二次創作小説(新・総合)

Chapter ⬛︎ もう1つの____ ( No.1 )
日時: 2024/08/19 15:45
名前: kuzan (ID: viAVUXrt)

その部屋は、カーテンが締め切られており、光の差し込まない、完全に暗闇の世界。
その部屋の隅に無機質なPCデスクとまるで唯一その世界の光かのように煌々と輝く青白いモニター。
その前には黒いゲーミングチェアに座るパーカーを被った人物がモニターを凝視していた。
だが……

「あーあ!ツマンナイ!」

その人物がそう叫び、ゲーミングチェアの背もたれに自らの背を勢いよく付けると、頬をふくらませて不貞腐れる。

「ハッピーエンドなんてツマンナイツマンナイ〜!
⬛︎だったらもーっと上手くできるのに〜!」

そのまま手足をバタバタする様子は、さながら子供のようで、とても容姿とはかけ離れている。

「…そうだ!いいこと思いついた!」

その人物がピタリと動きを止めたかと思えば、勢いよく起き上がり、キーボードを凄い速度で叩き始める。

「希望なんて生ぬるいよ…!
この世界には真の絶望が必要…!⬛︎がなってみせる!やり遂げてみせる!
真の超高校級の絶望に!」

その人物がタン、と勢いよくEnterキーを叩き、モニターを再び凝視する。
PowerPointで作ったなにかの企画書だろうか。
色鮮やかだが、分かりやすくまとめられており、作った張本人も満足気に首を縦に動かす。

そのPowerPointの1ページ目には、こう刻まれていた。

『もうひとつの絶望学園』と。