二次創作小説(新・総合)
- Re: UW逃走中03~GAハイカラ☆アーティスト~ ( No.60 )
- 日時: 2024/06/23 21:47
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: wXN0Dq0s)
その頃。
千束「……ああ、あったあった。作者が言っていた装置。」
たきな「残り1つだけだったようですし、一応手っ取り早かったと言って良さそうです。」
作者に雇われている都合上、ハイカラスクエアに送り出されたリコリスの2人。装置の場所を記された地図を見ながら、残り1つの起動できていなかった装置を見つけて起動させた。
千束「さーてと、後は……さっきから沸いてくるあの生き物を何とかしないと。」
黒い物体「ヴヴヴ……」
千束達が振り向いた先にいたのは、奇妙な黒い物体。
たきな「……一体全体あの物体は何なんですか?」
千束「さあ?かぶき町とか言う場所でも現れたらしいけど、ジルコン獣とか言うやつの一種なんじゃない?」
2人は、銃を構える。
たきな「……ああいったものなら、遠慮なく行っても良いんじゃないですか?」
千束「わざわざ言わなくてもいいってのー。」
そして、襲い掛かる黒い物体を攻撃して行くのだった。
そして彩井学園。
オヤ・マー博士「……お、なんじゃなんじゃ?いつの間にかエネルギーが溜まったではないか!ならば早速飛び込むぞルイージ君!!」
(ミッションでエネルギーが溜まった事は知らないまま、)とりあえず準備が出来た模様。オヤ・マー博士は、ルイージを引っ張って、黒い柱に突っ込もうとする。
ルイージ「え、飛び込むってどういう事!?あ、待って、ちょっ」
機械が作動し、黒い柱に向かってレーザーが放たれる。
それによりゲートが出来上がり、2人はそれに入って行った。
阿求「よし!!私も早速GO!!」
阿求もすかさず、(結構な位置からジャンプして)黒い柱に飛び込んだ。
外間「ど、どうなってるんだ……?」
外間は何が何だか良く分からず、混乱するだけだった。
苺香「え、あ、わ、私達も行きますか!?」
マルクト「いえ、その前に……」
慌てる苺香だったが、マルクトはどういうわけか戦闘態勢をとっている。すると……
ハチ「皆さん気をつけて!!かなり嫌な感じが……!!」
黒い物体「ヴヴヴ……」
……何故か黒い物体が周囲に出現。ハチと交戦中のようだ。
苺香「な、何ですかコレ……何故だかバスターズグランプリでも感じた事のある感覚ですが……」
マルクト「とりあえず、アレを放っておくのはまずい気がするわね……!!」
*****
場所は変わって、謎の空間にて。
鈴夜「……ハイコレ。昼食代わりにたくさん作ったタコスと、どっかの売店の食品エトセトラ。」
……軽く自己紹介を済ませ、とりあえずお腹が減り始めていたため前もって用意したり買ったりしていた食品を、鈴夜は一同に配る。
トモカネ「何だこりゃ、タコス?」
ゴーグルくん「タコス?何ソレ」
キョージュ「メキシコの料理で、トウモロコシのトルティーヤで肉などの具材を包んで食べるものだ。」
ヘッドフォンちゃん「異世界だなんて聞いて実感が湧きづらいけど、こんな料理もあるんだ……」
キサラギ「ええと、何が何だか良く分からないですけど、とにかくよろしくお願いします!」
メガネくん「ああいや、こ、こちらこそ」
ノダミキ「もー、2人ともそんな緊張しなくて良いじゃーん」
ニットキャップちゃん「うぇーい」
ナミコさん「そっちはそっちでもう少し緊張感持ったらどうだ……」
センリツ「ふむむ……今を生きる少年少女……中々尊い……」
鈴夜「センリツ、妙なこと考えない。」
会話中のブルーチームと彩井学園の5人を見ているセンリツの襟を、鈴夜は掴んで引っ張る。
鈴夜「……」
……会話をしている一同……特に彩井学園の5人を見つめている鈴夜。笑みを浮かべてはいるが、ちょっと寂しそう。
さとり「鈴夜さん……」
その鈴夜を、ほんのり心配そうに見つめるさとり。
鈴夜「……ちょっと席外してくるから。」
鈴夜がそう言って、何処かに行こうとする。
さとり「……」
正邪「……追わなくて良いのか?」
少し渋い顔をしていたさとりを見て、正邪が鈴夜を追うように促そうとする。
正邪「なーんか気になってんだろ?さっさと追って聞いたらどうなんだよ。」
さとり「……天邪鬼が珍しい事を言いますね。」
正邪「うっさい。見てるこっちがモヤモヤするから言っただけだ。
というか、お前に言われたくないわ引き籠り妖怪」
さとり「最後のは余計です」
……ともかく、さとりは鈴夜を追いかけて行った。
トモカネ「……ん?あの2人、どこに行くんだ?」
センリツ「……
多分プライベートな物だと思うから、あんまり気にしないでおいて。」
ノダミキ「プライベート?もしかして、所謂――」
ナミコさん「気にしないでおけって言われたばっかりだろオイ」
キサラギ「……」
キョージュ「どうしたのだ?如月殿。」
キョージュは、何か考え始めているキサラギに尋ねる。
キサラギ「あ、す、すみません、考え事をしてました。」
キョージュ「……あの黒須羽と言う人物の事か?」
キサラギ「えっ!?あ、合ってますが……
……実を言うと、あの黒須羽と言う名前……聞き覚えがあるんです。前に幼馴染の話で少し……」
キョージュ「……そうなのか?」
キサラギ「はい、2年前に彩井学園にいた生徒みたいなんですが……
……その、交通事故で……」
- Re: UW逃走中03~GAハイカラ☆アーティスト~ ( No.61 )
- 日時: 2024/06/24 18:55
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: wXN0Dq0s)
鈴夜「ふぅ……」
……たまたまあった、座るにはちょうど良さそうな瓦礫に座っている鈴夜。
さとり「流石に近くにいるとは思ったものの、こんなところに……」
そしてさとりが、鈴夜の元に。
鈴夜「……さとりさん、やっぱり来たんだね。」
さとり「やっぱりって……分かってたんですか?」
鈴夜「なんとなくそう思っただけだけどね。……で、何の用?」
さとり「……」
そしてさとりは、話を切り出す。
さとり「鈴夜さん……聞かせてくれませんか?貴方の過去と、貴方とあのF.Eと名乗った存在にある因縁を。」
鈴夜「そんなことしなくても、君ならその気になればできると思うけど」
さとり「……私は鈴夜さんの口から直接聞きたいです。」
鈴夜「……そっか。
……まあ、いいか。元々隠すつもりも無かったし、こうなった手前話さないわけにもいかない。」
そして、鈴夜は語り始めた。
鈴夜「……何となく分かってるかもだけど、俺は元々彩井学園の生徒……要するに、作品としては『GA 芸術科アートデザインクラス』で知られる世界の住人だった。
当時は合成獣でもない普通の人間だった。女装にもハマってるわけじゃ無かった
……んだけど、物凄く素行が荒くなってた。」
さとり「えっ」
鈴夜「両親がとんでもない毒親でさぁ。色々強制されたりしてたもんだからストレスがえらく溜まってさぁ……
色々あって独立は出来たんだけど、まあそういう事で……」
