したのはいいけど、俺の身体は普段の体形とは違い…小さくなったままだったんだ。
それを1番先に気付いたエドガーは自分の寝室に案内しつつ、おれとレオナをそこまで導いてくれたんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【陛下の寝室】
「……………」
「国王陛下。ポップ君は?」
「うむ。心配しなくても大丈夫だ。魔法力がかなり低下したせいであの姿になったが、何日か休ませると元に戻るだろう」
「……。良かった……」
何だよ……、結局おれが小さくなったのはそのせいだって事か……。
急に縮み出すから何事かと思ったけど、魔力低下なら大丈夫だよな……。
後は何日か位安静にしておく事で、おれの魔法力は回復するって事になるんだよな……。
だけど……、これだといつ敵が攻めて来るか分からないだろ……。
万が一の場合……、おれに変わって誰が指示を出すんだよ!!!
25話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.35 )
- 日時: 2023/06/24 20:28
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第25話「似た者同士の2人」
【フィガロ城 王の寝室】
(レオナSide)
「ポップ君……」
「……。こんな姿じゃ、ダイやベレス先生たちに顔向け出来ねーよ……」
確かに…、今のポップ君の気持ちは痛い程よく分かるわ。
魔力低下で小さくなったにしても、肝心の指揮官代理が他にいるとは限らないわ……。
時々だけど、人の見えない所でポップ君はかなり震えているわ…。
きっと、こんな自分と似たような理由でこの世を去った人が…他にもいたんだわ。
その人物が今、目の前にいるのは例外じゃないわね……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ベロニカ。お前も大樹を守ろうとしてたよな?」
「ええっ。あたしの全魔力を使って……、その場にいた人たちを大樹の崩壊から守った事があったわ。あたし1人の命を……、犠牲にしてね……」
「……。何で……?」
「ポップ……?」
「何でそんな……、自ら命を絶つような危険な真似をしたんだよ……?」
「……。それは……」
まさかとは思っていたけど、同じ魔法使いとして似たような事をする仲間がいたなんてね。
聖地ラムダの里育ちの大魔法使い・ベロニカ、ある理由で彼女は若返ってしまったみたいだけど。
何処かの盗賊一味によって、その魔力を吸い取られてしまったのかしら…。
だからポップ君があんな風に怒るのも、無理もないわね……。
もう少しだけでいいわ、もう少しの間だけ……この2人の様子を見守る事にしましょうか…。
26話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.36 )
- 日時: 2023/06/25 09:11
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第26話「大切な人の為に、さらば…赤い髪の若き勇者・クロノ」
【FF7の世界 忘らるる都】
(マリオSide)
『グサッ……』
「………ッ! うっ……」
「やだ、クロノちゃん!」
「赤い髪の少年!!」
どうせ……、どうせ死に場所を選ぶなら……此処の方がいいや……。
いつまでも……、マリオさんや兄貴たちと一緒にいても……僕の願いは届かないかも知れない。
新たに母なる大樹へと……、直に行くものが……この場にいるから……。
ごめんね…ごめんねルッカ……、最期まで……最期まで君のガードをしてやれなくて……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うううっ……、クロノお兄ちゃん……」
「ネス……。僕が身に付けていた白い鉢巻……、これをルッカに渡してくれるかな?」
「えっ……?!」
「今なら……、ヒュンケルたちの言ってた事……よく分かるん……だよね……」
「クロノ!! 無理に喋らないで、今…ハートの器を!」
「マリオさん…。それを僕に与えても……、ぼの身体はもう……無理なんですよ……」
「……。……やだ……、絶対に嫌だ!!」
「…。シルビアさん…、そして医者のマリオさん。僕の分まで……、僕の幼馴染を……ルッカを……守って下さい……」
「…分かったわ…。アナタの遺言は……、アタシたちが必ず…果たして見せるわ!!」
さっきまでが本当に一瞬だったけど……、あの時クロノの心臓を貫き通したのは……シルビアさんでも知ってる敵だった。
確か名前は……、魔王・ウルノーガ……。
かつてシルビアさんの世界で、母なる大樹まで滅ぼした事がある最悪の敵……。
その宿敵が再び目覚めた事もあって、こうなると最初から分かっていたから…クロノは僕たちを庇ったんだね……。
あの一言を最期に……、赤い髪の青年・クロノはたった今…帰らぬ人となってしまった……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「………。あの子……、無事にジナちゃんに会えたかしら……?」
「きっと……、きっと会えたんだと思いますよ……」
