二次創作小説(新・総合)

Re: イナクロ 〜炎と氷を受け継ぎし者〜 オリキャラ募集終了 ( No.54 )
日時: 2013/06/12 22:18
名前: 風龍神奈 (ID: uv8uJrDZ)
参照: 試合開始〜♪

「さぁ! 試合開始です!!」

 ピイィィィ!!

 ホイッスルが鳴り響き、試合が始まった。
「じゃあ、行かせて貰うよ!」
 白髪に天馬と同じような瞳を持った少年——サリュー・エヴァン——皆からはSARU——が、一気に駆け上がる。
「…行かせる訳ないでしょ」
 だが、SARUの前に素早く癒月は現れた。
 と同時に、周りが宇宙空間になり、幾億もの星が一斉に輝いた。
「スターライトフラッシュV3!!」
 SARUの目をくらませ、ボールを奪う。
 そしてフェイとともに一緒に駆け上がる。
「…癒月、いける?」
「いけるよ」
 癒月はそう言ってから、化身アームドをした。
「月の女神アルテミス、アームド!!」
 そして、ボールをフェイにパスする。
「光速闘士ロビン、アームド!!」
 とフェイもアームドした。
「癒月、いくよ!」
「うん!」
 刹那。
 二人の背後に月が現れ、二人は一緒に飛び跳ね、手を取り合ってフェイがボールを蹴った。
「「エクストリームラビット!!」」
 放たれたボールは三つの弾道に分かれながら、飛び跳ねてゴールに向かう。
 だが、チェットは静かに化身を発動する。
「白尾神タマズサ」
 そして、式神を一列に並べた。
「シキガミラインズ」
 ボールは受け止められた。
「…とりあえず持ってる力全部出し切ったつもりだったんだけどな…」
「いや、違うな。全部出し切ってはいないだろう?」
 フェイの呟きを聞きとめたチェットがそう返す。
「——さぁ、どうかな」
 一瞬間を置いてから、フェイと癒月は元の位置に戻る。
「…何を言っているんだ」
 本気ではないのに威力がありすぎる奴が。
 チェットの言葉の後半は、口に出てくることはなかった。

 チェットからボールを受け取ったヨッカは、目の前に癒月が迫ってきているのに気付いた。
「…スピード速くなったね」
「勿論よ。フェーダを抜けてからも、特訓してたんだから」
 息継ぎなしで答え、癒月は死角に潜り込んでボールを奪った。
「…中々やるじゃん」
「あんた私に勝った事がないのに、そんな事が言えるの?」
 そう言って、癒月はトップスピードを出すと、一気にゴール前に来ると、
「ミキシトランス、甲斐姫! 月の女神アルテミス、アームド!」
 とミキシマックスと化身アームドを同時にした。
「「「「「「「同時使用だと(やんね)っ!?」」」」」」」
 雷門メンバーのそんな声を無視し、黒髪と黒色の瞳になった癒月は静かに目を閉じ、開いて飛んだ。
 と、辺りが静かになり、地面が、水面(みなも)のようになり、月が映った。
 癒月がボールを持ったまま、つま先で触れた途端、鏡花水月(みなもにうつるつき)は波紋を立てて消えた。
 と、水と月が、ボールに乗り移ったかのようにそれに映った。それを、癒月は大きく蹴る。
「鏡花水月G3!!」
 癒月の放ったシュートが、ゴールへと向かう。
 チェットはシキガミラインズを出そうとした。が。
 またしても目の前でボールは消え、次いでゴールに突き刺さる音が聞こえた。
「なっ…!!」
「ゴールッ!! 先制点を取ったのはクロノストームだぁ!!」
 矢嶋の声が響く。
 チェットは呆然とした目で癒月を見た。
 すでに癒月は自分のポジションに戻っている。
「…強くなっているんだな」
 呆然としていた時とは一変して、チェットは静かに口角を上げた。

 次、ゴールに炸裂したのは、ミキシマックスをしたザナークの技『グレートマックスなオレ』だった。
 だが、次はメイアとギリスの技『デッドフューチャー』が炸裂。
 そこで、前半は終った。