さとり「これだけでも散々だったのはなんとなくわかりますが……それがどうして今の状態になったんですか……」
鈴夜「そこは順序立てて話すから。
……で、一応高校には入れたんだ。それが彩井学園。近場で、自分の学力で簡単に入れるので普通科に。
でもまあ物凄くイライラして、物に当たったり、何か喧嘩とかいじめとかの現場に横やり入れて乱闘にしたり……ストレス発散のために色々やってた。
……でもそう言えば常時道に迷いまくったせいで結局尚更ストレスたまってたな……教室移動すると何故かスポーツジムだの松屋だのに行きつくから……」
さとり「(どういう学園なんですか彩井学園)」
心の中でほんのりとツッコミを入れつつ、さとりは鈴夜の話を聞く。
鈴夜「まあそれはそうとして、入学してしばらく経った頃だったんだけど……その時、ある人に出会ったんだ。」
さとり「……ある人?」
鈴夜「うん。
『野崎』さんって人。俺の大恩人なんだ。」
*****
その頃。
黒い物体「ア”ア”ア”……」
オヤ・マー博士「到着して早々早速来おったか!頼んだぞルイージ君!」
ルイージ「い、言われなくても分かってるってば!!」
黒い柱の中に入り込み、鈴夜達も迷い込んでいるのであろう謎の空間に入ったオヤ・マー博士とルイージ。
オヤ・マー博士はルイージの後ろの位置の隠れ、ルイージ本人はオバキュームで黒い物体と戦う事に。
とりあえずオバキュームを使いこなし、黒い物体をオバケと同様で吸い込んで行く。
ルイージ「これで最後!!」
そして、残りの1体を吸い込んだ。
ルイージ「な、何とか片付いた……」
オヤ・マー博士「良い感じじゃルイージ君!あとは今吸い込んだ物を手掛かりに――」
オヤ・マー博士が盛り上がっていると、彼の背後に黒い物体が。
黒い物体「キシャァァァァァ!!」
ルイージ「博士!!危な――」
……その瞬間、その黒い部隊が一瞬で切り刻まれた。
オヤ・マー博士「ん?」
そして、誰かが着地する。
阿求「……大したことないわね。」
……阿求だった。
ルイージ「あ、阿求?何だか前と比べて随分見違えてるけど……」
阿求とオヤ・マー博士の元にルイージは駆け寄る。
オヤ・マー博士「知り合いなのか?なら手伝ってもらうとするか!!」
ルイージ「えっ」
阿求「まあもとよりそのつもりだから
……それで、確かオヤ・マー博士だったかしら?何のためにハイカラスクエアに来たの?」
阿求がオヤ・マー博士に問いただすと、彼はこう言い出す。
オヤ・マー博士「その事だが……実はな、ずーっと前から興味があって探していた、『異世界に封じられた怪異』の反応がこの世界で感知されたのじゃよ。」
阿求「……何ソレ?」
阿求は首を傾げたが、オヤ・マー博士は続けて説明する。
オヤ・マー博士「簡潔に言うとな……
ずーっと昔、力の暴走による被害のあまりに、様々な世界の管理者により封印された存在と言われておる。
その正体は良く分かっていないが……最近になって突然、この世界から異様な反応を察知したから来てみたのじゃ。」
阿求「細かい部分は置いておいて、それが例の怪異だとすると……時が経つ内に封印が解きかけて来たか……
……それとも、時空融合現象による……となればもしかして……」
続く。
- Re: UW逃走中03~GAハイカラ☆アーティスト~ ( No.62 )
- 日時: 2024/06/25 22:47
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: wXN0Dq0s)
残り時間【26:57】
ブラック「逃走者の数も減り、残り時間も次第に無くなってきましたね。」
穂乃花「結構長く残れてるし、このまま……!!」
フェーリ「ケド、まだ油断はできないワ……」
現在7人の逃走者達が残っている状況。
対し、エリア内にはハンターが4体!確保されれば賞金はゼロである!
フィリップ「やあ、翔太郎。」
翔太郎「『やあ』じゃないんだよオイ……いつの間にこの世界に来てたのか?」
どう言うわけかハイカラスクエアに来ているフィリップ。翔太郎が所在を聞いてすぐにかけつけて来た。
フィリップ「作者にこの世界の情報を聞いてね。……それで、少し気になることが出来た。
……この世界と混ざった世界、どうやら僕たちの世界と繋がりがあるようでね。地球の本棚で検索してみると、あの向こうにある学園『彩井学園』が検索結果に出た。」
翔太郎「彩井学園……美術でそれなりに知られている学園でそんなのがあったって聞いたな。
……で、あの黒い柱は何なんだ?」
彩井学園に発生している黒い柱。阿求がキュートちゃんを使役して掘り当てたものだ。
オヤ・マー博士が不思議な装置を起動させたことで、謎の黒い空間へと繋がるようになった。
フィリップ「……順序立てて話そう。
……翔太郎、君は『封じられた美術品』の噂を聞いたことはあるかい?」
翔太郎「……封じられた美術品?」
フィリップ「いや、知らないのも無理はない。僕もさっき調べたばかりだからね。
……大衆にはおとぎ話、もとい都市伝説の一種として語られているものだ。
とある不思議な力を持った少女が、次第に力をコントロール出来ず暴走させてしまった。その時起きた惨劇が二度と起きないように、魔術師が少女を絵画に閉じ込め、何処かの地下深くに埋めた……と言う内容らしい。
……翔太郎、これが実際に起きた事であると仮定した場合――」
……すると突然、謎の黒い物体が、2人の周囲に出現する。
黒い物体「ヴヴヴ……」
翔太郎「コイツは……!!」
フィリップ「翔太郎、さっきの続きだけど、僕は今回起きている時空融合現象、恐らくその絵画が関係していると見ている。
……絵画に閉じ込められた少女は、二度と力を暴走させないように封じ込められた。
それが彩井学園の地下で、封印の力がその場所に依存していたとしよう。……それが、地形や座標を無視して、全く別の場所に転移するとなれば……」
翔太郎「確かに、そういう事になってもおかしくねぇ……!!」
何か察した翔太郎は、ダブルドライバーを取り出す。
翔太郎「まずは、こいつらを片付ける。……行くぜ相棒!」
フィリップ「ああ!」
【サイクロン!】
【ジョーカー!】
翔太郎&フィリップ「変身!!」
残り時間【24:56】
逃走者 残り7名
アイテム状況
ブラック コイン20枚 スプラッシュボム
比那名居天子 コイン40枚
他:コイン20枚
- Re: UW逃走中03~GAハイカラ☆アーティスト~ ( No.63 )
- 日時: 2024/06/26 14:04
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: wXN0Dq0s)
残り時間【24:53】
死んだ蝶の葬儀「ありがとうございました。」
天子がショップに訪れ、40枚全てのコインを使用して網鉄砲を獲得。
天子「フフン、こういう時は念には念を入れて堅実に行ってみる事にしようじゃないか。」
そう言ってエリアを歩く天子。その時……
ハンターB「……」
近くに、ハンター……!!
ハンターB「……
……!!!」
見つかった……!!