「マリオ……」
「なあ……、赤い帽子の俺…。これからどうするんだ?」
「…………」
「マリオちゃん……」
「……。ねえ皆、こんな時に言うのは変だと思うんだけど…。もし……もしさ、この場にスレッタさんが居たら何て言うと思うか分かるかい?」
「確か…。逃げたら1つ……進めば2つ……、だったかしら?」
「うん……。これこそ……これこそが本当の絶好のチャンスだと思うんだ、どうしてクロノは……逃げも隠れもせずに…僕たちを守ったのか……」
「そうね。残されたアタシたちがこの場で悲しみ続けるのはあまりにも良くないから、先に仇でもある悪い魔王ちゃんを倒さないと行けないんだわ!」
そうなんだよね…、君が最期に言いたかったのはその意味なんだよね…。
シルビアさんの言う通り、まずは仲間の仇でもあるウルノーガを倒さなきゃ行けない。
此処で立ち止まったりしたら、何の為に彼が僕たちの前に逝ってしまったのか分からなくなっちゃうよ!
その元凶を倒す為にも今は、ポップの魔法力回復に僕たちは全力で専念しないと行けないからね。
27話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.37 )
- 日時: 2023/06/25 22:53
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
あるサイドでは、19歳と言う若さでこの世から去ってしまうクロノ。
マリオたちは彼の仇を討つ為、涙を流さない事を誓う。
そして彼らは、思い知るだろう。
何の為にクロノが、自分たちを守ったのかを。
本編27話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.38 )
- 日時: 2023/06/26 08:10
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第27話「仲間の死と絶望」
【FF5の世界 リックスの村】
(ゼシカSide)
『ガチャッ』
「えっ…、パルテナ様……?」
「こんにちはゼシカさん。バッツさんはこちらにいますか? どうしても彼にお話をしておかなきゃ行けない事があります……」
「ええっ。バッツなら、自分の家にいますよ…」
パルテナ様……、かなり無茶しているわね。
此処へ来た事だって多分、マルスやロイの優しさがあってこそかも知れないわ。
彼女がこの村に来る事はつまり、別の所で他の誰かに何かあったと言う事になるわね。
するとその一部始終を先に悟っていたのか、悟飯とクロコダインは私の恋人を探しに向かう。
オレンジのバンダナを身に付けている彼は今……、ステラさんとドルガンさんのお墓を綺麗にしている筈だわ。
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【ドルガンとステラの墓前】
『キュッキュッキュッキュッキュッ…』
「これで、綺麗になりましたよ…!」
「エイトさん!」
「おおっ、こっちにいたのか? エイトよ…」
「ん? 悟飯さんにクロコダインさん、 2人揃ってどうしたの?」
「…。急を要するようだ、エイト! 後の事はオレたちがやって置く!」
「えっ……?」
「エイトさん。今この村にパルテナ様がいらっしゃっているんです、きっと…何かあったかも知れません!」
「そうだ。その事情を聞く資格があるのはエイト、お前さんしかいない!」
「……ッ!!! まっ……、まさか……?!」
するとエイトは何かを悟ったのか、血相を変えたまま…私たちの所に戻って来たの。
クロコダインの言う通り、急を要していたから…ノックをするのを忘れてしまったわ。
帰って来た彼を見ても…、バッツは冷静だったわ…。
いいえ……、必死で冷静になろうとしていると言った方がいいかしら。
どんよりとした空気の中、最初に切り出したのは…パルテナ様の方からだったわ……。
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【バッツの家】
「……。まずは残念なお知らせです、マリオさんからの報告に寄りますと…彼らを守る為に。クロノさんが…、帰らぬ人となりました……」
『えっ……?!』
「……。教えて下さい、アイツを……クロノを手に掛けた野郎は誰なんですか!!」
「……。彼を殺した犯人の名は…、魔王・ウルノーガ……」
「まっ……、魔王ウルノーガですって?! ちょっと待って下さいパルテナ様! その魔王は確か…、イレブンやセーニャたちが苦労して倒した元凶なんですよ?!」
「確かに彼はセーニャさんたちに寄って倒された筈でした。しかし……、2年と言う時を経て…、何者かの力で復活をしてしまいました……」
「……。まさかとは思いますが…、ウルノーガを甦らせたのは……?!」
「はい……。私たちが倒すべき最大の元凶、鬼舞辻無惨以外あり得ないでしょう……」
そんな……、嘘でしょ……。
その無惨にも大魔王バーンのように、暗黒闘気の力が宿っているとしたら…いつかラプソーンやエクスデスとも闘う事になるの…。
アイツはティナを手に入れる為なら、どんな手段も選ばない最低最悪の真の元凶その物だわ。
その闘いが来る前に、何としてでもポップの魔法力回復に取り組まなきゃ行けないわね!
