二次創作小説(新・総合)
- プロローグ ( No.1 )
- 日時: 2024/07/27 16:27
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: wXN0Dq0s)
という事で、新章制作して早速プロローグと行かせていただきます。書きたかったことがこれからどんどんできるよやった(ry
それでは、どうぞ。
最近、変な夢を見る。……いや、元々私が見る夢はかなり特殊なもの、ではあるのだけれど、これに関しては勝手が何もかも違う。
そこには、見た事のないような人達が沢山いて、奇妙な怪人や悪の組織みたいな人達と戦っている夢。その中には私と蓮子もいて、不思議な力を使って『変身』する……そんな内容だ。
他人から見れば、それは普通の夢と言えばそうなのだろう。
だけど、その夢を毎日見る上に、今の今まで『夢』という形で『幻想郷』に迷い込んで来た私にとっては明らかにおかしい異変だった。
もちろんその事を蓮子に話した。蓮子はそれを聞いて興味を示したり、何故その夢を見るようになったとか、色々考えてくれた。けれど、何も変わらないまま、時が経ち続けた。
とあるカフェテリアにて。
「それで、昨日の夢はどうだった?」
「やっぱり同じ。相も変わらずアニメみたいな夢よ。」
この日。『宇佐見蓮子』は、友人『マエリベリー・ハーン』こと『メリー』に先日見た夢の事を聞いてみていた。メリーは眠っていると幻想郷に迷い込んでしまうのだが、何故か最近は完全に内容ががらりと変わっているらしい。
曰く、場所も幻想郷じゃなくて完全に風景は都会だし、夢の中に蓮子はいるし自分も自然と言葉を発しているしで、まあ普通に考えればただの夢である。
ただ、メリーはここ最近そういった内容の夢を、夢の中で出てきた台詞を一字一句正確に話せるレベルで見ていた。
「うーん……ここまで行くともうわけが分からないわね……予知夢の可能性はあるんだけど……」
むむむと頭を悩ませる蓮子。
「言い出しっぺの私が言うのもなんだけど、別にそこまで問題はないと思うわよ?『秘封倶楽部』としての活動自体は一応出来るし。」
「そうだけど気にならないの?少なくとも普通に寝る時に毎度同じ夢を見るんだよ?」
「それは、まあ……」
メリーは口をとがらせて、ちょっと悩む。
宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーン。彼女たちはオカルトサークル『秘封倶楽部』を結成しており、幻想郷や冥界を覗き見たりの活動を行っている。
メリーが最近見る夢は、秘封倶楽部の活動自体に支障はないらしいが、それでも何度も何度も同じ内容の夢を見る故に蓮子はその理由を解明したいのだ。
「んー……こういう時って、何か理由があってそうなってるハズなんだけど……ねぇメリー、最近変化があった事って何かある?」
「変化……別にそんなのは……
……変化と言えば、最近岡崎教授の様子がちょっと変な気もするけど……」
蓮子に尋ねられると、そう言えばと思い出すメリー。
「岡崎教授?……あー、そう言えば急に何か隠してそうな感じはするわね。」
2人の言う『岡崎教授』というのは、『岡崎夢美』の事だ。どうやら、秘封倶楽部の顧問の模様。大学では、別世界の説を説いている……らしい。
何やら様子がおかしいらしく、ある日突然何かを隠しているように見えるようになったという。
「そう言えばではあるけど、それと関係あるのかなぁ……」
流石にどうなのかと言う蓮子。言い出したメリーもちょっと悩む。
「とりあえずこの話題を考え続けるのもあれだし、一旦話題切り替えましょう。」
「うーん……それもそっか。あ、それならさ、もうすぐ発売されるフルダイブゲームで面白そうな話題を聞いたんだ。
……噂によるとそのゲームに、突然意思を持った色んなゲームキャラクターが現れたらしいんだけど――」
とりあえず一旦話題を変えて、蓮子がその話題を話そうとした時だった。
突然、ビルが1つ爆散した。お金持ちが住むような、大きなマンション。それが一気に粉々になったのだ。
「えっ……ええっ!!?な、何!?まさか新手のテロとか!?」
それを見て、蓮子達を含めた市民らが慌てたり、叫んだりで大騒ぎになる。しかし、それだけじゃなかった。
爆散したビルの中から、見たこともない巨大な何かが現れたのだ。
そして、市民は逃げまどい、街は大混乱に。
「テロじゃなくて、何かゴジラみたいな怪獣が出て来たんだけど!!?」
「良く分からないけど、これはちょっと洒落になってない!私達も逃げようメリー!!」
蓮子がメリーの手を引っ張って、とにかくこの場を離れようとする。
