二次創作小説(新・総合)
- Re: マリオブラザーズの冒険譚 ( No.100 )
- 日時: 2024/12/04 08:25
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
第26話「さよなら、レオナ 後編」
【空中スタジアム】
・大魔道士視点
「何故だ…。何もかも上手く行く筈だったのに……」
「お前もそこそこ気付いている筈だ、ゼバロよ!」
「な………、に………?!」
「これが。人間と仲間たちの絆の力だ!!」
1級魔法使いにして、フリーレンと同じエルフである最高司令官・ゼーリエ。
中々表舞台に出ないと思ってはいたが、レオナのピンチを察して…此処まで来てくれた気がする。
フリーレンとフェルンのゾルトラークが…ヒュンケルのグランドクルスがゼバロその物に直撃し、闘いは無事に終わった。
しかし、本当にピンチなのはレオナの方だ。
彼女が放った召喚獣シヴァも悲しい顔をしつつ、新たな主であるフリーレンの中に入っていく。
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「レオナ姫……、嘘でしょ?!」
「…。ゼーリエ、この先からは何となくだけど。2人にした方がいいかもしれない気がするんだ……」
「それもそうだな。さあお前たちも一旦下がれ、今回ばかりはフリーレンの意志を尊重しよう……」
ありがとうよ……、皆。
こんな時に済まねぇけど、貴重な2人の時間を過ごしたいんだ。
レオナが回復するとも考えたくないまま、おれはレオナを抱き締めたまま回復呪文・ベホマを繰り出し続ける。
ほんの少しでいいんだ、皆が作ってくれた大切な時間を大事にしたい……。
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『ギュッ……』
「ポップ……君……?」
「久々だよな。レオナにそう呼ばれるのは…」
「確かに……。『かつての大戦争』以来の……呼び方になるわね……」
「ああ……。なあレオナ……、バランの野郎との闘い……覚えてるか?」
「当たり前でしょ? あの頃あたしは自覚したわ……、あたしにもっと力……あったら。キミを……ポップ君を再び……『この世』へ取り戻せた……かもしれない………」
「………。レオナ………?」
「ごめんポップ君……。何だか……、あたし……眠くなって……来ちゃったわ……」
「やめろよ……、急に寂しい事言うな……」
「あのね。最後に1つだけ……、お願いがあるの……」
「……。分かってるよレオナ、このおれがちゃ〜んと両目を塞いでやらあ!!」
「ふふっ……。あたしの最初で最後のわがまま……、聞いてくれて……嬉しい……わ……」
「…………。待ってろよレオナ、全てが片付いたら……迎えに行ってやらあ!!」
「ええっ。キミと……ティナたちが来る日を……、遠くから……待っているわ……」
この瞬間から分かっていたんだ、俺には。
幾ら回復呪文やケアル系を繰り出しても、レオナは助からない事に薄々感じていたんだ。
レオナは光になる寸前におれに持てる力を引き継いで行き、彼女はそのまま…更なる先へ旅立って行ったんだ。
レオナ……アンタの中にある『正義』の印……、上手く扱えるように頑張るわ……。
その場の空気を読んでいたのか、更に遅れて駆け付けて来たビアンカがリレミトを唱える。
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【空艦バトシエ 艦内】
「ごめん。暫く……、1人になるわ……」
「分かった。私たちはいつまでも待っているよ、ポップ」
「………?」
「私たちは信じてるよ。私たちの見て来た大魔道士ポップならきっと、この先の闘いでも導いてくれると……」
「……。ありがとうよフリーレン、今回ばかりは餞別だ。来いっ、ピカチュウ!」
「ポップ……、うんっ!!」
「大丈夫……、なんでしょうか? フリーレン様」
(BGM設定:FF9より独りじゃない)
「確かに。ポップが静かに泣きたいのも無理はないけど、私たちにとってはこれは…彼女のくれた光になるからね」
「そうだな。私にもそう感じるぞ、フリーレン」
「ゼーリエ……」
「これはフリーレンの言うように、私たちが更なる戦いへ進む為の道標だ!」
「要するに。後は未だに戻って来ない3人もあいつと同じように帰って来れば、反撃のチャンスを作る事が出来る…か……」
「そうだね。これは残された私たちにしか出来ない大切な役割だ。後はポップの体調が良くなり次第、次なる作戦を皆で立てよう」
今頃ポップはルイーダの酒場の中で、静かに泣き崩れている筈だ。
あの時はマリオもかなり落ち込んでいたけど、ゼーリエが設けてくれた時間の内に数秒間の内ですぐに立ち直ってしまったからね。
しかし、ポップには『それ以上』のダメージが取り残されている。
それは恐らく……、異空神・ゼバロに支配された心のダメージが通常のダメージより更に深いからだ。
このまま暫くは彼自身の治療用として1日を使い、私たちも各自で羽根を休めた方がいいかも知れないからね。
27話に続きます。