天子「……って、ここでハンターだと!?だがすぐに使うのはもったいない……!!」
網鉄砲を使う事を渋り、逃走する天子!
天子「くっ、流石に体力がもたないか!?……ん?」
天子の逃げた先に……
華扇「……あら、誰かと思えば……」
華扇だ!
天子「悪いが頼んだぞ!」
華扇「え、何を言って――
……って、何でハンター引き連れてるのよ!?」
ハンターB「!!!」
早速ターゲットを華扇に変更!!
ポンッ
茨木華扇 確保 残り6名
華扇「な、何でこうなるの……;;」
完全なる巻き添えである……
プルルルル……
天子「『茨木華扇 確保』……流石に悪い事をしたな……」
穂乃果「そろそろ残り時間が20分に近づいてきてるし、多分……」
*****
その頃。
さとり「……『野崎』って……あの5人の内1人がそんな苗字だったような……」
鈴夜「多分あの子は妹だよ。姿も似てるし。
……無性にむしゃくしゃして物を蹴りに蹴ってたら急に現れて。で、問答無用でぶん殴ろうとして、思いっきり投げ飛ばされた。……池にダイレクトで落ちていったっけ」
さとり「(そんなにダイナミックなんですか……;)」
鈴夜「その後気絶して、その後、『美術部』って言う部の部室に連れてこられた。」
・回想、4年前
風二子『やー、起きたかい?ごめんねー思いっきり投げ飛ばしちゃって』
……『野崎風二子』。後の美術部部長となる人物。カウンターのソレで、攻撃しようとした鈴夜をぶん投げた結果、池に落下。その後気絶した鈴夜は、どういうわけか美術部の部室へと運ばれた。
鈴夜『い、一体全体何が……って、何でずぶ濡れになってんだ!?……ああ池ポチャしたんだったお前のせいで』
風二子を睨む鈴夜。
風二子『だーからごめんって。……ところで君、見たところ別の学科の生徒みたいだね。それも同じ一年。』
鈴夜『……だったら何だよ。』
風二子『いや、それに関しては確認しただけ。
それはそうとして着替え持ってくるよ。えーと、確かこの辺りに……
……あれっ、おかしいな。女子用の服しかない……下着もどう考えても女物だし……待てよ?うちって別に女子が男性用の制服着ても大丈夫だったし……あ、そうだ』
鈴夜『・・・。』
どことなく嫌な予感のする鈴夜。戻って来た風二子が妙にニヤニヤしながら鈴夜に近づき……
風二子『……ねぇ君、何気に顔も思ったより良いし、体格もほっそりしてるし……行けそうじゃない?』
鈴夜『・・・。
逃げるんだよ『逃がさん!!』いや待て!!せめて自分で――』
そして確保され、後はまあお察しで数分後。
風二子『よし、出来上がり。』
という事で、(下も含め)着替えさせられた。
風二子『いやぁ、部の先輩がやってたのを真似してみたけど、中々出来るもんだね……』
鈴夜『……。』
風二子は若干ドヤ顔をし、一方鈴夜は黙り続けている。
風二子『えーと……やっぱりダメ?』
すると鈴夜は、こう呟いた。
鈴夜『いや……結構良いなコレ』
風二子『えっ』
黒須羽鈴夜、女装癖に目覚める瞬間であった。
続く。
- Re: UW逃走中03~GAハイカラ☆アーティスト~ ( No.64 )
- 日時: 2024/06/26 22:35
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: wXN0Dq0s)
鈴夜「まあ、そういう事もあってさ。成り行きで俺はその美術部に入る事にした。」
さとり「……女装して?」
鈴夜「うん。
……美術部って名前なだけあって、絵をかいたりモノ作ったり色々やった。
それに、野崎さんを中心にまともに人と関われるようになって、今まで溜めてたストレスだのも吹っ切れてね。そっから約3年間……後輩からもちょいちょい慕われるようになったり、野崎さんに終始振り回されたり……
特に、野崎さんが部長になった頃はすごく楽しかったよ。驚くほど活気があったし。
……けど……」
鈴夜はまた少し暗い表情を浮かべる。
鈴夜「……卒業式が近くなってきた頃……事件は起きたんだ。」
さとり「事件……」
鈴夜「俺の住んでたアパートと野崎さんの家は近くてね、その日も時間が重なって一緒に登校してたけど……
信号を渡っていた瞬間、俺は野崎さんを庇って、信号無視のトラックに撥ねられた。
……いや、アレが本当にトラックだったのかは分からないけど……」
さとり「それって、もしかして……」
さとりは、鈴夜の身に起きた事に薄々気づき始める。
鈴夜「……車に轢かれたけど一命をとりとめたとしたら、大抵は病院で目を覚ましたりするでしょ?
……けど、違った。」
回想。おそらく2年前
鈴夜が目を覚ました時、どういうわけか牢屋のような場所にいた。
鈴夜『……え、ちょっ……ちょっと待って、ここどこ……?』
F.E『目が覚めたか……』
……そこに現れたのは、誰かに似ているが、どことなくカラーリングが黒い存在だった。
鈴夜『だ、誰だお前!!何かどっかのロボット作品の最低野郎みたいな見た目して!!』
F.E『一言多いわ貴様!!!
