二次創作小説(新・総合)
- Re: それぞれの強者たちの冒険日々 ( No.48 )
- 日時: 2023/12/19 08:24
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第35話「託される願い」
【フェニックスの洞窟 最深部】
・レオナ視点
「……………」
『ポップ(君)!!』
ポップ「………ッ!! ロックにレオナ、それに皆! やっと見つけたんだ、魂を蘇らせる伝説の秘宝」
無一郎「ねえ。それが君の探していた魔石かい?」
ポップ「ああ。アルビナスから聞いた話だけどよ、フェニックスの魔石には自らを石に変えたと言う伝説があったんだ。あの話は本当だったんだな、だけど…ヒビが入っちまってる。こんなんだと、『奇跡の力』とやらを呼び起こす事が出来ないかも知れないぜ……」
レオナ「ポップ君…、リムル様を……?」
ポップ「俺はあの人を守れなかった。真実を失いかけてしまった…だけど、その真実を奇跡にするまでに俺のやる事は今も変わらない」
ファリス「行くんだな? コーリンゲンへ」
ポップ「ああ!!」
彼の叶えたい出来事の為に、あたしたちはコーリンゲンへと進路を変える。
着いて早々ポップ君が進んでいったから、あたしも後について行ったの。
元々この家はロック君の家だから、あたしは此処で待つしかないと感じたんだ。
彼に感動のハグをするのは、その後でもいい。
せめて……、せめて限られた時間だけは誰にも邪魔されたくないからあたしは待機する事にしたわ。
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【コーリンゲンの村 ロックの家 地下】
「ポップ………」
ポップ「リムル様!!」
BGM設定:FF6より永遠に、レイチェル
リムル「ポップ…。会いたかった、お前に一目……、会いたかったよ」
ポップ「ああ……、リムル様………」
リムル「フェニックスが少しだけ俺に時間をくれたんだ。だけど……俺はすぐに逝かなきゃいけない、だから…お前に言いたい事を今伝えて置くよ」
ポップ「……………」
リムル「ポップ…。俺、嬉しかったんだ。あの時……あの瞬間……、皆から離れる時……お前やソウエイたちを守れただけで俺…凄く嬉しい気持ちで眠りに付けたんだよ」
ポップ「………。………止めて下さい……」
リムル「だから……。俺からお前へ最後に言い忘れた言葉だ…。ポップ、ありがとう!」
ポップ「…………ッ!!! リムル様?!」
リムル「ごめん…。もう時間が来てしまったみたいだ……、ポップ……お前の気持ちは受け取ったよ。この俺の感謝の気持ちで、お前の心を縛っているその『鎖』を断ち切って下さい。お前を心から大切にしている、彼女を愛してやってくれ!」
ポップ「………。リムル様……」
リムル「……。……不死鳥フェニックスよ! 俺からの最初で最後の願いだ!! 蘇り、ポップたちの力に!!」
ポップ「………ッ!!! り………、リムル様ーーーーー!!!」
彼の大声は、あたしのいる場所にまで聞こえていた。
本当に……、限られた時間の中でしかお話が出来ていなかったのね。
あの人の……、リムル様の最後を見届けたポップ君はその場から動こうとしなかった。
今まで彼に寄り添ってくれた玄弥君とユウは代わりに立ち上がり、あたしの元に来たの。
今のポップ君は、衝撃的な事実を受け入れるまで……未だに動こうとしないと。
それでもあたしは頑張って待ち続けるわ、ポップ君ならきっと……自らの力で吹っ切れてくれる事を信じたいから。
36話に続きます。