今頃レオナ姫たちも全力に取り組んでいるみたいだけど、未だにポップの姿は小さくなったままの状態の筈だわ……。
28話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.39 )
- 日時: 2023/06/26 23:40
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第2章のあらすじ紹介です。
自分たちを庇い、この世を去ったクロノに最後の別れを告げてから1年が過ぎる。
そんなある日、ゼルダは何かに悩んでいた。
復興したばかりのハイラル城に帰って来てからも、彼女はある異変を打ち明けようとする。
それは、恋という感情だった。
特にゼルダには仲良しの女友達はたくさんいるが、こういう話にぴったりな相手がいない。
すると息抜きに城の外に出ると、今でも自分のガードをしているアイクと遭遇する。
彼は自分の護衛騎士である前に、大切な想い人でもある。
果たして、彼女の想いとは一体?!
以上が、第2章のあらすじです。
引き続き、宜しくお願いします。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.40 )
- 日時: 2023/06/27 08:29
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第2章のメインキャラ一覧です。
〜メインキャラ〜
・ダイ
・ゼルダ
・バッツ・クラウザー
・ククール
・レオナ
・マルス&クロコダイン
・ポップ(姿は戻るも、未だに魔法力は回復していない)
・ヒム
・アイク
・ゼシカ&エイト・アルバート
・ティナ・ブランフォード
・マァム
第2章の舞台は、崩壊後のティナの世界です。
ゼルダはツェンの町に流れ着き、時間内まで限界に支えています。
名前がないキャラたちですが、飛空艇の中にいると言う設定ですw
次章ではポプレオと主ゼシ ダイマ アイゼルがメインになると思うので、宜しくお願いします。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.41 )
- 日時: 2023/06/27 21:25
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第28話「ダイとゼルダの元へ」
【フィガロ城 地下1階】
(マァムSide)
「…。まさか、お城の地下にこんな場所があったなんて…」
「エドガーから少しだけ聞いた話なんだが。この城もかつては砂漠の中に埋められていて、城の兵士や機関室を任されていた爺さんまでも…相当な位にまで息苦しくなっていたそうだ」
「何て酷い事を……」
いくら世界が崩壊されたからって言っても、この城の全員が苦しんでいたなんて。
その当時の元凶が、様々な魔法を吸収する触手。
これこそ、パルテナ様がよく言い聞かせていたわ!
私たちの知らない敵を知るのも、大切な事と…。
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「あっ! このアクセサリーをあの王様から託されていた事、忘れていたよ!」
「……。無一郎……、お前なぁ……」
「いやいやいや。今はこんなとこで喧嘩してる場合じゃないんだよね? アイク!」
「ぐっ………(汗)」
「ねえ無一郎。このアクセサリーは?」
「う〜ん…。ボクにもよくは分からないんだけどね、炭治郎が言うには…触手自体がメインで攻撃する捕獲準備や捕獲から完璧に阻止できるエルメスの靴って名前のアクセサリーらしいよ…」
そうか、もし他の階にいるゼルダ姫が同じような状況なら…私の閃華烈光拳で助ける事は出来るけど。
もし…ミストバーンに寄って、あの頃の私と同じように彼女も闇と化された場合なら……もう1つの奥義で助け出す事は出来るわ!
それを与える寸前に多分だけど、アイクが私を止める可能性も充分に考えられるわね!