……ええい、腹が立つ!!本来の捕獲対象の野崎風二子を捕えるのにも失敗し、挙句瑠璃川ダイアの判断でこんな女装男子を生かす羽目になるとは!!不愉快だ!!』
鈴夜『……お前!!色々どういう事だよ!野崎さんを狙ってたってどういう意味だ!!』
F.E『……お前ではない。私は『ファントム・エンブリヲ』、通称『F.E』。
調律者『エンブリヲ』を元に作られた、素晴らしい存在と言っておこう。』
鈴夜『……要するに、最低野郎と同じ姿をしている悪趣味な人じゃん』
F.E『黙れさっきから!!綺麗な女だと思って回収してやったと言うのによりにもよって男!!合成獣材料にするためとはいえ生かされている事に感謝くらいしたらどうだ!!』
鈴夜『き、キメラ?何を言って――』
鈴夜はその瞬間、自身の身にある違和感に気づく。
そして、たまたま横にあった鏡を見る。
鈴夜『何、コレ……猫耳に、触手に……翼!?サキュバスとかそういうやつの……』
困惑する鈴夜に対し、F.Eはほくそ笑んでいる。
F.E『驚いただろう?様々な生物を混ぜ合わせて作る合成獣兵器……運の良い事に、貴様はソレに選ばれたのだよ。』
鈴夜『選ばれたって……そんな傍迷惑な事頼んでな――あうっ!?』
……鉄格子を掴むと、電流が流れる。
F.E『残念ながら、君の都合など関係無いのだよ。
……その内、貴様も兵器転用のための調整が施される。それまで大人しくしているのだな。
……一応言っておくが、貴様の持つ物品は直して置いておいた。せいぜいくだらん思い出にも浸っているがいい。……全く、瑠璃川ダイアは何故こんな指図を私に……』
鈴夜『ふざけんな!!待て――あうっ!!』
去って行くF.Eを追いかけようとしたが、また鉄格子を掴んだため電流が流れる。
鈴夜『あー、そうだった……ん?』
……すると鈴夜は、この牢屋の中にもう1人、人がいるのを見つける。鈴夜よりも年下の少女で、体育座りでうずくまっている。
少女『……』
鈴夜『(女の子?まだ俺みたいに何かしらの改造をされてるわけでも無さそうだけど……)
……ええと、君は……』
鈴夜は近づいて話しかけるも、少女は体勢を変えずに黙り込んでいる。
少女『……』
鈴夜『ま、まず名前は?』
少女『……』
まただんまり。
鈴夜『……黙ってるって事は、もしかして無いってことで良い?』
少女『……』
鈴夜『ねぇ、極端なこと言った俺もアレだけど反応は欲しいよせめて。
……とは言え、名前くらい名乗ってもらえないと話が進まないんだけど。』
少女『……』
以下同文。
鈴夜『……もう適当に名前つけて呼ぶよ?』
少女『……』
以下略。
鈴夜『じゃあ『センリツ』で。特に理由はない!!ハイ決まり――』
少女『結構良いじゃん……』
鈴夜『……良いの!?』
何気に少女が口を開いた。
少女『……ところでお兄さん、名前は?』
鈴夜『え、く、黒須羽鈴夜だけど……』
少女→センリツ『じゃあ私は黒須羽センリツ。今日からそうする。
……よろしく、鈴にぃ。』
鈴夜『ええ……』
強引半分に妹分が出来る事になった。……これが、センリツとの出会いである。
続く。
- Re: UW逃走中03~GAハイカラ☆アーティスト~ ( No.65 )
- 日時: 2024/06/28 13:27
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: wXN0Dq0s)
その後、センリツは色々と説明してくれた。
ここは全く別の世界。簡潔に言えば、非常に物騒な施設だそう。
鈴夜は当時、ここが異世界だと聞いて困惑していたが、今自分自身が非現実的な改造を施されている故に信じはした。
また本人の話によると、センリツは生まれた時点から異世界の奴隷商に売り払われた身だという。そして名前すら無かったまま、数日前に購入されここに放り込まれた。
……だんまりを貫いていた態度から一変して、随分とあっさり話してくれた事に鈴夜は若干の違和感を持った。だが、名前を付けてくれたお礼なのか、あるいはただの気分なのか、理由を話してくれることは無かった。
ただその後、
センリツ『色々教えてあげたから代価として何か見せてよ。何か刺激?が得られそうなの無い?』
と言われた。
仕方ないので鈴夜は、本当に処分されていなかった私物の中からスケッチブック(これが私物と言えるかは別として)を取り出した。
センリツ『尊い……』
……その結果が、何故かコレ。当然ながら鈴夜は困惑する。
無論、スケッチブックそのものや、それに描かれた絵を見て、鈴夜自身も心配や寂しさ等の感情が出てはいる……のだが、センリツの反応に盛大に困惑する。その感情が勝って反応に困っている。
あのスケッチブックには、風二子を含めた美術部の部員の人物画を描かれていた。それも物凄く上手く描かれているもの。その中でセンリツは特に女子生徒の絵(主にその内の数枚(それも風二子のを含めた))を見て何故か目を輝かせていた。
センリツ『まさに俗にいう驚き桃の木山椒の木といったところ……絵でも分かる……時代を生きる少女の測り知れないヒストリーがっ!!!そんでもってペラペラペラ――』
鈴夜『……うん?』
正直何を言っているのか、まず何でそういう趣味に目覚めたのかもあまり分からなかったが、何か世に解き放ったらそれはそれでマズイ気もする、大分独特な人間を生み出してしまった気がしてやまない。
……そう思う鈴夜だった。
『……時間だ小娘。何をしているのかさっぱりだがそれ止めてさっさと来い。理由は知らんが一緒の場所にぶち込まれてるお前は待機しろ。』
センリツ『……!!!』
そんな時、この施設の人物らしき男が檻を開ける。センリツはその姿を見て後ずさりするも、手錠のような物体がセンリツの両腕につけられ、引っ張られる。そして男はセンリツを連れ出した。
鈴夜『ちょっ、待て――あべらっ!!』
何をするか大体察せたため追いかけようとしたが、普通に鉄格子を掴んでまた電流が流れた。
鈴夜『あー……どーすればいいんだよ何から何まで……』
大方、センリツを自分と同様に合成獣にするつもりなのだろうと鈴夜は察していた。
数日前から用意されていたとなると、(即席に近い形で改造された自分と違って)多分何か特別重要な事に使うつもりなのだろう。
大分ろくでも無い事をしでかそうとしている事は何となく分かっていた。
……本心、助けたいと思っていた。細かい事はどうであれ、あそこまで目を輝かせ始めた子供をこれ以上ろくでもない人間に良いように使われて良いはずがないと思っていたから。
鈴夜『とはいえ、まずこの鉄格子なんだよなぁ……うっかり3回掴んですっごい電流喰らったから普通の方法じゃ無理だろうし……あっ』
鈴夜は考えた。自分もその合成獣にされているなら、何か檻を簡単に敗れる術があるかもしれないと。
鈴夜『よし……こうなったらソレで……
……あったとてどうやるんだ?』
……と思いついたは良いが、やり方も分からないし、そもそも自分のどんな能力が付いたのかも分からないしである。
鈴夜『・・・。
……な、ななななな何だって良い何だって良い!!かめはめ波でもメガ粒子砲でもスペシウム光線でも何だっていいから!!!』
ヤケクソ半分で何かをしようとする。で、その過程で左手で何故か鉄格子を掴む。当然ながら電流が流れる。
鈴夜『とどおととおっとおととどととおとととにかく何か技でっ、出てくれ何でも良いからと言うか最早お願いしばすあべばばっばらばばっばばば』
(傍から見る途端あるアホみたいなのはともかく)とりあえずノリと勢い(と言うかほぼヤケクソ)で何とかしようとする鈴夜。
鈴夜『なんとかなれなんとかなれなんとかなれッ、
なーんーとーかーなれぇぇぇぇぇぇっ!!!!』
そして、ぶん殴るくらいのスピードで右手も鉄格子の方へ。その瞬間……
鈴夜『……あれ?』
鉄格子が凍り付き、一瞬で全部粉々になった。
鈴夜『何か……出来た?』
硬直状態の鈴夜だったが、鉄格子を壊したせいか警報が鳴る。
鈴夜『あ、やばっ!!』
鈴夜は前もって所持品を纏めておいた鞄を担いで、センリツが連れて行かれたであろう方向に向かっていった。
まだちょっと続く。
- Re: UW逃走中03~GAハイカラ☆アーティスト~ ( No.66 )
- 日時: 2024/06/28 15:53
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: wXN0Dq0s)
警備員『オイ何がどうなっている!!何で不壊の力を再現した鉄格子が粉々に砕け散ってるんだ!?』
警備員『しかも新入りを入れてた檻じゃないか!!いやでもまだ力を解放できる段階じゃ無かったはずじゃ……』
警備員『どう考えてもそいつだろ!!他の檻は全く壊れてないのにどうやって出るって言うんだ!!』
警備員『こんなの前代未聞だぞ!人の形に寄せて作ったらしいと言えど、相手は仮にも未制御の合成獣だしどうすればいいんだよ畜生!!』
警備員達が盛大に慌てている隙に、とにかく進む。
道中の、理性が飛んでいる合成獣を極力スルーし、廊下を素早く走り、時には壁や天井を伝い、警備員に見つかっても盛大にぶっ飛ばしたりで、とにかく進む。
鈴夜『この体、ある程度馴れると割と便利じゃん。色々裏目に出てるねぇ俺を改造した張本人!誰かは知らないけど!』
とにかくやたらめったら駆け巡り、実験室と思しき部屋の近くにたどり着く。
鈴夜『多分だけど、ココだね……『実験中』だなんて病院にあるやつ(『手術中』って点灯する赤いランプのアレ)みたいなのあるし……
とりあえず突入……ってすると面倒な事になりそうだから、ここは……』
鈴夜は天井の換気口を開けて、天井裏に入る。そしてちょうど実験室から声が聞こえる位置に。
換気口から、実験室の中を覗こうとする。しかしあまりよく見えない。
鈴夜『(さっき勢いで出来たやつもどうやればいいのか分かんないし、タイミングを見計らって……)』
『本当に捕らえなくて良いんですか?もし外部に逃げて、これが管理者達に知られたら――』
『気にする必要はありません。大方、ノリと勢いでやったら抜け出せてしまっただけでしょう?』
……会話が聞こえる。片方は部下で、もう片方が上層部の人みたいな感じだろう。
F.E『……だが、あのふざけた男は早々に処分すべきだ。極力人に寄せた合成獣を作成させた理由はまだ分かるが、理性をあそこまで維持していればその内――』
F.Eと名乗っていた男の声も聞こえる。……科学者らしき男の方はF.Eの発言を遮り、
『分かっていませんね……作品というモノは、何もこっちで一方的に独占及び支配するだけでは何の価値もありませんよ。それに――』
F.E『そういう事を言っているのではない!
