二次創作小説(新・総合)

Re: 【復刻版】戦士たちの愉快な日々 ( No.55 )
日時: 2023/07/05 08:31
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第37話「小さな勇者の憂鬱」

【刀鍛冶の里】

(ダイSide)

『カンカンカンカンカンカン……』

「…。皆、里の為に頑張っているんだね」
「うん。あの時僕は、何の為に戦っているのか自体…まったく分からなかったんだ」

つまり、この里に行く任務があった時の事を話しているのかな?
急に『あの時』て言い出すから、彼自身の過去だと一瞬思ってしまったよ。
それでも時透さんは歩みを止めず、おれにこの里の案内をし始めた。
おれ……、何か行けない事を彼に言ってしまったのかなぁ。

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「そこにいるのは、あの時の兄ちゃんか?」
「えっ……?!」
「鋼塚さん。お久し振りです!」
「おう。しかしなぁ…いくら緊急事態だからと言って、あの伝説の剣を持って行くとは許せんなぁ……」
「ご…ごめんなさい……。あの時は炭治郎が上弦の鬼を前にかなりピンチだったし、普通の刀じゃ上弦の鬼を倒す事が出来なかったんですよ〜…(滝汗)」
「…………(汗)」

時透さん……、そんな事をしていたんだ。
いつもならボ〜ッとしてるイメージが結構あるけど、ちゃんと柱の1人として仲間を守りたいって思ったんだろうね。
その当時の仲間や一緒に闘ってくれた人たちを、今も覚えているのが凄いや!
逆におれは……、状況を理解したくても…中々判断出来ない時がある。
マァムを大切にしないと分かっていても、時には判断を誤ってしまう事があるからなぁ。

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【鋼塚の仕事場】

「ほらよ。此処が俺の作業場だ!」
「凄い…。きれいに並んでいますね、この辺り全部鋼塚さんがやったんですか?」
「おうよ。……さっきは済まなかったな、若い方の兄ちゃんがコイツと一緒にいるとは知らなかったからよ…」
「…………。」
「あはは………(汗)」

要するに、おれが時透さんと一緒にいるって事自体……分かっていたんだね。
確かにこの里の人たちにとって、おれは大切なお客様って所だろうなぁ。
本当に研いだ刀が幾つかある、確か時透さんの話だと上弦の鬼の1人が攻めて来た時もかなり集中していたみたい。
1つの作業に集中する姿を見て、襲って来た上弦の鬼はかなり苛立っていたんだろうなぁ。
敵ながらあの苛立ちは、最初の頃のポップみたいだよ。

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『スッ……』

「時透さん……?」
「ダイ、大丈夫? 初めて僕が連れて来た里だから…余計に疲れて来ちゃったかな?」
「ううん。確かに緊張はかなりしてるけどね(汗)」
「ねえ。ダイはいつも大切な人の為に闘うって言うけど、あまり頑張らない方がいい時だってあるんだよ?」
「………。……めてよ……、やめてよ…急にそんな事を言うのは……」
「えっ……?」
「おれ……。あの時はたださ、勇者ってカッコいいなって思った事があったんだ。あの大変な旅があったから…爺ちゃんやマァムたちに出会えて、それでも希望がある限り戦わなきゃ駄目だと教えてくれた人もいる!」
「……………」
「なのに。なのにキミがおれにそんな事を言うのは、あまりにもヒドすぎるよ……」

本当はあの島にいた時も、アバン先生の闘いを見ていることしか出来なかった。
真の勇者になる為にと言う願いもあって、3日間しか修業を付けてくれなかったけど。
あの時は先生も言っていたよね、後は自分の力で強化して…あの課題をクリアしなさいと!
その課題を完璧にこなす為に、クロコダインやヒュンケルと闘い……フレイザードと闘った事で…おれの技は完成したんだ。
それで間違いじゃないですよね? 先生。

38話に続きます。