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【地下3階】
「………ッ!!! この禍々しい闘気は…、アイクさん!」
「くっ……! 間違いなくゼルダの気配だ、此処とは逆の場所にダイの気配を感じるぞ!」
「つまり。古代城の何処かに…、ダイがいるのね?」
「ああ。ゼルダは俺とラーハルト 炭治郎に任せてくれ、無一郎はマァムやヒュンケルと一緒にダイの方を頼む!」
「でっ……、でもアイク!」
「マァムさん。今はアイクさんを信じて上げて下さい!」
「分かった。僕からも頼むよマァム、今はアイクや炭治郎たちを信じてやって欲しい」
「……。皆、必ず…必ず無事に生還しましょう!」
私が何を言った所で、アイクたちの気持ちが変わる事はないわ。
1度私たちは来た道を戻って行き、牢屋の奥に開いてる扉を見つけたの。
此処だわ……、この扉を抜けたら…アイクが言っていた古代城への道に続く筈よ!
今のフィガロ城は、海と砂の2つに潜っている。
レオナたちは一足早く飛空艇・ファルコン号に戻って行き、そこで私とアイクたちの無事を一生懸命に祈っているわ。
まさか……まさかこんな形で私があなたを止める事になるなんてね…、ダイ……。
ダイ…あなた自身が闇として具現化した場合は、私の持てる力であなたを助け出して見せるわ!
29話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.42 )
- 日時: 2023/06/28 08:46
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第29話「仲間たちの元へ」
【FF6の世界 古代城】
(マァムSide)
「……。この残骸は……、本当に魔大戦で起きた事かしら…?」
「そうかも知れない。これらに関する調査は後回しだ、今はダイを探そう!」
「ええっ!」
アイクたちは……、大丈夫かしら……?
あの時感じたかなりの殺気から見ても、世界を壊す予兆と言ってもいい位の力だったわ。
確か…、魔甲拳は利き腕じゃない方に身に付ければいいとロン・ベルクさんか言ってたわ!
そうよ、闘う前だからと言ってもジタバタしてる暇はないわ!!
この先に進んだら、覚悟を決めて挑むしかないもの!
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「2人共……、少し離れていて……」
『えっ……? マァム……?』
「今こそ私に力を貸して! 鎧化!!」
「何? さっきまでの彼女じゃない…」
「どうやらマァムも気付いたようだ。この滅びた城の何処かに…、ダイがいると!」
「何だって?!」
それだけじゃないわ、もしダイが本当に敵となってしまったなら……。
私が彼を止めて、思い出させるしかないの!
ある程度は回復呪文も残っているし、それに今回のチームは最強だからね。
敵…? いいえ、違うわ…。この駆け付けて来る音は味方よ!!
私の名を知っていると言う事は、この声の主は間違いないわ!
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「マァム!!」
「クラウド……、どうしてあなたが此処に?」
「はぁ……はぁ……。エドガーからおおよその事情は聞いた、アンタたち3人だけでダイを助けに行くそうだな?」
「ええっ! 何日か前からずっとダイは苦しんでいたの、だけど…その闇が今……ダイの中に入ってしまったわ!」
「そうか…。ならば、俺もあんたたちと共に戦おう!」
「よせクラウド。アンタが元一般兵士であっても、ダイはそれ以上に強い」
「それに。自分の世界を救った英雄である君を、僕たちのせいで巻き込む訳には行かないよ!」
「だからどうした! これ以上マァムやアンタたちが苦しむ姿を、俺が黙って見過ごすと本気で思っているのか?!」
『………………』
要するにこれって、自分の見てない所で私たちが傷付くのを見たくないって事かしら。
こっちにクラウドがいるって事は、アイクたちの方にはロックとティファが行ってるわね。
本当はエアリスだってロックについて行きたかったけど、レオナに駄目出しを喰らったかも知れないわ…。
そうやって真っ直ぐに言う姿は、かつての頃から変わっていないわね…レオナ。
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【飛空艇の停留所】
(レオナSide)
『シュッ』
「こっ……、これはゴールドフェザー……!」
「レオナ。どうして……?」
「エアリス。あなたは恋人である彼……ロックを自分の手で助けたいって気持ちが強い事はあたしにだって充分に分かる、でもね……それだけの生半可な気持ちで戦場に行ったら命その物を失ってしまうのよ?!」
「…………」
「だけど。クロノ君は最後の最後まで立派だったわ、此処にいるルッカの為なら…自分が犠牲にしてでも彼女を守りたいと強く願っていたのよ!」
「じゃあ……、あの馬鹿が……クロノが殺されたのも……夢じゃなかったのね……」
「エアリス……ルッカ。これはパプニカ王国の女王としての命令です、今は戦場に行ったロックたちの無事をあたしと一緒に生還する事を祈りましょう!」
それに、エアリスは回復系魔法が得意から。
白と黒……この2つを身に付けているあの2人だからこそ、あたしは仲間の救援に向かう事を許可したのよ!