何が作品だ!!貴様に合成技術の才があったからドクター・エビテンが買ってやったと言うのに、ワケも分からない論理で好き勝手行動し――』
『そのドクター・エビテン、及びドクター・ベノディアに作られた贋作がやけに偉そうですね。
第一あの黒須羽鈴夜と言う男を始末したい理由、女装男子だった事実に腹が立ってるってだけでしょう』
F.E『ぐっ……!!』
F.Eは、反論できず言葉を詰まらせた。それを見て、男はあきれる。
『やれやれ。本物そのものですらない贋作と言えど、貴方も貴方でもう少し気楽に行こうとは思わないのですか?
……いや、贋作故か、本物のような行動すら出来ないのでしょうが。』
そして、その男は回れ右をし、
『さて、そろそろ準備が整ったでしょうから、早いところ始めますよ。』
そう言うと、ベッドに寝かせたセンリツを、部下に運ばせ始める。
……他にも何やら物騒な感じに見える装置と、ホルマリン漬けになっている黒い球体が見える。
鈴夜『(センリツ……!!麻酔で眠らせられてるみたいだけど……ああもうこれ以上あんまり見えない!!)』
『新生物、学名『バックベアード』……全身がナノマシンとほぼ同じように出来ている、謎多き存在、言わばブラックボックス……素晴らしい作品が出来るとは思いませんかね?』
男は、どうやら気分を高揚させている。
F.E『調整が終われば取引先に売り払う事を忘れていないだろうな。』
『関係無いですよそんなの。良いから離れてください。
……さてさて、設計図通りにと……これをこうして、ここをはいこうやって――』
装置が作動し、ホルマリン漬けになっている黒い球体と共に光に包まれていく。
鈴夜『(ああマズイ!これマズイやつだ!どうすればいい!?こうなったらヤケクソで突っ込んで……)』
ピーッ、ピーッ
……突然、装置から変な音が鳴る。
F.E『……オイ、これは何の音だ。』
すると男はわざとらしくこう言い出す。
『あーあ。やっぱりダメでしたか。いけませんね。暴走スタートです。さっさと逃げないと全員お陀仏ですよ。』
(隠れてみてる鈴夜含めて)その発言に『はぁ!!?』となる。
『あ……あ……』
……光の中かから、某ピビーよろしくの不気味な黒い腕が6本くらい生え始める。
そしてそれが、周囲を破壊し始める。
部下『な、何だこれ!?早く逃げ――ぎゃあああああああああ!!!』
部下が全て、黒い腕に分解される。
『あらら、いてもいなくても困りませんが部下がいなくなってしまいましたね。』
F.E『悠長に言っている場合か貴様!どうするんだ!暴走そのものはともかく、失敗したとなれば取引が破綻!!貴様の立場も――』
黒い腕を軽く避けつつ、呑気な態度を取っている男に大分キレているF.E。だが男は……
『それについてはなーんの問題もありませんよ?この無理な合成獣実験が失敗するのは分かり切っていたのでね。ドクター・ベノディアらに頼んで、別のタイプの作品を作れるように頼んでいたのですよ。色々面倒な条件はありますが。』
F.E『だとしても、取引相手は黙っていないぞ!』
『あんな地位だけの能無しどもなど、始末するようにF.V達に頼んでます。
この実験も単に、成功したら素晴らしい作品が出来そうだから良いなと思っていただけで、ああいう亡くなった方が良い連中の事なんて知ったこっちゃありません。』
F.E『んなっ!!?』
驚くF.Eを気にせずに男は、ポケットからリモコンを取り出し、そのスイッチを押す。
『ささ、早く退散しますよ。色々勿体ないですが、ここを早いところ爆破させますので。』
F.E『くっ……貴様……!!』
男は空気中に奇妙な穴を作り、その中へと消えて行った。
男を強く睨むも、F.Eも同じ行動をして退散していった。
……そして、話の内容でとりあえず大ピンチだという事を察した鈴夜は……
鈴夜『あああああああどうしようどうしようどうしよ――あべっふぇ!!!』
本当にどうすればいいのかと悩みまくってコロコロ転がっていた……ら、換気口が外れて落下。崩壊しつつある研究室の中に。
鈴夜『いてて……そ、それはそうとして、あの中にセンリツが……』
センリツを合成獣に変えていると思われる光。大暴走して電撃が放たれているし、そこから、ナノマシンの腕が6本。辺り一面を徹底的に破壊している。
鈴夜『……。
……こうなったら後先考えてる状況じゃない……もっかい何とかなれえええええええええええええええっ!!!』
ヤケクソになりながら、光の方へ突っ込む。
鈴夜『うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!』
……無意識に右手に力を込める。そうすると冷気が込められ、黒い腕に触れればソレを凍らせていく。
鈴夜『しゃあらあああああああああっ!!!』
そして、『光そのもの』を凍らせ、破壊した。
センリツ『あっ……』
光りが壊れ、そこからまだ眠っている、そして黒い球体と合成され途中だった状態のセンリツが出て来る。
鈴夜は急いでセンリツを抱き寄せて――
その瞬間、物凄い大爆発が起きた。
まだ、もう少しだけ続きます。
- Re: UW逃走中03~GAハイカラ☆アーティスト~ ( No.67 )
- 日時: 2024/06/29 10:17
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: wXN0Dq0s)
鈴夜『ん……?』
窓越しの眩しい日差しに当てられ、鈴夜は再び目を覚ます。
鈴夜『ええと……何が……ああそうだ、勢い任せでセンリツを……
あ、肝心のセンリツは――』
周囲を見渡してみると、見慣れない、少し広いどこかしらの一室。
そして隣のベッドに、センリツがぐっすり眠っていた。黒い腕6本が背中から生えてたりしていたが、あの時みたいな暴走を起こしているわけでも無さそうなので、一応鈴夜は安心した。
『目が覚めたか』
するとそこで、誰かが部屋に入って来る。青いパーカーの青年……読者の方はパターン的にわかるであろう『おろさん』だ。
おろさん『前もって言うが俺は『おろさん』。この『ウルトラワールド』って世界の管理者をやってる。とりあえず作者って呼んでくれ。』
鈴夜『……俺は、黒須羽鈴夜。……こっちがセンリツ。後で説明するけど妹分とは言っておく。
色々聞きたいけど、まず一体全体何がどうなって俺がここにいるんですか?あの時爆発に巻き込まれたはずなんだけど……』
とりあえずそう聞くと、作者は色々答えてくれた。
あの時の爆発の話が耳に入って来たらしく、それを調べに来たところ、研究所跡地となった場所、その瓦礫の下に、鈴夜とセンリツが埋まっていた事。(そのついでに、あの施設が違法な合成獣生成施設だという事も知ったらしい。)
2人が無事だったのは、まず改造されたことによる人の数倍の耐久や衝撃耐性、そしておそらく、センリツから生えた黒い腕が防御壁のようになった事。