「エン、ジン、ゼン、カイ!!GO-ON!!」
その怪物が突然声を発したかと思えば、2人が向かう方向が排気ガスで覆われる。
「なんだ!?この煙……」
「ま、まさか排気ガス!?何で今時そんなものが――」
「う、うっ、何だか体が……」
排気ガスをもろに浴びた人々は倒れ込む。
「アートニッ、アートニナレッ!!!」
その怪人の右腕は、まるで絵筆。その絵筆が、排気ガスを吸った人々を吸収していく。その後、絵具をまた別のビルに飛ばしたと思えば、そのビルも爆散した。
「う、うそでしょ!!?というかどういう仕組みなの!!?」
現実離れした光景を見て慌てる半分興味を示す蓮子。……しかし2人も2人でかなりマズい状況。排気ガスに囲まれたせいで逃げられないのだ。
「蓮子……」
蓮子が握った手を、メリーはより一層強く握る。怖いのだ。何気ない日常が突然と崩壊し始めている事を含めて。
*****
「さあ。大人しく『ギア』を全て渡せ。」
怪物の足元。そこにいる学者と思しき人物は追い込まれていた。住宅地の屋根上に立ってその人物を見下ろしているものが1人。見た目は完全に棒人間だ。
「悲しいねぇ、ドクター・エビテン……いいえ、蛯名君。まさか私の研究がこういう形で利用されるなんて……」
「黙れ『岡崎夢美』。私とドクター・ベノディアにとっては、お前の研究など、所詮俺達の『願い』のための手段でしかないんだよ。」
その学者の女性『岡崎夢美』に対して、『ドクター・エビテン』はそう吐き捨てる。
「まあいい、素直に渡す気が無いのであれば、やるしかあるまい。やれ。『日炎電融 ユノジンオー』……いや、『日炎獣』!!」
「オオオオオオオ!!!」
ドクター・エビテンが命令すると、『日炎獣』と呼ばれたその怪人が岡崎に迫る。
「参ったなぁ、ディスペクターのEXライフの機能がこんな形でねぇ……出し惜しみせずに使えばよかったよ。コレ。」
岡崎は、1つのドライバーを取り出し、見つめる。
「はぁ……この手段、出来れば使いたくなかったんだけど。」
すると岡崎は、ギアをいくつか取り出し、ドライバーに読み込ませ、付属の銃にセットする。
【スキャニング『ディアルガ』『パルキア』『逆行時計』『エリーゼ』『デモンベイン』『グレンラガン』『∀ガンダム』クロスエイション】
「まさか別の場所に無理やり逃げる気か!!そうは行かない!!」
ドクター・エビテンは銃を向け、岡崎の方へ当てようとする。
「残念、大外れ!!」
銃弾を避け、そして自身が持つ銃のトリガーを引いた瞬間だった。『ディアルガ』の時間操作、『パルキア』の空間操作、『逆行時計』の巻き戻し、『エリーゼ』のリザレクション、『デモンベイン』のシャイニング・トラペゾヘドロン、『グレンラガン』のギガドリルブレイク、『∀ガンダム』の月光蝶……これらを、一気に発動させる。
そしたら大きなギアのような、ゲートが出来上がる。
*****
「こ、今度は何アレ……大きな、歯車……?」
「れ、蓮子、アレ何か私達の方向に向いている気がするんだけど……」
大きな歯車のようなものは、蓮子とメリーの視界にも映る。よく見てみると。メリーの言う通りこちらを向いているように見える。
そして、扉のように真ん中部分が開いていく。それと同時に、それは……蓮子とメリーを吸い込み始める。
「ちゆり君やあの子達には悪いけど、私は一旦ここまでだね。」
そして同じタイミングで、岡崎が持っていたギアが全て、その大きなギアのゲートに吸い込まれていく。
「なっ……ば、馬鹿!!やめろ!!そもそも、時間や空間を操作するものを含めたあれだけの強力なギアの力を一気に使ったら――」
思いっきり取り乱すエビテン。だが岡崎に迷いはない。
「悪いけど、君達の思い通りにさせるわけにもいかないからね。ギアが欲しければ自力で回収することだよ。」
そして、岡崎……それどころか、街中がパズルのピースのように分解されていく。ついでに怪人も、その中に吸い込まれた。
「じゃあ、後は任せたよ。」
そう言い残して、岡崎の姿は消えていった。
「くそっ……!!」
エビテンは、急いで撤退していった。
「だ、だめっ、吸い込まれるっ……」
「話したらダメ!!どうにか耐えるのよメリー!!
……あ、ゴメン私が駄目だ」
「ええええ!?」
そして、(吸い込まれないように頑張ってたようだが)蓮子とメリーもまた、そのまま吸い込まれていった。
「うわあああああああああああああああっ!!!」
2人の手は、離れることは無かった。吸い込まれたりした時の風圧にも負けず、離すまいと強く握っていた。
『ようこそ、『時空』へ。』
この瞬間、この出来事が起こった時。私達『秘封倶楽部』の新たな冒険が、始まる事になる。