何故ティファがあそこまで必死なのかを聞いたら、少しでもクラウドの負担を軽くしたいと彼女は言っていたわ。
合流する場所が違くても……ティファはクラウドの為に、クラウドはティファの負担を軽くする為にお互いを守り通す為に闘い続けるわ!
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【フィガロ城の地下1階】
(ロックSide)
「……………」
「この足跡…。もしかして、マァムたちかしら?」
「そのようだな。ティファ、俺たちが此処に来たのは…先に行ってるアイクたちを救援する事だ!」
「そうね。それにマァムたちの救援には、クラウドとファリスが言ってる筈だわ!」
「確かレェンからファリスの力について少しだけ聞いたぞ。幼少期の頃に海に落ちてから長い間海賊として過ごして来たから、水系魔法には期待出来ると…」
「ふふっ。今もファリスは現役の女船長だからね、あの2人ならマァムたちの力になってくれるわ!」
「だな。……この先に待っているのはかなりの殺気だ! 行くぞ、ティファ!」
「うんっ!」
この辺りに出て来る敵は、魔道士に似た野郎が何体かいるからな。
そいつらがどんな攻撃をするのも、俺は覚えているから…ティファに色々教えられる。
レオナからアイクたちの救援を依頼されたのは、あいつらが先行して少し経った後だ。
つまり俺とティファが闘う相手が、ハイラルの王女・ゼルダ。
そしてクラウドとファリスが闘う相手が、未来の最年少勇者・ダイ。
相手が最年少の勇者でも気を付けろよクラウド、ダイには…ティナに負けない位の強い技が秘められているからな!!
30話に続きます。
- Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.43 )
- 日時: 2023/06/28 21:39
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第30話「王女の心強い静止」
【飛空艇の停留所】
(レオナSide)
『ガタッ』
「駄目だポップ。今動いたら危険だ!」
「そうよポップ、今はマァムやアイクたちに任せて!」
あたしったら……、エアリスとルッカを止める事で精一杯だったから。
それでもあたしの負担を軽くする為に、フォックスとミオリネがあたしのいる目の前で一生懸命にポップ君を止めようとしているわ。
2人はポップ君の諦めの良さをよく知らないから、その言葉だけで何とかしようとしている。
やはり、あたし自らで彼を止めるしかないわ!
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「……。レオナ……」
「ポップ君。2人が君の為を思って必死で心配してるの、見て分かるでしょ?」
「フォックスたちの気持ちはよく分かる。けどな……、ダイが苦しんでいる時に…呑気に休んでる訳にも行かねーんだよ!」
「………。ポップ君、ごめん!!」
本当は……、あたしがキミを1番好きだから側にいて欲しいの!
お願いだから……、これ以上キミ自身が壊れて欲しくない。
あたしが好きなのは、いつも真っ直ぐで…どんな事でもあたしたちを引っ張ってくれる陽気なポップ君だけなの!
いつものキミなら、あたしの知ってるキミなら…周りを立ち上がらせてくれるわ!
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『ギュッ…』
「おっ……。おい……、レオナ……?」
「ポップ君…。あたし、キミが好き…大好きよ!」
やっと……、やっと言えたわ。
かつてバーンを倒すあの頃、ミナカトールの儀式の途中…マァムが勇気を出してダイ君に好きだと伝えてくれた時…安心したの。
彼女ならあたしの代わりに、ダイ君を導いてくれるって最初から分かっていたわ。
ダイ君もダイ君で鈍感だから、少しはマァムの事をちゃんと考えて欲しい位よ!
そんなダイ君だから、マァムはキミを凄く慕っているんだから!!
31話に続きます。