そして2人を回収した後、ちょっとやそっとで力の暴走を起こさないように調整を施してもらった事など……一言で言えば、作者たちに助けてもらった、というワケだ。
おろさん『……しかし、ラインを超えた合成獣生成だなんてな。処分されないようにボルシャックや他の管理者達にも頼んで手を回してたから今度お礼に何か奢るとして……
今回の件も、一応もう少し調べておいた方が良いか……』
作者が、(ウルトラワールドの事自体の話も含めて)一通りの説明をした後、ブツブツと喋りはじめる。
鈴夜『……あの、ちょっといいですか?』
……鈴夜は何か聞きたいらしく、作者にまた話しかける。
おろさん『何だ?……あと敬語じゃなくて大丈夫だから。』
鈴夜『じゃあそうする。
……俺は、どのくらい寝てたの?』
鈴夜が今心配してたのは、主に彩井学園の事だ。F.Eと名乗っていた男は野崎風二子を狙ってたような言動を取っていたし、それに自身の事を心配してくれる人がいるだろうから、主にそう言う理由で作者にこう聞いた。
そして作者はこう答えた。
おろさん『……1年。少なくともお前が住んでたとされる世界じゃそれくらい進んでる。』
その後すぐにこう言い始めた。
おろさん『いささか残酷な事を言うぞ。
……お前が持ってた物品を出来るだけ修復して、お前の所在は把握している。
黒須羽鈴夜。彩井学園の生徒であり美術部の生徒だった人物……
表向きには、交通事故で死んだ事になってる。』
鈴夜『……。』
……その発言を聞いた鈴夜は、さほど驚かなかった。
何となくそうなっている可能性は考えていた。そもそもの発端が、トラックと衝突しそうだった野崎風二子を庇った事だったから。
だが、鈴夜は少しずつ、涙を流し始める。
鈴夜『そう、か……そう、だよ、な……』
決して庇った事が間違いとは全く思っていない。あの人がこんなところで、理不尽な事に巻き込まれていいわけが無かったから。
鈴夜『一応、聞く、けど……こういうのって、戻れないやつ……だよな……?』
念のため鈴夜はそう聞く。
おろさん『……すまない。お前は違法な方法で作られた合成獣である手前、元に戻す方法も分からないし、人外が人間と同じ生活をすることが可能な世界でもなければ法に引っ掛かって……』
対し、作者はそう答えた。
鈴夜『そっか……そう、なるよね……はは……ハハッ……ははははっ……』
鈴夜は、泣いた。目を塞ぎ、笑ってごまかそうとしながら、泣いた。
……彼は、黒須羽鈴夜という『人間』はもうほぼ存在しない。……今いるのは、彩井学園と言う『居場所』から理不尽に切り離された、単なる改造生物としての彼だけだった。
センリツ『っ……。』
……少し前に起きて、こっそり話を聞いていた黒須羽センリツも、鈴夜の今の感情を察して、悲しそうな表情をしていた。
*****
……そして、時は現在に戻る。
鈴夜「その後、俺は作者に協力することを決めた。それが復讐心だったのかはもう今じゃわからないけど、とにかく自分自身を立ち直れるようにするため、そして自分が持つ能力を使いこなせるようにするために、センリツと一緒に何とかやっていった。
その道中で君と出会って、ヴォル・デ・トンベと言う組織と対立して、今回F.Eと再び邂逅した。F.Eが何で裏切り者扱いしてるのは分かんないけど、どの道野崎さんを庇った時の件にアイツが関わってる事は確かなんだ。
……そういう事で、これが、俺の過去だよ。」
さとり「そう……だったんですか。」
鈴夜の話を最後まで聞いていたさとりは、大分動揺していた。
過去を知る覚悟はできていた。
……だが、幸せだった彼を、誰かも知らない悪意が一気に蹴落としたという事実に、彼女はえらくショックを受けていた。
鈴夜「……そんな顔しないで。いやまあ確かに、さとりさんから見ても理不尽ではあるだろうし、未練は残りに残りまくってはいるよ。
……けど、今の人生も楽しいよ。センリツがたまにトラブル起こしたりはするけど、彩井学園の時とは違った形で、個性的な人たちと関われて……さとりさんとも出会えた。」
さとり「鈴夜さん……」
ショックを受けたさとりを、鈴夜は慰める。
さとり「フフ……変ですね。その時の事で苦しいのは鈴夜さんのハズなのに、私が慰められてしまいました。」
鈴夜「あはは、そう言われるとそうじゃん。」
2人は、ほんのり笑った。すると……
「アアアア……」
奇妙な音が聞こえる。2人は、それをすぐに察知する。
さとり「……鈴夜さん、今のは……」
鈴夜「うん、嫌な予感がする。早く皆の元に戻ろう。」
最終ミッション発令の時は近い。
- Re: UW逃走中03~GAハイカラ☆アーティスト~ ( No.68 )
- 日時: 2024/06/29 22:44
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: wXN0Dq0s)
「とうとう見つけたぞ……彩井学園を破壊すれば何かあるとは思ったが……まさかそんなことをせずとも見つけられ、そしてこんな場所にあったとはな……
さぁ、その力を我が物としてくれよう!!!」
*****
黒い物体「ヴ、ヴ、ヴ……」
……突然、黒い物体が大量に出て来ている。
キサラギ「な、何ですかコレ!?絵具の色を全部混ぜ込んだような……」
トモカネ「ん?オイ!正邪とか言うやつがいねーぞ!?」
ナミコさん「いつの間にいなくなったのか!?さっきまでここにいたはずなんだが……」
ノダミキ「もしかしてトイレとか?」
キョージュ「ここにそういうものがあるとは思えんが……?」
ナミコさん「いや、この流れだとどう考えてもそうじゃ無いだろ;」
慌てる(?)キサラギ達。それを気にせず、黒い物体が迫る。
黒い物体「キキキ……」
ゴーグルくん「ウメボシ食べたら落ち着くかな?」
ヘッドフォンちゃん「無理だと思う;」
メガネくん「い、良いから俺達も早く何とかし――
……どうやるんだこの場合!?」
ニットキャップちゃん「わはー」
センリツ「だーもう!!邪魔ったら邪魔!!」
センリツは、黒い腕によるラッシュで黒い物体を殴りまくって吹っ飛ばす。……のだが、全く倒れる気配が無いどころか、攻撃が効いている感じもしない。
センリツ「ぜ、全然効いてない……まさかとは思うけど、アレってもしや……」
鈴夜「センリツ!!」
このタイミングで、鈴夜とさとりが戻って来る。
鈴夜「やっぱりさっきの黒い物体か!しかもさっきより動きが活発になってる……!」
さとり「さっきもそうでしたが、あのものから感じる不快感は何でしょう……さっきより感情がはっきりしてきているというか。」
……正体が全く分からない黒い物体。さとりが心を読もうとすると、強い感情と、何か遮っているノイズのようなもののせいで何を考えているか分からない。
センリツ「……鈴にぃ、多分アレ、私の奴と同じ……」
鈴夜「センリツと?……って事は、ナノマシン生物!?」
「ま、似たようなものなんでしょう……ねっ!」
