二次創作小説(新・総合)
- Re: オイクメネ -οἰκουμένη- ( No.1 )
- 日時: 2024/11/13 21:39
- 名前: 日影@hikage (ID: X4YiGJ8J)
第一章エピローグ
最近、何故かどこかから視線を感じる。
不思議なものだ。
人は噂されるとくしゃみをすると言うけれどそれと同じ事だろうか。
この話はもう何年も前の話だ。
でもとても最近のように覚えている。
きっとあの御蔭だろう。
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「ねえねえ、知ってる?色々な怪異が集まる奇妙な家があるんだって」
「ほら、この家だよ」
「ほ、本当に入るつもり?
こんな、だれもいない廃屋に…」
「別に姉さんは入らなくてもいいんだってば。
俺だけが度胸試しをやってくれば、それでいいんだよ。
…玄関の鍵は開いてるって聞いたけど、本当か…?」
「ねぇ、やっぱり帰ろうよ…。
こんなの、良くないことだよ…」
「うるさいなぁ、もう!
だったらお前一人で帰れよ!
俺は入るからな…!」
ドアには鍵穴があり、ドアノブには「古」という文字が彫っていて、引きドアになっていた。
ドアノブに手を置き、そっと開ける。するとキィィーと音が鳴った。決していい音とは思えなかった。恐怖を引き立たせた。
「ふーん…。幽霊が出るって聞いたけど、見た感じは普通の家だな」
「……ねえ、直人」
「ん?何?」
「お姉ちゃん、ほんとは全部知ってるんだよ?
直人が中学のみんなにイジめられてるってこと。
そのせいでこんな肝試しを無理やりやらされてるってことも……」
「…………。」
「そんな奴らのいう事なんて聞く必要ないよ。
大丈夫。またイジめられそうになっても、お姉ちゃんが守って…」
「そうやって姉さんが俺の事をガキあつかいするせいで
みんなからイジめられるんだよ…!」
「えっ…え…?」
「いい加減にしろよ!
俺はもう中学生だぞ!
お前なんていなくても平気なんだよ!」
「…………」
「…………イジめの事については心配しなくてもいいよ。
今回の肝試しが終われば、みんなから認めてもらえるんだ」
「直人…」
「本当は一人だけでやるつもりだったけど、
この際だから姉さんにも手伝ってもらうか…。
俺はまず二階から探索してみるから、
姉さんは一階を調べてみてくれるか?」
「え…二人で捜索しない?
もし何かあった時危険かもしれないし…」
「まあ、そっちがいいならそうするか。
最初に1階を調べよう」