……突然何かが、凄いスピードで横切る。それが、何体もの黒い物体を切り刻んで破壊した。
キサラギ「こ、今度は何ですか!?」
ノダミキ「新幹線だ!」
トモカネ「いやガンダムだ!」
キョージュ「切り裂きジャックかもしれないぞ?」
ナミコさん「どれも違うと思うぞ……」
……黒い物体を一瞬で刻んだその人物は、振り返って鈴夜達を見る。
阿求「何か初めて見る子もいるけど、とりあえずやっと見つけたわ。」
その人物は阿求だ。ミミックとジャスティティアを持って、黒い物体を一瞬で切り刻んだのだ。
鈴夜「稗田阿求!?何でここに……まさかあの時巻き込まれて――」
阿求「いいえ、私は自分で来たのよ。誰かしらの力は借りたけど。
……それより、どうやら時間が無くなって来たみたいよ。」
阿求がそう言った途端、地響きが。
メガネくん「今度は何だ!?」
ヘッドフォンちゃん「……ねぇ、何だかあっちの方向に光が……」
ヘッドフォンが指さした方向に、次第に赤白い光が現れ始める。
それと同時に竜巻のようなものが発生し、光と共に天に届こうとする。
鈴夜には、見覚えがあった。
鈴夜「ディスコード・フェイザー!?って事は、F.E!!」
さとり「い、一体どういう事なんですかコレは……!?」
阿求「説明はちゃんとする!!とりあえず今は、残りの黒い物体片付けるわよ!!
……ほら、貴方達も手伝って!」
ブルーチームとキサラギ達にそう言い出す阿求。
メガネくん「え、俺達も!?」
阿求「そうよ貴方達!というかいつものやり方で行けばいいのよインクリング4名!!」
ヘッドフォンちゃん「い、いつも通り?もしかして……」
ゴーグルくん「そっか!よーし!!」
……ゴーグルがスプラシューターを取り出して、先陣を切り始める。
スプラシューターによるインクショットの攻撃をすると、黒い物体達はダメージを受け撃破されていく。
メガネくん「そうか!何なのか良く分かんなくて戸惑ってはいたけど、その手があった!」
ヘッドフォンちゃん「だったら、私達も!」
ニットキャップちゃん「いっくよー!!」
そして他の3人も、黒い物体への攻撃を始める。
ゴーグルくん「何か沼に落ちたー!!」
メガネくん「うおおおおい!!」
ナミコさん「と、とにかく、私達は避難した方が良いよな――」
ノダミキ「でもあの人、私達も戦えみたいな感じで言って無かった?」
トモカネ「……言ってたよなぁ。」
キョージュ「言ってたな。」
キサラギ「言ってましたね。」
ブルーチームが応戦する中、キサラギ達は流石に戦闘キャラではない故避難しようとはする。
阿求「ほら!貴方達もぼーっとしてないで!」
が、阿求に手伝ってと言われる。
ナミコさん「いやいやいやいや!?私達そんな戦闘キャラとかそう言うのじゃ――」
阿求「そうじゃなくてもなんとかできる術があるの!!説明する暇がないから、とにかくノリと勢いで、なんとかなれ的な感じでやれば良いの!!」
ノダミキ「うわぁ、ものの見事に大雑把だよ説明が」
その時、キサラギの背後に黒い物体が奇襲。
キサラギ「ひゃっ!?」
トモカネ「げっ、キサラギ!!」
……その瞬間だった。強い光がキサラギを包み、黒い物体を弾いた。
そしてキサラギの衣装がファンタジーを想起させるものへと変化し、そうりょの武器が顕現していた。
キサラギ「い、今のは……え、え!?どうなってるんですか!?」
自分の姿を見て少し驚くキサラギ。それを見て4人も驚く。
ノダミキ「何コレ何コレ!?どうやったのキサラギちゃん!?」
キサラギ「よ、よく分からないですが……何でしょう、危機管理……?」
キサラギ本人は困惑気味である。
阿求「貴方達もやってみて!とにかく念じてみて、ナラティブを起動させるの!」
阿求は、4人にとにかくやってみるよう促す。
キョージュ「……どういう原理かは分からないが、やってみるしかないだろうな。」
ナミコさん「ああもうやるっきゃないのか!とにかく何か、こう……」
一方の鈴夜達。
さとり「……どうしますか?こうなったらここは阿求さんに任せて……」
鈴夜「……いや、まず黒い物体を全部片づけた方が良いかも。そもそも数が多いし、それに……
……多分、近づいてきてるよ。アイツ。」
さとりは竜巻が現れた方向に向かうか聞くが、鈴夜は何かを察して、引き続き黒い物体を倒すのを優先するようだ。
センリツ「とにかく手短に片づけてよ!今回私役に立てる場所限られるし!」
鈴夜「無論だよ!!」
センリツはサポートに入りつつ、鈴夜達は黒い物体と交戦するのだった。
続く。次回、最終ミッション発令(予定)
- Re: UW逃走中03~GAハイカラ☆アーティスト~ ( No.69 )
- 日時: 2024/06/30 23:16
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: wXN0Dq0s)
その頃、彩井学園やハイカラスクエアでは……
黒い物体「キシャァァァァァ!!」
黒い物体「キカカカッ!!」
黒い物体「ウケケケケッ!!」
謎の黒い物体が、大量発生していた。
苺香「ひゃあああ!?黒い変なものがどんどん出て来てます!!」
マルクト「ここまで来ると、あの黒い柱とやっぱり関係があるように見えるけど……!!」
ライダーくん「チィッ!!次から次へと出て来てキリがねぇ!!」
ハチ「うかつに動いても消耗するだけじゃないか……!!」
黒い物体「ケカカカカ「ジャキィィン!!」
すると、黒い物体のいくつかが横方向から切り刻まれる。
さらに、波動弾が飛んできてそれが何体かの黒い物体が撃破される。
ローラン「よお、色々聞きたいけどまず状況は良くないみたいだな。」
ルカリオ「何だあの嫌になる感覚は……怒りや悲しみをやたらめったらに混ぜたような感情だ……!!」
マルクト「ローラン、ルカリオ!?」
苺香「い、いつの間に来たんですか!?」
ローラン「段々状況が変わって来たから、一旦出されたんだ。こっちも本格的に動くって事だな。」
ライダーくん「お前らは……味方って事で良いな?」
ルカリオ「そう受け取ってくれて構わない。……とにかく、まずはあの黒い物体だ。
どうやらここは学園のようだ。そこの人間に被害が行くとマズい。」
ハチ「はい!」
*****
《逃走中運営用地下施設》
おろさん「思ったよりも黒い物体が湧いてきてるな……」
ナギ「……この流れだと、最終ミッションを出すつもりか?」
おろさん「ああ。……ただ、ただ黒い物体を倒すだけで終わるモノじゃなさそうだから捻った方が良いんだが……」
ハヤテ「今までみたいな討伐ミッションとは違った形にする必要があるって事ですね。」
おろさん「ああ、そういう事なんだが……
……そうだな……こういう時はこういう感じで行った方が良いかもしれん……」
そして、モニターのスイッチを押して……
おろさん「最終ミッション、発令だ。」
*****
エリア内……正確には『デカ・タワー』と言う巨大なビルの付近に、装置が1つ設置された!
残り時間【20:01】
プルルルル……
永久「このタイミングでメールとなれば……」
穂乃花「『最終ミッション発動』……ついに来ちゃった!」
フェーリ「『既にご存じだろうが、エリア内に大量の黒い物体が出現した。黒い物体は逃走者を含めた誰かしらを見つけ次第、奇声を上げてハンターに位置を知らせるだろう。』……思ったよりも面倒ね……」
天子「『全ての黒い物体を止めるには、デカ・タワーに設置された装置を起動させる必要がある』、か……む、続きがあるな。」
ブラック「『なお、自分の力の使用や、一旦解放中の確保者、現地のインクリング達に協力してもらって黒い物体を倒すことも可能だが、数が多い故にそれによるミッションクリアは推奨出来ないので注意してくれ』……確かに異様な数ですし、その装置を起動させたほうが良いのでしょう。」
フィリップ「逃走者は翔太郎を残り含めて6人だから、下手をすると10分より前にゲームが終わる事になるね。」
翔太郎「このタイミングでかなり厳しいミッションを出して来たな……」
↑さっきまでの黒い物体を追っ払って場所変えた2名
LAST MISSION
装置を起動させ、黒い物体をすべて撃破せよ!
エリア内を徘徊する大量の黒い物体。付近を通る者を見つけ次第、逃走者でなくとも奇声を上げ始める。しかし逃走者にとっては通報部隊も当然だ。
攻撃による撃破も可能だが、全てを一気に撃破するためには、デカ・タワーにある装置を起動させなければならない!!
現在逃走者は6名!この状況で、黒い物体を全て撃破できるのか!?
残り時間【18:58】
逃走者 残り6名
アイテム状況
ブラック コイン20枚 スプラッシュボム
比那名居天子 網鉄砲
他:コイン20枚
- Re: UW逃走中03~GAハイカラ☆アーティスト~ ( No.70 )
- 日時: 2024/07/03 19:10
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: wXN0Dq0s)
残り時間【18:55】
永久「しかし、また装置か。居場所が記されている分まだいいとして、簡単に話は進まないだろうな。」
黒い物体「キシャァァァァァ!!!」
天子「む、早速現れたか……だが!!」
黒い物体と邂逅した天子。要石を活用した弾幕で、難なく撃破。だが……
黒い物体「キキキキキ!!!」
黒い物体「ア”ア”ア”!!!」
天子「くっ!確かに数が多すぎるな……!!」
やむを得ず撤退しようとする天子。しかし近くに……
ハンターD「……」
ハンターが迫る……!!
天子「……うおっ!!ハンターと鉢合わせか!!」
ハンターD「……!!!」
見つかった……!!
天子「チッ……もう少し後に取っておきたかったが、仕方ない!!」
ハンターD「!!!」
網鉄砲を使用し、命中。ハンターを拘束する!!
天子「よし、このまま距離を――」
ハンターA「……」
ポンッ
比那名居天子 確保 残り5名
もう1体、いた……
天子「……よりにもよってそうなるのか……」
プルルルル……
ブラック「おやおや、ここで比那名居天子さんの確保……少々厳しくなって来ましたねぇ。」
*****
F.Z「オウオウオウ、こっそりあの黒い柱ン中に入ってみたら、面白い事になってんなァ」
……鈴夜が飛ばされている、奇妙な空間。どさくさに紛れてこの場所に来たF.ZとF.Y。
F.Z「……どーやら、あの竜巻みたいのがある場所にF.Eがいるっぽいなァ。となりゃ、目当てのモンを見つけたワケだ。だったらとっとと――」
正邪「おっと、悪いがそうはいかねぇぜ?」
すぐに竜巻の場所へ向かおうとしたF.Z。そこに現れたのは、正邪だった。
F.Z「何だァ?テメェ……いや、確かF.Fの言ってた鬼人正邪だったかァ?」
正邪「知ってるなら話は早い。……分かってるだろうが、お前の邪魔をしに来たよ。」
……そう言って、正邪は弾幕で攻撃を仕掛けようとする。
F.Z「おおっと、今派手に暴れるわけにはいかねェんだよなァ……あっちでドス黒いのと戦ってる連中にバレちまう。
……っと、そんな時のために、ドクター・ベノディアから試作品を借りたんだったなァ!」
するとF.Zは、奇妙な小型機械を掲げる。そしたら周囲が光に包まれる。
……正邪とF.Z(そしてF.Y)は、コロシアムのような場所に転移された。
正邪「ここは……前に似たような場所に来たことあったな。」
正邪から少し離れた場所に、F.Zが向かい合うようにいる。
F.Z「ここは強制デュエマフィールド……ここに来ちまったら、デュエマで決着をつけなければならねェ。当然それ以外の武力行使は禁止されているぜェ?」
ニヤニヤしながら、F.Zはこの場所の説明をする。
正邪「なーるほど。要はデュエマの強さですべてを決めるわけだ。
悪く言えば、正攻法じゃ勝てないから、楽な方に逃げる……
……けど逆に言えば、どんだけ面倒な事でも、デュエマで白黒つけられるって事でもあるな。」
対して正邪は、色々察した上でデッキを取り出し、勝負を申し込む。
正邪「それなら話は早いな。……こう見えてデュエマは得意なんだ。さっさと片付けようじゃないか!」
F.Zも、デュエマのデッキを取り出す。
F.Z「物分かりがよくてそれはそれで助かるぜ。
……F.Fに貰ったデッキだが……コイツで軽ーくひねりつぶしてやるぜェェェ!!」
残り時間【15:23】
逃走者 残り5名
アイテム状況
ブラック コイン20枚 スプラッシュボム
他:コイン20枚